眠りについて、心と身体

眠りの生理は身心を休めるためというより 主に身体と脳の調整作用です
眠りにはレム睡眠とノンレム睡眠があり交互に現れます ノンレム睡眠の時は さかんに寝返りを打ち身体を動かします レム睡眠時は 身体が弛緩してほとんど動きません そのかわり脳が活発に働き夢を見ます

人間に限らず動物は起きている間活動します しかし身体を平均して使うわけではありません 生きるための活動ですから 偏った動きや無理な姿勢をとることが多いのです
動物に睡眠が必要なのは 寝ている間に 使いすぎた部分を休め あまり使わないところを動かして調整するためです つまり身心のストレス(偏り)を緩和し バランスをとるのが睡眠のメカニズムです

ノンレム睡眠時に身体を動かし筋肉や関節の偏りを調整し レム睡眠時は夢という形で脳の記憶(精神活動)を整理します 人間以外の動物はレム睡眠とノンレム睡眠の差が少なく 中にはほとんどノンレム睡眠だけの種もあるようです
他の動物に比べ 人は2足歩行という きわめて不自然でアンバランスな状態で活動します また大脳が発達した結果 よけいな感情や過剰な思い過ごしにとらわれることにもなります

人間が他の動物より睡眠時間が長く 眠りの深さも必要で夢をよく見るのは このような理由があります 無駄な動きが多く感情に支配されているともいえます。
眠りが浅いと疲れがとれず 身心のストレスは深まります 眠りは休息でないため寝溜めはできず 規則的な睡眠が重要になります
睡眠障害が起きやすく ストレスが溜まり自律神経失調症になるのは 人間の宿命なのでしょうか

夢は記憶の断片化整理なので 意味を見いだす必要はありません ザッピングしているだけで 別に深層心理を表すわけじゃない ただ 病気になる前に同じ夢を見たりと 身体の状態に左右されます 記憶を整理できず そのまま溜め込むサヴァン症候群もあります
また寝相もそのときの身体の状態を表し 特定の病気の際は同一の寝相になることがあります よく見る夢があるように 朝起きたときの寝相も人によりほぼ一定です

眠りの大切さ

あと寝汗というものがあります これはよく誤解されますが 寝ている間にぐっしょりと汗をかくことではありません
汗はかいても玉の汗ではなく すべて蒸発します そして布団の外側が結露したように濡れるのです 病人が寝ていたあとの畳に黴が生えるほどです

人間は他の動物に比べ 睡眠時に体温の調整がうまくできません 羽毛に覆われていないからです 夜具が必要だったり寝冷えをするのはそのためです 
夜風は身体に毒だと 昔よりいい慣わされています 夏でも同じことで 睡眠時に身体に風を当ててはいけません
そのため 枕屏風というものが使われていました 実際に扇風機をかけたまま寝ていて 急激な体温低下で死亡した例があります

以上は野口晴哉の教えを 私なりに解釈したものです 医学的見地からも そう的外れではないと思います

心と身体の関係について 面白い言葉があります 野口晴哉は「身心」と書きます 普通は「心身」です
野口晴哉の教えでは 心(脳の活動)があって身体がそれに従うのでなく 身体の動きが心の働きを左右すると考えます つまり心因性の病気などないというのです

たとえば胃潰瘍の原因がストレスだといっても 気の持ちようでどうともなるというものではありません ままならない状況があって思うように事が運ばない 結果平穏でいられない 食も進まない消化機能も衰える 状況によって身体の動きが変わるから病気を引き起こすのです

専門家でないので理解が及ばないのかもしれませんが フロイトに始まる西洋の夢の解釈は精神を身体と切り離しているように思えます おそらくキリスト教の肉体と魂を別に見る教義に影響されているのでしょう 人間の精神活動をことさら神秘的で高尚なものと考えているのです