シナリオ

ハコ書きというものがあります シナリオ作成時のプロットです 大小の四角い枠を作って書き込むので箱書きといいます
聞いたところによると シナリオスクールでは このハコ書きを重視するみたいです

このごろのTVドラマを見ると 整合性・辻褄合わせに捕らわれている気がします 何というか芯が通ってない感じ
シナリオとか書いたことはないので 偉そうなこといえませんが プロットを作り込みすぎてるんじゃないでしょうか

ストーリーも大事ですが 人物像を描き出し大団円に向かって エピソードが集約されていくのが ドラマ作りかと思います

1954年製作のアメリカ映画「スタア誕生」で 主人公は”エスター・ブロジェット””ヴィッキー・レスター””ミセス.ノーマン・メイン”と名前が変わります ストーリーの展開に伴って本名・芸名・通称名と変わるのですが 最後にノーマン・メイン夫人と自ら名乗るシーンに この映画のひとつのテーマがあります

映画作りは脚本(ホン)が第一で いいホンが書けなければ いい映画は作れません 日本の脚本家は だいたい映画会社に所属するのが普通でした
脚本専業は少なかったと思います 野田高梧さんでも小津監督と一緒に脚本を書くときは ゼームス槇名義になったんではなかったか

ハリウッドは今でもシナリオが重視されると聞きます 小説家の収入も本を売って印税というより 映画化権の方がメインになるようで 優れた書き手による原作が多い

映画化されるには シナリオがプロデューサーに認められないといけません プロデューサーが自分で手がけたり シナリオを書いた人が自分でプロデュースすることもあります
ハリウッドは完全に分業制で スクリーンプレイも共同作業になり 特定のライターが名前で受注するのはあまり聞かない

英語をしゃべれないので ハリウッドの台詞に関しては全く分かりません
日本のTVドラマをみていると 少し古い時代設定で手を支〈つか〉えて辞儀をしている相手に対して 「お手をお上げください」ではなく「頭を上げて」なんて台詞を言わせています 「これ頭が高い」「面を上げい」みたいなシーンでは どんな台詞になるんだろう

不祥事を起こした企業の記者会見などで 並んで頭を下げるパフォーマンスの影響を受けたのだろうか 頭を垂れる(こうべをたれる)とか項垂れる(うなだれる)と一緒くたにしてるのかもしれない
NHKの番組「私の秘密」冒頭で 藤浦洸が手を支えて辞儀をしていたように記憶します 氏の見識でありましょう 頭を下げるのは会釈 ご婦人なら小腰をかがめるところ

会釈・敬礼・最敬礼なんていいますが 敬礼は軍隊で始まったんじゃないでしょうか 制帽をかぶっているときは挙手の礼 無帽の時は腰を折り曲げて礼をします 頭を下げるんじゃない この時も両手はズボンの縫い目に当てなくてはなりません 手を前に組んで頭を下げたら商人の挨拶になります
日本で映画が作られなくなって久しく TVの仕事しかやったことがないライターばかりになりました 「ご公儀」や「千代田のお城」でなく「幕府」「江戸城」といった台詞は もう当たり前になってしまいました

吉右衛門主演の鬼平犯科帳が終了しました 池波正太郎が認めたほど 小説の長谷川平蔵を体現していました ただ長編スペシャルは いろんな話の寄せ集めだったりするので ちょっと構成に難が見えます やはりホンが書けなくなっているのか
吉右衛門の衰えはやむ終えないとして 画作りでもキャメラワーク・照明など とても活動屋の仕事とは思えません 間延びした平板な締りのない画面 焦点の合わない退屈なシーンが延々と続く そして唐突にエンディング・テーマへとつなげる
TVシリーズでは エンディングへのカットつなぎに意を注いでいました 編集の妙というか見事なタイミングでした あの最後のカットにドラマのすべてが集約されるのです