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タグ: キャッチフレーズ

清酒はなぜ加水するか

清酒はなぜ加水するのか(玉割りといいます) 簡単にいうとアルコール度数が高く濃い酒だからです 世界中に醸造酒があります ほとんどの酒のアルコール度数は5%から10%くらいです
執事(butler)の語源はフランス語の瓶(ワイン)係です ローマ帝国の宴会ではワインを水で割るのが執事の重要な仕事でした(宴会の進み具合で割合を調整するのが腕の見せ所だったらしい) 当時のワインは醪そのもの濁酒状態で飲みにくかったのです 貴族の宴会の時は玉割りしてから 漉したり上澄みを供したのでしょう[01] … Continue reading

日本酒(清酒)原酒は20度前後のアルコール度数があります それだけでなく非常に濃厚な味わいを持ちます[02] … Continue reading そのままでは飲みにくいので 水で割って販売していたのです(アルコール度数等を調整した一升瓶の酒は明治時代に登場しますが 昭和前半まで酒店で量り売りもしていました 店先で水槽に通い徳利を浸していたといいます)
この高アルコール・濃醇な酒質は 日本酒独自の並行複発酵という醸造法によります

他の国でも高アルコールの酒は求められました しかしビール・ワイン等の単行複発酵・単発酵では無理なので 考えられたのが蒸留酒です
また芋焼酎・泡盛等も並行複発酵ですが クエン酸が生成されるため 醸造した状態では酸味が強すぎ とても飲めるものではありません そこでいったん蒸留し寝かせる工夫が行われました[03] … Continue reading

ワインと日本酒の流通

猿酒ともいえるワインは 変質しやすいものでした ギリシャ・ローマ時代では さまざまな香草類等で瓶(かめ)のワインに蓋をして腐敗を防いでいました これがリキュールに発展していきます ビールにホップを入れるのも腐敗防止のためでした[04] … Continue reading
日本酒に特有な腐敗菌である火落菌は高濃度アルコールに弱いため 日本酒は高アルコール・濃醇になっていきました 各地に流通することができたので 江戸時代には樽回船という酒運搬専用船までありました

ワインが流通するのは 瓶詰めの技術やパスチャライゼーションという加熱殺菌(火入れですね) 酸化防止剤・保存料等の添加物が混入されるようになった近代からです
ワインの添加物は補糖(シャプタリザシオン)や補酸を初め十数種にも及びます 現在では着色料や香料も用いられていて 認可された添加物は数十種類あります(ラベル表示の義務はないみたいです というか多すぎて表示できない?)

シャンパンの補糖は2回行われ 最初は瓶内二次発酵のため 次に澱を引いたあと減った分を補うとともに 味を調整するためです(ドサージュ) 使われる液糖をliqueur d’expédition(出荷時のリキュール)なんて言いますが それは言葉の綾でリキュールを加えるわけではない 正直に言えば日本酒の醸造工程で加えるのと同じ醸造用糖類です しかも醸造時ではなく瓶詰めのときに加えます[05] … Continue reading

原料アルコールと純米酒

添加物といえば 日本酒の醸造アルコールが取り沙汰されることがあります[06] … Continue reading(風評の出処は漫画「美味しんぼ」のようです 相央暇人の神奈川地域情報参照) 醸造用アルコールは別名を原料アルコールといい 醸造過程で使用するものです 使用目的はいろいろありますが 主に桶ごとの発酵度合い調整のためです
これはもともと腐敗(腐造)防止のために 醸造過程で焼酎を加えた技術の応用です(柱造りといいます) 一般に芳香成分はアルコールに溶けやすい性質があります そのため柱造りは香味の高い酒ができました

吟醸・大吟醸酒は昔から伝わる杜氏の技ではありません 主に醸造試験場で開発された 新しい技術で醸し出される日本酒の最高峰です 複雑な味を佳とするワインと対極をなす 雑味のない洗練された繊細な味わいを持ちます[07] … Continue reading
本来の吟醸・大吟醸酒醸造は腐造ギリギリの長期低温発酵なので 原料アルコールが欠かせないのです また吟醸・大吟醸酒は吟醸香が特徴です この吟醸香もアルコール添加によって生まれます

記憶が定かでないのですが 吟醸・大吟醸酒は最初東北で作られたようです 低温発酵のために適地だったのです ときには醪桶の周りに雪を積み上げたりしたと聞きます
安定した発酵のためにはむしろ 常温から高温のほうがよく(ワインも常温発酵です) 酒造りの原初といわれる菩提酛(水酛)づくりでは夏季に仕込みが行われました

では近ごろ見られる純米吟醸・大吟醸はどうやって作るのか 吟醸・大吟醸のアルコール添加は腐造防止と吟醸香が目的です 昔ながらの純米づくりで吟醸香は出ません だから最近まで純米吟醸・大吟醸[08] … Continue readingというものはなかったのです
特定名称酒が定められる以前から作られていた吟醸・大吟醸は 鑑評会用の酒を市販したのが始まりです それまで鑑評会用に醸した酒の残りは 高品質であっても高価格をつけられず 他の酒にブレンドするしかなかったのです

知人に酵母会社の研究部門の方がいます その方が作った酵母はふわふわパン用の酵母なのだそうです ふわふわパン用・もちもちパン用と さまざまな酵母が開発されています
酒の酵母もいろいろ作られていて 最近は吟醸香を生み出しやすい カプロン酸エチル高生産酵母ができました この酵母のおかげで純米酒でも吟醸香が作れるようになりました これが純米吟醸・大吟醸ですね

食品の添加物は大きく二つに分けられます 製造過程で使われるものと製品になる時点に加えられるものです 同じ醸造製品の醤油にもアルコールが添加されますが 醸造工程ではなく流通時の腐敗防止・保存のためです[09] … Continue reading
醸造工程の原料アルコール添加も カプロン酸エチル高生産酵母も 日本酒醸造技術の一つです それぞれ特徴があり持ち味があります 飲んだだけで醸造工程や原料の違いを見極めるのは かなり難しいことです(海原雄山の味覚は見事に利き分けたようですが?)

清酒造りは手間がかかる

酒造りで最も大変な作業が山卸と消泡でした 山を卸すとは半切りの蒸し米と麹を櫂ですり潰すこと[10] … Continue reading また発酵の最初3日位は不眠不休で泡を消さないと 桶から溢れてしまうほどだったそうです(泡盛という名前はおそらく発酵の様子から来たと思います)
原料アルコールの他にも 醸造方法の工夫で省力化が図られました とくに酛(酒母)作りの改良は大きいものでした 山卸が廃止され「櫂で潰すな麹で溶かせ」 自動消泡機が使われるようになり さらに低発泡性の酵母もあります

酛は発酵のスターター 掛米は添・(踊)・仲・留と分けて加えます 加える量や温度 回数・タイミングは求める酒質で違います これが糖化と発酵を並行して行う日本酒の醸造法です
かつての清酒は濃醇なほどよい酒とされました 究極の濃醇を求めたのが味醂です あまりにも濃厚すぎて生(き)で飲むことができません そこで焼酎で割るようになりました 柳蔭(本直し)といい夏の暑気払いに飲むものでした

酒を割る文化

こういった割る飲み方は 今の居酒屋文化に引き継がれているのかもしれません 江戸時代の居酒屋も樽で原酒を仕入れ水で割って客に供していました 鎌倉河岸の豊島屋が始まりといいます ローマの宴会ではありませんが 割る加減で店の評判が変わったりしたようです 割り水が多すぎると金魚酒などと言われます
豊島屋では酒菜に塩っ辛い田楽を出していました 田楽が串に刺してあるのは 立ち飲みなので片手に枡酒を持ち もう一方の手で田楽を持たねばならぬからです 肴というより摘みというべきか 枡で酒を出したのは量り売りの名残であり 酔っ払って仮に落としても割れないからです

昭和初期の頃までの居酒屋では 樽で原酒を仕入れ店で割って出している処もあったそうです 樽の上と下では味わいが変わり下の方の酒は「生憎と樽底でございますが」と断って出したといいます[11] … Continue readingこのような店では専門のお燗番がいます
また九州の居酒屋では焼酎を出しますが 燗を付けるときは前割りといって予め水で割った焼酎を用います いわゆるお湯割りは 大衆食堂でテーブルの上に置いてあるヤカンのお茶で 客が自分で焼酎を割ったのが始まりと聞きます

日本酒に使う原料アルコールはようするに甲類焼酎です 戦後の一時期合成酒や三増酒が出回りました アルコール臭を紛らすため味の素を耳かき一杯入れるという飲み方があったようです 今盛んに飲まれている酎ハイなんかはこれと同じことですね

酒造りと税金

酒造りは租税とのせめぎあいでもありました 造石税・蔵出し税・等級制などです 1992年に酒の等級制が廃止されました 等級制はいわば税金のための制度です 特級酒が高かったのは要するに税金が高いためです[12] … Continue reading 税金は取りやすいところから取るのが原則ですね
昔一升瓶とビール瓶が回収されていたことをご存知の方もいらっしゃると思います 一升瓶とビール瓶は酒造メーカーが所有するものでした メーカーに戻ってきた空き瓶を数えて税額の精算をしたらしい 透明が2級酒で茶色が1級酒 特級酒は緑色の瓶だったか(詳しいことはわかりません)

密造酒が犯罪とされるのは税金を納めていないからです 周知のように江戸時代の行政(藩)の財政は米に頼っていました 年貢米だけでなく酒にも税金をかけていたのです 明治以前は誰でも自由にドブロクを作ってたなんてことはありません
酒と税金の関係は今も続いていて ビール・発泡酒・第三のビールの税額が代表的な例でしょうか これまでも日本の酒税は世界一高かったのですが 6月にまたまた値上げしました
税務署による酒の生産高の管理は苛烈を極めています 原料や工程で使用する水の量まで詳細な記録を求められ 蔵出しは1リットル単位で計測します[13] … Continue reading まさに苛斂誅求そのものです

原料アルコール添加と混同され 誤解の元となっている三増酒も 第二次世界大戦後の食糧難・米不足で 酒造税の不足を補うため税務署の主導で造られました 戦時中の経済統制で酒蔵が統廃合され 各地の酒の銘柄や特徴が失われました 税務署は税金のために品質より蔵出しの数量を求めたのです[14] … Continue reading
戦後になっても米は長らく政策の道具でした(江戸時代と変わらないですね) 酒米も配給制でしたから 品質どころか量を確保することもできなかった アルコール添加云々の前に まともな酒を作ること自体ができなかったのです 米不足は第三国人によるヤミ米(その分配給米が不足する)のためです そこへ不法在留朝鮮人が朝鮮麹を密輸入し密造酒(バクダン)が横行 酒税を徴収できなかったという事情があります
いい米は第三国人によるヤミ米へ回され 残りが配給米となります それも食用が優先ですから酒はくず米で作るしかない 純米酒はとても飲めないような品質になってしまいます むしろ合成酒・三増酒のほうがよかったりしたのです

註釈

註釈
01 ギリシャ・ローマ時代のワインは 甕に葡萄の実を直接いれ足で踏み潰すという造り方です イタリアのカッラーラという都市でワインの原種(古式醸造?)があります まるでトマトケチャップのようにドロドロしたものだそうです 日本酒でいえば醪=ドブロクです このままでは飲みにくいいので 水で割って上澄みを酌んだのです これは今でも気取った高いワインを飲むときの デキャンタージュという儀式に残っています
02 日本酒特有の飲み方に燗酒があります 江戸時代では燗をするのが普通で 冷や酒は悪酔いするとか体に悪いとされていました これも濃醇な酒の味を和らげる意味があったのです 夏の燗酒はなかなかいいものです
03 ブランデーの銘醸地コニャック地方は良質のワインができなくて 苦肉の策として酸っぱいワインを蒸留したとの説もあります 瓶に入れて熟成した泡盛古酒(クースー)はブランデー以上の香味豊かな酒です
04 秋田県大館市で ニワトコの実を発酵させた 5500年前のワイン醸造の遺跡が見つかりました これにも細長い木の葉が使われています 種類はよくわかりません ニワトコワインを漉すとともに変質防止の意味があったかもしれません 土器で発酵させたのでしょうが 草を編んでカゴに敷き実を潰して果汁だけを使ったようです
05 紛らわしい言葉が グレーンウィスキーです ウィスキーと言いますが 実体は連続蒸留で作った醸造用アルコールです 様々なモルトをブレンドして(当然桶買いしているでしょう)玉割りし アルコール度数を調整するのに使います ブレンデッドウィスキーは三増酒ニ増酒なのです 
上方から下った酒は江戸で玉割りして小売りされますが 問屋や小売り酒店で関東の地酒とブレンドされることが多かった ブレンデッド日本酒ですね そこで後発の灘五郷の蔵が使ったキャッチフレーズが「灘の生一本」です
06 戦後の米不足時代に増量のため アルコール添加の日本酒が作られました アルコール添加は昔からある技術です 江戸送りの酒には腐敗防止のため 専用の無臭焼酎が添加されていました
日本の焼酎はウィスキーと違い一回蒸留です 大正時代ころからパテント・スチル・アルコールを添加しはじめて ついに純アルコール溶液・希釈アルコールになったのが甲類焼酎です 酎ハイを飲んでいながらアル添日本酒がどうとかいうのは おかしな話です
07 吟醸・大吟醸はあまり米を溶かしません 搾った酒粕に米粒が残るほどです 味の広がり(旨味・甘味)を制限し引き締まった酒のためです 狙う味の帯域で酒質が変わってきます 味の膨らみを求めるとふくよかな酒となります
08 本来の吟醸・大吟醸は酒精により吟醸香が生まれ 純米吟醸・大吟醸は酵母により吟醸香を作り出します また酵母で香りを作った酒は味の変化(酒のダレ)が早いといいます
09 とくに減塩の醤油は保存性が悪くなるので アルコールや他の保存料が必要になります 梅干しなんかでも同じです
食品の製造工程で加えられる添加物はナトリウム化合物が主です これは後工程で中和することになっています 酒の醸造でも原料アルコールがそのまま最終製品に残るわけじゃない
10 櫂といっても杉の木でできた身長ほどの丸太棒です 麹と米は水分を吸って固くなっています 少しぐらいの力では突き崩すこともできません 最初は手で崩してから櫂で潰していたようです この時決して捏ねてはいけません
11 明治の頃までは杉木酒樽での流通が主でしたから 本当に樽底は木香が強かったようです 場合によってはジンのような香りがしたといいます いわゆる下り酒や富士見酒は 波に揺られることで 樽香が緩和され円やかになったのかもしれません
12 平成元年に「清酒の製法品質表示基準」が定められました 清酒の名称は8種類ありますが 原材料や精米歩合等の区分けです 法律名通りラベル表示の基準であって 等級や品位を表すわけでない
13 呑み切りなど蔵内の試飲はよいのですが(製造工程の誤差「欠減」に含まれます) 蔵の外に1升分を持ち出せば 代金の授受がなくても課税されます 貯蔵桶の目盛りと原材料・糠の量・酒粕の量・使用した水量が合わなければならないのです
14 三増酒は大蔵省の醸造試験場が理化学研究所と共同で作ったものです 理研の鈴木梅太郎が発明した合成酒の応用です 戦後の米不足の折 酒の供給量を確保するためですが それはすなわち酒税の確保が目的でした 三増酒を酒造業者の責に帰するのは見当外れです 税務署であって税務所でないことに注目してください 庁・署と名の付くお役所は捜査権などの強制権を持ちます いわゆるマルサですね
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ブランドは焼きゴテ、ブランディングの意味

コーポレート・ブランディングとは企業イメージを設定・構築することです
イメージ構築は社是・社訓みたいな抽象的な言語化だけでは 容易に受け入れてもらえません 企業理念の言語化に加えて視覚化が必要です 言語化+視覚化の最初はロゴとマークになります

ブランディングアイアン(branding iron)という言葉をご存知でしょうか 焼印用のコテです 身近に見かける焼印はカマボコ板やどら焼きにありますが branding iron となると西部劇なんかに出てくる 牛の所有者を表す焼印用コテです brandという言葉自体 焼印を捺した牛のことだそうです(日本でブランド牛というと だいたい霜降りの牛肉です
牛に焼印(ロゴ・マーク)を捺すことで所有者を示す すなわちこれがブランディングです 差別化とか付加価値をつけるというのとは全く違う いわば出自を明らかにするために行うことです

ではスローガンやキャッチフレーズ ロゴやマークを作ったりリニューアルすれば、ブランディングは完了か 企業・商品の場合 そんな簡単なことでないのは誰も分かっている 牛に捺す焼印じゃないのだから 中国や韓国のパクリ商品は牛泥棒みたいなものです

企業イメージを構築するのはとても難しい 時間もかかります その辺が昔流行ったCIとは異なる施策です(CIは5年しか効果がないものだ とか言い訳してましたね)
いちばん大切なのは経営者のぶれない信念です 経営理念を明らかにし 社内に浸透させ社員が体現し(まずは社内の意識を統一すること) さらにお客様にもご理解いただくのが コーポレート・ブランディングです

通販に見るブランディングの事例

「ジャパネットたかた」さんが低迷しています これはブランディングの失敗だと思います 高田社長のキャラクターが立ち過ぎました 会社のイメージを創造することができなかったのではないか
TV通販に注力し過ぎ インターネット通販に出遅れたからという説がもっぱらですが そうばかりとも言えないでしょう

e-コマースの代表 アマゾンの創業CEOジェフ・ベゾスは マスコミ嫌いらしく ほとんどメディアに露出することはありません(高田社長と正反対です) その辺がTV向きとインターネット向きのキャラクターの違いでしょうか

しかしポリシーはアマゾン社内に行き渡っていて たとえばオフィスで使うデスクは 古いドアを再利用するのが伝統だといいます 変わった形の視覚化ですが商売人ですね  吝(しわ)いことは商人の美徳といえます
アマゾンでは《リーンカルチャー》といっているそうです カルチャーですよ 社内文化こそがブランディングの始まりです 企業文化という言葉はよく聞きますが コントロールできているところは非常に少ないと思います

その外にも本社ビルの呼び名をアマゾン最初の顧客名にしたり コーヒー好きなCEOの影響で本社内はいたるところ シアトルコーヒーの香りが漂っているとか 視覚化どころか嗅覚まで アマゾンはベゾスカラー一色です
これは計算されたブランディングではないでしょうか 繰り返しますがブランディングの第一歩はまず社内からです

高田社長自らが インフォマーシャル・スタイルで売っていた初期の頃から 私は注目していましたし好きでした 当時すでに今のマスコット(ユルキャラっぽい社長)を使っていたような気がします
ジャパネットたかたは 今や一千億円を超える売り上げを誇る大企業ですから 企業経営はシステム化されていると思います 社長の信念がどれほど社内に行き渡っているか 外部からでは分かりません でも社長のキャラに圧倒されているように見えます

取扱商品の幅を広げても 若手を育てても 高田社長の代わりはできないでしょう まさか社長キャラの着ぐるみで売るわけにいかないし あの甲高い声で機関銃のようにまくしたてるのも真似できません

「ジャパネットたかた」はインフォマーシャルで売るTV通販(無店舗販売)です 対して「アマゾン」はホームページが店舗のカタログショッピングです 別に「ジャパネットたかた」がインターネットに出遅れたとか 対応できなかったわけではなく 業態が最初から違います アマゾンは厳密にいうと通販ではありません ビジネスモデルとしては完全に物流業 インターネットを使ったロジスティクスこそがアマゾンの本質です

通販において 社名やロゴはさほど重要ではないとされていました プリント媒体でいちばんでかく書いたり 電波媒体でしつこく連呼するのは 電話番号というのがセオリーでした
日本の通販では ブランディングなど ほとんど考慮されていなかったのです その中でジャパネットたかたは異彩を放っていました しかしブランディングという観念ではなかった

マスメディアを使って広告していた頃はそれでよかった インターネットのユーザーはTVのオーディエンスと違いますから 単なる一方的な情報の受け手ではありません 主体的な行動をとる人たちです 真摯なイメージ構築が求められます
いくら視覚化が大事だといっても ユルキャラでブランディングはできません

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AIDMA_AISAS_A3JR

このごろ広告業界以外の方が「AIDMA」とか「AISAS」とかの解説をしているのを見かけます
AIDMAはかなり古く 現実にそれで通用するかは ?の部分が多いものです
AISASは どうなんでしょう Eコマースには当てはまるような気もしますが……

「A3JR」というのを考えてみました 私のオリジナルではなく プロパガンダや布教による態度変容の過程をまとめたものです 決して新しいものではありません ギリシャ・ローマ時代から使われている手法です(でもインターネットの世界 webマーケティングにもっとも合致していると思われます)

⑴ 注目(Attention)=同じAttentionですが AIDMAの場合「注意」を喚起するための キャッチフレーズやビジュアルインパクトを指します 「注目」としたのは 主体的な検索等によって 情報の受け手が親近感を持つ状況作りのことです
⑵ 誘引(Attraction)=AIDMAの「関心」と似ています ただ興味を持たせるだけでなく それよりももっと直截的に 利益を差し出すことです いわゆるパンとサーカスです インターネットの場合は役に立つ貴重な情報にあたります
⑶ 同意(Assenting)=この辺から大きく変わってきます AIDMAでは欲求をかき立てる段階ですが A3JRはメッセージを理解し 納得してもらうことを重視します 理性的にとは限りません 感情的であったり 時に脅迫的なこともあります
⑷ 参加(Join)=もっとも重要なプロセスです 一方的な伝達ではなく 双方向性であり さらに強制と服従を伴う一種の儀式ともいえます 現実の行動としては うなずく クリックする 質問に答えるから 署名 電話するなどがあります
⑸ 反応(Reaction)=いろいろな程度があります 商品を購入する 積極的に人にも勧める 自ら宣伝役を買って出るなど 潜在意識にとどめるだけの場合もあります それでも次のメッセージを容易に受け入れる下地はできているのです

※AIDMA=⑴ 注意(Attention)⑵ 関心(Interest)⑶ 欲求(Desire)⑷ 記憶(Memory)⑸ 行動(Action)

こちらの 広告テクノロジーは「アホマーケター量産装置」? マーケの本質は“売れる”環境づくりの知恵やノウハウにあり(加藤 公一 レオ) 記事が面白いです 一見新しそうな技術もじつは衣だけ 中身はそう変わらないことを見抜いていらっしゃいます 通販激戦区九州で活躍されておられるそうで 実践に基づいた感想なのでしょう(たぶん)

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