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タグ: 個別包装

嵩上げ経済

同じスーパーで別々の日に 総菜のトンカツを買いました 1回は安売りの目玉商品 次は通常の価格です
一見して どちらも同じようなトンカツでした ところが切ってみると違うのです なにが違うかというと肉の厚さです バーゲン品はプロパーの肉に比べて 3分の2ほどしかありません その分衣が厚くなってました

安いのには それなりの理由がある 決して大サービスではなかったのです
飲食店でアルバイトしたことがある知人によると エビフライは2カ所に切り目をいれて引き伸ばし パン粉とバッター液を2度付けして嵩を増すといってました

惣菜や飲食店だけじゃありません このごろ気になるのは カレーのルーとスライスチーズです 外箱・外袋の大きさは昔と変わらないのに 量目が2割以上減っています カレールーは中のブロック一つひとつを小さくし スライスチーズの中身も 二回り小さく薄くなっています
魚肉ソーセージもそうです 外袋のサイズはそのままに 本体は2センチほど短くなりました 紙筒入り成形ポテトチップスに至っては外箱サイズの半分しか入ってません 中が見えない包装ものは全てといっていいでしょう

かなり昔に過剰包装や上げ底・額縁包装が問題になったことがあります 主に土産品の駄物だったと思います 今やこれが あらゆる商品で普通のことになりまし[01] … Continue reading
始まりは米菓の個包装じゃないでしょうか 煎餅など輸送中に割れやすいものは 外袋に空気(窒素?)を充填して膨らませます すると中身がスカスカになってしまいます それをごまかすために個別包装するようになりました おかげでオカキなんか いまや半分以下の量目です
もっとも菓子類などは 少しでも欠けていたら すぐクレームをつける客がいますから やむを得ない面はあります

スーパーといえば 298円といった値付けがよくあります キュッパー価格とかいいます 消費税が上がる前は消費税込み298円でした
消費税を8%に値上げしたとき 役人が外税表示にしろと言い始め 同じ商品が本体価格298円となりました 実質的な値上げです

デフレだとか何とか言って騒いでましたが 見かけの価格は下がっても 中身もそれに応じて品質が落ち容量を減らしています インフレ目標は物価上昇だそうです 値上がりすれば景気がよくなったことになるのです 分厚い衣とスカスカの中身のまま 物価が上がるのでしょう そういえばユニクロやニトリは 粗雑な品質はそのままにジワリと値を上げています

細かすぎる  みみっちいとお思いか しかし日銀などのいう大きな数字には必ずごまかしが入り込みます 聖霊なる神が遍在するとは全ての事象はフラクタルだということではないですか 細部にこそ真実(実体経済)が表れるのです
物価が上がれば企業が儲かる 企業が儲かれば給料が上がる 給料が上がれば消費が増え 経済が成長する 正気で言ってるのか?
スーパーから買い叩かれている業者の方が「品質を下げざるを得ない 結局は客の日常の質が落ちる」といってました 真実の声でしょう

コンパクトな経済 質のよい経済 適正な品質と適正な利益で経済が回れば 国民の生活は安定します むやみな経済成長じゃない
経済混乱の元凶は赤字国債と株屋の類によるマネーゲームです そして好不景気に関わりなく 野放図に拡大を続ける国と地方行政の予算

日本の人口はアメリカの半分 それなのに国会議員はアメリカの2倍の人数 報酬額も2倍です アメリカ並にすれば それだけで議員の歳費を4分の1にできます 地方議員もしかり
天下りの特殊法人・外郭団体を一掃し 現役の役人も数を3分の1にすれば 国の予算は大幅に削減できます ほとんどが事務方の人件費と借金の返済ですから

国内総生産額だの経済波及効果だのは すべて衣の嵩増し・過剰包装にすぎません 実質の中身はなにも反映していない
予算を無駄遣いしているのは役人と議員 無駄に多いのも役人と議員 そして闇に飲み込まれていく税金 行政と議会のなれ合いが無駄を生んでいる気がします

註釈

註釈
01 土産物などは いい加減な品物だと みな承知の上で買っていました しかし一般の商品まで外箱と中が違うのは お互いの信頼感がなくなったということです いまや全ての商品が詐欺商法になってしまったのでしょうか
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雀とパン屑

いつだったか フランスが本店のレストランが作るパンを買ったことがあります
かなりの値段でしたし 普段 そういうものに価値を置かないと公言しているのですが 店の裏の工場で焼いているのを見て つい買ってしまいました
皮がパリパリで沢山のパン屑が出たので 何気なくベランダに撒いてみました すると雀がやってきて夢中で食べるのです かなりの量をたちまち平らげてしまいました

何日か後 その高級パンがなくなり いつものヤマザキ食パンを朝食に食べました 試しにパン屑をベランダに撒いてみました ついでに魚沼コシヒカリの米粒も一緒に撒きました
やはり雀がやってきて啄んでいます しばらくしてベランダを見ましたら なんと米粒だけを選って食べ パン屑はそっくり残しているのです

フランス産小麦粉[01] … Continue readingと思われるパンは 大変うまいものでした しかしヤマザキのパンも 食べられないほどひどくはありません
それなのに雀はまったく口(嘴)を付けないのです 添加物の臭いを敏感に嗅ぎ取ったのでしょうか きっと野生の知恵で有害なものを避けたのです

2020年4月1日追記=ヤマザキが北海道で売っていた食パンの原材料表示に 嘘が書いてあることが明らかになりました もともと原料表示は量の多い順番で スペースに書ききれない微量の添加物は表記されません しかしヤマザキは故意に嘘の表示をしていました
ヤマザキに限りません 生協のプチ・シュークリームやおかきは 下請工場の通常製品をパッケージだけ変えて詰めたものです その銀色パッケージには 麗々しく無添加天然と書いてありました 嘘の表示はずいぶん前からあったのです)

あるとき知人が個展を開くというので 銀座の画廊へ見に行きました 帰りがけ三越デパートの地下にあったJOHANという店でパンを買いました
家で食べましたが これが不味いのです 値はヤマザキパンの3倍以上もします それなのに小麦粉の香りがないし食感もだめです 材料と焼き方だけの問題だろうか

パン屑をベランダに撒いてみました 案の定 雀は見向きもしません 3日経ってもそのまま残っています JOHANはインストアベーカリーの走りだそうです 個別包装しなければ添加物表示の義務はありません
インストアベーカリーといっても 成型二次発酵の冷凍生地を焼くだけです 温泉まんじゅうと大差ない見せかけだけの売り方です (冒頭に掲げたパン工場はガラス窓のかなり広い部屋でした)

ある方から湯河原のパンをいただいたことがあります 小さな店ですが長蛇の列で整理券を配っていたそうです なんでも天然酵母かなんかのパンで TVで幾度も紹介されたとかいってました けっこうな価格だったみたいです
せっかく貰ったものを申し訳ないのですが話になりません 味を云々するどころか出来損ないのパンです なぜこれが評判なのか理解できない 少なくとも職人の気概は感じられないものです 手作り風(素人風)がよいのだろうか?[02] … Continue reading

このパン屑はベランダに撒きませんでした(モッチリしていてパン屑がほとんど出なかったのです) ですから雀がどう判断したかも分かりません 人の味覚も価値観も違います[03] … Continue reading(※なので上記はあくまで「個人の感想」です)
付加価値で売ろうとしない まじめに作った普通においしい 町のパン屋さんがなくなった(成り立たなくなった)のは確かです 昔「あたり前田のクラッカー」というフレーズがありました 当たり前においしいことが いかに大事かを語っていた?

2020年11月16日追記=京都志津屋さんのパン カルネを初めて食べました これは価値があります 特にパンそのものが素晴らしい ハム1枚と少量の玉ねぎ自家製マーガリンだけのシンプルな味です オフィシャルサイトを見るとドイツ風フランスパン!と書いてありました なるほど昨今のふわふわ・もちもちパンとは一線を画す実直な作り 久しぶりの美味いパンでした)

蛇足なんですけれど スイスのパンは不味いという定評があります 国民皆兵のスイスでは常時戦争に備えていて 兵糧米ならぬ兵糧麦を備蓄しています 古い小麦から食べていきますので どうしても美味いパンは焼けません
チーズなど保存食品の生産が盛んなのも同じ理由です チーズフォンデュは古く固くなったパンを食べるため考えだされました まさに陣中食ですね 越後の「ケンサン焼き」が思い起こされます 味噌を塗った強飯の握り飯を 湯漬けで食べる陣中食です

註釈

註釈
01 かつて国産の小麦粉ではパンが焼けないと言われました その通りで小麦粉の質が違います 今では国産小麦粉も品種改良されて パンに使えるようになりました それでも素材の素性は品質を決定します フランスの小麦粉で焼くからフランスパンなのです
02 昔物好きにライ麦を使ったドイツ風パンを買いました 販売店の人が できるだけ薄く切って食べるといいと教えてくれました その通りにすると大変うまい ハードな食感を意識した切り方でした 販売する人も美味しい食べ方を伝えてくれる 自分の作るパンの味に自信を持っているのです
03 私の味覚では「もちもちパン」が嫌です ネチネチした食味は本当にまずい 「ふわふわパン」は不思議です 食パンを冷蔵してはいけないと かつては言われました ふわふわパンは1週間冷蔵庫に入れておいてもフンワリしています もちもちパンはタピオカ粉に似た澱粉を使うようです ふわふわパンは専用酵母があります
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デザインと売り方(セブンカフェ・温泉まんじゅう)

プロダクトデザインで最近(でもないか)話題を呼んだのが セブン・イレブンのコーヒーマシンです 客に操作させるのですが めちゃくちゃ使いにくくて ユーザーインターフェースのことをまるで考えないデザインとして大不評でした
この仕掛けは淹れたてコーヒー・揚げたてドーナツの演出ですから 利便性はそれほど重要な項目でない これだけ話題になったのだから成功したといってよいのか 予想外の反応だったかはわかりません 売れているんだから失敗とは考えていないでしょう

佐藤可士和氏のデザインに対して批判が多いようですが あの人は確かグラフィック・デザインだったと思います 同じデザインといっても アパレル・デザイン インダストリアル・デザイン グラフィック・デザインは全然分野が違います
グラフィックの人にプロダクトデザインを依頼したのはなぜですかね たぶん有名デザイナーという話題づくりを狙ってのことだと思います 著名デザイナーとかデザイナーが名前で商売するのはアパレルあたりから来たことです その昔ピエール・カルダンがデザインした飛行機なんてのもありました

セブン・イレブンがフランチャイジーに無償で あのコーヒーマシン(とドーナツのケース)を配るとは思えません たぶん仕入れさせるかリースで売りつけています(間違ってたらごめんなさい)
自動販売機でも缶入りコーヒーよりカップ式のほうが利益率ははるかに高い ただこれは1台がひとつの喫茶店という扱いになり メンテナンスの人手が必要です(それと手洗い設備も必須) セブンカフェの場合この人件費はもちろん加盟店が負担する 「おでん」がうまくいったので味をしめたか
フランチャイザーはフランチャイジーに売ればよいので コンシューマーは直接の客じゃありません 使い勝手の悪いマシンを押し付けられた加盟店は やむなくテプラを貼りまくったというのが経緯なんじゃないでしょうか

同じドーナツやパンでも個別包装せず 籐のバスケットなんかに籠盛りして並べ 客にトレイに入れさせれば高く売れます こういった売り方の始まりは温泉まんじゅうだと思います 焼きたて・揚げたて・蒸したての演出です
包装しなければ添加物を表示する義務もないし 手書きPOPでも添えれば手作り風を装いやすい この頃はこういうのをマーケティングデザインとかいってるみたいです あえて利便性を無視し余分な手間をかけさせることが付加価値となる

セブン・イレブンに限らず多くの大企業にとって客は数字に過ぎません 客数・売上高はいちばん分かりやすく管理しやすい 全国で多店舗展開するにはコアな層を狙うんでなく ボリュームゾーンに売るのが常識でして 個人の顧客満足度なんて数値化できませんから考える必要ないのです そこは販売現場の努力なり加盟店の工夫で補ってもらう
インストアベーカリーならまだしも セブン・イレブンの場合どう考えても配送時にはパッケージングしているはずです あのドーナツは売るときにわざわざパッケージから出しているのでしょう(おでんもそうです)

2017年2月3日 追記=セブン・イレブンのフランチャイジーがアルバイトにノルマを課していると騒がれています とくに日配品は返品できず全量買取になります
売れ残りを従業員に売るのは 他のフランチャイズチェーンでも当たり前に行われているし その際は通常価格です それでも残るのは廃棄されます(経費は加盟店負担) クリスマスケーキやバレンタインチョコレートみたいに 翌日半額で売ることはできない
問題があるのは一方的な押し付け販売のフランチャイザーです フランチャイジーのみを責めるのは酷だと思いますが)
2021年1月21日 追記=セブン・イレブンの「練乳いちごミルク タピオカ入り」がまた話題をさらっています 透明なカップに入った商品なのですが完全に透明ではなく イチゴを模した赤い模様が描かれているのです ご丁寧に底の方はイチゴが下だまりしているようになっています 手に取って見れば分かるといっても これは明らかに誇張した表示を狙っています
以前にも「厚焼き卵サンド」の底上げ問題がありました 三角の切り目にだけ厚焼き卵を細長く切って入れ 中はスカスカという代物です 全ての商品がそんな状態ではないので 下請けの製造工場の仕業でしょう 多分極端な低価格の仕入れで製造させている為だと思います 詐欺まがい商品の巣窟ですね)

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