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タグ: ハウスリスト

通信販売

通信販売はアメリカで始まったといいます 最初はメールオーダーでした
西部開拓時代 人々が定着して各地に町ができます しかし生活物資の供給は追いつきません 流通は駅馬車で後に鉄道が引かれますが 町にあるのは小さな万屋1軒だけです
日用品をまかなえても 大型の農機具等はストックされていない そこで商店や駅にカタログを置き 注文書を郵送します(郵便物も駅馬車や列車で運び 駅で受け渡ししたのです) 注文した商品は小包で郵送されます

メールオーダーであり カタログ販売が通信販売の始まりだったのです やがて新聞・雑誌が普及すると広告で商品を売ることが行われます ただこの商品は顧客リストを作るのが目的です
その商品を売って利益を得るよりも 商品に満足した客にその他の商品カタログを届けるのです ですから広告料金等は販売促進の費用と考えます 商品カタログは出張店舗です(オーバー・ザ・カウンター)

他の業態でも同じなのですが 固定客・リピーターがもっとも大事な顧客です つまり会社のファンになっていただくのです 広告で売る商品はそのきっかけです ネームゲティングといいます
日本でも通販の広告は自社リストのためでした ところがTV広告で通販を始めると様相が変わってきます

TV通販

ある通販会社の新聞広告をやっていたことがあります この会社が試しにTV広告を打ったところ これが大変な反響でたちまち完売したそうです(ジャパネットたかた[01] … Continue readingより ずいぶん前の話です)
それに味を占めた会社はTV広告に軸足を移し 新聞広告の仕事はなくなってしまいました 一見客ばかりを相手にするようになった通販会社は その後あまり長く続かなかったようです

とはいえ今でも健康食品や化粧品等のTV通販は盛んです 衛星放送が始まり総体的な放送時間が増えたため 広告料金のダンピングで利用しやすくなったからです いまや雨後の竹の子のごとき状態を呈しています(なぜか圧倒的に九州が多い)
初回無料で売り上げを伸ばしたのは やはり九州の「ドモホルンリンクル」あたりでしたか 1回サンプルを取り寄せたら しつこく勧誘電話がかかります リピート客というより定期購入の継続販売を狙っています[02]格安のお試し価格でサンプルを取り寄せたつもりが いつの間にか定期購入に移行していた なんて事も悪質なところでは行われています

モラルリスク

反面で通信販売には「モラルリスク」というものがあります 料金後払いや代引払いの場合 商品が到着しても支払わなかったり 気が変わったといって返品したりする客が一定数いるのです
後払いの大半は後でと思いつつ うっかり忘れてしまう善意の遅れです この人たちは穏やかな督促で支払います 中には常習的に支払いが遅れる客もいます またクレームを付けて返品する客の中にも常習者がいます

1回の督促で支払う客は問題ありません しかし督促しても支払わない悪質な客に対しては 回収の費用と代金が引き合わないケースがあります 少額商品で遠隔地の客などです これをモラルリスクといい 商品の価格に最初から損金で上乗せします

以前主婦グループの通販詐欺がありました 低単価で売りさばけるものを大量に購入します 一人で何回もの取引は怪しまれるでグループを作ります 要するに取り込み詐欺ですが 小遣い稼ぎ感覚の軽い気持ちでしょう

高額な本格的詐欺と違い金額も少ないし 犯人と被害者に面識がないため 摘発が難しいのです だいたいコソ泥がいちばん質が悪い
万引きなども犯罪意識が希薄なので累犯が多くなります たとえ捕まっても微罪ですから懲りないのです[03] … Continue reading

インターネット通販

日本の通販はまるで狐と狸の化かし合いとなってしまいました 絶叫型とネガティブアプローチが席巻するTVCMは健全な姿とはいえない 通販の原点に立ち戻り 固定客を大事にしなければなりません
そのためにもっとも大切なのが 購買リストとクレームリストです これをもっとも効率的に運用しているのはアマゾンです レコメンドエンジンとユーザーレビューですね

自社リスト(ハウスリスト)が通販の資産です 一時的に売れるからといって楽天に出店しては 客の動向を把握することができない まして価格競合に陥るとバーゲンハンターばかりが集まり 将来の優良客に結びつくことは決してありません
通販先進国のアメリカで Eモールタイプのインターネットショッピングは全く下火になっています 日本も楽天の成功に倣ったモールがたくさんできましたが ことごとく姿を消してしまいました

註釈

註釈
01 ジャパネットたかたは小さなTV通販の会社でした そのためもっぱら深夜の安い時間帯を使っていました インフォマーシャルの手法と高田社長のキャラクターが相まって 飛躍的に売り上げを伸ばしたのです
02 格安のお試し価格でサンプルを取り寄せたつもりが いつの間にか定期購入に移行していた なんて事も悪質なところでは行われています
03 書店やスーパーマーケットの万引きが取りざたされますが なにも社会の歪みのせいではありません 大半が常習犯です 書店で万引きする少年が年老いて 老人の万引き常習者になることが多い 盗癖というのは確かにあります 癖ですから矯正できない
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Amazonの正体2(ビッグデータ)

Amazonといえばビッグデータ ビッグデータって何だろう

・サンプリング調査よりも多数の生データを使った方が精度が高いだろう
・自社でこれまでに集めたデータを使えれば費用も少なくてすむかもしれない
・セブン・イレブンが客の性別・年齢や地区別のデータを集めて 商品の仕入れ配布の効率化に生かしていたらしい
・トヨタのカンバン方式みたいなものだろうか 客の動向から生産数を決めるみたいな

データがそれだけで価値を生み出すことはありません Amazonは最初からインターネットを介して すべてのデータを一元的に管理していますから 膨大な自社データの蓄積があります それはすべてインターナルなデータです ハウスリストだから価値があります ビッグデータといってもデータ量に価値があるのではない

Amazonにとって必要なのは購買履歴と興味の対象だけ 個人の属性(いわゆる個人情報)ではないのです しかもインターネットなら購買に至る前の行動も把握できるし 同一パターンの行動を参照することもできる
「この商品を見た人はこんな商品も買っています」というやつです ウィンドウショッピング大歓迎です ランディングページで購買に結びつかなくてもいい

ビッグデータ運用とは むしろミニマルな個人の動向(昔ながらのデモグラフィック属性ではない)を重視することではないでしょうか 小さな揺らぎが世界に影響を及ぼすように ディテールなき全体像はあり得ません 真実は細部に宿るのです
むろん人力で把握するのは無理 不可能なことですから すべてアルゴリズムで制御されます アルゴリズムの厳密な定義は知りませんが 多数の同一パターン繰り返しを人間の手を介さず自動化することで 最適解を求める方法論でだいたい合ってると思います(ピタゴラスイッチ面白いです)

一言でいえば データ解析の結果に人間(とくに経営層)の判断を差し挟まないということでしょう 数字を読むというレベルの話じゃないのです 数値化してはいけません
数値化=科学的(信用できるし分かりやすい)数多くのデータがあれば経営判断も正確にできるかもしれない はっきり言って迷信です 数字が大きくなれば精度が上がるなんて単純なことではない どれだけ沢山の数字を並べても 人間の判断が入った時点で恣意的になってしまいます

売れ筋商品を見極めるとか 客筋を見て商品の棚を考えるのでもない 客をマスで捉えている(数字や売り上げとして見ている)かぎり ビッグデータを理解することはできません ビッグデータのビッグは数値ではなく価値の大きさだと思います 個人の(意識すらしない)購買行動の積み重ねが レコメンドエンジンに反映されます

ベネッセから流出したとされる個人情報は まさに個人の属性そのものです 一見ハウスリストのようですが全く違います 元をただせば本人の了解なしに(何しろ未就学児童です)不適切な手段で入手したものです 福武書店のころは今のように煩くなかったので 不正という認識でなかったのかもしれません 今でも我が子の寝姿を(本人の了解なく)写真に撮ってネット上にさらす親がいますから あまり意識は変わっていません

こうやって集められた1億件を超えるといわれる個人情報は 汎用性がありますから札束に見えるのでしょう そんなリストを使った頼みもしないダイレクトメールや電話営業などは ことごとく詐欺まがい商法といって差支えないものです
Amazonのビッグデータ(ハウスリスト)は Amazonにとってだけ価値があり汎用性はまったくありません 顧客のロイヤリティはそういうところから生まれます

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さまざまな新手法?

LPO=単なるチラシ感覚ではないか EFO=当たり前のことにすぎない SEO=決して廃れることはないだろう
レコメンドエンジン パーソナライゼーション=客を囲い込む? 私がアマゾンで買うのを止めたのは とにかくうざったいから 囲われるのはいやだ 妾じゃあるまいし
でも アメリカ本家でもやっているのだから 他人が買うのと同じものを求めるのは 日本人だけではないということだ

ジャパネットたかたのTVCMを見ると 組み合わせ商品が目立つ 売れるのは 自社の購買層に合わせて訴求しているから まぁ社長のキャラクターがいちばんの要素かもしれない
日本におけるTVショッピングのハシリだが 草創期の商品と今では大きく違う 最初は深夜の安い時間帯でやっていて やはり社長が出ていました その頃から これは化けると思いました

通販でもっとも大切なのは リピーターを増やすこと そのためにハウスリストを作る 昔はTVCMで格安商品を売って個人情報を収集した 住所・氏名・電話番号に加え 購買履歴が同時に手に入る 最初からスクリーニングできているから効率的だ
TVショッピング(インフォマーシャル)はちょっと違い 販促経費ではない それ自体で利益が出てしまう アメリカではたしか ケーブルテレビでやっていた手法だったと思う 日本で流行りだしたのはTVCMの出稿量が減って ペイドパブの番組が増えてからだろう
通販で売るコツも やはり客にファンになってもらうことなのだ

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