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タグ: 消費者

労組専横

労働組合が牛耳った結果 組織が官僚化し疲弊した例が数多くあります 知っている範囲では 国鉄・郵政・社会保険庁・東芝・浪花屋などですか

浪花屋って? という方がほとんどだと思います 「元祖浪花屋の柿の種」といえばお分かりでしょうか 今では 亀田の柿ピーが当たり前になってしまいましたが 文字通りこちらが元祖です 
ところが労働争議が起き 創業家を追い出して 労働組合が支配する会社になってしまったのです それ以来急激に品質が落ちました 当然売り上げも落ち 間隙をついて他メーカーがシェアを奪ったのが経緯です

新潟にはたくさんの米菓メーカーがあります 亀田製菓は比較的後発の創業です 物まね商品ばかり作っていたというイメージがあります[01] … Continue reading サラダホープにしても 江戸一・ピーセンのパクリから始まったものみたいですし ピーナツとは最初から縁があるようです

浪花屋も今は柿ピーが主力製品です 元祖がパクリ製品を物まねするところまで来ました 柿の種の不味さをごまかすためにピーナツを混ぜたのか 場末のスナックで乾きものの定番 湿気た柿の種と黴くさいピーナツを一緒に食べたら そこそこいけるということから始まりました[02] … Continue reading
かなり高級な米菓だった昔の浪花屋の味を知るものには寂しい限りです あんな小さい粒なのに 食べると芳ばしい米の香りがしました そして唐辛子のピリリとした辛味が風味を引き立てます[03] … Continue reading

東芝も労働組合の体質を引きずっているようです 東芝の工場に勤めていた人から聞きました 労働争議の後ひどく働きにくい職場になったそうです 東芝の家電品は薦めないといってました 自分が作っているものに誇りと自信を持てなかったのです
東芝の家電製品の消費者室(正式名称は忘れました)の対応は まるで木で鼻をくくったような無礼さです 家電メーカーの中でも東芝のユーザーに対する対応の酷さは際立っています ビデオデッキだったかのクレーム騒動は宜なるかなです[04] … Continue reading

確かに東芝は軍需産業として発展し 上得意は原子力発電のような利権の絡んだ重電製品です 個人客なんか客として相手にする必要はないのでしょう
からくり儀右衛門が創業者とされていますが その時はすでに70歳で隠居の身でした 名声で看板として担ぎだされただけです

社会保険庁に勤めていた人も知っています 失われた年金問題の時に奔走したのは中間管理職の人たちでした 自分の職場だけでなく ほかの支所まで出かけて連日深夜まで働きました
他にやる人がいなかったのです 上層部は厚生省からの天下りや出向で知らぬ顔 労働組合はまったく仕事をしません 事態が一段落した時には疲れ果てて退職してしまいました
今の年金機構が機能不全に陥っているのは 当然の帰結なのです システムの脆弱性ではありません 働く者のいい加減さが改善されていないのでしょう

これらの例で共通しているのが みな内向きであることです 組織内でいかにうまく立ち回るか いかに自分が利益を享受できるかだけが関心の的です
会社の売り上げも製品の品質も興味なく まして客や利用者の方なんか まるで見ていません 数字合わせでノルマを達成すればよい いわゆるムラ社会ということでしょうか

註釈

註釈
01 亀田製菓は新潟県内であまり評判が良くなかったと思います ちなみに新潟県産の米は一粒も使っていないみたいです
子供のころ新潟イコール米菓というイメージは 全然なかったですね 米の生産量も当時は北海道が一番多かったし 銘柄米もなかった時代です
02 バタピーと柿の種それに裂きイカがスナックのつまみでした この3点セットをチャムと言ってました 語源は分かりません たぶん居酒屋のお通しと同様のものです
江戸の高級料理屋では 酒を飲む前に通される別室(ウエイティングルーム)で お凌ぎが置いてあります 先付け・前菜ともちょっと違って 小さな寿司や軽めな菓子などです お通しという言葉は ここからと思われます
03 柿ピーというジャンルなら でん六豆がベストでしょう 柿ピカとかピー柿という商品名で売ってます(柿ピーは亀田が商標登録したようです) でん六は米菓ではなく豆菓子が専門です ピーナツがとくに美味い 炒り方がよいのでしょうか 柿の種で美味いものはなかなかないですね
04 現在も東芝の企業体質は改まらず 特に冷蔵庫の品質がひどいようです ドア部品の小さなバネが欠陥品で 3年で折れてしまうとの書き込みが多数寄せられています 一見些細な部品です しかし冷蔵庫で最も重要な保冷性能に直結しているはずです
東芝が受注した「もんじゅ」のナトリウム漏れも 温度計のサヤの強度不足が原因でした 部品を製造した蒲田の町工場から 設計図の形状に問題があると指摘されたのですが 無視した結果の深刻な事故でした この品質管理体制で原子力発電所を作っていたのです 事故が起きて当然でしょう
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家電 魔法瓶 郵便局 国鉄

最近の魔法瓶は保温力がない気がする ステンレスポットもそうだが 昔ながらの真空ガラスのもだ
理由は分かっている 中栓がないからだ 押すだけワンタッチとかエアーポンプとか 訳の分からん機能を付けるから 頭でっかちでスカスカの栓になってしまう それに口が広すぎる 洗いやすくするためだとかいってるが
わずかな手間を省くために 本来の目的である保温性を犠牲にしている プロダクトデザインとしても美しくない

反論の声が聞こえてきます 「保温性を追求しても売れないんですよ 消費者は便利さを求めています」 そう 一般受けしないというか数が出ないでしょう すると価格も高めになってしまうし
口が小さめで ちゃんと断熱材が入った中栓がある魔法瓶を探して見たが やはり業務用の一部製品しかない

日本の家電製品とくにTVが駄目になったのは 安売り店が価格を主導するようになったことに加え エコポイントとやらを使った地上波デジタルへの強引な移行が原因だ 韓国のせいにするのは目くらまし(本質を見たくない)だと思う
さらに首都圏では 東京タワーからスカイツリーへの切り替えで アンテナの向きを変える等余計な手間をかけさせている
無理やりな需要喚起がデフレーションを招いたんじゃなかろうか 経済学者じゃないから分からんが
(9月19日追記 日本の国債の格付けが韓国を下回りました 役人の身勝手が国を滅ぼす前兆でしょう)

パナソニック シャープ ソニー いまだ技術信仰にすがりついているようだ 自分たちが何を作っているのか見えなくなってしまっている
シャープが低迷したのは 技術畑出身の社長がマーケティングを無視したからだろう かつてシャープザウルスという先駆的なPDAがあった 単なるガジェットで終わってしまったのも マーケティングを考えないで製品作りをしたから
かなり前シャープのBDレコーダーを買ったが くだらんおせっかい機能満載で実に使いづらい 簡単予約が普通に予約するより手間がかかったりする 体質はまったく変わってないようだ
なぜシャープかというと 唯一アナログのピン端子(RCAジャック)が付いていたからだ もちろん私はブラウン管TVを使っている

郵便局の店名が番号になった 以前から金融機関の店番号というものはあったが そうではなく漢数字が店名になったのだ つまり〇一二ならば店名はカタカナで「ゼロイチニ」だ 従来の「○○郵便局」では受け付けてくれない そしてATMの操作画面にその説明はいっさいない ATMの前で戸惑っている人を何人も見た
郵政民営化っていったい何だったんだろう 体質ぜんぜん変わってない気がします

国鉄の多機能自動発券機 めちゃくちゃ使いにくい 操作を間違えさせるように作ってあるんだろうか お客様の使い勝手なんかまるで考えてない
おかげで現場は大変だ 客からクレームが殺到するから 一台ずつ係員を張り付けなければならない 客も迷惑 従業員もよけいな手間がかかる 国鉄の体質丸出しだが 改める気なんかまるでないようだ

どっちも理由は分かっている 業者に丸投げしてシステムを作ったからだ 業者はシステムを構築すればいいのだから 自分たちの作業性が第一だ
彼らにとって客は 発注者の郵便局や国鉄であって利用者じゃないのだ 別にわざと使いにくくしたわけじゃなかろう
たぶん運用も業者に丸投げだろうから 利用者や現場職員の声はどこにも届かない 問題点がフィードバックされる可能性はゼロだ

「ユーザーエクスペリエンス」へ続く

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マーケティングの5P

マーケティングの4Pは古典的な概念です でも今でも古びません
Product(製品) Price(価格) Place(流通) Promotion(プロモーション)

このうち私が関わっているのは 主にプロモーションの分野です プロモーションには販促と広告があります

販促と広告の大きな違いは 直近の売り上げを目標とするか 将来にわたって好イメージを築くかです
販促によって伸びた売り上げ(利益)が 掛かった費用を下回れば そのキャンペーンは失敗となります じつにダイレクト しゃにむに売るという感じ
広告は一言でいえばイメージ作りです 製品・価格・流通さらにその会社の 性格というか持ち味によって 売り方は決まります

●インターネット以前

プロモーションといえば マスメディアを使うのが当然でした マスメディアを使うプロモーションは 不特定多数を対象として広く薄くリーチするもの 数打ちゃ当るの理屈です 効率はあまりよくなく 必然的に多額の費用がかかります

もう一つ付け加えると Product Price Place Public relation をブランディングの4Pとする説もあるようです
マーケティングの4Pが唱えられたのは マスメディアによる情報の一方通行を前提とした時代です PRもマス媒体しか手段がありませんでした

言えるのは いずれの4Pも作り手・売り手側の観点だということです

●インターネット以降

インターネットの時代 情報の流通が双方向になり さらにSNSによりコミュニケーションが開かれた世界になったことで この4Pの概念に情況との乖離・齟齬が生じてきたと思われます

インターネットユーザーは ただのオーディエンス(情報の受け手)ではありません 自ら探し求め さらに積極的に関わる能動的な人たちです
ただ受け取るだけじゃなく自主的に参加すること 批判精神を持って見ること自ら選択すること インターネット最大の特徴である インタラクティブ(双方向性)とはそういうことです

Facebookページは さらに双方向性を押し進めた形と言っていいでしょう 人を介した出合いは大きな影響力があります パブリック・リレーションではなくヒューマン・リレーションを目指したいものです

●改めて4Pのこと

こちらの解説《マーケティングの4P戦略》は教科書的にきれいにまとまっています だがプロモーションに関しては旧来のものです

《4Pの時代は終わった、のかもしれない》のうち「いま売れています」が最強のコピー…… その通りです 説明しても相手には届かないし 理屈でものを買うのではない マスメディア広告が力を失ったのではないかとも思います

《4P(7P)とは何か》これはまったくの牽強付会です 上記もたくさんのPを提示されておられますが いくら増やしても問題は解決されないのではないでしょうか

これらに倣って私もマーケティングの5P(4P+P)を考えてみました インターネットの時代 もっとも大切なものは principle in business(ビジネスにおける信条・道義) ではないかと痛切に感じます[01]※2022年9月2日追記=この頃 authenticity … Continue reading

●いちばん大切な《P》は道徳的であること

インターネット・マーケティングにおいて策を弄してはいけない お客様とはお互いを尊重し尊敬する間柄でなければならない
お客様とのコミュニケーションを形作る 価値観を共有する 真摯な態度が評価されるのではないでしょうか
そのためにもっとも必要なのが「至誠を貫く」ことです 経営理念 もの作りやサービスに対する揺るぎない信念が インターネットでは問われます

自由な情報の交換によって 旧来のマスメディアは権威を失いつつあります マスコミの権威に寄りかかった マスメディア広告が効かなくなりました
インターネットを使うマーケティングでは 今までのマスメディア広告のように 情報の一方通行で考えていては駄目だといえます

インターネットで大事なのはコミュニケーション けっしてプロモーションではありません
Facebook自身マネタイズのため それを求めているかもしれないが SNSはプロモーションじゃない コミュニケーションとごっちゃにすると間違えます(PRまでは許されるかもしれません)

それじゃぁ インターネット・マーケティングは4Cではないかと言われそうです

でもマーケティングの4Cでいうコミュニケーションは やはりマスメディア前提で双方向性を考えていません
消費者の顔色を伺うのも 売らんかなの裏返しではないか お客様の行動を自らに有利になるよう それと気づかぬよう誘導する作為があります
大体マーケティングの4Cなるものは こじつけが過ぎると思います 頭に customer consumer clientele なんかを付けてCでまとめるのは無理がある

●販促と広告の事例

過去の販促例を取り上げれば サンケイリビングさんがクーポンを大々的に売り出したことがあります 当時クーポンは日本人の買い物習慣にそぐわないといわれていましたが 案の定失敗に終わりました
インターネットの時代になっても 相変わらず従前の感覚のままでクーポンを取り入れている所が多いようです
アメリカでのクーポンの捉え方 日本で現在行われているクーポンビジネスはかなり様相が異なります 日本型クーポンは姑息な客寄せ手段として使われ その結果がグルーポンジャパンの詐欺商法に現れました

広告において企業姿勢を示すのに ことさらな環境問題を取り上げたりするのは疑問です たとえばボルボもベネトンも違うと思います 奇をてらった話題作り狙いではないかという(うさん臭い)印象があります[02] … Continue reading
大企業さんは別かもしれませんが 一企業が社会に貢献するのは限られた範囲でしかできません 近隣の人たちや 商品・サービスを通じての貢献で充分ではないでしょうか

客を釣ろうとするその場しのぎの促販 上辺を装う御為ごかしの広告 そんなものは時代遅れです お客様を侮ってはいけない ユーザーを惹き付け 共感を得るのは至誠につきます

インターネット・マーケティングは5P 最優先されるべきはPrincipleです

註釈

註釈
01 2022年9月2日追記=この頃 authenticity とか言われるようですが これは本物らしさとか本格的・正統派ではありません その企業らしさというニュアンスです つまり信念がブレない真っ直ぐな志です 己の立脚点が明確なら他に左右されないのです
02 2023年6月26日追記=アメリカのビール会社大手のバドライト(バドワイザー・ライト)の広告で安易にトランスジェンダーの人を使ったところ LBBT運動に反対する人と支持する人両方から 非難され不買運動が起こり売上が激減しました アメリカでは民族や出自の違いを明確に意識したマーケティングが必須です しかしトランスジェンダーはセンシティヴな問題であり 商売に結び付けようとする姿勢が問われたと 私は解釈します
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