TVと映画の衣・食・住

TV

最近のTVってアップの画面が多いと思いませんか とくに料理・食べ物関係で顕著です 盛り付けも含めての料理ですから 飯粒が見えるほどの超どアップって汚らしいとまでは言いませんが……
まぁ盛り付けを云々するような料理でないということか 実際に盛り付けがいい加減になってきた気がします
映画と違って セット・大道具・小道具にそれほど時間も手もかけられないからでしょうか 尺をケチっているのか 同じカットを何度も使い回してるし ズームインとパンを多用するし たぶん画造りができないのですね(基本はFIXです)

それと どうして画面にやたらと文字を入れるんでしょう ハンディキャッパーのためという いいわけはあるだろうが 要するに画像だけで伝える技術がないからです
昔スーパーインポーズの文字がうるさいと言われ自粛したのですが 結局もとに戻ってしまった マクドナルドのTVCMにもアップのカット多用があったかもしれない(シズル感とかいってた時代です) そうすると文字をかぶせるのもCMの真似でしょうか

それにしても 一億総白痴化とか 子供の教育に悪いとか 俗悪番組とか言ってた言葉が懐かしい そういう言い方をするのは TVに影響力があると多くの人が認めていたからです
いまでも風説の流布という点では 影響力を保っているようです ひと頃のワイドショーほどではないと思いますが
個人のブログで料理の写真を投稿するのも たぶんTVの真似です 珍妙な言葉遣いも やはりTVからが多いと思います 「もっちりした刺身」とか「日本代表監督の初陣」なんて そうです 映画なんて 今やまったく影響力を持ちませんもの

昔からTVの制作は手探り状態でやってきたわけで 舞台中継みたいなものでした 初期のころは生放送が前提だったため 編集が最終的な演出という映画製作の常識は考慮されなかったのかも知れません
今のTV番組で食べ物関係だと「孤独のグルメ」の作り方はいいと思います 松重豊さんの食べる演技が絶妙だけれど 食べるのは本番だけなんですね 作り込まない表現として面白い 実際の店でロケしているし 巧まざる臨場感が出ています
ドキュメンタリータッチの わざとらしい演出では決して臨場感は表せません あのさりげなさは手堅い脚本と演出のなせる業です 描写と説明の違いフィクションのリアリティーを心得ていると思う

映画

映画とくに時代劇に学んだことは多いですね 「徳川幕府」なんて言葉は教科書で初めて見ました 映画の世界では「ご公儀」が当たり前でした TVでも初期のころはちゃんと「公儀隠密」でしたけど 江戸湾とか江戸城という台詞もなかったと思う
今でも太秦で松竹あたりが頑張ってます でもTVの仕事しかないんでしょう 昔の映画はどうだったか よく覚えていないのですが TV時代劇を見ていてちょっと気になることがあります それは箱枕の使い方です

母方の祖父母の家(つまり母の実家)に箱枕と搔巻がありました 面白がって使っていたところ 祖母に箱枕は敷布団の外に出すものだと言われました それも頭ではなく首筋(盆の窪辺り)へ当てるのです 髷を結ったままですから(祖母は看護婦だったので 日本髪ではありません)
たしかに布団の上では安定しないし それに高すぎます 畳の上に置くと足の下部が弧を描いていて 寝返りも打ちやすいのです(正確には、これは船底枕というらしい)
ただそうして寝ると 肩の辺りがすーすーと涼しくていけません そこで掛け布団ではなく 搔巻が都合いいわけです 肩口を覆いますから風が入り込まない

昔の映画で箱枕のシーンを見た記憶がないのは 庶民の寝姿はあまり絵にならないからですね お殿様は箱枕ではなく 括り枕を使っていたように思います それと掛け布団も使っていました
お姫様や奥方様は髷を結ったまま寝ることはないだろうし これも見たことはないのですが たぶん髷を解いて紙で巻いたのでは たしか宮中賢所の内侍がそのようにして寝むと聞きましたから

一般庶民は先にも言いましたように掻巻きです 掛け布団を使うのはよほど裕福な商家などです 裏長屋に住んでいる人たちになると 布団を持っているのはいい方です それも二つ折りにして いわゆる柏餅で寝ていたようです この寝方では当然 枕は布団の外になります(箱枕を使っていたかどうかは分からない)
冬はそれだけでは寒いから 綿入れを着込みます 春になって気候が和らぐと 冬の間に着ていた綿入れから綿を抜いて袷にします その綿を質草として預け 代わりに蚊帳(紙帳)を請け出すといった具合です