コンテンツへスキップ →

タグ: 通販

アスクル・小包

アスクルは文房具(事務用品)の通販という画期的な業態でした 当時は「いづみや」の外販がデザイン用品の配達をしていて 消しゴムひとつでも届けてくれました 大変便利なものでしたが 業界(古語?)だけのことです
これを一般の事務所にまで広げたわけです 始まりがそうですから 個人客はお断りみたいな態度で相手にしなかった 要するに大量購入が条件でした(月間取引額が決まっていたように思う)

ところがインターネットの時代になり 薄利多売から他品種少量への対応は必須となります 個人客を相手にしないビジネスが成り立ちにくくなったのです
そこで LOHACO by ASKUL なる個人向け通販事業を始めました しかし企業体質は相変わらずで まとめ買いがお得なんてやってます

ロジスティックスのシステムも お客様指向はみられません 自分たちのやりやすい様にやってるだけです お客様のことを考えない
ところで使いにくいシステムといえば 「ゆうちょ」と「JR east」が極まってますね 国鉄・郵便局の内向き体質そのままです

客の方を全く見ていません システムの設計は業者とのやりとりだけです(ユーザー・インターフェイスの分かりにくさが表しています) 当然そこには利権も絡んでいるのでしょう すべてが自分たちの都合です
とくに JR east は最近システムを変更して[01] … Continue reading ますます使いにくくなっています かなりリテラシーの高いユーザーでも苦労している状態です

アスクルさんも いわゆるB2Bの取引が中心でしたから 似たようなものです そのままの企業体質で個人客に手を広げたのでしょう 独自配送のようですが従業員のトレーニングがなってません
ゆうパック(旧日本通運ペリカン便+郵便小包)の配送員も外国人アルバイトとかが多いですね 初めて個人向け配達を手がけた クロネコヤマトはさすがに行き届いています プロフェッショナルな対応ができるスタッフです

註釈

註釈
01 JR内で3種類くらいあったポイントを一つに統合しました その移行をユーザーにやらせて移行しなかったら無効にするという 3種類もあったのは色んな事業部が勝手に作ったからです(多分)
昔みずほ銀行ができた時に大規模なシステム障害が発生し 全国のユーザーが多大な被害を受けました 当時の頭取が銀行の損害はないから 問題ないと言ったことを思い出します まさに守銭奴の言い分ですね
コメントは受け付けていません

洗練と泥臭さ(広告の変遷)

SPはもちろんのこと マーケティングの括りでは広告も本来泥臭いものです クールデザインや気の利いたコピーが目的になってはいけない
ケースにもよりますが プロの手になる洗練されたデザインよりも いかにも素人が頑張っている広告物が効果的なことはよくあります あえてヘタウマを狙うのとは違います

デザイン面で破綻しているのが かえって躍動感を生み出したりします ありきたりなコピーは決まり文句です 決まり文句は一定の効果があります 効果があるから皆が使う だからどこかで見たようなものになるのです

このごろの広告(TVCM)は健康食品と化粧品の通販ばかりになってしまいました 絶叫型のCMは本当に不愉快ですが 上品ぶっても売れません とにかく印象に残らなければいけない
こういった商品は理屈では売れません 耳目を引きつけ煽って売るものです(マネキンの実演販売と同じ) 考えさせてはいけない いまから30分以内と期限を切ります(クリンチャー)

私が現役でやってた頃は サントリーや資生堂といった鑑賞に値する 作品といっていい広告が制作されていました 実際に市川崑監督を起用したり サンアドからは数々の文筆家が出ています
これらの広告をイメージ戦略とかいってましたが[01] … Continue reading 今でいうブランディングのためですね もっとも広告費は非常に高額でしたから すでにブランドが確立された企業しかやれなかったものです

サントリーオールドのTVCMに登場する役者さんは その人生の重みを感じさせる風貌の持ち主ばかりでした
今は味のある役者さんが少ない気がします 特にある程度以上の年齢で 重厚な役ができる役者さん 年寄り役ができる役者さんがいない[02] … Continue reading 年をとってる人はいくらでもいますが みな存在感が軽すぎるのです[03] … Continue reading

このごろの風潮として 年齢相応の風格・落ち着き[04] … Continue readingを尊重しません 妙に若ぶっているのが持て囃されます 先に挙げた健康食品や化粧品はすべて そのような層をターゲットとしています 時流を捉えているわけですね
料理食材の鮮度や作り立てばかりが強調されて 熟成された深みのある味が失われていくのと 同様の傾向なのでしょう 若い時に大人ぶったりしたことはありますが いまはいい大人が若さに媚びています

註釈

註釈
01 安易な方法としては有名人を使って むりやりブランドイメージに結びつけるのもありました ネスカフェ・ゴールドブレンドが代表です(ダバダァー違いがわかる男のTVCM) この人達が本当にインスタントコーヒーを飲んでるのか?と思ってましたが 團伊玖磨がギャラに惹かれて出演したとか書いていたようです(團伊玖磨編はWikipediaに掲載されてません 確かに数回しか見たことがないし 互いにとって消してしまいたい過去だったのかな) インスタントコーヒーを権威付けしてどうなるんだと思いますが
02 東京物語で初老のお父さん役を演じた笠智衆は 当時二十代だったのですから演技を超越した役者さんです 特殊メイクでもあれは無理でしょうね とくに立ち姿や何気ない動作に年齢が表れるものです
03 アル・パチーノやロバート・デ・ニーロは 本当に上手に年をとっていると思います 役作りだけでない 洗練された大人の魅力を醸し出しています 夢を見続ける永遠の少年の心なんて褒め言葉じゃない 大人になることを理解できないピーターパン症候群です
04 吉永小百合さんは 歳を重ねるに従い あく抜けて綺麗になっています デビュー当時は向こうっ気が強く何にでも前向き チャーミングであるが美形とはいえなかった(ハッキリ言って大根役者さんです でもあの存在感は何者にも代え難いものがある)
「男はつらいよ 柴又慕情」で 吉永小百合と倍賞千恵子が共演の形になりました お二人とも人間性と風貌(実年齢とキャラクター)が見事に一致している 女優とはこうあるものだと思います 女優だから いくらでも化けられる面はありますが それも年輪です 外見だけではない大人の女性です
コメントは受け付けていません

通信販売

通信販売はアメリカで始まったといいます 最初はメールオーダーでした
西部開拓時代 人々が定着して各地に町ができます しかし生活物資の供給は追いつきません 流通は駅馬車で後に鉄道が引かれますが 町にあるのは小さな万屋1軒だけです
日用品をまかなえても 大型の農機具等はストックされていない そこで商店や駅にカタログを置き 注文書を郵送します(郵便物も駅馬車や列車で運び 駅で受け渡ししたのです) 注文した商品は小包で郵送されます

メールオーダーであり カタログ販売が通信販売の始まりだったのです やがて新聞・雑誌が普及すると広告で商品を売ることが行われます ただこの商品は顧客リストを作るのが目的です
その商品を売って利益を得るよりも 商品に満足した客にその他の商品カタログを届けるのです ですから広告料金等は販売促進の費用と考えます 商品カタログは出張店舗です(オーバー・ザ・カウンター)

他の業態でも同じなのですが 固定客・リピーターがもっとも大事な顧客です つまり会社のファンになっていただくのです 広告で売る商品はそのきっかけです ネームゲティングといいます
日本でも通販の広告は自社リストのためでした ところがTV広告で通販を始めると様相が変わってきます

TV通販

ある通販会社の新聞広告をやっていたことがあります この会社が試しにTV広告を打ったところ これが大変な反響でたちまち完売したそうです(ジャパネットたかた[01] … Continue readingより ずいぶん前の話です)
それに味を占めた会社はTV広告に軸足を移し 新聞広告の仕事はなくなってしまいました 一見客ばかりを相手にするようになった通販会社は その後あまり長く続かなかったようです

とはいえ今でも健康食品や化粧品等のTV通販は盛んです 衛星放送が始まり総体的な放送時間が増えたため 広告料金のダンピングで利用しやすくなったからです いまや雨後の竹の子のごとき状態を呈しています(なぜか圧倒的に九州が多い)
初回無料で売り上げを伸ばしたのは やはり九州の「ドモホルンリンクル」あたりでしたか 1回サンプルを取り寄せたら しつこく勧誘電話がかかります リピート客というより定期購入の継続販売を狙っています[02]格安のお試し価格でサンプルを取り寄せたつもりが いつの間にか定期購入に移行していた なんて事も悪質なところでは行われています

モラルリスク

反面で通信販売には「モラルリスク」というものがあります 料金後払いや代引払いの場合 商品が到着しても支払わなかったり 気が変わったといって返品したりする客が一定数いるのです
後払いの大半は後でと思いつつ うっかり忘れてしまう善意の遅れです この人たちは穏やかな督促で支払います 中には常習的に支払いが遅れる客もいます またクレームを付けて返品する客の中にも常習者がいます

1回の督促で支払う客は問題ありません しかし督促しても支払わない悪質な客に対しては 回収の費用と代金が引き合わないケースがあります 少額商品で遠隔地の客などです これをモラルリスクといい 商品の価格に最初から損金で上乗せします

以前主婦グループの通販詐欺がありました 低単価で売りさばけるものを大量に購入します 一人で何回もの取引は怪しまれるでグループを作ります 要するに取り込み詐欺ですが 小遣い稼ぎ感覚の軽い気持ちでしょう

高額な本格的詐欺と違い金額も少ないし 犯人と被害者に面識がないため 摘発が難しいのです だいたいコソ泥がいちばん質が悪い
万引きなども犯罪意識が希薄なので累犯が多くなります たとえ捕まっても微罪ですから懲りないのです[03] … Continue reading

インターネット通販

日本の通販はまるで狐と狸の化かし合いとなってしまいました 絶叫型とネガティブアプローチが席巻するTVCMは健全な姿とはいえない 通販の原点に立ち戻り 固定客を大事にしなければなりません
そのためにもっとも大切なのが 購買リストとクレームリストです これをもっとも効率的に運用しているのはアマゾンです レコメンドエンジンとユーザーレビューですね

自社リスト(ハウスリスト)が通販の資産です 一時的に売れるからといって楽天に出店しては 客の動向を把握することができない まして価格競合に陥るとバーゲンハンターばかりが集まり 将来の優良客に結びつくことは決してありません
通販先進国のアメリカで Eモールタイプのインターネットショッピングは全く下火になっています 日本も楽天の成功に倣ったモールがたくさんできましたが ことごとく姿を消してしまいました

註釈

註釈
01 ジャパネットたかたは小さなTV通販の会社でした そのためもっぱら深夜の安い時間帯を使っていました インフォマーシャルの手法と高田社長のキャラクターが相まって 飛躍的に売り上げを伸ばしたのです
02 格安のお試し価格でサンプルを取り寄せたつもりが いつの間にか定期購入に移行していた なんて事も悪質なところでは行われています
03 書店やスーパーマーケットの万引きが取りざたされますが なにも社会の歪みのせいではありません 大半が常習犯です 書店で万引きする少年が年老いて 老人の万引き常習者になることが多い 盗癖というのは確かにあります 癖ですから矯正できない
コメントは受け付けていません