コンテンツへスキップ →

タグ: プロパガンダ

デマゴギー、アジテーション、プロパガンダ

ブッシュ大統領が言ってましたスローガン「悪の枢軸国」 私たち日本人にはかなり違和感がある言葉です でもアメリカ人には受けた
「連合(Alliance)」と「枢軸(Axis)」は軍事同盟の様相を示す言葉で 悪とか善とかに関係ないのですが これを結びつけるレトリックは煽動の典型です
アジテーションにおいて選択肢があってはいけません 極端に単純化した感情的な善悪二元論を何度も反復し それを受け入れるか拒否するかを迫るのです 内容が事実であるかどうかは その際まったく問題にされません[01]保守反動とか進歩的文化人 右翼だの左翼だのセンターだのとレッテルを貼るのも 物事を単純化して思考停止するプロパガンダの一つです
一般のアメリカ人にとっては インディアンを討伐する騎兵隊や メキシコ人を掃討するテキサスレンジャーと同じ感覚のヒーロー像でしょう

2016年大統領選挙の予備選で ドナルド・トランプが一定の支持を得ているのも同じ理由です 差別的発言を繰り返していますが 分かりやすい敵を作り出すためです)

連合国対枢軸国 軍国主義対平和主義 有色人種対白色人種 先進国対未開発国 文明人対野蛮人 東洋対西洋 南半球対北半球 共産主義対資本主義 労働者対資本家 おおざっぱに言ってしまえば 二元対立論ってキリスト教的なんじゃないかなと思います
アメリカ映画を見ると 地方都市は人種・宗教・出身国ごとのコミュニティで形成され それぞれにボスがいます 一番強い結びつきは宗教でしょう もちろん映画のことですから誇張はされていると思いますが かなり実態を表しているのではないでしょうか

日本人にとってなじみ深いのは 三大◯◯ これは三角関係でも三すくみでもなく 三者が並立しています とくに優劣をつけない 争いがあっても「三方一両損」なんかで体良くまとめようとする
日本が宣伝戦に弱いのはこの中庸の感覚かもしれません アジテーションは善悪2者択一で「どちらとも言えない」という第3の選択肢はないのです 善でないものは必ず悪であって 両者痛み分けもということもない
政治でいえば中道の第3極がキャスティングボードを握るなんていうのも世迷い事です どっちつかず右顧左眄に過ぎない 国連ももちろん中立な立場ではありません(それにしては国旗に三色旗が多いですね)

シーシェパードはオーストラリアだから白豪主義が支えているのでしょ 根本のところではキリスト教に由来する考え方 つまり人間は他の動物と違い 神に選ばれた特別な優れた存在 だから他の動物を慈しまねばならない でもこれが白人優位に結びつくのはどこから 十字軍あたりなんでしょうか
異教徒は人間に似ているが動物並みの野蛮な存在 だからクジラを食べる日本人は共食いである といった理屈ですね カンガルーはノアが救わなかったのに勝手に生きて繁殖していたから 食うのはお咎めなしなんだろうか[02] … Continue reading じつに粗雑・浅薄な思考です キリスト教徒に日本文化論を持ち出しても無駄です

植民地支配とキリスト教

まぁ要するに昔のイエズス会みたいなものです 神の教えに背くものは本当の人間といえません イエズス会といえば 植民地化の先兵として 果敢な布教活動をしていた歴史があります 宣教師の宣は宣伝・宣撫(プロパガンダ)です 神学は植民地支配に都合のよい理屈として使われた面があります
日本で成功しなかったのは 信長に取り入ったからでしょう 情勢を見誤ったのかもしれない カソリックの情報網は世界的なもの(今でもバチカンの情報組織はモサドに次ぐ実力といわれます)でしたが さすがに極東の島国までは網羅できなかった

キリスト教徒の多くは文盲でしたから 神父が持つラテン語の聖書はたいそう神秘的で信仰の対象でもありました 皆が聖書を読むようになったのは宗教改革の後です これには印刷技術の発展が大きく寄与しました
仏教でも経文に重きを置く法相宗などありますが 経巻自体を崇めることはしません 大事なのはそこに書いてある内容すなわち「識」です また日蓮宗では経文の文字がすべて仏と見なされます これは日本人の識字率が高かったためでしょうか イエズス会にとって日本は布教しにくい国であったと思われます

植民地支配の常道はその国の貴族階級に特権を与えて 二重支配というか間接支配することです イエズス会もやはり戦国大名を布教の対象としていました でも日本には明確な身分制・階級制度がなかったので うまくいかなかった 下克上の時代は庶民の時代であったことを見抜けませんでした 太閤秀吉の存在を軽く見ていた節があります
庶民は異国渡来の案山子の神様として あらたかな豊作の呪力を期待し クルスを拝んだという話もあります してみると隠れキリシタンがマリア観音を拝んでいたというのも 観音像に仮託してのマリア信仰ではなく 単純に観音経の本尊と見ていたとも考えられます[03] … Continue reading

中国が行っていた冊封体制も同様なものです 朝鮮半島支配は両班を特権階級に仕立てました 中国人はキリスト教ではなく拝金教なので 支配の理屈は現世利益の朱子学です 神学によく似た正邪二元論ですね
韓国もキリスト教徒です キリスト教は軍隊組織で 秩序を最重視する儒教と折り合いがいいのかも 国旗の中央に描いている太極も陰陽で永遠に続く二元対立を表しています(一見すると二つ巴に似ていますが 全く別のものです)
古来より今に至るまで部族間の争いを繰り返している朝鮮半島の歴史そのものです 敵がなければ自分たちのアイデンティティを保てない 常に敵を求めます 韓国の大統領選は両班同士の抗争です 武闘でないのはいかにも科挙の国らしい

新教徒たちの新天地がアメリカです どこでデマゴギーのキャンペーンを展開すればいいか心得ています キリスト教系カルト集団が多いアメリカの地方で共感を得やすいでしょう 悪意に満ちたデマゴギーでもキリスト教徒の言い分の方に同意します
日韓の領土問題その他についても キリスト教関連団体を通じて盛んに揺さぶりをかけています ローマ法王まで担ぎだしましたね 現法王のフランシスコ1世はイエズス会出身です(ニューズウィーク日本語版) イエズス会は使命感に富み純粋です
中国におもねるのは 両班として宗主国に忠実な姿を見せるためでしょうか 詳しくは知りませんが 韓国のキリスト教は朱子学の影響を受けてか 現世利益を強調すると聞きます やはりやっていることは金目当てです

キリスト教の葬式に出たことがあります 説教(?)を初めて聞きました 本当に戦闘的な宗教なのですね(宗派によって違いはあると思いますが) 死後は神のもとに戦士として招集されるのだそうです なるほど天国に《召される》と言いますね[04] … Continue reading
現世での精勤度により階級が定まるのだとかいってました でも天国の正規軍は天使軍団ですから人間はたぶん民兵ですか 今もあるかもしれませんが 歳末に救世軍の人たちが社会鍋というのをやっていました
全員軍服の理由が分からなかったけれど 教義に忠実ならば別に不思議な姿ではないわけです でも世界一軍服が似合わない軍隊かもしれない
キリスト教は戦う宗教ですから 正義のため徴兵に応ずるという土台は築かれています

註釈

註釈
01 保守反動とか進歩的文化人 右翼だの左翼だのセンターだのとレッテルを貼るのも 物事を単純化して思考停止するプロパガンダの一つです
02 他の動植物は神が芽生えよとか言って 勝手に生まれ勝手に生きています 人間だけは神が作りました 魂は神の息吹ですが 食べないと肉体を維持できません そこで神は人間の食べ物を定めました 砂漠に鯨・イルカは泳いでなかったので 含まれません
03 ヨーロッパ各地にもマリア信仰があります 詳しくは知らないのですが おそらく土着神との習合ではないかと見ます クリスマスに始まる現在の風習にも相通じるものがあるでしょう クリスマス・ハロウィンなどは もともと行われていた農事祭をキリスト教の教義に結びつけたものです 旧来の信仰にキリスト教との整合性を与える 巧みな教化・宣撫策でした
04 天国に行くのは兵営に入舎するようなものです 天国よいとこ一度はおいで なんて言ってられない ブートキャンプが待っています さらにその先はハルマゲドンです
裸の子供が弓矢をつがえているのは キューピッドです 背中に羽が生えているのでエンジェルと混同されていますが まったく別物です 天使は神の使いで兵士です
コメントは受け付けていません

憲法と戦力

中国は日本近海で挑発・擾乱(harassment)を繰り返しています 海上だけでなく航空機でも体当たり戦を試みているようです 人海戦術は八路軍の兵1人より小銃1丁の値段が高かった事から考えられました
人民解放軍の予算がいくら潤沢とはいえ 航空機も船も小銃よりはるかに高価です このように無謀な行為は匹夫の勇 大変愚かな連中です
軍紀が乱れているのは淮軍以来の伝統でしょうか 気違いに刃物という言葉は単なる比喩ではありません セオリーに則った行動をとらないから動きが読めず 対処できない危険な相手という意味です

国連憲章51条は 紛争が起きた場合国連軍が到着し仲裁するまで 当事国および同盟国が自衛のために交戦することを妨げないというのが素直な読み方です もっとも 5カ国の常任理事国のうち2カ国が侵略を繰り返している国連に 平和を語る資格はありません 敵国条項があるかぎり 中国が日本に軍事侵攻することは正当化できるわけですし

日本以外の国は 侵略戦争をしないと憲法に明記していても 自国防衛と上記国際機関へ協力のため戦力を保持しています 同じ第2次世界大戦の敗戦国であるドイツもイタリアも正規の国防軍があります
一方日本国憲法は明確に 国際紛争解決の手段として一切の武力行使と交戦権を否定しています 戦力を保持しないのですから自衛も正当防衛もあり得ないわけです むろん国連軍にも参加してはなりません[01] … Continue reading

自衛隊を継子扱いのまま 国連憲章や憲法を手前勝手に解釈するのは 仁義無き戦いならぬ大義なき戦いを強要することになり 実戦の際さまざまな制約が生ずるでしょう
もちろん日本だけが無腰(警察権)あるいは竹光(自衛権)で戦い 紛争の相手国はそんなことに頓着する義理はありません 集団であろうが個別であろうが 自衛権・正当防衛で運用しろなど自殺行為です
現代兵器は命中精度が高く 先制攻撃以外に勝機はないので 後の先というわけにはいかない 日本の国土は縦深がないため いったん先手を取られたら反撃不可能です[02] … Continue reading 専守防衛(=本土決戦)などありえません

国防は外交の一環一手段です 武力の裏付けがない外交など成り立たず 外交と無関係な戦争もないのです 外交は武力をともなわない戦争であり 戦争は外交のもう一つの形です 外交戦の失敗を糊塗するため 責任を転嫁するため軍を使うことは本末転倒 許されることではありません
北方領土・竹島・尖閣諸島と日本外交は連戦連敗 近隣国に国土・領海を蹂躙されているのは おそらく現行憲法の所為でしょう しかし憲法の曲解でなし崩しに武力行使するのは きわめて危険で無責任なことです 喧嘩するなら腹を括らねばならない

偶発戦に見えても戦争は外交失敗のあと起きること逆はありません 自衛権だの正当防衛と外交・国防はまったく関係のない話 正規軍による脅威(脅迫威嚇)はあっても 非正規軍による限定的な武力行使など あり得ないことです
個別的自衛権とか集団的自衛権といった国際的に通用しない用語を使うのは 調査捕鯨などと同じく目くらましのために論議をすり替えているのです
他国から直接・間接の侵略に対して 軍ならば最高指揮官(通常は国家元首)の命令で武力をもって制します 武力行使の責任を取るのは最高指揮官になります 責任をとる者がいなければ統帥権の放棄です

それどころか 戦力の不保持をうたう現行憲法には統帥権の規定さえありません 今のままでは軍事行動に対して 誰にも明確な責任がないのです
伝家の宝刀をひとたび抜けば 血を吸うまで鞘に納まらない 軍というのは兵を退くのがいちばん難しい そんな気軽に出せるものではありません
まして治安維持部隊の代わりに 要請もないのに公海上の他国船や外国で武力をもって応戦するに至っては 甚だしい越権行為であり 主権侵害にあたります

国策・政策の下位に外交があり さらにその下位に軍事行動があります これがシビリアンコントロールの趣旨です 大義のもと正々堂々と戦う覚悟がなければ 決して刀を抜いてはいけません 兵を犬死にさせることになります
統帥権は兵だけでなく 国民全ての生命・安全・財産 そして国の独立・国土・国益を守るための重い責務を伴います 軽率な憲法解釈などで疎かに扱えるものではないのです

2018年4月9日追記=戦地に派遣された自衛隊の日報で 本当の状況を書いたら 文句を言われたので秘匿した これに言いがかりを付けられています 軍隊でないはずの自衛隊に対して シビリアンコントロールを持ち出すとはどういう料簡なのか 野党議員が軍事・外交に口を出したり政争の具に使うなど越権・利敵・亡国行為です)

註釈

註釈
01 ところで「陸海空軍その他の戦力」の“その他”ってなんのことでしょう おそらく州兵と沿岸警備隊じゃないかと思うんですが そうすると海上保安庁はその他の戦力に該当します 自衛隊どころか海上保安庁も憲法違反ですね
朝鮮戦争時に海上保安庁が機雷処理に駆り出されたそうです 一人の犠牲者が出ていますが 戦死ではなく事故死ということになってしまいます
現行憲法のまま自衛隊を明記し 戦地に派遣することになれば 交戦権を持たない自衛隊は 敵の攻撃を受けてからでないと反撃できません それも必要最低限の装備しか持てないのです
02 ナポレオンもヒトラーも ロシアの冬将軍の前に敗退しました ロシア国土の縦深が深く補給線が伸び切ってしまうのです とくに冬場は食料の現地調達もできません ロシアと対等に戦ったのは極北のフィンランドだけですね
反対に中東戦争でイスラエルがエジプトに圧勝したのは エジプトの戦車がソ連製だったからです シベリア仕様の戦車を砂漠に持っていっては使い物にならないでしょう 地形・気候を考慮しない戦略・装備では戦えないのです
コメントは受け付けていません

ウクライナの仮想敵と自衛隊

ウクライナ軍

当ブログではマーケティング戦理 マーケティングの戦略・戦術といった言い方をします 戦理・戦略をマーケティングに応用しているからです 名高い古今の戦例も紹介しています 今回は当節の戦例です マーケティングの参考にはあまりなりません そもそも負け戦の(というより統帥運用を放棄した)話ですから 参考事例にはならないのです

クリミアのウクライナ軍がロシア軍にまったく抵抗せず投降したのはなぜでしょうか コサック兵の系譜を引く勇猛果敢な軍隊のはずです
独断専行は戦術レベルの話で 軍は命令によってのみ行動します 最高指揮官である大統領がロシアに逃亡しているのですから ウクライナ軍は身動きが取れない状態だったわけです

軍というものは必ず仮想敵があります ウクライナ大統領はロシアの傀儡政権でした また大統領のもっとも重要な仕事は国益を代表しての外交です 外交と国防は車の両輪で一体のものですから 大統領は統帥権を持ちます
したがってウクライナ軍の仮想敵は EU諸国(NATO)およびトルコとなります 軍の命令系統・編成は仮想敵に向けているものです おそらくロシアとは共同作戦を前提としていて 有事の際はロシア軍の指揮下に入る形で部署されていたと思います[01] … Continue reading

自衛隊

我が国の自衛隊も対抗勢力というものを想定しています 軍ではないので仮想敵とはいいません 対抗勢力には甲・乙・丙があります 以前は甲が主目標だったため北海道に戦車師団を配備していました 最近は情勢の変化により離島作戦を前提として水陸両用部隊に重点を置いています 乙の領海侵犯が著しいからです

もともと日本は海洋国家ですから 沿岸警備が重要なのですが今までおろそかにされていました 社会党などが利敵工作している間に 対抗勢力乙は着々と海洋軍事力を増強してきたのです
なお沿岸警備隊や国境警備隊は単なる門番ではありません(いわゆる警察軍や治安部隊とも異なります) 他国が侵攻してきたとき最初に交戦する部隊ですから 各国とも精鋭部隊を配し装備も充実しています

日本の沿岸警備隊に相当する海上保安庁は いまや相対戦闘力で対抗勢力乙に抗することは不可能となりました 海上自衛隊があるじゃないかといいますが 自衛隊は警察権を有する組織ではなく 現場指揮官の判断で攻撃することはありません

それどころか日本は憲法によって交戦権を持たないため 僚艦・友軍が攻撃を受けても応戦することすらできないのです 自衛権や警察権で排除するというのは無理があります 公海上に日本の警察権は及びませんし 領海内に侵入してきた敵艦に対しても 自衛権では先制攻撃ができず手をこまぬいているだけです

2022年8月23日追記=海上自衛隊に哨戒艇を配備することになったそうです スペックを見るとなんと30ミリ機関砲だけの装備です 各国の沿岸警備隊は76ミリ砲を装備しています 海上保安庁のひだ型巡視船でさえ 40ミリ機関砲と20ミリ対空バルカンを備えています どういう運用をするつもりなんだろう 海上保安庁の予算では足りないので補完としか思えない 相変わらずその場しのぎです)

11月15日追記=さっそく中国は76ミリ砲搭載の艦船を 尖閣諸島に配備しました 自衛隊の哨戒艦建造に対する牽制ですね 尖閣諸島周辺は すでに中国が実効支配しています 海上保安庁は島に近づくこともできない 日本政府はどう応じるのか)

そもそも自衛隊の離島作戦ということは 対抗勢力乙に上陸を許してしまった島嶼の奪還です しかも米軍と協力する前提になっています 先制攻撃ができないのですからやむを得ません 対抗勢力乙は島嶼に上陸したりしません 沿岸警備艦船を常時配備し 我の領海だとの既成事実を作っています つまり軍事ではなく外交作戦なのです

自力で領土・領海を守れないのは日本国憲法が足かせになっています オホーツク海でのサケマス漁船拿捕 李承晩ラインが引かれたことによる日本漁船銃撃と竹島占拠 現行憲法下に日本の領海・領土は侵略されています
今また尖閣諸島が奪取されようとしているのを 海上保安庁に委ねるしか手立てがないのも 平和憲法とやらのおかげです


ロシアのウクライナ侵攻

2022年3月3日追記=ロシアがウクライナに侵攻しました 全体の情況は不明ですが 南部ヘルソンを制圧したようです ヘルソンはドニエプル川が黒海に注ぐ河口に位置しています 南東側はクリミア半島になります 戦略的に要の地点ですね
これでロシアの企図は明瞭と見ていいでしょう すでにクリミア半島はロシアが実効支配しています これでトルコに睨みを効かせることができる ドニエプル川を境に東部地域をロシアに割譲 西ウクライナは中立地帯にするのが目的ではないですか 朝鮮半島のような構図を作り出すのです
その後ウクライナ海軍は 自軍の駆逐艦をドニエプル川に沈めました 旅順港閉塞と同じ作戦ですね ロシア海軍がドニエプル川を遡るのを防ぐためです)

2022年3月15日追記=東西冷戦のころソ連の軍備が強大になり対抗する形でNATOが作られました 最初は数カ国だったのが次第に参加国が増えたため ソ連は東欧諸国とワルシャワ条約を結びます モスクワが根城で周辺諸国が出城といった配置になります この時点では東西の軍事力が拮抗していたでしょう 均衡が破れたのはポーランドの離反でした これをきっかけに東西ドイツの統一からソ連邦の崩壊へと 歴史の転換を迎えます 東欧諸国は社会主義を捨てNATOに参加し始めたのです
社会主義や共産主義なんてロシアの覇権主義の言い訳です 当時の日本ではソ連のプロパガンダがまだ尾を引いていました 政府・外務省・政治家は何の対応もできず 北方領土奪還〈返還なんかするわけありません〉の唯一のチャンスを逃しました 今回のウクライナ危機ではアメリカの情報戦・心理戦が圧倒している感があります
ロシアがウクライナの原子力発電所を攻撃しています ウクライナを占拠するのが目的ではないということになります 事故で核汚染になれば中立地帯にするしかない 一か八かの賭けです ウクライナがNATOの一員となればモスクワを窺うことも可能です 相当の危機感を持ったのでしょう プーチンは切羽詰まった心理状態かと想像します)

2022年3月20日追記=ロシア軍の少将3人と中将1人が戦死するという 前代未聞の異常な事態が起きています 戦線を拡大しすぎて軍団司令部が手薄なのか おそらくアメリカが索敵情報を提供し 地の利に長けたウクライナ軍が狙い撃ちしているのでしょう ロシア軍の配置は詳細に渡り把握していると思われます
指揮官不在は指揮命令系統が機能しない状態です 全体の戦況を見て判断する者がいない もともと大義のない戦いですから意志の統一も忠誠心もない 士気は落ちロシア軍はそうとう混乱しているはずです NATOの心理戦・情報戦が優勢となっていると見ます
南部は制圧したものの 北部戦線でベラルーシ(白ロシア)との連携はうまくいってないようです 極東から津軽海峡を通って補給艦を送りはじめました ウクライナへの補給線は逼迫していると考えられます なにか日露戦争時と同じようなことをしている印象です)

2022年3月27日追記=ロシア軍の将官の戦死が7人になりました もはや方面軍として機能しない状態と思われます さらにマウリポリに停泊していた大型補給艦が3隻 ウクライナ軍に撃沈されています クリミア半島を掌握したはずなのに兵站を築いてなかったということです
黒海の制海権さえ押さえていないのでしょうか 大局を見た戦略とはとてもいえない プーチンの判断ミスか 戦線縮小せざるを得ないが 兵の退き方が難しい局面になりそうです 相手は日本じゃないので戦後の外交交渉は かなり困難でしょう)

2022年3月31日追記=やはりロシアは戦線を縮小し始めました 大体キエフにも侵攻した理由がよくわかりません クリミア半島と続く東南部に兵力を集中するのでしょうが遅すぎます ロシア軍は10%以上の損害が出ているようですから これ以上損耗したらリストラクチャリングもできない状況です 明らかに政略ミス・戦略ミスですね これからはいかに停戦条約を結ぶか外交戦に移っていきます そのために部隊を区処(再編成)し攻撃を継続します)

2022年4月17日追記=ロシア黒海艦隊の旗艦が撃沈されました 海上からの補給は絶望的なようですし 戦況はロシアにかなり不利となるでしょう しかし対ナポレオンや対ヒトラー 日露戦争においてもロシアは戦争(物理的な戦い)に勝利したわけじゃありません その後の外交交渉を有利に進めています 停戦後の外交こそ本当の戦いです 少しでも有利な地歩を築くため さらに攻勢を強めるかもしれません)

2022年5月31日追記=戦局は膠着状態となりました ドニエプル川から東地区を征圧というのは到底望めない情況です 黒海沿岸地域とロシアに隣接する東部地域を割譲するかが 今後の外交交渉の要となるでしょう しかしプーチンにスターリンほどの器量はないし 習近平が橋渡しをするかどうかが決め手となります 今のところロシアと中国は極東(台湾)で 軍事提携していることをアピールしています)

2022年8月20日追記=ロシアはクリミア半島を完全に掌握していないようです 歴史の経緯から多民族が混在しているのが理由でしょう かなり広い面積がありますし全土制圧はやはり難しいか 黒海艦隊も制海権を維持しているとも思えない ウクライナがヘルソンを奪還したとの話もあります そうなると遊撃隊ないしはゲリラ部隊が クリミア半島に展開されているかも知れない ロシアの最初の思惑とは大きく戦況が変わってきました 大義なき戦いに勝利はないということ)

2022年10月1日追記=ロシアが予備役のみならず 一般に徴兵を拡大しています 正規軍は崩壊状態ということになります 中国は距離を置く方向に転換しましたし この情況で一部の都市を併合しても反感を買うだけですね 政策・戦略ミスは退っ引きならぬところまで来てしまいました)

2022年10月13日追記=おそらくウクライナによるクリミア大橋爆破に対して ウクライナ全土にミサイル攻撃をするといった 戦略も政策もない敗れ被れ状態に陥っています 和平交渉にもって行きようもない
ロシアはすでに補給艦の多くを失い ウクライナ大橋(特に鉄道輸送)が主な補給路だったのではないか もはや戦線を維持するのは不可能かと思われます
ロシアの兵制は独特で 志願兵や徴兵のほかに 契約兵というのがあるらしい ウクライナ侵攻の初期に 東洋系・アジア系の兵が目立つなと思っていたのですが この人たちは契約兵だったのですね
ロシア共和国を名乗っていますが ウクライナのように独立を果たした もと衛星国だけでなく 辺境の区域には少数民族が暮らすところがあります 中国と同じく自治区となっていて 実態はソ連時代と変わらない多民族国家です
自治区の知事はモスクワから派遣された官僚です クレムリンの動員令がかかれば 自分の成績を上げるため兵を招集します
これらの辺境少数民族地区は 情報が少なく目立つ産業もないため 契約兵に応募する人たちが多いのです 結果正規軍といえども 練度が不足し忠誠心がない 士気も低い統率の取れない軍となります
ロシアの初期の作戦が ことごとく裏目に出たのは このいい加減な俄づくりの部署が大きく影響していますね グルカ兵やフランス外人部隊など傭兵も いわば契約兵ですが こちらは歴史があります
プーチンは武力と兵力の違いを理解してないのでしょう 武力は軍備すなわち有形戦闘力です 兵力とは無形戦闘力 兵の資質です 戦いにおいて最も重要なのは兵器ではなく兵士 そして戦う大義なのです)

2023年1月25日追記=ロシアによるウクライナ侵攻は膠着状態に陥りました すべての原因は初期作戦の誤り さらに事前の情勢判断ができていなかったことです ロシアに加担する勢力の養成が不足していました クリミア半島さえ完全に掌握していなかったようです
前線に投入したロシア軍が 新兵寄せ集めの俄部隊だったため全く役に立たず ウクライナ東部戦線は 非合法の民間軍事会社ワグネルが主体になってしまいました その結果指揮命令系統が乱れ あらぬところへミサイル攻撃をするに至りました
正確な情報が上がってこないので おそらくプーチン自身情勢を把握しきれていない 指導力は低下の一途です ワグネルは戦争を継続するほど儲かるわけで 彼らにとっては好都合です
停戦や戦争終結の見通しは立たなくなりました どちらかが疲弊するまで 果てしない消耗戦が続くでしょう)

2023年6月27日追記=ワグネルの反乱という思わぬ展開となりました プーチンは国軍を掌握できていなかったのですね そのためか新兵寄せ集めの国軍とワグネルを前線に投入しました 国軍とワグネルで指揮命令系統が錯綜混乱し初期作戦が失敗 国軍ワグネル双方の反発を招きます 反乱はベラルーシがワグネルを預かるという形で収拾を図るようです こうなるとベラルーの動きが気になります 3月には中国と会談しています 中国とベラルーシがロシアに対して静観していたのは 正確に情報を把握していたのかもしれません 本来なら国家反逆罪に当たる事案をお咎めなしとする ロシアの威信低下は避けられないでしょう)

註釈

註釈
01 ウクライナはロシアとポーランドが分割統治していて 緊要地点であるクリミア半島を巡って オスマントルコとロシアは常に対立していました ナチスドイツがポーランドを併合したことで 均衡が破れるところは朝鮮半島と似た構図です
クリミア戦争は1863〜65年 新選組が不逞浪士による京都焼き討ちを阻止した 池田屋事件は1864年のことでした 当時のヨーロッパは紛争に明け暮れていたため 日本を侵略する余裕がなかったのです おかげで国が混乱していても植民地化から免れました
コメントは受け付けていません