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地方経済の自立

TV番組で 地方経済がその域内で成立するためには 500万人の人口が必要との一節があった それだけの規模があれば 生産・流通・雇用が成り立つ 経済的自立が可能なのだという

北海道のセイコーマートは 地産・地消にとどまらず 北海道全域に生産と加工そして販売のネットワークを作っているとのことだ これこそが身土不二(しんどふに)の姿だ
ホクレンから切り捨てられた農家 もと雪印の下請け工場など 北海道各地に分散している設備・人的資産を活用して 製販一体のグループ企業を築いた

結果 人口わずか420人の過疎地にある セイコーマートの店舗が成り立っている
このネットワークが成立するために もっとも重要なのはもちろんロジスティックスだが 500万人の人口があればこそという事なのだ

そういえば アメリカの人口を州の数で割れば だいたい600万人になる(単純計算だが) 州により人口は 50万人台から3000万人台と幅があるし 各州をまたいだ経済圏がどうなっているか よく分からないのだが 500万人前後が経済単位と言っていいのではないだろうか

日本の農業は 農協と農林省の苛斂誅求 流通の専横により疲弊しきった いまや食料自給率は3割にも満たない
地域起こしのかけ声に留まらない経済循環がなければならない 地方経済の自主独立だ 全国流通グローバル化だけが道じゃない

地方経済の独立といっても 橋下氏の大阪都構想はまだしも 泉田氏の「新潟州構想」は無理でしょう 新潟県の人口二百数十万人 文化・歴史が違う他県と組んで うまくいくとは思えない 道州制論議ではどうにもならんだろう

肝心なのは自立した経済圏(緊要点はロジスティックス)だ 単なる政治的な枠組みで道州制をしいても 実現できるものではない
たとえばアマゾンは webを中核とした独自のロジスティックス・システムを作り上げた 行政区画どころか州さえも軽く飛び越えている 送料無料はこのシステムに由来する

カテゴリー: マーケティング戦略論