コンテンツへスキップ →

タグ: 利権

越後湯沢温泉

マーケティング ブランディングはイメージの売り込みや イベント等で知名度を上げることではない 脚下照顧 まず自らを見つめ直すのが肝要だ

越後湯沢温泉はなぜ衰退したか

もちろん新幹線のせいだ 温泉は非日常の特別な体験だから 人が惹き付けられる 交通の便は関係ない
加えてスキー客を当て込んだためだ 鄙びた素朴な湯治場の風情が壊されるにつけ 客足は遠のいていった
いま 上越新幹線・越後湯沢駅から外へ出ると 目の前には道路が横切って車が行き交い信号さえない お客様をお迎えする心はどこにも見当たらない 散策できない温泉街に人が来るわけがないのである

あのリゾート法という世紀のまやかしに便乗して 安手の温泉付きマンションとやらを造りまくった湯沢町 当時アルバイト程度の建築作業員に 日当6万円を払っていたという
いまや 廃墟と化した建物を取り壊す費用を宛てがうことさえできない 無節操に無思慮につくった施設は負の遺産となり 再生・復興の足枷として残るのみだ

もともと旅館は 旅行代理店からの団体客を当てに営業していた 個人客の増加に対しても 相変わらず集客を他人任せで 自らの努力を惜しんでいた
たとえば 旅館名で検索しても多くの場合 上位に表示されるのは予約サイトばかりだ むろん 予約サイトからオフィシャル・ページには行けないようになっている この状態に甘んじて顧みることがない

かつて 川端康成の小説が唯一の売りだった越後湯沢温泉 たしかに雪国は長い間 冬の交通網整備が大きな懸案だった
(おそらく田中角栄のおかげで)道路が整備されたのだが 効率のみを求めた結果 歩行者のことは置き忘られた
そのため地方都市は車なくしては生活できない いびつな場所になってしまった 昔の街道にあった「雁木」の精神はすっかり失われるに至ったのだ

経済振興のかけ声で作られた 新幹線も高速道路も 途中通過の町の生活と地場産業を崩壊させたのみだ 省庁が主導する お手盛りの法律と利権と外郭団体と族議員で形作られるサークルに 税金が垂れ流され消えていく典型例を見るようである

コメントは受け付けていません

パッケージとインフォメーション

牛肉弁当

駅弁のTV番組を見ました 岩手県沼宮内 肉のふがねが新しく作った弁当「岩手短角牛やわらか煮弁当」を 修業した店の親方に試食してもらうというシチュエーションでした (この弁当は駅弁といっても 岩手県「道の駅石神の丘」で売っているものです)
そのシーンで なぜか親方は試食の前に しきりとパッケージデザイン(蓋の部分)を見ているのです

黒バックで ほとんど書き文字だけで構成されたものです
「岩手短角牛」の文字と 「やわらか煮弁当」の文字 そしてもう1つ(よく覚えていませんが ホームページで確認してみると「脂身が少なくてやわらかい」だったかもしれません)の文字がすべて同じ大きさで 客に何を伝えたいのかよくわからないと批評したのです
若い店主は味の評価を聞きたかったのでしょうから 釈然としない表情でした

ちゃんとした料理人に 美的感覚は欠かせません 盛り付けにしても メニューや店の内装にも その人の料理にふさわしいセンスが必要です 親方が まずパッケージを見たのは当然のことです この弁当を食べてもらいたい という気持ちが表されていなければならないのです(ブランディングのひとつです)

おそらく肉のふがねが太鼓判を押す牛肉なのでしょう その名の通り岩手短角牛を柔らかく煮込んで 肉の食感を残すため手で裂いて仕上げたものだそうです 丁寧に手づくりしていて 画像を見る限りなかなか旨そうな弁当です
言いたいことはよく分かるのです もうひとつ知名度がない「岩手短角牛」のおいしさを知ってもらいたい 肉屋が作った 牛肉柔らか煮の味には絶対の自信がある 霜降りの牛肉ばかりありがたがるが 牛の本当の旨味は赤身にあること そのすべてを伝えたいから 大きい文字にしてしまう よくあることなのです 自分の気持ちが先行して かえってお客様に伝わらないこと 自分の思いとお客様が求めることのズレは

私だったら メインに「牛肉やわらか煮弁当」として そこにかぶせるように「手割き仕立て」と入れます その下に遠目からは読めないくらいの文字で 「肉のふがねが 岩手短角牛のおいしさを知ってもらいたくて このお弁当を作りました 柔らかく煮上げた牛肉の食感を味わえるように 牛肉の繊維にそって手で割いて仕上げています ていねいに作った味を じっくりと噛み締めてみてください」としたでしょう
一見 文字数が多すぎるように見えます でも パッケージはインフォメーションであるべきだと思うんです 明確なメッセージが必要だと思います

ホームページもコンテンツが命です ビジュアルじゃない

2023年9月30日追記=靖国神社前に海苔弁専門店があります 最近できた店ですが 高級海苔弁でなかなか繁盛しています 売れているのは明確なコンセプトのもとに プロデュースされているからです
とくにパッケージがよい 上質な紙製で程々の高級感がある 蓋を開けると内側に食材の説明が書いてあります つまりパッケージを使ったメッセージです パッケージが最大のオウンドメディアであることを分かっています)

A5ランクの牛肉?

牛肉というと A5ランクがもてはやされます これは枝肉[01] … Continue readingに対する格付けで 1〜5はサシの入り具合(カラーチャートで見ます) ABCは歩留まり つまり重量に対し肉として売れる部分の割合がどれだけあるかで 枝肉の値段が決まります
サシがたくさん入ったピンクの霜降り肉(霜降り・鹿の子という言い方は昔からありました)で クズ肉になるところが少なければ その枝肉は高値で取引きされるのです 成り行きとして精肉の小売価格も高くなります 肉質や食味は関係ありません(クズ肉は蛋白加水分解物〈魔法の粉〉として利用されています)

このランク付けは神戸牛のセリから始まったようです 上記の赤身肉は岩手です 同じく米沢牛も高い評価があります ともに神戸・松坂等の銘柄牛と比べてあまり高値で取引されません
肉質・食味は良いのですが 流通経路の関係で付加価値がつけられないためです(1〜5の数字はサシの入り具合なので 赤身肉はランクが低くなってしまいます)
とくに関西方面の牛肉の流通は利権団体(同和)に牛耳られています それが高値の原因です 岩手や米沢には同和が入り込んでいないため 安い(適正価格?)のです

牛肉は 高いから高級品 高級だからうまい とはならない いびつな流通が値を釣り上げているだけです

註釈

註釈
01 昔の肉屋さんは奥に大きな冷蔵庫があって レールに枝肉を吊るしていました ロース肉をくださいとかいって注文すると ガラガラと引き出してきて ブッチャーナイフで叩き切るところから始めていました
たぶん自店で熟成していたと思います(肉の熟成は枝肉でやるものです) 今はブロック肉で流通しているみたいですね だから5段階表示はまだしもABCはまったく無意味です ブロック肉にカビをはやして 熟成肉だなんていってるのも出てきました
コメントは受け付けていません

トヨタのお殿様商売

いや驚きました トヨタって危機管理能力 ゼロだったんですね まさか あそこまで醜態さらすとは思いませんでした
まえに CMで「まだ使えるけど 省エネのために乗り換えます」とやっていたのを見て ずいぶんセンスがずれた会社だなと 感じてはいたのですが(トヨタの広告ってすごくセンス悪いですけど ハウスエージェンシーが作っているのかな)
まぁ考えてみれば 《技術の日産 販売のトヨタ》と言われていたわけで もともと商品の品質や性能で売っているところではありませんでした
高収益体質は 下請けの部品メーカーを叩くことで維持していましたし 品質管理も含めて ものづくりに熱心な会社ではないですよね

ハイブリッドカーは最初 過渡的な形態だと言われていたのに トヨタ・プリウスがいち早く商品化した結果 エコカーのスタンダードみたいになりました やはり商売上手です(政府に働きかけて補助金なんかも出させました)[01] … Continue reading
メルセデス・ベンツのハイブリッドカーの運転感覚は 従来車に非常に近いものだそうです この辺のフィーリングの煮詰め方は やはりヨーロッパ車がうまいですね
ブレーキだけでなく トヨタ車のレスポンスの悪さは昔からの伝統でした?

それにしても 今ごろ社長が出てくるなんて いくらなんでも遅すぎます いまさら 何を言ってもみんな言い訳になりますから
たぶん想像ですが 創業家から迎えた社長を 矢面に立たすわけにはいかん なんていう時代錯誤の意識が働いているんじゃないでしょうか
そういえば トヨタグループでは いまだに豊田自動織機を本家と呼んでいると聞きましたけど 企業風土って変わらないものですね トヨタ城下町とはよく言ったもんです

新潟県中越沖地震のとき 自動車部品メーカーが罹災しましたが わずか数日で操業再開しました あの時はトヨタなんかの従業員が 復旧の手伝いに行ったとかいう美談仕立てに こしゃってました(越後弁)
実態は官僚・政治家を動員して市に圧力をかけ 電気・水道のインフラをその工場にだけ 無理やり開通させたのだそうです 市民の生活は無視してです このたびの常務だったかの記者会見の 傲岸不遜と通じるものがあります

註釈

註釈
01 2021年2月7日追記=GMが電気自動車(EV)に全面的にシフトすると発表しました アップルが自動運転の車を開発するらしいのですが 韓国の自動車メーカーと提携するかもしれない様相です 日本はトヨタが政治家を動かして官僚とともに ハイブリッドカーに固執してきました 目先の利益と利権のみで動いているからです テスラが存在感を示しても軽く見ていたのでしょう 世界の潮流から完全に取り残された日本の自動車産業はこれで終わります コンピューターやスマートフォンを玩具扱いし 日本独自技術とかに拘っていた家電の二の舞ですね
コメントは受け付けていません