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タグ: 統帥権

立憲君主国、天皇制と王制の違い

この度の天皇陛下御退位に関する捫着は 薩長明治政府と国連軍占領憲法で いびつな形になった天皇制の矛盾が露呈した感があります
明治以降の天皇制は ヨーロッパの王制に準拠したもので 日本の伝統・本流とかけ離れた形かと思います 日本国憲法に至っては 占領下に連合国側の論理・都合で作られました
古来からの伝統である天皇制を 法律によって規定しようとするから 無理が生ずるのではないでしょうか

キリスト教国において神は絶対の権威で 人間の作った法律なんか超越した存在です 宣誓するのは神に対して 良心とは信仰のことです イスラム教国も同様です
キリスト教以前 ヨーロッパの王はシャーマン的な存在で 占いが外れると廃される(殺される)こともありました キリスト教下になって王は祭祀から離れ 世俗の権力者となりました
権威と権力の並立といったらよいのか 旧来の慣習を取り込む キリスト教の教化・懐柔策の一つです 後の時代では 王権神授説など教皇と権力争いがあったり 宗教革命も起きました こうした混乱を収めるため さまざまな契約や取り決め法律が定められ 王制・立憲君主国の形態ができたのです[01] … Continue reading

日本の天皇は宗教的象徴といえ 絶対的な権威ではない 皇嗣継承の争いは何度もあったし 上皇を名乗る者も現れ 南北朝の対立もありました 一神教と多紳教の違いでしょうか[02] … Continue reading
天皇が天皇である由来は 天照大御神以来の万世一系の皇統のみです[03] … Continue reading 神話的な存在で世俗の権力を持たないから続いたのです ヨーロッパの王権とはまったく違う

古来の天皇は 祭祀を司る宗教的求心力としての存在でした 大和朝廷になって中国の皇帝に倣い 政治を司る側面を持つようになりました 日御子(ひみこ)の存在が文書に残らないのは 中国の王制とそぐわなったからでしょう
してみると 時の政治権力との関わり合いで翻弄されるのは 明治や昭和に始まったことでないわけです

立憲君主制とは 憲法に基づいて王を元首とした国体です 元首の権力は法によって規定されます 王の権威は法律で定めるものではありません
日本の伝統では 天皇から任命された征夷大将軍や関白太政大臣が元首となります 天皇は権威であって権力を持たないのです
王政復古を称した帝国憲法も これを改訂したと称する現行憲法も 他国に倣っています 天皇を元首とするのは日本の伝統と合い入れません とくに現行日本国憲法は元首を明記していないのに 日本は立憲君主国とされています

元首のもっとも重要な責務は 国の主権と独立を守ることです[04] … Continue reading そのため国軍の統帥権をはじめとした 絶大な権限が与えられます
明治以前の日本も同様で 徳川征夷大将軍は最高権力者でした ただ鎖国をしていたこともあり 国軍はなかったので 統帥するのは直参旗本以下と親藩だけです

鳥羽伏見の戦いで薩長連合軍に敗れると 徳川方は征夷大将軍を返上(大政奉還)します このため日本には元首が不在となります
本来ならば島津斉彬あたりを将軍にすべきですが 下士が中心の明治政府はこれを良しとせず 王政復古・天皇親政を唱えて天皇陛下を元首としました
とはいえ幼かった明治天皇に実権はなく 明治の元勲と称する者たちが権勢を振るうことになりました 藤原政権みたいなものですか

現行日本国憲法は連合国(国連軍)が作りました 日本の伝統・歴史など完全に無視しています 天皇陛下に権威を認めず 国事行為など義務のみ定めているのです[05] … Continue reading
連合国はキリスト教国ですから 神以外の権威を認める発想はありません 憲法を翻訳する日本側の役人たちも 明治以降の天皇制しか念頭にないから 今のような形に収めたのでしょう

王たる権威は神に依拠し 元首たる権力は憲法の定めによるのが立憲君主国です しかし日本では憲法が最高の権威となってしまいました そのため天皇陛下が曖昧な立場に置かれることとなったのです
交戦権を放棄した日本国憲法は 朝鮮戦争により非現実的なものとなりました それだけでなく日本国憲法のもと 世界最古の伝統を持つ天皇制も危うくなっているのです

註釈

註釈
01 キリスト教国では 教会からの戴冠式で王権が授与されます 立憲君主国であるブータンは仏教国です 詳しくは知らないのですが 宗教の権威である座主と世俗の国王が共にあったようです 現在の国王も仏教徒でありましょう
02 絶対君主制などは一神教の教理を世俗になぞらえたものです 今でも中近東の国(イスラム教)の政治形態にあります それに比べて多神教は民主主義であるとも言えます
03 万世一系とはいえ直系だの男系である必要はありません 象徴としての皇統なのです 例えばキリスト教で神は実在するかと尋ねるのは無意味です 神は存在ではありません 人が理解することすらできないのです 気づけない蒙昧な人を導くのが宣教師
天皇陛下も現身は永遠ではありません 代が変わっても様式を守り続けることが皇統です 皇統の象徴である三種の神器は壇ノ浦に沈みました 大したことではありません 形あるものいつかは滅びます 同じものを作り直せばいい これが伝統の本質です
04 日本国憲法には 国名や元首が明記されないどころか 言及すらされていません 占領時の一時的な憲法だから必要ないと考えたのか もともと独立国と見なしていなかったのか ただ単にいい加減に作ったからなのか
にわか仕立てであったのは事実ですね 国民投票を経て成立した憲法ではありません
05 民主党政権時代 小沢一郎が当時元首でもない習近平を天皇陛下に拝謁させました しかも陛下は体調が優れず公務をお休みされていた時でした これは国事行為であると憲法を盾にとっての 不遜極まりない横紙破りです 他国が天皇陛下を政治利用する それに加担する不届き者がいる こんなことが重なって陛下にご無理を強いたのです
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海洋国日本

八路軍は国内権力争いのためでありましたから その後継である人民解放軍も陸戦部隊が主でした 現在では陸・海・空軍を持ちます とくに近年の海戦力増強が著しい この編成は当然のことながら 東南アジアから日本侵略を想定したものです
海洋国日本の防衛は水陸両用部隊が主力となるべきです でなければ沖縄を含めた全ての離島があやうい ロシアによる北方領土侵略 また竹島の二の舞いです(戦車は北海道の原野くらいでしか使えない しかも敵の上陸を許した状況が前提です) 嘉永7年に書かれた林子平の「海国兵談」は全く生かされていない

日本は憲法の定めで 国防のための戦力を持てず 国際問題解決に交戦権を認めていません しかしソ連・中共の侵攻により朝鮮争乱が再発するに伴い 占領軍の指示で現在の自衛隊が創設されました
憲法の精神は 発布後わずか3年で蔑ろにされたのです いかに現実を無視した内容だったかが分かります 講和条約を締結しても占領時憲法と自衛隊を見直すことなく 条文解釈という詭弁を弄して今日に至っています
東西冷戦という状況下で 自衛隊は戦車師団を中心とした 北海道防衛が主任務でした つまり最初からアメリカの世界戦略に組み込まれています いまだ占領状態といってもよい

陸上自衛隊は占領軍・国連軍(アメリカ軍)の補完として 国内治安維持の後方任務が与えられていました 州兵と同様な位置づけです
アメリカの州兵は陸戦部隊と空戦力を持ちます 海防は沿岸警備隊の役割です 日本の組織でいえば海上保安庁にあたりましょうか(というより全てアメリカをモデルとしています)
そうすると海上自衛隊はずいぶん中途半端な存在になります[01] … Continue reading中国の海洋進出に対して 海上保安庁では手薄なのは自明のこと 一刻も早く正規の国防軍が必要です

それにしても憲法と自衛隊は数奇な運命を辿った存在です 帝国憲法の規定に則った改定だといって 国民の審査を受けることなく(国民投票なんてしていません) 国の独立・主権を否定する憲法が制定される
国際状況が変われば言を左右にして 憲法が禁じている武装組織を作ってしまう 全くのご都合主義に振り回されているのです 専守防衛だの自衛権はあるだの 戦力でなく武力だ あげくの果てが実力組織だと 現実に目を瞑った言葉遊びは無用[02] … Continue reading 

国の主権・国防は独立を守るための根幹のはずです それなのに憲法は主権者たる国民の投票を経ることなく制定され[03] … Continue reading 日本の自主性が何も反映されていない 自衛隊は大儀のために戦う国防軍でなく 時の政府の都合で振り回される 憲法違反の武装組織です
現行憲法をそのままに 自衛隊を認めるとなれば 統帥権なき日本の手を離れ アメリカや国連の都合で使われる恐れがあります 栄誉なき傭兵になり下がるのです 憲法が大事なのか国防が大事なのか議論の余地などない

2018年1月13日追記=尖閣諸島周辺に 中国は攻撃型原子力潜水艦を投入してきました もはや海上保安庁レベルの話ではなくなったのです 対する海上自衛隊は 国連の北朝鮮制裁決議に基づき アメリカと連携して黃海で警戒活動をしているとの報道がありました どちらにしろ国際問題解決のために武力は使えないのですから 捨て身の活動を強いられます)
2018年2月7日追記=安倍晋三が自衛隊と現行憲法を併存させようと画策しています 条文解釈に名を借りた姑息な状態を恒常化しようというのです 交戦権のない自衛隊はどうなるのでしょう アメリカと国連の便利屋として使われ 憲法と心中するのですか 日米安保条約が対等な軍事同盟でないのは 憲法によって正規の国防軍が持てないためです)
2018年3月22日追記=中国のコーストガードは 海軍が部署するよう編成が変わるそうです 日本は相変わらず海上保安庁に頼るしかない 憲法が国防を禁じているのですから主権を守れないのは仕方ありません)

註釈

註釈
01 陸上自衛隊がテロル攻撃に対応する治安部隊として始まったように 海上自衛隊は日本周辺の機雷除去作業のために作られました そもそもが海上防衛を任務としていないのです
02 自衛隊は交戦権を持たない実力組織(?)として 実弾が飛び交う戦地に行っても 日報に戦闘という言葉は使えません 応戦してはいけない「峰打ちじゃ安心せい」ですか
03 現行憲法は帝国憲法改定の手続きに則って発布されました 帝国憲法の制定と改定(?)は条文通りで首尾一貫しています しかし現行憲法は 国民投票を経ることなく発布されたにもかかわらず 改定には国民投票が必要とされています これは大きな矛盾ではないでしょうか
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狷介不羈

狷介不羈と申します 片意地張った頑固者というニュアンスで使われます
しかしながら 自らを恃み見識を持たねば 狷介不羈を保つこと容易ではありません
何物にも囚われず縛られず 権威主義を嫌って生きるのですが 瓢逸とも 磊落とも 恬淡とも違う[01] … Continue reading

時流に流されず 大勢に阿らず 権威主義を否定すると 時として頑迷固陋といわれることがあります しかし狷介不羈と頑迷固陋は似て非なるものです
頑迷固陋は融通の効かない当人のキャラクターであり しなやかな心で意識して行うのが狷介不羈ではないかと思います

インターネット上には 風評・デマ・フェイクニュースがあふれています どう対処すればよいのでしょう 新聞・雑誌・TVは信頼できるでしょうか
Googleは自らが権威になろうとはしていません 正確な情報が表示されるよう努力はしていますが その情報が正しいか間違っているかの判断はしてくれない
唯一絶対の正解などないからです ひとつの事物でも立場や価値観の違いで 重要度が変わってくる

狷介不羈は不偏不党や中庸の精神から もっとも遠いものです 非武装中立 どっちつかずで腰が定まらないのは いちばん信用されない事なかれ主義
個人ならまだしも とくに国際関係は 互いの利害対立が全てです 国連が唯一の正義ではないし 全方位外交など右顧左眄の別名にすぎない

虚心坦懐に現実を直視し言い繕わない

ニクソン・ショックのあおりを受け 田中角栄が中国にいわれるまま 台湾と国交を断絶し 日中国交樹立となりました すべてが一方的に中国主導です そのときから中国の日本侵略は始まっています 毛沢東は100年200年先を見通していたのでしょう

パンダとトキで誑かされるのですから たわいないものです 次には格安労働力を餌に日本企業を誘致 皆こぞって中国に合弁工場を建てました
いまやすべての工業製品は中国生産 現地の工場と技術はいつの間にか 中国のものになっていたのです 家電メーカーに至っては 中国に買収される始末です

満鉄を初めとした資産を奪われたこと 忘れていたのか忘れたふりをしたいのか 満州国経済を牛耳った官僚の岸信介は 日本の敗色が濃くなると他に先駆けて逃げ帰ったが 莫大な政治資金も持ち帰ったといいます
その孫にあたる安倍晋三が日本国憲法を変更しようとしています なんと戦力不保持・交戦権を否定したまま 自衛隊の存在を認めるというのです 日本国憲法には統帥権の規定がありませんから 万が一武力行使する事態になった時 その結果に対して誰も責任を取る必要がないのです  

北朝鮮からのミサイルに備えるといって 姿勢を低くして頭を手で覆う なんて映像がTVのニュースで流されていました 空襲警報・灯火管制・焼夷弾が落ちたら叩き消す と全く変わらない事をやってる
北朝鮮の脅威に対抗して日本も核武装化? まさに竹槍精神と同等な現実を見ない浅薄な暴論です 原子力発電でモタモタしている国が核兵器開発などできない[02] … Continue reading

緊迫した極東情勢をよそに 自分たちの既得権益が奪われると 官僚が政治に楯突こうとしています その間隙を突きインターネットの世界では中国・韓国資本が横行しています 
しかも行政に深く入り込んでいるのです 一朝事が起きれば 情報戦・サイバー攻撃で日本は圧倒されることでしょう

権門上に驕れとも 国を憂ふる誠なく
財閥富を誇れとも 社稷を念ふ心なし

大義がなければ軍は戦えない

中国は経済侵略に留まっていません 軍備の増強に伴い日本の領海・領土が脅かされ始めました 国軍を持たず自らの交戦権を否定している日本は 中国の侵略になす術がない情況です 国内法である日本国憲法を他国が尊重する義理はありません
必要最低限の武力ってどういうこと 軍事も外交も優勝劣敗 勝つか負けるかしかない 敵の企図を粉砕し意志を屈服させる必要最大限の打撃力がなければ 防御は成り立たないのです 両者痛み分けなんてないですから
専守防衛って何? 籠城でもするつもりですか 南シナ海には立派な海洋基地ができました いつでも海上封鎖(兵糧攻め)できますよ このままでは遠からず日本全土が実効支配されます

自衛隊を正規の国軍とし対等の日米同盟を築かなければ 日本は中国かアメリカに隷属するしかありません 吉田茂以来 その場しのぎの憲法条文解釈でごまかして アメリカに従ってきたが これからは力関係で中国有利になりそうです
国の独立(主権)を保つには 大きな覚悟と責任が伴います 二人の賢将より一人の凡将(さすがに腰の定まらない愚将では無理ですが) 多数の合議で軍を動かすことはできないのです

責任を取る者がいなければ軍の統治はかなわない 先の昭和大戦の無様な負け戦さぶりを見れば 一旦出した軍を引くのがいかに難しいかが分かります 
薩長明治政府から始まった無責任な合議制が 退っ引きならぬまでの情勢を作り出したのです 昭和天皇のご聖断がなければ 文字通り一億玉砕でした

註釈

註釈
01 私個人の解釈ですが 「磊落」は小事を疎かにする 「飄逸」は俗事を避け逃れる 「恬淡」は無関心・傍観する といったニュアンスがあると思います 「狷介」は自らの尺度を持つことではないでしょうか
02 イスラエルは密かに核兵器を開発しているようですが 日本にそんな技術はありません 蒲田の町工場の職人技が素晴らしいといっても 核兵器開発は無理なことです
蒲田の町工場主人が温度計の鞘の設計不備を指摘したが 加工を発注した東芝は無視しました その結果もんじゅの事故が起きました 人災です
蒲田の商社に勤める人から聞きました 北朝鮮の核兵器や弾道ミサイルには 日本の技術・製品が多用されれています 複数のダミー会社を使い中国経由で輸出していたのです 公安警察は把握していたものの 取り締まる法律がなく港で監視するしかありません
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