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タグ: 国境

地名は歴史をあらわす

地名は地形の特徴から付けられたものが多いようです また地名はその土地の歴史と密接な関係があります 2005〜6年に全国で行政区域の統廃合が行われ 多くの歴史ある地名が失われました 平成の大合併と言われるこのような暴挙は 過去にもあったのです それは明治の廃藩置県です
一戸・二戸・九戸は岩手県にあり 二戸・三戸・五戸・六戸・七戸・八戸は青森県にある地名です 県境を跨いでいるとはいえバラバラにあるわけでなく この地域はもともと糠部郡といい南部藩でした そうです薩長明治政府が奥羽列藩同盟を分断した結果です
国境は高い山であったり大きな川といった 自然の地形に沿って設けられるものです そのため気候も違い[01] … Continue reading 暮らしぶりや産業さらに人心にも風土の影響が表れます しかし東北の県境は 一つの町中の道路にあったりと不自然なものです

薩長は明治維新の前後に巧みなプロパガンダを展開しました 錦の御旗なるものをでっち上げ 宮さん宮さんという俗謡を喧伝したのが始まりでしょうか 四民平等や廃藩置県も徳川の治世を否定するためのキャンペーンです
明治維新後に版籍奉還したものの 旧藩同士の間には角逐があって なかなか県境が定まりません 明治政府が一方的に線引きをしたというより 津軽藩と南部藩の妥協の産物なのかもしれません
藩が県になっただけでなく多くの村が統廃合されて そのたびに名前が変わりました それでも全国に7万もの村があったそうです さらに市町村制の施行で地名は1万強にまで減少しました 明治の大合併といわれます

昭和大戦後にGHQの指示で昭和の大合併がありました この時2万人の人口で市になれる時期があり 埼玉県に和光市・朝霞市・新座市・志木市といった小さな市ができました 平成の大合併と合わせて 4回も地名が弄ばれ失われたのです
もっとも遡れば 奈良時代の好字二字化令により 全国の地名表記が変わっています(地名に当て字が多く 読みが分かり難いのはこれが原因) 明治政府は中央集権のため この施策を真似したのか[02] … Continue reading  役人の体質は古来から同じといえますね 今でも無責任な思い上がりは変わりません

註釈

註釈
01 高い山や大きな川は 交通困難な自然の要害でもありますから 敵の侵入を防ぐのに好都合です 越後に雪を降らせた季節風は三国峠を越え 乾燥した寒風となって上州を吹き荒れます 雪解け水は越後に実りをもたらし 空っ風は上州に博徒国定忠治を生み出した? 今でもギャンブルの盛んな土地柄です
02 大化の改新も明治維新も ともに外圧を受けてのことです 随・唐の強大な統一国家が 周辺に勢力を広げるのに対して 日本の国家意識が高まりました 幕末に西洋列強が世界に植民地を拡大する中で 我が国も主権と独立が脅かされかねない情況でした 強国の制度文明を取り入れることで 国難を乗り切ったのです
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中印国境と尖閣諸島

バイデンさんに菅首相が電話して 尖閣諸島に中国軍が上陸したら日米安保条約に基づいて アメリカ軍が黙っていないと言ってもらったと喜んでいます バカか 日本の領土を守るのは日本です アメリカにそんな義務はない 首相が変わっても相変わらずの能天気ぶり 日本の国土国民を日本政府は守ることをせず 他国任せにしていると内外に言っているのです
アメリカは(その他の国も)自国の国家戦略で動いています 尖閣諸島が中国領土になったら 沖縄の米軍の行動が制約されます そればかりか台湾にも影響します アメリカにとっても戦略的な緊要地点なのです 日米安保条約が対等な軍事同盟なら 日本はアメリカに協力しなければならない

日本は自国の領海・領土が蹂躙されているのに 何も手を打たない 現行憲法により交戦権がないため アメリカ軍の指揮下に入る以外 自衛隊は戦えません 現実的な選択ではありますが とても独立国の態度じゃない
自衛隊単独では役に立たないので アメリカはやむを得ず自国(沿岸警備隊極東司令部)の艦船を尖閣諸島周辺に投入しています こんな事をしているから安保只乗り論が出てくるのです

RCEPがインドを除いた形で合意しました 中国の経済的影響力はさらに増大し 一帯一路戦略が強化されます 現在のところインド洋の制海権はインド海軍が握っているとしていいでしょう[01] … Continue reading インド洋でもおそらく中国の原子力潜水艦が活動しています この先中国が原子力空母を運用できるようになると情勢は変わってきます[02] … Continue reading
先般中国軍がインドとの国境係争地域で擾乱攻撃を行いました これは陸上からインドへの牽制ですね 中国はすでに青海チベット鉄道を完成させています 対してインドは ようやくヒマラヤにトンネルを建設したところです インドの土木でトンネルを掘る例は今までなかったそうです 補給戦に関して中国の後手に回っている感は否めません

このたび起きた中印国境紛争は 双方とも武装していないという変則的な戦闘です 一種の便衣隊のようなゲリラ攻撃かもしれません 尖閣諸島への侵攻でも似たような形をとるのではないでしょうか 海の便衣隊である偽装漁船が主体になると思われます
大型漁船が海上自衛隊のイージス艦に衝角攻撃したら なす術がありません 自衛権では先制攻撃できません どんな形であろうと とにかく尖閣諸島に上陸を許し 既成事実をつくらせたら取り返しがつかないのです
中国がブータンとの国境ブータン側に数十棟の建物(村)を建設しました インドとも接している地域です 南シナ海と同様に既成事実を作り インドに侵攻するための兵站基地です これに対してブータンが動かなければ インドも手出しできません あくまでもブータン領土であり インドが関与することではないのです

2021年1月26日追記=ついに中国が中・印国境のインド領内に 住宅100棟の村を建設しました 完全に民間施設ですからインド軍が排除することはできません
次はいよいよ尖閣諸島に偽装漁船を上陸させるでしょう 海上保安庁で対処できるかというと難しい インドがどうするかが参考になります 注視しましょう)

いまや正規軍同士の戦争が起こる可能性は非常に低いのです とくにアメリカと中国が正面切って戦うのは考えにくい 中国が日米安保条約を冷戦時代の遺物だというのは正しい見方かもしれません[03] … Continue reading フィリピン沖珊瑚礁に造った中国航空基地に対して アメリカがやれる事は 航行の自由作戦ぐらいしかないのです
バイデン氏はまだ大統領じゃないし 今後の方針がどうなるかも不明です 政略次第で南シナ海は中国が制海権を握るかもしれません 日本海及び東シナ海そしてインド洋を中国に渡したら オホーツク海からインド洋に至る一帯一路が完成してしまいます とくに現状ではインド洋が手薄です

中国は海警と称する沿岸警備隊を 人民解放軍の指揮下に編入しました より軍事組織の性格を鮮明にしています 事態は焦眉の急といっていい所まで来ているのです 一刻も早く自衛隊に交戦権を与えるか 海上保安庁を名実ともに沿岸警備隊にしなければなりません
李承晩ライン下で海上保安庁は まったく韓国を制することができず 何十人もの漁船員が犠牲になりました また同じことを繰り返すのですか 中国は韓国より手強いですよ
屯田兵の例に倣って 尖閣諸島に鰹節か缶詰工場でも再建し 実効支配していることを世界にアピールするのが大事なのです[04] … Continue reading 中国はロシアと提携を深めています オーストラリアはインドと防衛提携しました[05] … Continue reading ぐずぐず先延ばししているのは日本だけです

註釈

註釈
01 かつてのインド海軍は宗主国イギリスの麾下に置かれ 東南アジアのイギリス領で日本軍と戦火を交えたこともありました しかしイギリスへ反旗を翻したインド人の巡洋艦艦長もいたのです
大東亜戦争時に日本軍へ投降した英印軍兵をもって 日本の支援のもとインド国民軍が編成され 独立への契機となりました その経緯から日本とインドは友好国です 軍事同盟を結び中国の覇権主義に対抗すべき友邦なのです
02 空母は移動可能な航空基地であり 平時は巡洋艦の性格も持ちます 寄港せず機動部隊として運用するには 原子力機関(発電)が理想的です ほぼ無限に航行でき艦内の電力も供給できます 原子力潜水艦も同様に巡洋艦の一種です
03 王毅中国外相が日本に乗り込み 尖閣諸島が中国領土であると一方的に述べました その間も尖閣諸島には中国艦船が巡航していました これに対し菅首相も茂木外相も外務省も 言われっぱなしとくに反論しません じつに素早い的確な中国の反応です 先のバイデン氏の発言は帳消しにされたのです
わざわざ日本にやって来たところに外交的意味があります 軍事力を背景に恫喝しにきた中国を 唯唯諾々と迎え入れ叱責に従う日本の姿が世界に曝され 日米安保条約の無効なことが印象付けられました セオリー通りの外交と軍事両立です 日本は黙って中国の主張を認めた形になります
04 このまま手を拱いていれば 尖閣諸島も北方領土・竹島と同じ轍を踏むことになります 中国は妥協策と称して領土問題を棚上げにし 東シナ海のガス田と同じく共有を持ちかけてくるかもしれません 武力はあくまでも外交の後ろ盾です 外交で妥協したらそこで終わりですね 偽装漁船や民間施設を自衛隊が排除する事はできません
05 中国がオーストラリアに対して悪辣なネガティブキャンペーンを仕掛けています オーストラリア軍兵士の画像を捏造して発信しているのです 日本に対する南京30万人虐殺と同じようなデマゴギーです これに対してオーストラリアは強硬に抗議しました
今後の宣伝戦はどう推移するでしょうか 画像や人形は目に見える具体的な形を持っているので 説明の必要がありません デマゴギーを事実と偽って広めるのに有効な手段です 心理戦・宣伝戦の兵器といっていいかもしれません
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男系・女系

皇室・皇族には家名もなく戸籍もありません そのような制度以前からの伝統を持つからです たかだか明治にできた憲法・法律に縛られるような存在ではない 朝廷・皇室はあっても天皇(家)なんてありませんよ[01] … Continue reading
日本は明治時代から戸籍制度があります 戸籍制度は家制度からきています 親子関係も夫婦関係もすべて戸籍(家)に紐づけられます 姓・名字は戸籍名(家名)であって 個人のフルネームということではないのです だから皇族に姓(家名)はないし 皇統は家を継ぐわけじゃない[02] … Continue reading

跡継ぎは男系だ長男だのと言い始めたのは 明治以降のことです 大化の改新の頃より儒教を取り入れていますが 家父長制は江戸時代以降のことですし さほど厳密なものでもなかった それまでは直系の長男に拘ることはなかったし 母方の親族が跡を継ぐのも珍しくないことでした 男尊女卑は儒教の教えです 日本の民話に男女差別はありません 記紀には多少の影響が見られますが[03] … Continue reading
新民法になっても戸籍制度は残りました(家制度の慣習も残ったわけです) 婚姻届けで新たな戸籍(名)ができ 子が産まれれば新戸籍に加わります 結婚しても自分だけ旧家名のままでいたいというのは 旧来の家制度に囚われた妄言に過ぎません

結婚すれば新しい家族ができますが 子のない夫婦はたくさんあります また結婚せずに子のある人もいらっしゃいます 夫婦と親子は別ものなのです
親子関係は自然のもの 夫婦関係は社会的なものといえましょう その点で諸外国の制度の方が 日本の戸籍制度より現実に即しています[04] … Continue reading
諸外国で血縁のない子という意味の養子はいません 実子でない子を家族として養育するのは里親制度です ただ家産を継ぐための婿養子(入婿)はあるようです

諸外国に戸籍制度はなく 婚姻届けと出生届けは別で所管も違います 戸籍制度がないといっても 祖先や家系を軽んじたり 家族の一体感を大事にしないわけじゃない
出生届けは一般的に 父方のラストネームをつけます すると家族の中で妻のラストネームだけが異なります そこで通称名として 夫のラストネームを名乗るのが普通のことです
戸籍制度があろうがなかろうが 家制度が残っていようといまいと 家族が同姓(ほとんどが夫方)を名乗るのは世界共通です 別に日本の戸籍制度が旧態依然で 特異なわけではありません

我が皇室も世界の王族も家名はないので 家を継ぐという考え方はありません 男系だ女系もあまり関係ない[05] … Continue reading ヨーロッパの王族はすべて縁戚といってよい[06] … Continue reading これは血筋を絶やさないため血統を守るため お互いが嫁入り・婿取りしあった結果です 政略結婚も頻繁に行われました 皇室と公家の関係もそれに近いかもしれません
明治政府が王政復古を唱えましたが 徳川時代の家制度をなぞっただけで 2000年以上の歴史を持つ皇室の伝統的な姿とは違います 男系でなければならないとか 長男が継ぐなんてのも 武家社会の慣習を皇室典範に取り入れたにすぎないことです[07] … Continue reading

註釈

註釈
01 天皇陛下が父で国民が子なんていうのも 武家社会の家父長制を延長して 明治政府が言い出したこと 江戸時代までは天子(天照大神の子孫)様という言い方が一般的でした 神話上の存在なのです ヨーロッパでも絶対君主制の裏付けとして 家族国家の考え方はありました キリストが神の御子といった宗教的な教えを敷衍したものです 家制度とは無関係のこと
近代民主主義の政治原理といわれる自由平等も 神の前にすべての人類(キリスト教徒)は自由であり平等であるという意味です 人は生まれながらにして自由平等とか 憲法に書いてあるからじゃなく 基本的人権は神から与えられた権利です
王になるには教会(司教)から戴冠式を受けなければなりません つまり王権も神から授かった権力なのです 自由平等も王権も神から与えられた訳ですから 専横を極める王が現れた場合 マグナカルタのように王権を制限したり フランス革命のごとく王を廃して処刑することもあり得るのです 神の前で人間(キリスト教徒)は平等ですから
02 万世一系がいつから言われていたのか寡聞にして知りません 天照大神の子孫だから天皇陛下なのですが それは必ずしも血縁ということではないと思います まして家とか長男なんてまるで関係ない 何しろ神話の世界の話ですから 大嘗祭で天照大御神に述べるのが皇統を継ぐことになります
03 徳川家何代目というのは不正確 何代目将軍が正しい言い方です 将軍は朝廷から任命される職掌で一代限り 公家とは違って将軍家などもありませんから 世襲ということではないのです 臣下が将軍に対しての呼称は公方様ないしは上様です
子供のころなので記憶がはっきりしないのですが 昔の少年漫画でも江戸城とか将軍家なんて ネームはなかったと思います 千代田のお城・お上よりのお達しとか言ってたはずです 教科書にどう書いてあったかは分からない 勉強熱心な子供でなかったから
松平は征夷大将軍になれる家柄でなく 徳川村だったか徳川郷に住む新田の子孫に養子入りしました 辻褄を合わせるため松平の家系図を書き換えています その際吉良の系図を元にしたとも言われます 以来将軍職を継ぐものだけが 松平ではなく徳川を名乗ります 後に御三家等も徳川を名乗るようになりました 将軍になれる家柄ということでしょう
04 戸籍制度がなければ 庶子だの私生児といった概念はありません 諸外国には戸籍制度がない代わり 厳格な身分制・階級制があり 母親の出自で生まれながら身分が定められます 日本は身分制・階級制がなかったから 戸籍制度が必要だったのかもしれません
05 ナポレオン三世を名乗ったのは ジョセフィーヌの甥でありました また ナポレオンが皇帝を名乗ったのも キリスト教に依拠する王族出身でなかったからです
元首に近い地位なので権力はあっても権威に基づかず 最後は追放・島流しにされてしまいました 徳川も同じく大政奉還すればただの大大名です
06 ヨーロッパでは スペイン国王がフランスを統治したり グローバルな広がりがあります 国境は人間の定めた線引きです これに対して王権は神から授かったものですから 法律や条約に束縛されることはないのです
07 長男が継ぐのはヨーロッパの王室でも常識でした もともと王室と貴族は軍事を司る存在でしたから 戦闘の主体は男性だったのです イギリス王室男子が軍務につく伝統があるのを見ればわかることです 男尊女卑とか男女差別という話ではない
2022年11月6日追記=エリザベス女王の葬儀の写真を見ると 英国王室のプロトコールでは軍服が第一礼装なのがわかります しかしアン王女まで軍服とは知らなんだ)
明治政府はヨーロッパ王室に倣って 皇室のあり方を改変しました 征夷大将軍(権力)と天皇陛下(権威)を一緒にしてしまったのです 帷幄上奏なんて いわば統帥権の棚上げ 政府の責任逃れです このため昭和天皇が敗戦の後始末を行わざるを得なかった
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