ブランディングの観点・方法

ブランドは 一言でいえば信頼感です 信用力とはちょっと違う
信用力というと 会社の規模や売上高 財務内容・資産などが基準になります 数字に表せる指標なので分かりやすい
信頼感を築くには どうするべきでしょう 思い浮かぶのが「のれん」ですね 歴史と伝統が「のれん」を作ります でものれんや老舗はブランドとは少し違う気がします

コートの老舗三陽商会が 売上の低迷を挽回するということで 新しいコートを作ったそうです その名は「百年コート」です ブランディングの観点から見たら そうとう見当外れなネーミングです
山陽商会の売上が落ちたのは バーバリーとのライセンス契約が切れたためです バーバリーのブランドで売れていたということに気付いてないのでしょうか
たしかに山陽商会が作るコートの素材・縫製品質は素晴らしいものでしょう でも品質だけで売れていたわけじゃない 百年持つ品質がそのままブランディングにはならないのです

木村屋總本店がスーパー向けに新しいパンを作りました 「ブリオッシュ風クリームパン」です 特徴はバターをふんだんに使った生地 卵とミルクの風味豊かなクリームにあります パッケージにはイーストフード・乳化剤・マーガリン・ショートニング不使用と書いています ネーミングもなってませんし パッケージもだめです これでは特徴が何も伝わってこない
副社長が言うには 木村屋總本店は“あんぱん”のイメージが強すぎるのが邪魔しているから 斬新な新商品を作ったとのこと その割にはスーパーの売り場にデカデカと木村屋總本店のロゴが書いてありました 何を考えているのだろう それなら新しい商品ラインで売るべきじゃないですか

共にその業界では老舗中の老舗です 信用力も充分ある しかし両社ともブランドの重要性を全くわかっていない
企業の歴史・伝統は物語にほかなりません ただの年月・沿革ではない むろん商品にも物語が必要です ストーリーテリングが すなわちブランディングなのです 品質が良いだけでブランドは作れません

企業のストーリーとは創業者の信念であり もの作りあるいは販売そしてサービスの 理念・あり方への思いです そして経営者のみならず社員全員が 会社のあり方仕事の進め方を自覚し体現することが ブランディングに重要です
すなわちブランディングとは 自らを省みることです 他との競争や差別化ではない 競合他社を意識している限りブランディングは成り立ちません

社内文化においては のれんに寄りかかっているとか 老舗の伝統に胡座をかいているという意識は持っていないはずです でも自らを省みる意識が欠けているかもしれません 社員が意識しないで外部に伝わるわけがない
ブランディングは内部施策であるともいえます 時代に応じた新商品といえど伝統に根ざしたものでなくてはならない 作られるストーリーを お客様も共有・共感することで信頼感に通じ ブランドが形成されるのです

せっかくの歴史・伝統(のれん)をブランディング()に活かすことができていない とくに社内コミュニケーション 客への情報発信をおろそかにしていると見ます
マーケティングの4Pは不変の原理・原則です すべての施策に整合性がなければならない