Tカードは本当にすごいアイデアです

従来は消費行動は推測するしかありませんでした 年齢・性別・職業・住所などで ターゲットの購買パターンを想定するのです
しかしTカードは使える店が数多く 業種も幅広いため 消費者の購買行動が丸見えになります いつ どこで 何を買ったかがすべてデータ化できます

かつて各企業や店が会員カードを使って顧客の囲い込みを図ろうとしました
でも そうやって集めた個人情報はさほど役に立ちません 誕生日にプレゼントやるから店に来て下さい くらいのことしかしていません 自店の商品の購買履歴さえ把握していないケースが多いのです
あるいは 自店の顧客に対して他のものを売りつけようとする例もありました

私が聞いた顧客管理では エディ・バウアーが顧客の購買履歴とともに クレーム履歴を併用している活用法があります 通信販売にはモラルリスクというものが付きまとうのですが その対処とともに上客には最大のサービスをするためと思われます

いまの時代になっても インターネット上で資料請求をさせて 個人情報を集めようとするポータルサイトは数多くあります
ハウスメーカーのカタログをインターネット上で請求しようもんなら 翌日には営業マンがやってきます

Tカードは単に使い道の広い会員カードではありません 今まで企業がが欲しくてたまらなかった 個人の購買履歴が手にはいるのです その際に個人情報は全く不要です
購買パターンさえわかればあとは記号でいいのです 住所も電話番号もメールアドレスもいりません だから会員も抵抗なく使えます
ちょっとSFが現実化するような怖い面もあるのですが……

お客さま第一主義でないホテル

ザ・ファクタ フリーコンテンツの記事によると 編集部が独自入手した「東京都内主要ホテルの収益力ランキング」で トップがザ・リッツ・カールトンだそうです
リッツ・カールトンといえば高級ホテルとして有名です この不況の中でも富裕層を対象とした高級ホテルは収益を伸ばしているのでしょうか
でも リッツ・カールトンより客室単価の高い マンダリン・オリエンタルが3位 ペニンシュラが6位です どうも高級志向とばかりはいえないようです

リッツ・カールトンは 第一に大切なのは従業員 次に取引業者 お客は三番目なのだとか
普通このような業種は お客様は神様のスタンスを取るものです(見方を変えれば 金を運んで来る客のわがままは我慢しようということで 客ではなく金に頭を下げているとも言えるのですが)
リッツ・カールトンは 紳士淑女をもてなすのは紳士淑女でなければならない として従業員はすべて紳士淑女であれと教育しています そしてお客に対しても従業員を見下すような態度を取らないでもらいたい と言っているそうです
共同創立者の言葉によれば「当ホテルのお客様の99パーセントはとても良い方々です でも中には高い金を払っているのだからと 従業員に対して乱暴な振る舞いや無作法な態度の方がいらっしゃいます そのような方には紳士淑女として扱ってほしいとお願いします それが聞き届けられない時には他のホテルのご利用をお願いし こちらで予約をお取りします」ということだそうです

このホテルが 世界最高のホスピタリティだと評価されているのです

揉み手をしながら客のわがままを何でも聞くのは本当のサービスではない お客が第一に来ると従業員が単なるサーヴァント(奴隷)になる恐れがあります それでは最高のホスピタリティを提供できません

リッツ・カールトンはホテルチェーンではなく ホテル運営会社なのだそうです 世界の各リッツ・カールトンには それぞれオーナーが別にいます
つまりリッツ・カールトン本体の商品は 従業員そのものなのです
従業員を大切にするのは 安易なヒューマニズムや労働者の人権などではありません 商品の品質を引き上げるのは 従業員のプライドと資質であることを見事に実践しています
従業員の資質の差がホスピタリティの差となり それがそのまま収益力の差となって現れた形です
家族主義経営などという人情論では この不況を乗り切ることはできません 温情だけでも効率だけでも モチベーションは上がらないのじゃないでしょうか