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タグ: 広告

エージェンシー

エージェンシーと一言にいっても種々あります 代理業・ブローカーのことを指すことが多い 金融関係のブローカーには怪しいのもあります
旅行代理業は 旅館・ホテルの部屋を再販売します 部屋の稼働率を保証しますので 団体客目当ての旅館にとっては 集客のコストがかからずありがたい存在です 広告代理業は メディアの広告枠(時間やスペース)を再販売します 力のある広告代理店なら 2クールの広告枠を買い取ってしまうこともあります

日本の巨大広告代理店というと電通ですね(いまや世界一か) 寡占化が進めば広告代理店による影響力が強まります メディアに対してもクライアントに対してもです
新聞はまだ購読料がありますが TVの収入は広告料金のみです 新聞に比べれば編集の独立が確立されているとはいえません スポンサーや代理店の発言力は大きくなりがちです(かつてのサスペンスドラマでは 自動車会社がスポンサーにつくと交通事故は起こせず ハム会社ならば血を見せてはいけない などと言われたことがありました)

インターネットの時代になって情報の自由が促進されるとともに 情報発信を独占していた新聞・TVの権威が次第に失墜してきました
いままで礎を築いていたマスメディアと違い いかに電通でもGoogleやFacebookに影響力を及ぼすことはできません

旅行代理業の粗悪な格安日帰り旅行 中国資本流入などで ホテル・旅館が疲弊しています バス旅行ツアー事故などによる被害も出ています
日本のインターネット広告も 元ダイヤルQ2業者などが入り乱れ レップと称する怪しげなブローカーが跋扈し 不当な価格が横行しています

そして インターネット広告関連の仕事は 非効率で採算のとれない部門になってしまいました 自ずと過重労働を強いられたのでしょう
気の毒なことですが これは決して電通の体質ではないと思います だいたい従来スタイルの代理業が成立する土壌ではないし 無理があります

電通鬼十則

鬼十則の吉田社長は 夜どんなに遅くなっても朝6時には出社していました 他の理事(役員)もそれに倣って7時までに顔をそろえるといった具合です
出世すればするほど忙しく長時間労働だったのです 仕事は自ら作るものですから 時間管理も自分の責任 勤務時間に縛られることがない社風です
Googleの社員だって 会社に泊まり込んでいる人たくさんいるそうですから

以前の電通は東大・京大卒ばかり採用していました 別に仕事の能力を期待したわけでなく 学閥つながりが目的です 吉田秀雄自身が東大出身で 官公庁の仕事を独占しました
同じ理由で 政治家や大企業役員の子弟も 人脈目当てで縁故採用しました 人脈を利用して仕事をとる 営業の場は料亭ですね 本社を築地に置いたのも関係なくはない?
自殺した方が東大卒だったのは象徴的です 本社が汐留に移り 料亭政治・官官接待といった仕事の流れ方がなくなってきた

電通自体の変容は 連絡局が営業と改称し普通の会社になった 組織改編あたりから始まっていたかもしれない
仕事は自ら創るもの与えられるものではない もし新入社員に過重な仕事を割り振っていたのなら それは鬼十則に反します 吉田秀雄は部下を馬車馬のように働かせろなどと言ってない

そもそも電通鬼十則を素直に読めば 当たり前のことしか書いてないし 心構えを説いているだけです むろん強制力があるわけでもない
私流に解釈すれば 仕事を能動的にやれということでしょう 仕事に追い込まれるのでなく仕事を追い込めと言ってるのだと思いますが

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アルゴリズム

インターネット企業の3雄といえば アマゾン・グーグル・フェイスブック(創業順)でしょう この3社が優れているのは アルゴリズムです
一言でアルゴリズムといっても3社3様です アマゾンはビッグデータを活用しています グーグルはページランク理論ですね フェイスブックの特徴はライクボタンです

もちろん各企業のアルゴリズムは 根幹をなす部分なので詳細はわかりません それに専門家でなければ 難しすぎて理解できないというのが本当のところです
グーグルは最初から統計学の理論をもってビジネスを始めました アマゾンのビッグデータは事業を進めるに伴い蓄積されました フェイスブックも最初はライクボタンがないただのSNSでした

マーケティングにおいて 重要なポイントは「人は合理的に判断して動くのではない」ということです グループインタビューやアンケート・モニターのデータをいくら集めても 購買動機の本質はわかりません 実際の購買は感情で支配されているのです
一方で人は自分がとった行動・選択の結果に 合理的な理由を見出します 自分で自分を納得させているのです でもその根拠は新聞・TVで見たことや 人づてに聞いた噂話だったりします 自分の見識や意見でないことが多い
そのため 理路整然としたマーケティングリサーチの結果より 長年の経験と勘の方が正確だったりするのです

なかでも怪しいのが 官公庁系がいう景気動向予測とか経済波及効果です 最初からある結論に合わせて ほとんど捏ち上げといっていいような数字です
経済波及効果が何千億円だの 広告費に換算すると何十億円なんていうのは 青汁のコピー「何とさらに乳酸菌を百億個」のような数字の使い方と同じこと
大きな数字というのは納得させる力があります フーテンの寅さんがいう「ビタミンABCからZまで」といった啖呵売と同様 ただ意味もなく数字を並べ立ててるだけです 虚仮威しというやつですね

人は理屈じゃ動きません 感情で動くのです 人の行動を理屈付けしては見誤まります とくに数字は用心した方がいい 分かったつもりになり勝ちです
数字をもってこいとしか言わない組織のトップ 数字でつじつまを合わせるだけの現場 これが日本の官公庁と大企業です 三菱とか東芝がそうです

グーグルのページランクは人気投票形式です アマゾンのレコメンドエンジンは個人属性を分析せず フェイスブックのライクボタンも単なる好感度です
いずれも人間の感情に基づく行動を 理屈で数値化せずそのまま処理するのです 経営者が理解しやすいように解析・整理する事はない 人間の解釈や合理的な理由は必要ありません ただ事実だけを積み重ねる方法がアルゴリズムです

アルゴリズムは理屈や単なるノウハウではありません これら3社はソフトウェア+ハードウェアで 借り物でない独自のインフラを築いています
グーグルは世界各地のデータセンターにファイルを分散するGFSというシステム アマゾンのシステムはAWSといい世界最大級のクラウドサービスを所有します フェイスブックも海底ケーブルなどを整え インスタグラム(Instagram)や空間音声の技術を展開しています

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TVCMとweb

TVCMもずいぶん様変わりした感があります サントリー 資生堂といった有名どころの出稿がほとんどなくなりました
代わりに目立つのが タイアップやインフォマーシャル(本来の意味ではない)などペイドパブです タイムにしろスポットにしろ映像表現に注力したCMは姿を消しました
印象に残っているのは小西六のCMです フィルムメーカーだけに素晴らしい映像美でした コニカはもうなくなりました ヤシカ・ペンタックス・ミノルタも消滅しました

広告主が入れ替わる状況の始まりは サラ金のCMあたりからでしょうか その次が外資系の生命保険でした 一時パチンコのCMが多く出稿されました これはそんなに続かなかったようです 公営ギャンブルはCMをやっていますが
今はとにかく健康食品と通販化粧品です TV黎明期のなりふり構わぬ絶叫CMが復活してしまいました 外資系医薬品の脅迫型ネガティブ・アプローチも嫌ですね(肺炎予防だなんて どう考えても詐欺紛いでしょう) 明らかに退化しているとしか思えない
嫌われるのは それだけ印象に残っていることだから広告としては成功 なんて言い草はやはり言い訳です

もう一つ気になるのが 通信機器(スマートフォン)CMの違和感です 日本人の感覚と違います 韓国製が多いからです センスのズレを感じます そのためか最近はメーカー名を伏せています
ソーシャルゲーム関係とかスマートフォンアプリのCMも ほとんど韓国資本か中国系でしょう 詐欺的な課金や情報漏洩の被害が続出しています メガネのCMもそうですね 日本勢は駆逐されそうです
あと過払い金返還のCM サラ金が銀行系例になって辞めていった幹部たちが それまでの名簿を使い同じネタでもう一度稼いでいるわけです 高利貸し(銀行含む)は利息の取り立てで生計を立てていますから プラスであろうとマイナスであろうと利息で商売するのは自然な流れか 

また妙なストーリー仕立てにしたCMも目につきます これも単なる悪ふざけに留まっているようにしか見えません
かつてのサントリー「南アルプス天然水」は良かったですね 高校生が卒業して都会に就職し やがて故郷に帰り 憧れていた先輩と結婚 二人の間にできた娘が やはり同じ高校に通っているところで終わりました 途中では離婚もあり 決して平坦な人生ではなかった まぁドラマとしてみれば いたって平板な流れですけれど 1年に1作で11年続いたそうです

地方局の地元企業CMだと企業広告でも 社長をはじめ従業員全員が出演なんてのが よくありました ホームページで社長やスタッフの顔写真を出すのが多いのは あの感覚なんでしょうか
中小の会社や地方の会社は いまだにホームページを安価なTVCMの代わりと認識しているのかもしれません Flashの頃はまだ映像表現の意識があったと思います jQueryのエフェクトは いまのTV番組画面とか通販化粧品や健康食品CMそのまま 動くチラシです

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