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タグ: オウンドメディア

あおのり

ふりかけ「ゆかり」(登録商標)で知られる 広島の三島食品株式会社は 「青のり」も製造しています 三島食品の青のりはスジアオノリを原料にしており 香気の高い逸品です
ところが原料であるスジアオノリの収穫が激減し 商品を作れなくなったのだそうです そこで三島食品さんはかわりに ウスバアオノリとヒラアオノリを原料とした 代替品「あおのり」を製造販売することにしたのです 同時にスジアオノリの陸上養殖を始めました 養殖が軌道に乗れば元の「青のり」に戻す予定です

マーケティングの観点から感心したのが ことの経緯を旧メディアを対象としたプレスリリースなどではなく 「あおのり」の商品パッケージで説明したことです
青色が基調だったシンプルな「青のり」のパッケージから 緑色に変更した「あおのり」パッケージの表面に 「三島の青のりファンの皆様へ 詳しくは裏面をご覧ください」とあり
裏面で「三島食品が品質に自信をもってお届けしてきたすじ青のりを伝統の青いパッケージで作る事ができなくなりました。国内産地での記録的な不漁が続いた為です。陸上養殖をふくめ原料確保につとめていますがしばらく時間がかかりそうです。その間、今できる精一杯の青のりを準備しました。でも待っていてください。必ず帰ってきますから。」と書いてあります

これは素晴らしい パッケージは最大最良なメディアです しかしながら ここに着目したコミュニケーションは ほとんど行われてきませんでした
私は予てからマーケティング・ブランディングにおける 商品パッケージの重要性を提唱してきました パッケージはデザインだけでなくコミュニケーションツールとして最も重要なものです 商品そのものが媒体であり いわゆるオウンドメディアなのです
また顧客とのコミュニケーションは至誠が根幹になります 素直に訴え語りかけるのが一番です 小細工を弄したり仕掛けを作ったりしても インターネットの時代ではユーザーにすぐ見抜かれます

これほど具体的に私の考えと一致したマーケテイングの事例は初めてです 商品パッケージで説明するというのは 自社の顧客に向けてのみ語りかけることです マスメディアでPRしてブランドのイメージを高めるなどという さもしい了見ではない 
この誠意ある姿勢は必ず顧客に届きます 以前にキャンディーズが解散の意思を記者会見の発表などでなく 最初にライブでファンに表明した件を書きました 顧客第一の心がけは通ずるものがあると思います

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売り上げ・信頼関係

ブランディングの目的は 一時的な売り上げを求めるより[01] … Continue reading お客様と永続的な信頼関係を築くことです なにも目新しい考えではない お得意さま(常連客・ひいき客)になっていただければよいのです
そのためには 製品・サービスが高品質であることが第一 次に独自性を打ち出すことです 独自性といっても他社との違いや優位点ではありません 差別化だとか付加価値なんて 物真似の裏返し他を見ての比較にすぎない オリジナリティーとは無縁の施策です

居酒屋

飲食店(居酒屋)の例です 2軒の居酒屋があります 具体的に書けないのですが それぞれに特徴を打ち出しています
1軒は産地直送が特徴です しかも お客様からの提案・協力で実現したことです 産地から選り選った食材が届き 店主の包丁の冴えで 素晴らしい料理が提供されます 以前は酔客を断ったりもしたようです(居酒屋なのに)
もう1軒の店は地産・地消を心がけています どの地域でもよいものを生産している方はいます それを地元ならではの付き合いで仕入れるのです もちろん店主の食材を活かす料理の腕前は確かなものです

この2軒に共通しているのが ひいき客・常連客を大事にする点です 「インターネットの評価で来る客は1回限りが多い」「一見の客に値引きなんかしたくない なじみ客にこそサービスしたい」「SNSの口コミに店のことを書かないでください」
どちらの店も 店主一人とアルバイトで切り盛りしていて 振りの客が押し寄せると手が回らない という事情もあります TVのタイアップなどで上辺だけの評判を煽り 興味本位の客を集める商法とは対極をなす姿勢です

初志貫徹

これらの例は 個人経営だから成り立つのかもしれません しかし企業の大小に関わりなく 大切なのは確固たる信念です どんな商品を提供したいのか なぜその商品を作るのか 顧客にいかなる満足を届けるのか
どの企業も 志をもって事業を始めたはずです 初志を貫徹することが大切 創業時の心構えは 代々すべての従業員が共有しなければなりません

共有するためには コミュニケーションが欠かせません 従業員教育でもありますが 社是・社訓の唱和や社長の訓話では 一方通行でコミュニケーションが成り立たない
さらに お客様とのコミュニケーションが加わって ブランドは育っていきます ブランドを育てるのは お客様と従業員の両方です
事例の居酒屋さんも 客とのコラボレーションで独自のスタイルを築きました 客に商品・企業のファンになってもらうのです 製造メーカーなど客と直接の接点はなくとも 製品を通じて関係を築くことはできます

即席カレー

愛知県にある株式会社オリエンタルは昭和20年 最初に即席カレーを作りました 販促は宣伝カーで全国を巡り試食してもらったそうです TV受像機が一般に普及するとTVCMを盛んに流していました
オリエンタルカレーは 黄色くてあまり辛くない 母の手作り風の味です それはいまでも変わらず 昔の味を守り続けています[02] … Continue reading
オリエンタル製品のパッケージには「オリエンタルがっちりプレゼントキャンペーン」応募はがきが入っています キャンペーンといっても通年やっているようです

箱にあるオリエンタル坊やのイラスト3枚を貼り付けて応募します 毎月500名に景品が当たりますが はずれてもレトルト製品が1点送られてきます 発売当初の試食の精神がまだ生きているのですね
特に挨拶文中のお願いがいい お客を巻き込んでのコミュニケーションです こういうお願いは率直にストレートに頼むべきです 製品そのものを媒体(オウンドメディア?)にしたコミュニケーションです 顧客に届けばいいのです リーチ率100%
このキャラクター(オリエンタル坊や)も初期の頃から変わらないのではないか 昭和30年代にTVCMをやっていましたが アニメーションバージョンがあって そこに登場していたように思います 確かオリエンタル坊やが椰子の木に登ったりするやつ 映像は残ってないでしょうね

註釈

註釈
01 こじつけた無理やりなイベントで集客するのは 疲弊を招くばかりです クリスマスケーキの頃はまだ お菓子も豊富でなく年に1度の微笑ましいイベントでした バレンタインデーあたりから方向性がおかしくなり 恵方巻きにいたっては馬鹿げたふるまいとしか言いようがない たしか関西のセブン・イレブンが始めて TVのタイアップで全国に広まったものです
恵方巻きの廃棄で問題になるのも実はコンビニです 自店で作って売る場合は客の動向を見て調整できますから さほど無駄を出すことはありません また売れ残りは投げ売りできます
コンビニでは製造メーカーが一括して作りますが 製造数を自社で予測するわけでない 足りなくなるのは許されず材料は予め多めに用意します 余った食材は自社負担で廃棄しなければなりません 店舗(フランチャイジー)は買い取りで 売れ残った恵方巻きは自店負担で廃棄することになります 本部(フランチャイザー)は余った食品を廃棄なんてしてませんよと言えるわけです
02 ライスカレーの場合 カレーはご飯の上にかけます その上に中濃ソースをかけ 匙ですくって食べます この時混ぜてはいけません ご飯とカレーとソースが重なったところを味わうのが ライスカレーの食べ方です 新宿中村屋のカリーは ご飯とカレーさまざまな薬味が別々に盛られます これを混ぜながら食べるのが純印度式の由来です
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DMとスパム、電話・訪問セールス

DM屋に任せきりのダイレクトメールは スパムメール扱いされるだけです
たとえばフィッシングメールは 機械的にアドレスを生成して送り付けるものです 費用はさほどかかりませんから 引っかかる者が限りなくゼロに近くても採算がとれます

でもフィジカルな方のDMには 印刷代から郵送費などの諸経費がかかります もちろん きちんと自社の顧客管理をしていて 固定客とコンタクトをとるオウンドメディアなら有効な方法です
しかし名簿を買ったりアンケートなどで 個人情報を収集して勝手に送り付けるのは けっこうな経費を使って悪印象を作り出しているだけです

最近は個人情報云々ということで こういったリストが手に入りにくくなりました そこで主流になるのはワン切りで電話番号を収集して 手当たり次第に電話セールスする方法です ワン切り電話があると 数日後にセールス電話がかかってきます

こういった電話セールスは フィッシング詐欺とおっつかっつで すべてが詐欺まがい商法といって間違いないものです
スパムメールと同じで電話番号の収集には ほとんど経費がかかりません しかし後で電話をかけるときは人件費がかかります
いわゆる掛け子と同じで歩合制でしょうから DMより遙かに低廉ではありますが

人件費を節約するため 一時は合成音声を使った電話セールスもありました 一見手間が省けて良さそうですが さすがに反応が悪すぎたか廃れました あとリクルートなんかが スパムFAXを盛んに送ってたこともあります 電話料金かかるが用紙代は相手持ちですからね

戸別訪問のセールスといえば 学研のおばちゃんか保険のおばちゃんでした
近頃あまり保険のおばちゃんの姿を見かけないと思ったら 保険の確認とか嘘をいって自社リストに無闇矢鱈と電話したり 銀行の窓口を借りて売っているようです 銀行口座とかクレジットカードなら 契約させてしまえば自動引き落としだから有利です

保険の勧誘は縁故を頼る商法でした ですから外資系生保が盛んにTVCMを流した頃は 保険の勧誘そのものより生保レディ(?)のリクルートに血道を上げていました
誰でも5人や6人の縁故はありますから ネズミ講みたいなものですか 募集の経費かからないし

昔葬儀屋さんに聞いたところ こういう仕事はプッシュセールスをすることはない 待ちの商売なのだと言ってました
しかし今 電話セールスと戸別訪問で一番多いのが 墓石屋と葬儀屋です まぁ考えてみれば生保も葬儀も人の不幸につけ込んだ あざとい商売ではあります

保険は本来相互扶助ですから 最終的にマイナスになるものです それを日本の生命保険は利殖のように装おって勧誘していました それだけならまだしも不払いが当たり前の状態でした まさしく詐欺商法です
葬儀屋は互助会の形態を取っているので 多店舗展開するときも会員に営業させているようです よく分からないのですがフルコミッション制なんじゃないかな 地縁・血縁を使う保険屋と同じ商法ですね

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