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タグ: 情報戦

憲法と戦力

中国は日本近海で挑発・擾乱(harassment)を繰り返しています 海上だけでなく航空機でも体当たり戦を試みているようです 人海戦術は八路軍の兵1人より小銃1丁の値段が高かった事から考えられました
人民解放軍の予算がいくら潤沢とはいえ 航空機も船も小銃よりはるかに高価です このように無謀な行為は匹夫の勇 大変愚かな連中です
軍紀が乱れているのは淮軍以来の伝統でしょうか 気違いに刃物という言葉は単なる比喩ではありません セオリーに則った行動をとらないから動きが読めず 対処できない危険な相手という意味です

国連憲章51条は 紛争が起きた場合国連軍が到着し仲裁するまで 当事国および同盟国が自衛のために交戦することを妨げないというのが素直な読み方です もっとも 5カ国の常任理事国のうち2カ国が侵略を繰り返している国連に 平和を語る資格はありません 敵国条項があるかぎり 中国が日本に軍事侵攻することは正当化できるわけですし

日本以外の国は 侵略戦争をしないと憲法に明記していても 自国防衛と上記国際機関へ協力のため戦力を保持しています 同じ第2次世界大戦の敗戦国であるドイツもイタリアも正規の国防軍があります
一方日本国憲法は明確に 国際紛争解決の手段として一切の武力行使と交戦権を否定しています 戦力を保持しないのですから自衛も正当防衛もあり得ないわけです むろん国連軍にも参加してはなりません[01] … Continue reading

自衛隊を継子扱いのまま 国連憲章や憲法を手前勝手に解釈するのは 仁義無き戦いならぬ大義なき戦いを強要することになり 実戦の際さまざまな制約が生ずるでしょう
もちろん日本だけが無腰(警察権)あるいは竹光(自衛権)で戦い 紛争の相手国はそんなことに頓着する義理はありません 集団であろうが個別であろうが 自衛権・正当防衛で運用しろなど自殺行為です
現代兵器は命中精度が高く 先制攻撃以外に勝機はないので 後の先というわけにはいかない 日本の国土は縦深がないため いったん先手を取られたら反撃不可能です[02] … Continue reading 専守防衛(=本土決戦)などありえません

国防は外交の一環一手段です 武力の裏付けがない外交など成り立たず 外交と無関係な戦争もないのです 外交は武力をともなわない戦争であり 戦争は外交のもう一つの形です 外交戦の失敗を糊塗するため 責任を転嫁するため軍を使うことは本末転倒 許されることではありません
北方領土・竹島・尖閣諸島と日本外交は連戦連敗 近隣国に国土・領海を蹂躙されているのは おそらく現行憲法の所為でしょう しかし憲法の曲解でなし崩しに武力行使するのは きわめて危険で無責任なことです 喧嘩するなら腹を括らねばならない

偶発戦に見えても戦争は外交失敗のあと起きること逆はありません 自衛権だの正当防衛と外交・国防はまったく関係のない話 正規軍による脅威(脅迫威嚇)はあっても 非正規軍による限定的な武力行使など あり得ないことです
個別的自衛権とか集団的自衛権といった国際的に通用しない用語を使うのは 調査捕鯨などと同じく目くらましのために論議をすり替えているのです
他国から直接・間接の侵略に対して 軍ならば最高指揮官(通常は国家元首)の命令で武力をもって制します 武力行使の責任を取るのは最高指揮官になります 責任をとる者がいなければ統帥権の放棄です

それどころか 戦力の不保持をうたう現行憲法には統帥権の規定さえありません 今のままでは軍事行動に対して 誰にも明確な責任がないのです
伝家の宝刀をひとたび抜けば 血を吸うまで鞘に納まらない 軍というのは兵を退くのがいちばん難しい そんな気軽に出せるものではありません
まして治安維持部隊の代わりに 要請もないのに公海上の他国船や外国で武力をもって応戦するに至っては 甚だしい越権行為であり 主権侵害にあたります

国策・政策の下位に外交があり さらにその下位に軍事行動があります これがシビリアンコントロールの趣旨です 大義のもと正々堂々と戦う覚悟がなければ 決して刀を抜いてはいけません 兵を犬死にさせることになります
統帥権は兵だけでなく 国民全ての生命・安全・財産 そして国の独立・国土・国益を守るための重い責務を伴います 軽率な憲法解釈などで疎かに扱えるものではないのです

2018年4月9日追記=戦地に派遣された自衛隊の日報で 本当の状況を書いたら 文句を言われたので秘匿した これに言いがかりを付けられています 軍隊でないはずの自衛隊に対して シビリアンコントロールを持ち出すとはどういう料簡なのか 野党議員が軍事・外交に口を出したり政争の具に使うなど越権・利敵・亡国行為です)

註釈

註釈
01 ところで「陸海空軍その他の戦力」の“その他”ってなんのことでしょう おそらく州兵と沿岸警備隊じゃないかと思うんですが そうすると海上保安庁はその他の戦力に該当します 自衛隊どころか海上保安庁も憲法違反ですね
朝鮮戦争時に海上保安庁が機雷処理に駆り出されたそうです 一人の犠牲者が出ていますが 戦死ではなく事故死ということになってしまいます
現行憲法のまま自衛隊を明記し 戦地に派遣することになれば 交戦権を持たない自衛隊は 敵の攻撃を受けてからでないと反撃できません それも必要最低限の装備しか持てないのです
02 ナポレオンもヒトラーも ロシアの冬将軍の前に敗退しました ロシア国土の縦深が深く補給線が伸び切ってしまうのです とくに冬場は食料の現地調達もできません ロシアと対等に戦ったのは極北のフィンランドだけですね
反対に中東戦争でイスラエルがエジプトに圧勝したのは エジプトの戦車がソ連製だったからです シベリア仕様の戦車を砂漠に持っていっては使い物にならないでしょう 地形・気候を考慮しない戦略・装備では戦えないのです
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沖縄_尖閣_台湾

沖縄の歴史を見ると 琉球王国の頃から日本本土より中国大陸との関係が深かったわけです そのうえ昭和大戦時に唯一アメリカ軍との戦闘が行われた日本領土です
そうしてみれば 沖縄の人たちの心理や利害関係において 「アメリカ軍は沖縄から出て行け」「熱烈歓迎人民解放軍」と唱えるのは無理からぬ面があります ospreyはミサゴという意味ですから離島作戦に最適です 中国が配備に反対するのはうなずけます

江戸時代以前より尖閣諸島近辺の漁場は 沖縄のサバニ船と台湾の船が入り乱れて漁をしていたようです(糸満の漁師はサバニ船でハワイまで行ったという言い伝えがあります)
沖縄宮古島の漁船が時化に遭って台湾の港に避難したことがありました なんと台湾漁民は日頃から漁場で競っていた宮古の漁民をこのときとばかり虐殺したのです 生き残って逃げ帰った人たちの報告でこのことが明らかになると 虐殺に関わった台湾人を処罰するため 睦奥宗光だったか大隈重信が清国に 台湾は貴国の行政支配下にあるかと尋ねます

清国の答えは否でした ただし文書ではなく口頭の返答です(さすがしたたかな中国人決して証拠を残さない) 日清戦争・下関条約の前のことです 後に日本は台湾総督府を置くことになりますが 最初から台湾は清国の施政下ではなかったのですね 女真族は大陸の民ですから海を越えるのは苦手だったのでしょう
それにしても 今もそうですけれど 当時から中国・朝鮮の外交戦・宣伝戦・情報戦は日本を遥かに上回っていました 日本が台湾を植民地化したという言い方はデマゴギーです 国性爺合戦に描かれるように 日本と台湾は深い関係があります[01] … Continue reading

元寇のときも兵卒は高麗人(朝鮮民族)でした 大陸の民である蒙古軍は陸上戦に長けていますが 渡海での侵略は初めてですから 朝鮮人を使って日本に進攻しました
おそらく船頭や朝鮮人乗組員は 時季が悪いからと進言したのに 海のことをまったく知らない蒙古人指揮官が聞き入れなかったのです 陸戦の経験を海戦に持ち込んで通用するわけありません しかし成功体験は恐ろしいもので慢心を生みます

尖閣諸島だけでなく 南シナ海でも中国船がベトナム沿岸警備隊の船に体当たりしています これはイレギュラーな戦法ではなく 古来より行われていた衝角戦の応用で かなり有効です 元・清のころに比べ進歩しているといえます 
たとえば海上自衛隊のイージス艦に中国船が体当たりを企図した場合 自衛権では応戦できません まして先だっての時のように漁船に偽装していたら なす術がありません いかに有形戦闘力で勝っていても 運用できなければ意味がないのです
2017年6月17日追記=伊豆沖でアメリカのイージス艦とフィリピン船籍のコンテナ船が衝突しました イージス艦は大きな損傷を受け乗組員が行方不明になっています 現今の軍艦は装甲を重視していません とくに駆逐艦級の船体は高速性が要求されるためさほど堅牢ではないのです
コンテナ船の球状船首がイージス艦船腹に穴を開けたわけですから まさにラム戦そのものと言えます 専守防衛などといって先制攻撃できない自衛隊が中国と戦ったら犬死するだけです)

離島における領土問題に関する外交と戦争については 竹島とフォークランド諸島で理解できるでしょう 韓国は外交努力で竹島を強奪し イギリスは女王陛下の名の下にフォークランドを奪還しました
台湾帰属の推移を見れば 中国の主張には整合性というか戦略の一貫性があります 台湾が中国の領土であるから南シナ海は中国が支配するという理屈です 日本の外交のように場当たり的な その場しのぎの思い付きでやっていることではありません

人民解放軍の前身である八路軍は 人海戦術で象徴されるよう兵数に勝りますが装備は貧弱でした 海軍はほぼゼロの状態です 対する国府軍は李鴻章の流れで海軍力がありました
毛沢東が漁夫の利を狙って 日本と戦って疲弊した国府軍を追い落とそうとしたものの 台湾に逃れるのを追うことができず みすみす見逃してしまいました

今の人民解放軍の軍事力 ことに海軍力の充実には眼を見張るものがあります 台湾の海軍力が今どれほどかは知りませんが 中国の目標は台湾ではなく 尖閣であり沖縄であり日本のシーレーンとなりました

註釈

註釈
01 江戸時代初期にオランダの東インド会社が 台湾を占領し要塞を築いて 日本の貿易船に課税しようとしました 明と図ったことでもありました これに対して御朱印船の船頭であった浜田弥兵衛は 現地の高砂族の代表を引き連れて江戸に赴き 日本と外交関係を結ぶとともに 台湾を自由貿易港とすることをオランダに申し入れたのです 国性爺合戦と共に記憶しておきたい史実です
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ウクライナの仮想敵と自衛隊

ウクライナ軍

当ブログではマーケティング戦理 マーケティングの戦略・戦術といった言い方をします 戦理・戦略をマーケティングに応用しているからです 名高い古今の戦例も紹介しています 今回は当節の戦例です マーケティングの参考にはあまりなりません そもそも負け戦の(というより統帥運用を放棄した)話ですから 参考事例にはならないのです

クリミアのウクライナ軍がロシア軍にまったく抵抗せず投降したのはなぜでしょうか コサック兵の系譜を引く勇猛果敢な軍隊のはずです
独断専行は戦術レベルの話で 軍は命令によってのみ行動します 最高指揮官である大統領がロシアに逃亡しているのですから ウクライナ軍は身動きが取れない状態だったわけです

軍というものは必ず仮想敵があります ウクライナ大統領はロシアの傀儡政権でした また大統領のもっとも重要な仕事は国益を代表しての外交です 外交と国防は車の両輪で一体のものですから 大統領は統帥権を持ちます
したがってウクライナ軍の仮想敵は EU諸国(NATO)およびトルコとなります 軍の命令系統・編成は仮想敵に向けているものです おそらくロシアとは共同作戦を前提としていて 有事の際はロシア軍の指揮下に入る形で部署されていたと思います[01] … Continue reading

自衛隊

我が国の自衛隊も対抗勢力というものを想定しています 軍ではないので仮想敵とはいいません 対抗勢力には甲・乙・丙があります 以前は甲が主目標だったため北海道に戦車師団を配備していました 最近は情勢の変化により離島作戦を前提として水陸両用部隊に重点を置いています 乙の領海侵犯が著しいからです

もともと日本は海洋国家ですから 沿岸警備が重要なのですが今までおろそかにされていました 社会党などが利敵工作している間に 対抗勢力乙は着々と海洋軍事力を増強してきたのです
なお沿岸警備隊や国境警備隊は単なる門番ではありません(いわゆる警察軍や治安部隊とも異なります) 他国が侵攻してきたとき最初に交戦する部隊ですから 各国とも精鋭部隊を配し装備も充実しています

日本の沿岸警備隊に相当する海上保安庁は いまや相対戦闘力で対抗勢力乙に抗することは不可能となりました 海上自衛隊があるじゃないかといいますが 自衛隊は警察権を有する組織ではなく 現場指揮官の判断で攻撃することはありません

それどころか日本は憲法によって交戦権を持たないため 僚艦・友軍が攻撃を受けても応戦することすらできないのです 自衛権や警察権で排除するというのは無理があります 公海上に日本の警察権は及びませんし 領海内に侵入してきた敵艦に対しても 自衛権では先制攻撃ができず手をこまぬいているだけです

2022年8月23日追記=海上自衛隊に哨戒艇を配備することになったそうです スペックを見るとなんと30ミリ機関砲だけの装備です 各国の沿岸警備隊は76ミリ砲を装備しています 海上保安庁のひだ型巡視船でさえ 40ミリ機関砲と20ミリ対空バルカンを備えています どういう運用をするつもりなんだろう 海上保安庁の予算では足りないので補完としか思えない 相変わらずその場しのぎです)

11月15日追記=さっそく中国は76ミリ砲搭載の艦船を 尖閣諸島に配備しました 自衛隊の哨戒艦建造に対する牽制ですね 尖閣諸島周辺は すでに中国が実効支配しています 海上保安庁は島に近づくこともできない 日本政府はどう応じるのか)

そもそも自衛隊の離島作戦ということは 対抗勢力乙に上陸を許してしまった島嶼の奪還です しかも米軍と協力する前提になっています 先制攻撃ができないのですからやむを得ません 対抗勢力乙は島嶼に上陸したりしません 沿岸警備艦船を常時配備し 我の領海だとの既成事実を作っています つまり軍事ではなく外交作戦なのです

自力で領土・領海を守れないのは日本国憲法が足かせになっています オホーツク海でのサケマス漁船拿捕 李承晩ラインが引かれたことによる日本漁船銃撃と竹島占拠 現行憲法下に日本の領海・領土は侵略されています
今また尖閣諸島が奪取されようとしているのを 海上保安庁に委ねるしか手立てがないのも 平和憲法とやらのおかげです


ロシアのウクライナ侵攻

2022年3月3日追記=ロシアがウクライナに侵攻しました 全体の情況は不明ですが 南部ヘルソンを制圧したようです ヘルソンはドニエプル川が黒海に注ぐ河口に位置しています 南東側はクリミア半島になります 戦略的に要の地点ですね
これでロシアの企図は明瞭と見ていいでしょう すでにクリミア半島はロシアが実効支配しています これでトルコに睨みを効かせることができる ドニエプル川を境に東部地域をロシアに割譲 西ウクライナは中立地帯にするのが目的ではないですか 朝鮮半島のような構図を作り出すのです
その後ウクライナ海軍は 自軍の駆逐艦をドニエプル川に沈めました 旅順港閉塞と同じ作戦ですね ロシア海軍がドニエプル川を遡るのを防ぐためです)

2022年3月15日追記=東西冷戦のころソ連の軍備が強大になり対抗する形でNATOが作られました 最初は数カ国だったのが次第に参加国が増えたため ソ連は東欧諸国とワルシャワ条約を結びます モスクワが根城で周辺諸国が出城といった配置になります この時点では東西の軍事力が拮抗していたでしょう 均衡が破れたのはポーランドの離反でした これをきっかけに東西ドイツの統一からソ連邦の崩壊へと 歴史の転換を迎えます 東欧諸国は社会主義を捨てNATOに参加し始めたのです
社会主義や共産主義なんてロシアの覇権主義の言い訳です 当時の日本ではソ連のプロパガンダがまだ尾を引いていました 政府・外務省・政治家は何の対応もできず 北方領土奪還〈返還なんかするわけありません〉の唯一のチャンスを逃しました 今回のウクライナ危機ではアメリカの情報戦・心理戦が圧倒している感があります
ロシアがウクライナの原子力発電所を攻撃しています ウクライナを占拠するのが目的ではないということになります 事故で核汚染になれば中立地帯にするしかない 一か八かの賭けです ウクライナがNATOの一員となればモスクワを窺うことも可能です 相当の危機感を持ったのでしょう プーチンは切羽詰まった心理状態かと想像します)

2022年3月20日追記=ロシア軍の少将3人と中将1人が戦死するという 前代未聞の異常な事態が起きています 戦線を拡大しすぎて軍団司令部が手薄なのか おそらくアメリカが索敵情報を提供し 地の利に長けたウクライナ軍が狙い撃ちしているのでしょう ロシア軍の配置は詳細に渡り把握していると思われます
指揮官不在は指揮命令系統が機能しない状態です 全体の戦況を見て判断する者がいない もともと大義のない戦いですから意志の統一も忠誠心もない 士気は落ちロシア軍はそうとう混乱しているはずです NATOの心理戦・情報戦が優勢となっていると見ます
南部は制圧したものの 北部戦線でベラルーシ(白ロシア)との連携はうまくいってないようです 極東から津軽海峡を通って補給艦を送りはじめました ウクライナへの補給線は逼迫していると考えられます なにか日露戦争時と同じようなことをしている印象です)

2022年3月27日追記=ロシア軍の将官の戦死が7人になりました もはや方面軍として機能しない状態と思われます さらにマウリポリに停泊していた大型補給艦が3隻 ウクライナ軍に撃沈されています クリミア半島を掌握したはずなのに兵站を築いてなかったということです
黒海の制海権さえ押さえていないのでしょうか 大局を見た戦略とはとてもいえない プーチンの判断ミスか 戦線縮小せざるを得ないが 兵の退き方が難しい局面になりそうです 相手は日本じゃないので戦後の外交交渉は かなり困難でしょう)

2022年3月31日追記=やはりロシアは戦線を縮小し始めました 大体キエフにも侵攻した理由がよくわかりません クリミア半島と続く東南部に兵力を集中するのでしょうが遅すぎます ロシア軍は10%以上の損害が出ているようですから これ以上損耗したらリストラクチャリングもできない状況です 明らかに政略ミス・戦略ミスですね これからはいかに停戦条約を結ぶか外交戦に移っていきます そのために部隊を区処(再編成)し攻撃を継続します)

2022年4月17日追記=ロシア黒海艦隊の旗艦が撃沈されました 海上からの補給は絶望的なようですし 戦況はロシアにかなり不利となるでしょう しかし対ナポレオンや対ヒトラー 日露戦争においてもロシアは戦争(物理的な戦い)に勝利したわけじゃありません その後の外交交渉を有利に進めています 停戦後の外交こそ本当の戦いです 少しでも有利な地歩を築くため さらに攻勢を強めるかもしれません)

2022年5月31日追記=戦局は膠着状態となりました ドニエプル川から東地区を征圧というのは到底望めない情況です 黒海沿岸地域とロシアに隣接する東部地域を割譲するかが 今後の外交交渉の要となるでしょう しかしプーチンにスターリンほどの器量はないし 習近平が橋渡しをするかどうかが決め手となります 今のところロシアと中国は極東(台湾)で 軍事提携していることをアピールしています)

2022年8月20日追記=ロシアはクリミア半島を完全に掌握していないようです 歴史の経緯から多民族が混在しているのが理由でしょう かなり広い面積がありますし全土制圧はやはり難しいか 黒海艦隊も制海権を維持しているとも思えない ウクライナがヘルソンを奪還したとの話もあります そうなると遊撃隊ないしはゲリラ部隊が クリミア半島に展開されているかも知れない ロシアの最初の思惑とは大きく戦況が変わってきました 大義なき戦いに勝利はないということ)

2022年10月1日追記=ロシアが予備役のみならず 一般に徴兵を拡大しています 正規軍は崩壊状態ということになります 中国は距離を置く方向に転換しましたし この情況で一部の都市を併合しても反感を買うだけですね 政策・戦略ミスは退っ引きならぬところまで来てしまいました)

2022年10月13日追記=おそらくウクライナによるクリミア大橋爆破に対して ウクライナ全土にミサイル攻撃をするといった 戦略も政策もない敗れ被れ状態に陥っています 和平交渉にもって行きようもない
ロシアはすでに補給艦の多くを失い ウクライナ大橋(特に鉄道輸送)が主な補給路だったのではないか もはや戦線を維持するのは不可能かと思われます
ロシアの兵制は独特で 志願兵や徴兵のほかに 契約兵というのがあるらしい ウクライナ侵攻の初期に 東洋系・アジア系の兵が目立つなと思っていたのですが この人たちは契約兵だったのですね
ロシア共和国を名乗っていますが ウクライナのように独立を果たした もと衛星国だけでなく 辺境の区域には少数民族が暮らすところがあります 中国と同じく自治区となっていて 実態はソ連時代と変わらない多民族国家です
自治区の知事はモスクワから派遣された官僚です クレムリンの動員令がかかれば 自分の成績を上げるため兵を招集します
これらの辺境少数民族地区は 情報が少なく目立つ産業もないため 契約兵に応募する人たちが多いのです 結果正規軍といえども 練度が不足し忠誠心がない 士気も低い統率の取れない軍となります
ロシアの初期の作戦が ことごとく裏目に出たのは このいい加減な俄づくりの部署が大きく影響していますね グルカ兵やフランス外人部隊など傭兵も いわば契約兵ですが こちらは歴史があります
プーチンは武力と兵力の違いを理解してないのでしょう 武力は軍備すなわち有形戦闘力です 兵力とは無形戦闘力 兵の資質です 戦いにおいて最も重要なのは兵器ではなく兵士 そして戦う大義なのです)

2023年1月25日追記=ロシアによるウクライナ侵攻は膠着状態に陥りました すべての原因は初期作戦の誤り さらに事前の情勢判断ができていなかったことです ロシアに加担する勢力の養成が不足していました クリミア半島さえ完全に掌握していなかったようです
前線に投入したロシア軍が 新兵寄せ集めの俄部隊だったため全く役に立たず ウクライナ東部戦線は 非合法の民間軍事会社ワグネルが主体になってしまいました その結果指揮命令系統が乱れ あらぬところへミサイル攻撃をするに至りました
正確な情報が上がってこないので おそらくプーチン自身情勢を把握しきれていない 指導力は低下の一途です ワグネルは戦争を継続するほど儲かるわけで 彼らにとっては好都合です
停戦や戦争終結の見通しは立たなくなりました どちらかが疲弊するまで 果てしない消耗戦が続くでしょう)

2023年6月27日追記=ワグネルの反乱という思わぬ展開となりました プーチンは国軍を掌握できていなかったのですね そのためか新兵寄せ集めの国軍とワグネルを前線に投入しました 国軍とワグネルで指揮命令系統が錯綜混乱し初期作戦が失敗 国軍ワグネル双方の反発を招きます 反乱はベラルーシがワグネルを預かるという形で収拾を図るようです こうなるとベラルーの動きが気になります 3月には中国と会談しています 中国とベラルーシがロシアに対して静観していたのは 正確に情報を把握していたのかもしれません 本来なら国家反逆罪に当たる事案をお咎めなしとする ロシアの威信低下は避けられないでしょう)

註釈

註釈
01 ウクライナはロシアとポーランドが分割統治していて 緊要地点であるクリミア半島を巡って オスマントルコとロシアは常に対立していました ナチスドイツがポーランドを併合したことで 均衡が破れるところは朝鮮半島と似た構図です
クリミア戦争は1863〜65年 新選組が不逞浪士による京都焼き討ちを阻止した 池田屋事件は1864年のことでした 当時のヨーロッパは紛争に明け暮れていたため 日本を侵略する余裕がなかったのです おかげで国が混乱していても植民地化から免れました
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