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タグ: 傭兵

戦争放棄は外交放棄

国策の元に外交があり 外交の一手段(最終手段)として戦争があります 戦争を放棄するとは外交を放棄することであり 国の主権を放棄することにもなります 独立国ではない植民地・属国です 戦争放棄は侵略を招きこそすれ 平和を招く理由にはならない なぜなら

外交も戦争も必ず相手国があります 一人相撲ということはない つまり相互の闘いなのです 勝つか負けるか どのような条件で和解するかが問われます ロシアは樺太南部と千島列島が日本の領土と認める代わり 賠償金を支払わずポーツマス条約に調印しました
日露戦争に勝利したと言いながら 日本は結局すべてを失うことになります 戦争に勝ち外交に負けたのです 戦費を浪費しただけで何も得るところはなかった
賠償金を支払うことは自らの非を認めることになります ロシアは敗戦を認めなかったわけで その後ヤルタ密約により北方領土を手に入れました(ヤルタはクリミア半島にあります)

戦争において相手とは敵です また戦争は攻撃と防御で成り立ちます 戦争放棄は戦わずして敗北 敵の攻撃に対して防御しないことを意味するだけ 独立国の主権に対する攻撃ですから 1国だけ放棄すれば戦争を抑止できるわけでもない 平和憲法という言い方はまやかしです しかも国内にしか通じない空疎なおまじない

攻撃は侵略で防御は自衛と言い換えることもできます 憲法で侵略戦争を否定している国はたくさんあります しかし自衛戦争まで放棄している国はなく 国連憲章でも独立国の主権として交戦権は認められます
それらの国々は侵略戦争を否定しつつ 自衛戦争のために国軍があり 徴兵制でなくても兵役の義務はあります

戦力を持たず 国の主権である交戦権まで否定している憲法は 日本国憲法のみです 侵略戦争だけでなく自衛戦争も放棄しています
国際紛争解決の手段に戦争を否定していますから 日本が国連の軍事活動に参加するのは憲法違反です

戦えない自衛隊

イージス艦を装備しステルス機まで開発しようという自衛隊は 災害派遣を含む国内治安維持部隊の範疇を超えています 明白な戦力であり違憲の存在です
自衛隊を解散して属国の地位に甘んじるか 独立国にふさわしい憲法を手に入れるか どちらかの道しかないはずです 条文の解釈など彌縫策はいつまでも通用しない

いかに優れた有形戦闘力を有しても 交戦権を否定している憲法のもとで自衛隊は戦えません 私闘になります 個人の正当防衛で自らの身を守れというのは 自衛隊を民間の傭兵扱いしています
さらに統帥権に基づいて命令していないので 戦闘の結果に責任を持つ者はいません 指揮官の独断専行で 勝っても殺人罪に問われ 負けたら犬死にということです

中国の東シナ海での示威行動はますますエスカレートしています コーストガードのみならず 軍艦・戦闘機を投入するようになりました もはや海上保安庁で対処できる事態ではありません
かといって現行憲法のままでは交戦権がありませんから スクランブル発進しても自衛隊機は先制攻撃できません 領空侵犯した中国機の威嚇に対しフレアを放出して離脱するのみです

冷戦時代のソ連機・ソ連艦はここまでの威力偵察はしなかったと思います 軍規が保たれ抑制が働いていたのではないでしょうか(北方領海でサケ・マス資源の略奪はありましたが) いまや時局は一触即発です
(ステルス機能は先手必勝のためにあります ドッグファイトするのだったら必要ない イージス艦も同様です 大型漁船に体当たりされたら なす術はありません)

中国は漁船に偽装した何百艘の船と これを警護するという名目で十数隻の艦船を尖閣諸島の領海に繰り出してきました 竹島を韓国が侵略した時と似た状況です このままでは同じ轍を踏むことになります
多数の偽装漁船を伴うのは 地上戦の便衣隊と同様にゲリラ部隊といえます 人海戦術なので衝突事故にあっても救助しません(漁船?から救難信号は出されなかった) 今回は相手がたまたまギリシャ船籍の貨物船でしたが これが海上自衛隊の艦船であったら 民間人を虐殺したことになり思う壺ですね

尖閣諸島占拠は時間の問題でしょう トランプ大統領が出現し アメリカ軍が引き上げた時点で 次は沖縄占領となります クリントン夫妻も親中国でしたから どちらにしても焦眉の急であることに変わりありませんが

8月18日追記=さすがにトランプの無知な暴言に対しては バイデン副大統領から牽制の発言が出てきました 現状では日米同盟のみが抑止力です)
8月21日追記=日本の新聞は報道しませんが 朝鮮日報によるとアメリカは佐世保から強襲揚陸艦を尖閣諸島に派遣したそうです 日米同盟に揺るぎがないことを示したものです)
9月13日追記=アメリカ大統領選終盤のここに至って ヒラリー・クリントン氏の健康問題が浮上しました いよいよトランプ大統領が現実味を帯びてきた)
10月10日追記=大統領選の終盤を迎えて トランプおろしが過熱してきました 当然でしょう フィリピン大統領の言動は中国の影響かどうか分かりませんが アメリカ世界戦略に破綻をきたしかねねない事態です)

沖縄県知事だの東京都知事の勝手な行動は 立場をわきまえない極めて非常識な振る舞いです 鳩山・小沢などと共に中国の意をくんでのこととしか思えない
アメリカの州は連邦を構成する独立国に近いものですが 州知事が外交に口を挟むことなどありません 外交と戦争は表裏一体であり 連邦軍の統帥権を持たない知事に権限はないのです

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鉄砲の戦国から江戸時代

根来衆はもと僧兵だったといいます 得意とする鉄砲は切支丹から供給されたと思われます 僧兵が切支丹伴天連と関わりあるはずないと考えがちですが 僧兵は武装した僧ではなく 僧形の兵(野臥せり)です ヨーロッパの騎士団[01] … Continue readingと比べれば とくに信仰心が篤かったわけではないでしょう

戦国時代で鉄砲と結びつくのは何といっても織田信長です 信長といえば切支丹との関係が強いイメージがあります 戦術面でも根来衆との協力関係は考えられます
とくに一向一揆対策のため切支丹と結びつきました 高野山の僧兵は僧形をしていただけですが 一向一揆は信仰心からの団結ですから手こずりました 雑賀衆と一向一揆に直接の関係はないと思います

織田信長の配下は連合軍です 野伏[02] … Continue readingなどの混成部隊で弓矢と槍の連携に難があったかもしれません 鉄砲は弓矢に比べて習熟が容易だったのかどうか分かりません
鉄砲は重いし反動があり 何より連射ができないので 野戦では使いにくいと思います 長篠(設楽原)の戦いでも馬防柵の内側で待ち伏せする運用です

上杉謙信に切支丹との接点は見当たりません あれほどの合戦上手なのに鉄砲はほとんど使わなかったようです 戦国時代の合戦は 弓矢で制圧射撃した後 槍で突き崩して勝敗が決します
上杉謙信の軍勢は本を正せば新田越後守の精兵ですから 弓槍の術に長けていました とくに謙信の戦い方は戦場機動を重視します あえて鉄砲を使う利点はなかったのではないか 鉄砲は防御に向いた兵器です

信長の軍勢(柴田勝家)が上杉軍と戦ったことが一度だけあります 手取川の合戦です 会戦ではなく遭遇戦だったのですが まるで相手にならなかったようです
信長公記にこの大敗は記されていません 負け戦は書きたくないでしょうね どういうわけか この時羽柴秀吉は途中で引き返し参戦していません 猪武者の柴田勝家と違って勝ち目のない戦を避けたのかも

謙信軍の春日槍は3間の長さでした 槍は長いほうが有利です しかし今度は取り回しが難しくなります 織田軍(柴田兵)の足軽は鉄砲を装備していたかもしれない そうすると弓矢ではなく槍の代わりということになります 火縄銃の射程距離は槍の十倍はありますが 遭遇戦や白兵戦では役に立ちそうもないですね

豊臣秀吉は軍勢の練度ではなく物量で圧倒する戦い方です これも信長に倣った戦略でしょう 出自が弓矢の家ではありませんから遮二無二突き進むことはなく 彼我の戦力を冷静に判断したものと思われます 強襲はどちらも被害が大きいですから[03] … Continue reading

長篠の戦いのあと戦術が変わったなんて事実はありません 戦いの様相が変わるのは25年後の関ヶ原の戦い以降ではないでしょうか
太閤検地・刀狩りによって武士と農民が区分けされたため 戦国以来の弓矢の家は凋落し 軍の編成が変わりました もはや弓矢と槍は主力兵器ではなくなったのです

大坂冬の陣では5000の真田軍が数万の徳川方を撃退したと伝わります 攻守3倍といいますから奇跡的というほどではありません 長篠城の攻防もそんなものでした 真田丸には狭間筒という銃が装備されていました 長銃身で有効射程が飛躍的に長く 防御側に有利です 後の時代の重機関銃に相当するものでしょう

冬の陣の和睦で大坂城の外堀が埋め立てられました 本丸が大筒の射程距離内になり直撃できる状態でした 夏の陣は徳川方の騙し討みたいなものです
この攻城戦で初めて大筒が使われたと言ってよいかと思います 城そのものを破壊する攻撃です 大坂城が緊要地形に建てられた城塞でなく 居住用であり権威の象徴であったための戦術でしょう

徳川の世になってからの大きな戦いである島原の乱の時は 追放された宣教師が九州に残置した切支丹信徒に鉄砲を渡して蜂起させました やはり原城に篭っての籠城戦です
なお 入り鉄砲に出女が言われ始めたのは 大坂の役および参覲交代の制が直接のきっかけであろうと推測します

註釈

註釈
01 騎士団は十字軍のとき出来ました 別にナイトの軍団ではなく 自らを騎士になぞらえた民衆を ローマ教皇が公認したものです 貴族制のことはよく分からないのですが ナイトは爵位のうちに入らず 勲功のあった者が叙任され一代限りだったと思います 遍歴の騎士は物語の中だけです
02 野武士・野伏は戦国時代 特定の勢力に与せず領地を失った小集団の豪族です(蜂須賀小六など) 足軽として傭兵になったり 請負でゲリラ的な活動をしていました 山伏や乱波・素破も同様の存在です 戦国時代のあとは山賊・盗賊の類となった者達も多いでしょう(石川五右衛門など)
03 よく言われる車懸りとか鶴翼の陣とかは 中国人が例によって無理やり体系化したものです 全員騎乗して平原ならできなくもないが 地形を無視した布陣はありえない 無駄な機動はしません 戦場の心得の第一はできるだけ体力を温存することです 妻女山を夜迂回したり鞭声粛粛〜♪夜川を渡る おそらく各個撃破や分進合撃のことを言ってるんじゃないですか
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脅威からの防衛

アメリカの州兵は 米国土と米国民を脅威から防衛するのが任務です 脅威は暴動や外国勢力の武力攻撃とは限りません 自然災害も含まれます 山火事・洪水で州兵が出動するのはよく聞くことです

平成27年9月の鬼怒川氾濫で 救助に当たった自衛隊の人が「これは実戦」といっていた言葉が印象的です ヘリボーン作戦の訓練を積んだからこその水際だった成果です

国軍でない自衛隊はおそらく アメリカの州兵がモデルとなったのでしょう(警察官が地方公務員と国家公務員の2重組織なのも シェリフと郡警察がモデルかもしれません) 交戦権を認めず統帥権規定のない現行憲法のもと 日米軍事同盟は対等ではありません 有事の際自衛隊は州兵と同様の扱いで アメリカ連邦軍指揮下に入ることになりそうです

他の国でも軍の仕事は戦争することではありません いつ来るかわからない脅威に備え 訓練することこそが仕事なのです ですから多くの軍人は 戦闘することなく退役していきます 軍備も一度も使われることなく更新されます[01] … Continue reading
有事に備えること 百年兵を養うとはそういうことです 警察・消防もむろん災害救助の機能を持ちます しかし大規模災害に対応できるほどの機動力はありません 武力攻撃の場合には全く無力です

おなじ非常時で人死にが出る 武力攻撃と自然災害を区別する必要性などありません それぞれの危機別に装備を変えるとか 自衛隊を武装解除して災害救助隊に特化するなんて 無意味な現実をみない発想です 日本を敵視している勢力に利するだけです
対抗勢力甲・乙・丙のうち 甲と乙は国連常任理事国であり 丙は最初甲の隷下のち乙の属国に戻りました 国連の敵国条項はいまだ有効です 日本が国連の軍事行動に同調したり人員を派遣することが いかに矛盾に満ちた行いかが分かります

日本国憲法、国の主権

日本国憲法が発布されるとき 社会党は占領軍の押しつけ憲法反対と唱えていました いつの間にか平和憲法などと言い換えたのも すべて中共の意向によるものです
人民解放軍は陸軍主体で そのころの海軍力は取るに足らず 脅威ともいえないものでした しかし社会党等の利敵工作に助けられて軍備を増強し形勢は逆転 今や東シナ海・南シナ海とも中国が制海権を握るに至りました
ここにくるまで中国は70年の時をかけたわけです 百年兵を養うとはこういうことをいいます 別に孫氏の兵法ではない どこの国でも当たり前にやっています

徴兵制度の国は少なくなる趨勢にあります 一般に志願兵のほうが士気が高く したがって練度も高くなることが理由です 現代の常備軍は高度に専門化された職業軍人の技能集団です
アメリカがベトナム戦争で負けた原因は 初期の兵力逐次投入に加え 徴兵制による練度不足の兵が我の犠牲を招いたからです
近代の徴兵制はフランス革命(市民革命)後に制度化されました 当時の戦いは兵の数で勝敗が決することが多かったのです(人海戦術の始まり?) 徴兵による軍隊は国民軍・市民軍であり国民主権に深く関わっています

国の主権には独立・統治・参政といった概念があります 中でも国際関係における独立国としての権利が根幹です 独立とは他国から干渉を受けないことをいいます
英語のsovereigntyは統治者と独立国を意味します すなわち外交と国防は国の主権者の重要な責務となります 国を統治する者は国益を護らなければいけません

王様が統治する場合 国防は国王の役割です 名目上ですがイギリス軍は女王陛下の軍隊です 伝統的にイギリス王室は軍務に就き 有事には臣下たる貴族が参戦します ノブレス・オブリージュですね 貴族とは要すれば出兵の義務を負う軍事組織です
王政でない主権在民では 国防を担うのは国民というのが徴兵制・国民皆兵の主旨です そのため多くの場合 参政権と兵役の義務は一体のものです 国民主権であるならば 国民自らが国の独立を守る義務があります

アメリカ連邦軍は徴兵を停止していますが 18歳で選挙権を得ると同時に兵役の登録をします これを拒否すれば罰則がありますし 兵役の義務を果たさない者は職業選択に影響があります とくに連邦政府の仕事には原則として就けません[02] … Continue reading
国民皆兵制のスイスで長く女性の参政権が認められなかったのも 女性には兵役の義務がなかったからです 主権とは独立国という意味です 国の独立はどこかから与えられるのではない 自ら勝ち取るものです 主権という権利には国防という義務が伴うのです

日本国憲法前文の英語原文を 恣意的解釈でなく機械翻訳させてみると「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間関係を支配する崇高な理想を深く自覚し、平和を愛する世界の人々の正義と信仰を信頼して、私たちの安全と生存を守る決意をしています。」となります 憲法9条においても「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国の主権的権利としての戦争と、国際紛争を解決する手段としての武力(原文=sovereignty power)による威嚇又は武力の行使とを永久に放棄する。」となり 国際関係における日本の主権(独立)を放棄しているのです[03] … Continue reading

武力行使は攻撃と防御で成り立つのです 戦争に侵略とか防衛の区別なんてありません 戦争を捨てるとは自衛もしないことを意味します 自らの手で自国のセキュリティと存在を守る すなわち交戦権は国の権利ですから 戦争(と外交?)を放棄するとなると主権も放棄しなければ辻褄が合いません
領土・領海はすぐれて主権の問題です ロシア・韓国に固有の領土・領海を占拠されながら何もしないのは 日本国憲法の精神に則ったことといえます

註釈

註釈
01 訓練も実戦もやることは変わりません 死傷者が出るか出ないかの違いくらいです 中世ヨーロッパの百年戦争は傭兵隊同士の戦いでしたから お互いに消耗しないよう暗黙の取り決めがありました 模擬戦争ですね これを無視したジャンヌ・ダルクは練度不足の市民兵を引き連れて攻撃を仕掛け 双方に多大な犠牲者が出たのです 毛沢東案出の人海戦術に似ています
02 当選したアメリカ大統領が 兵役の義務を果たしているかどうか論議されることが度々あります 大統領は連邦軍を統帥しますから当然のことです ケネディーは沿岸警備隊に所属していましたが トランプは兵役を免れています 州兵にも属してなかったんじゃないか
03 日本国憲法が占領憲法である本質は まさに憲法前文と9条条文にあります 安倍晋三が憲法改訂をもくろんでいますが もし条文を変えたり加筆した場合 オリジナルの英語版も変更するのでしょうか?
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