コンテンツへスキップ →

タグ: 地域経済

ななつ星のデザイン

先に九州地域経済圏のことを書きました そこで「ななつ星」に期待していると言ったのですが……
でき上がった車両デザインには 本当がっかりしてしまいました 実物を見ていないので軽卒なことはいえません 目の当たりにしたら また印象は変わると思いますけれど

デザインの意図が伝わってきません デザインってコンセプトの表現でしょう 装飾じゃないはずです(もしかしたら 金に飽かせた贅沢三昧がコンセプトなのかも)
あるいは 外国からやってくる観光客を意識しているのでしょうか 外国人がイメージする日本的なものをテンコ盛りにしてみた? 有田焼に組子に格天井おまけに寿司職人まで! 狭い空間にとっ散らかった豪華な意匠を詰め込んでしまいました

最後尾展望車の取って付けたような はめ殺しの窓はでかすぎるし(窓枠の意味を分かってないみたいです) 日本の美意識から遠くかけ離れた あの統一感のなさは何なんですか とても居心地悪そうです
とくに先頭車両の ラジエータグリルみたいな金メッキの飾りは わけが分かりません もっと洗練されたものを期待していたのに 見事に裏切られました

ラジエータグリルのデザインといえば ロールスロイスはパルテノン神殿 アルファロメオは盾をモチーフとしているそうです 皆それぞれ物語を秘めています コンセプトの表現なのです

どうやら社長が細かいことにまで口出ししていたようです スティーブ・ジョブズも工作機械(初期の頃は自社生産)の色に妙にこだわったりしたそうですが それとは違う気がします
この社長の頭の中にある豪華さがこういうものなんでしょう 人間国宝とかノーベル賞とかワインアワードとか権威主義なのかな

昔観光地にあった秘宝館 今もあちこちにある カットアウトのイラスト顔部分が切り抜いてある記念撮影用ボード(名称あるのですか?) あるいはゆるキャラなんかと同じ土台の貧困な発想ですね
予約がいっぱいなのだから 経営的にはとりあえず成功といってよいのでしょう 案外したたかな計算でやっていることかもしれません

コメントは受け付けていません

九州経済圏

先に北海道の地域経済に関して書いたが 北海道の人口は547万人 この数字に基づいて 独立した経済圏としては 500万人の人口が必要という内容だった やや広いものの地形的には平坦で トラック輸送を中心とした物流網を形成しやすい

四国の人口も414万人と北海道に比べ遜色ないが 中央付近を山岳地帯が占めるという地形の問題がある そのため利用できる面積が海岸よりに限られ狭い 物流も陸路では制限があった
かつて水軍が多かったのは 瀬戸内の海路が主な物流手段だったから 島と島は海で隔てられているのではなく 海で結ばれている 坂本龍馬の発想には まだまだ学ぶべきものがある

九州の人口は1323万人である 北海道の倍以上だ 半分以下の面積とはいえ 充分に独立した経済圏として成り立ちそうである
九州は古来より 半ば独立国だったといえる 面積・人口・産業の集約 そして何より立地条件(陸続きでないこと)と文化 なにしろ薩摩藩などは 度量制も江戸徳川とは別のものを用いていたそうである

経済面で徳川との大きな違いは 何といっても米のみに頼った財政ではない事である 中国との密貿易もさかんだったようだ 薩長が徳川に取って代わったのは けっして偶然ではない 維新の志士の働きばかりでもないのだ

松平容保があれほどまで奮戦したのも 近藤勇が甲府城へ向かったのも すべて家康の定めた古制に従った行動だった 徳川が薩長との戦いで戦費の不足を賄うのに 新田の開発を計画したところに端的に表れている 時代の流れをまったく無視している

現在 世界中の独立国で 人口1千万人以下の国が半分以上だ これらの国々がすべて経済的にも独立しているとは考えられないが やはり経済圏としては500万人前後から1000万人くらいが いちばん効率的な気がする

要は交通・物流 水運 陸運 その意味でも九州の豪華寝台列車「ななつ星」がどんな展開を見せるか 注目したいものだ

コメントは受け付けていません