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タグ: キャンペーン

マーケティングの5P

マーケティングの4Pは古典的な概念です でも今でも古びません
Product(製品) Price(価格) Place(流通) Promotion(プロモーション)

このうち私が関わっているのは 主にプロモーションの分野です プロモーションには販促と広告があります

販促と広告の大きな違いは 直近の売り上げを目標とするか 将来にわたって好イメージを築くかです
販促によって伸びた売り上げ(利益)が 掛かった費用を下回れば そのキャンペーンは失敗となります じつにダイレクト しゃにむに売るという感じ
広告は一言でいえばイメージ作りです 製品・価格・流通さらにその会社の 性格というか持ち味によって 売り方は決まります

●インターネット以前

プロモーションといえば マスメディアを使うのが当然でした マスメディアを使うプロモーションは 不特定多数を対象として広く薄くリーチするもの 数打ちゃ当るの理屈です 効率はあまりよくなく 必然的に多額の費用がかかります

もう一つ付け加えると Product Price Place Public relation をブランディングの4Pとする説もあるようです
マーケティングの4Pが唱えられたのは マスメディアによる情報の一方通行を前提とした時代です PRもマス媒体しか手段がありませんでした

言えるのは いずれの4Pも作り手・売り手側の観点だということです

●インターネット以降

インターネットの時代 情報の流通が双方向になり さらにSNSによりコミュニケーションが開かれた世界になったことで この4Pの概念に情況との乖離・齟齬が生じてきたと思われます

インターネットユーザーは ただのオーディエンス(情報の受け手)ではありません 自ら探し求め さらに積極的に関わる能動的な人たちです
ただ受け取るだけじゃなく自主的に参加すること 批判精神を持って見ること自ら選択すること インターネット最大の特徴である インタラクティブ(双方向性)とはそういうことです

Facebookページは さらに双方向性を押し進めた形と言っていいでしょう 人を介した出合いは大きな影響力があります パブリック・リレーションではなくヒューマン・リレーションを目指したいものです

●改めて4Pのこと

こちらの解説《マーケティングの4P戦略》は教科書的にきれいにまとまっています だがプロモーションに関しては旧来のものです

《4Pの時代は終わった、のかもしれない》のうち「いま売れています」が最強のコピー…… その通りです 説明しても相手には届かないし 理屈でものを買うのではない マスメディア広告が力を失ったのではないかとも思います

《4P(7P)とは何か》これはまったくの牽強付会です 上記もたくさんのPを提示されておられますが いくら増やしても問題は解決されないのではないでしょうか

これらに倣って私もマーケティングの5P(4P+P)を考えてみました インターネットの時代 もっとも大切なものは principle in business(ビジネスにおける信条・道義) ではないかと痛切に感じます[01]※2022年9月2日追記=この頃 authenticity … Continue reading

●いちばん大切な《P》は道徳的であること

インターネット・マーケティングにおいて策を弄してはいけない お客様とはお互いを尊重し尊敬する間柄でなければならない
お客様とのコミュニケーションを形作る 価値観を共有する 真摯な態度が評価されるのではないでしょうか
そのためにもっとも必要なのが「至誠を貫く」ことです 経営理念 もの作りやサービスに対する揺るぎない信念が インターネットでは問われます

自由な情報の交換によって 旧来のマスメディアは権威を失いつつあります マスコミの権威に寄りかかった マスメディア広告が効かなくなりました
インターネットを使うマーケティングでは 今までのマスメディア広告のように 情報の一方通行で考えていては駄目だといえます

インターネットで大事なのはコミュニケーション けっしてプロモーションではありません
Facebook自身マネタイズのため それを求めているかもしれないが SNSはプロモーションじゃない コミュニケーションとごっちゃにすると間違えます(PRまでは許されるかもしれません)

それじゃぁ インターネット・マーケティングは4Cではないかと言われそうです

でもマーケティングの4Cでいうコミュニケーションは やはりマスメディア前提で双方向性を考えていません
消費者の顔色を伺うのも 売らんかなの裏返しではないか お客様の行動を自らに有利になるよう それと気づかぬよう誘導する作為があります
大体マーケティングの4Cなるものは こじつけが過ぎると思います 頭に customer consumer clientele なんかを付けてCでまとめるのは無理がある

●販促と広告の事例

過去の販促例を取り上げれば サンケイリビングさんがクーポンを大々的に売り出したことがあります 当時クーポンは日本人の買い物習慣にそぐわないといわれていましたが 案の定失敗に終わりました
インターネットの時代になっても 相変わらず従前の感覚のままでクーポンを取り入れている所が多いようです
アメリカでのクーポンの捉え方 日本で現在行われているクーポンビジネスはかなり様相が異なります 日本型クーポンは姑息な客寄せ手段として使われ その結果がグルーポンジャパンの詐欺商法に現れました

広告において企業姿勢を示すのに ことさらな環境問題を取り上げたりするのは疑問です たとえばボルボもベネトンも違うと思います 奇をてらった話題作り狙いではないかという(うさん臭い)印象があります[02] … Continue reading
大企業さんは別かもしれませんが 一企業が社会に貢献するのは限られた範囲でしかできません 近隣の人たちや 商品・サービスを通じての貢献で充分ではないでしょうか

客を釣ろうとするその場しのぎの促販 上辺を装う御為ごかしの広告 そんなものは時代遅れです お客様を侮ってはいけない ユーザーを惹き付け 共感を得るのは至誠につきます

インターネット・マーケティングは5P 最優先されるべきはPrincipleです

註釈

註釈
01 2022年9月2日追記=この頃 authenticity とか言われるようですが これは本物らしさとか本格的・正統派ではありません その企業らしさというニュアンスです つまり信念がブレない真っ直ぐな志です 己の立脚点が明確なら他に左右されないのです
02 2023年6月26日追記=アメリカのビール会社大手のバドライト(バドワイザー・ライト)の広告で安易にトランスジェンダーの人を使ったところ LBBT運動に反対する人と支持する人両方から 非難され不買運動が起こり売上が激減しました アメリカでは民族や出自の違いを明確に意識したマーケティングが必須です しかしトランスジェンダーはセンシティヴな問題であり 商売に結び付けようとする姿勢が問われたと 私は解釈します
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後詰めの重要性(長篠の戦い)

インターアクティブ・マーケティングの小笠原様が 長篠の戦いを例に引いたマーケティング(営業?)論を展開されています
重商主義などの経済政策を見れば 信長がマーケティングの天才であったという見解は同感ですし 説いている内容はうなずけるのですが……
信長公記を初めとした戦国時代の軍記は すべて江戸時代になって自ら(主君)の家名を高めるために書かれたものです 分かりやすく興味を引くためとはいえ これを根拠とするのは危険です とりわけ戦略・戦術の参考にはなりません

戦略論でいうとマーケティングは守り セールスは攻めです 守りと攻めが連携するには 通底するコンセプトを社内(とくに営業)で共有する必要があります
いかに堅城でも根城だけでは戦いに勝てません 後詰め(出城との連携)があって初めて敵を破ることができるのです コンセプト共有のためにはスローガン・コンセプトワード等の明確でシンプルなものを掲げます 信長のスローガンは「天下布武」ですね

長篠の戦いは武田勝頼の攻城戦失敗であって 野戦決戦(会戦)ではありません 城攻めで武田方の矢玉が尽きてしまったかも知れません 長篠城は川の合流地点という緊要地形ですが出城です おそらく設楽が原に誘い出す囮であったのでしょう
馬防柵云々は単に3日陣地(掩蔽)のことと思われます 砦を構築(野戦築城)する時間があったか 数万人規模の部隊編成をするには 陣触れから1か月はかかります 戦国時代は半農・半武で農閑期にしか戦えません 常設軍の即応部隊のようにはいきません

後詰めである織田・徳川連合軍は3万人以上の軍勢ですから 分進合撃をしたはず(兵力の逐次投入ではないですよ) そのあたりが3段撃ち説になったのではないでしょうか[01]信長は他の大名と違い重商主義でした 流通を重視していたはずです 街道整備や馬運による補給線も整備していたでしょう
万を数える軍勢がキャンペーンの目標を共有するために 戦術は限りなくシンプルでなければなりません 連合軍で同じ戦術を採用するのもあり得ません
前線指揮官は状況判断(独断専行)の資質がなにより肝要です 籠城戦ならまだしもどのように戦況が変わるか分からない戦場前縁で 3段撃ちのような複雑な戦技は通用しないでしょう

鉄砲と馬の戦術的運用を見てみましょう 

戦国時代の主力兵器(決戦兵器)は槍です 飛び道具だけで戦闘は決着しません 銃器が主流になった近代戦においても 接近戦には銃剣が使用されていました
鉄砲は使い方として弓矢と同じく制圧射撃です 轟音と飛来する弾丸が見えないことにより ハラスメント効果が弓矢以上ですから 重宝されたと思われます 最新兵器という認識だったかは疑問です(私は鉄砲の流行はイエズス会が噛んでいるとみます)

馬は第2次大戦までそうであったように 主に輜重用の荷駄として使われました 指揮をとるため将帥が騎乗することはあります 視線が高くなりますから
また戦争の基本は補給戦です 人間の糧食より飼葉の補給がはるかに困難 ナポレオン軍の荷車積荷は秣が大半だったという話まであります
戦国時代の戦に当たっては一人一日黒(玄)米一升を用意しました 干飯であっても長丁場ならかなりの量です 荷駄を使って運んだことでしょう 蒙古の平原じゃないのだから 戦場機動の面で取り回しが不便な馬は 戦闘に使えるものではありません

ですから騎馬隊対鉄砲隊という戦術はとうてい考えられません これが一般的なイメージになったのは 黒澤明の「影武者」が強い影響を持っている! とのご説があります 《未来航路》様の銃砲と歴史2-1長篠の戦い1「通説」への疑問 じつに卓見です
きっと黒澤明監督は画造りのとき ヨーロッパの軽騎兵あたりを参考にしたのだと思います 「七人の侍」なんて西部劇の砦みたいです 馬防柵はここから来た? どちらもスペクタクルとして秀逸ですから 知らず知らず印象に刻み込まれますね

自衛隊の教則本でも長篠の戦いは取り上げています(古い戦例と注釈があります) やはり騎馬隊と鉄砲云々とは書いてありますが 最新兵器の鉄砲対旧来の騎馬戦ではなく 戦闘力の組織化という観点で分析しています もし武田軍が騎馬で突破しようとしたのなら 補給が途絶えたため一か八かの窮余の戦法です[02] … Continue reading

註釈

註釈
01 信長は他の大名と違い重商主義でした 流通を重視していたはずです 街道整備や馬運による補給線も整備していたでしょう
02 信玄の代では予め調略を行って 敵方の中に内通・背反の者を確保してから実戦に入っています 当然補給も十分用意していたでしょう 勝頼の短慮が招いた敗戦ですね
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UCCの優れた危機管理

2月にUCCが Twitterにスパムを流すという事例があったそうです
事の顛末は webの特性に不案内なマーケティング本部が 従来のマスメディアと同じ感覚で BOTを使ったメッセージを無作為にTwitterに送りつけるキャンペーンをしたということです
プッシュ・プルを完全に取り違えていました 従来メディアのプッシュ型マーケティングは webではスパム扱いされます
幸いなことに 事後処理が早かったためUCCの評判を落とすことは避けられたようです

大事に至らなくて済んだのは UCC内部にネット関連事業を統括する部署があり (そしてこれが一番大事なことですが)事故があったとき 経営幹部に即時連絡する体制が整えられていたことによります
スパム発信の1時間半後 web関連事業部が気づき その30分後には危機管理の責任者によりキャンペーンは中止されました

トヨタの一連の対応と まるで正反対の素晴らしい危機管理力でしょう 特筆すべきは危機管理の責任者(前線の指揮官)に独断専行の権限を与えていたことです トヨタとかの大会社になると 決定権のある者に伝わるまで時間がかかってしまいます

マーケティングとwebの整合性ができていないのは ほとんどの会社で実は普通の状態のようです とはいえ webの特性をすべて理解している人はいないでしょうから 無理からぬことです
偉そうなことをいっても 私自身手探りです ただ実地にやってきて 今まではずれはありませんでした

Twitter

個人的にTwitterは使ってません リアルタイムというのが 自分のスタイルとそぐわない感じがあってやりにくいのです
まして マーケティングに利用するなんて発想はとてもできません そもそもマーケティングに使えるものなのかどうか よく理解できていないし アカウントの向こうに人間を感じることが はたしてできるものか自分の感覚ではわかりません
新聞記事で 小林秀雄氏が講演の録音とテープ起こしを嫌っていたとありました 文章の専門家である氏は 推敲を重ねない文を発表したくなかったのです 一方で話術のプロである落語家が 話を高座に上げる前にどれだけ稽古するかを考えたら
小鳥のさえずりを文章化しても どうなんでしょう‥‥

ラジオCMは意外に売れるということですが それに近いものでしょうか 昔はハガキで投稿し それが読まれたりと双方向性がありましたし 擬似的にパーソナライズされたメディアです 自分の好きなパーソナリティが何かを紹介して 番組が終わるまでに注文してくださいと言えば たしかに売れそうです リアルタイムが特徴ですから 特別の今だけのチャンスという設定ができます
私はそういうのは駄目です 以前 ラジオCMの原稿を作ってくれという依頼がありました どうしても無理でお断りしたことを思い出します シナリオも書けないですね

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