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カテゴリー: 情報戦・心理戦一般

戸籍名とフルネーム

日本人はファーストネームだけ

日本には個人のフルネームがありません 明治以前の庶民(町人)には姓のない人がいた とよく言われます しかし今でもそれは変わっていないのです 私たちが姓だと思っているのは 実は戸籍名(家名)[01] … Continue readingです 個人の属性は名前しかありません だから結婚や養子で戸籍が変われば姓も変わります
アメリカなどでは 出生届けにファーストネーム・ミドルネーム・ラストネーム(と両親の姓名)を記載します これは一生変わることがありません 名付けに制約はなく自由につけられます 家族のラストネームがすべて異なることもあります
改名・改姓も可能ですが そうすると出生証明書と改名・改姓許可証の2つになります ノーベル文学賞を贈られた(けど無視!)ボブ・ディランさんは 芸名を本名に変更しているのだそうです 改名・改姓は裁判所に届けて審査を受けます 犯罪歴があると改名・改姓できません

社会生活上は本名でなく ニックネーム(通称名)で通すのも普通のことです とくに女性は結婚すると多くの人が夫の姓を名乗るようです いちいち改姓届けは出しませんが
子供のラストネームに父方のラストネームを付けることが一般的ですから 家族の一体性を保つという意味があります ラストネームはサーネームともいい 家系(通常は父方)を表します つまり家名ですね
このような社会慣習を尊重し アメリカ大統領選はクリントンの通称名で立候補します ドイツのメルケル首相も通称名(前夫の姓)ですし イギリスのマーガレット・サッチャーもそうです 結婚したら家名を大事にする これが世界の一般常識と言っていいでしょう

女性教師が学校内での旧姓使用を求めて 裁判を起こしましたが認められなかったそうです おかしな話だと思います 旧でも新でも戸籍の姓が本名という訳ではないのに
たぶん教員免許は旧姓で発行されていると思います 結婚したからといって変更はしないでしょう 通称名(旧姓)でなんの不都合もないはずです(最近は更新制になったからどうかわからない)[02] … Continue reading

家名があるから家族です

明治以前に武家と百姓であったものの戸籍名(姓)は家名を表しますから 家制度の名残だというのはその通りです でもそれはサーネームと同じ事で 日本だけが旧態依然というわけではない
いまさら戸籍制度を廃止する事もできないでしょうが 戸籍名イコール正式名とし強制するのはやめるべきと思います アメリカや他の国では結婚したら通称名で夫の姓を名乗るのですから 日本は職場など通称名(旧姓のまま)で構わないではないか
公的文書の署名は戸籍名でなくてはならないというのは お役所の権威主義から来ていることです 窓口担当が役人風を吹かして 不受理とか言ってるだけのことで 規則として決まっているわけではありません 外国の方の住民票はカタカナ表記になります 日本風?の名前に変更することも自由です これは本名ではなく通名とされ受け付けてくれます

ただ これを夫婦別姓論と結びつけてはいけない 中国と朝鮮半島は夫婦別姓です 社会慣習上 結婚しても女性がサーネーム(一族の家名)を名乗れないのです 正確には妻ではなく嫁なので 婚家の姓を名乗ることが許されない これは家父長制・男尊女卑から来ている社会慣習です それだけでなく 同姓の男女は結婚できないという掟があります 子供は父方の姓になりますから家の中で嫁だけが別姓です

家族が同じ姓を名乗るのは日本の伝統だ 新しい戸籍ができても旧戸籍名を名乗りたい どちらも戸籍制度に縛られた妄言です どのような制度であろうと 家族の中で夫婦だけ血縁がありません
親子の縁は多分死後も続きますが 夫婦の縁は互いが生きているときだけです その縁さえも脆く危ういものです 結婚したら家名に縁を求めるのは 世界共通の自然な感情ではないでしょうか

たしかに変わる方とすれば煩わしいのは分かります でも通称名を認めない社会がおかしいだけで 戸籍法に文句をつけるのは むしろ権威主義です 日本の戸籍制度では 犯罪者が養子縁組で簡単に姓を変更したり 偽装結婚で中国人等が日本人になりすましたりできます こちらの方が問題です
日本の姓が世界でも群を抜いて多種多様だったり また反面で同一地域に同姓が多いことが示すよう 元来あまり拘ってはいなかったようです 生家の家名に拘泥するのは朝鮮半島の習いを持ち込んだのではないか[03] … Continue reading

同じ姓でも戸籍に記載されている文字が多様で一点一画の違いが多いのは 書き写す時の書き間違いや書き癖に由来するといわれます はたしてそうでしょうか いちばん多いのは分家同士が区別するため別字に置き換えたことが理由です よく例に挙げられる〈圡〉など書き間違いじゃない[04] … Continue reading
ついでながら 我国の漢字は同じ文字で新字体や略字体など何種類もあります けれど 画数が多くて難しそうなのが旧字体というわけではありません 例えば「島」が正字「嶋」は別体字「嶌」俗字です ほかにも異体字「㠀」があります なので本家は「島」の字を用いることが多い[05] … Continue reading

註釈

註釈
01 姓が個人の属性でないのは 我々庶民に限りません 戸籍のない皇族方が姓を持たないのも同じ理由です 戸籍制度ができる前 武家・百姓以外の町人(商家)には家名がなかったかもしれません でも屋号で通して何の不便もなかった 無宿人なんかは二つ名を持っていましたが これは通り名(ニックネーム)ですね
02 旧姓(実家の家名)に対して 婚家の家名(戸籍の姓)を本名というのはおかしい事です 離婚すれば変わるのだから(日本はカトリック国と違い離婚は比較的自由でした) Wikipediaでもそう書いていますが 本名の対義語は通名で 実名に対するのは仮名だと思います 旧姓に対してだったら現姓でしょう
03 半島の方々は出自を殊の外大事にします ですから姓は非常に少ない 日本と並んでアメリカも姓の種類が多いのですが これは移民の国だからでしょう 通称名は自由につけることができます 中国人は欧米風の名を名乗りますね これは偽名に近いかもしれない
04 姓の文字を変えても読みが同じなので 通称名として屋号・地名で呼ぶようになります 区別のためであって 家名がなかったわけではない 明治期に屋号をそのまま姓にする例がありました なので戸籍名は明治以降に新しく作ったものがけっこう多い これらは家系とは無関係なのです
05 清の康熙帝が初めての漢字辞典を作りました 清は満洲族の国で言葉も文字も漢族とは異なります 支配するのに都合が悪い 中国人のほとんどは文盲ですから 満州語を標準にすることもできません そこで止む無く漢字を取り入れたのです
漢字・漢語を勉強するために作られたのが康熙字典です 日本の漢和辞典も康熙字典が底本となっています 正字とされるのは康熙字典の表記です
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ハリマオ

大東亜戦争前の東南アジア諸国およびインドは ヨーロッパの植民地でした 経済は華僑が牛耳り(日本の江戸時代も長崎出島の交易は華僑が介在し 両方から利益をせしめていました) 行政はイギリス・オランダ支配下のインド人が担っていました 宗主国は直接手を下さない 二重支配・間接支配の構造です

インド独立を目指す志士たちが日本を頼って亡命すると イギリスやオランダと結託して利益を得ていた華僑は 東南アジア在住の日本人を頻繁に襲撃するようになりました
これに対して立ち上がったのが「マレーの虎・ハリマオ」です 植民地支配からの独立運動を進める 現地の志士たちと共に 英・蘭・華僑を翻弄しました

ハリマオこと谷豊は 2歳の時に理髪業を営む父母と共にマレーに移住 成人した頃にはムスリムとなっていました
徴兵検査を受けるため日本に帰国していた時 マレーの谷家が華僑に襲われ 小学生だった妹が惨殺されました
そのため谷一家は日本に帰りましたが 豊は入れ替わるように単身マレーに戻り 華僑の横暴を誅罰する活動を始めたのです

インド独立と日本

大東亜戦争開戦後 谷豊はインド独立運動を援助していたF機関に協力して 英印軍が中心の連合軍を攪乱する任務に就き ハリマオとして名を馳せました
東南アジアで日本軍が英軍に大勝したと喧伝されていましたが イギリス側部隊の半数以上は 植民地であるインドから狩り集めた兵で構成された 英印軍でした

当然イギリスに対する忠誠心は薄く 日本軍に投降する将兵が後を絶たないという情勢でした 艦長以下ほぼ全員がインド人のイギリス巡洋艦が 本国に対して反乱を起こしたりもしました
投降したこれらの兵たちがチャンドラ・ボースのもとに参集し 日本から供与された武器を執ってインド国民軍を編成 イギリスの植民地支配から独立する道筋を作るに至りました

日本は亡命していたチャンドラ・ボース ビハーリー・ボース両雄をイギリス官憲から擁護 資金と武器を提供して インド独立に力を尽くしたのです
極東軍事裁判でインドのパール判事が ただ一人敢然と日本の正当を主張したのは このような経緯があったからです インドは信義を貫きました


日本が戦に負けると歴史は改竄されました 文字通りの墨塗り教科書です インド独立はカンジーの断食に手を焼いてイギリスが引き上げたことになり ハリマオはただの盗賊団の首領とされたのです そのほかにも東南アジア諸国の独立に尽力した日本人が 数多くいましたが顧みられることはありません
映画「戦場にかける橋」で描かれたのはもちろんフィクション[01] … Continue readingですが イギリス人捕虜が下士官と将校なのは事実に即しているかもしれません (実際は将官クラスのインド人も多数いました 捕虜ではなく〈インド国民軍〉に参加しています)

今に続く植民地支配の影

チャンドラ・ボースはインド独立の立役者でありながら カンジーやネルーといった一派から排斥され非業の死を遂げています ビハーリー・ボースはインドに戻ることなく 日本でインド料理人として生涯を終えました
インドはイギリスから独立したものの カースト制が改められることはありませんでした[02] … Continue reading 植民地二重支配は被支配地の身分制に依拠したものです 身分制度から脱するのは容易ではありません

隣国ビルマでは 南機関から資金と武器を援助されながら イギリスに寝返ったアウンサン将軍[03] … Continue readingと 越後・石打に匿われていたバーモウ首相[04] … Continue readingの角逐がありました 今日の停滞を招く遠因です 独立を果たしたといえ イギリスの影響下から免れることはできていません
[05] … Continue reading

負ければ賊軍といいます 京の安寧秩序を守った守護職会津藩は逆賊とされ 会津侯お預かりの新選組も 明治以降は無頼の徒扱いでお尋ね者でした[06] … Continue reading
子母澤寛氏の著作等により 新選組の名誉が回復されたのは 明治維新から約60年後のことです 大東亜戦争から70年が過ぎます アジアの混迷は深まるばかりです

それにしても東南アジアはまだ良い方といえます アフリカなどでどれだけ非道なことが行われたのでしょう 日本人の我々では せいぜいアルチュール・ランボーの書簡で窺い知るくらいしかありません
パナマ文書にも華僑らしき名前が散見されます 植民地から収奪された膨大な隠し資産の実態が明らかになるでしょうか 期待できない気がします それこそ歴史認識が改められることに繋がりますから

註釈

註釈
01 これは宣伝映画ですね 登場する日本の軍人は まるで実写版ポンチ絵のように カリカチュアライズされています 意図した演出です 映像の影響力を軽く見てはいけません このようなイメージが意識下に刷り込まれ 南京大虐殺や慰安婦問題また徴用工といった 事実無根の亡霊が実体化して独り歩きし始めます
02 ガンジー・ネルーにカースト制を疑問視する意識など微塵もありません いってみれば当然のことで ヴァルナやカーストは宗教(バラモン教)の教義に基づく制度です カースト制はヒンズー教にも受け継がれました これを否定することは棄教にも等しいのです インドがイギリスから独立した後パキスタンが分離したのも宗教上の争いによります
03 アウンサン将軍はMI6のエージェントだったのでしょう 日本の南機関に近づき武器弾薬と軍資金を手に入れると すぐにイギリスに寝返っています 娘のスーチーはイギリスで育ち イギリス人と結婚しました 本人もおそらくイギリス国籍です
04 ビハーリー・ボースが頭山満に匿われ 新宿中村屋に身を寄せたのは広く知られています チャンドラ・ボースは参謀本部が保護し バーモウを新潟県石打に匿ったのは陸軍中野学校でした
05 アウンサン・スーチーを担ぎ出し 悲劇のヒロインに仕立てたのも イギリス・アメリカによる宣伝工作です アウンサン・スーチーは軟禁されたといっても 広大な敷地の邸宅に住み 湖を介してアメリカ大使館と隣接しています イギリス・アメリカの援助で何不自由ない生活を送っていました(後に大統領を超えた地位について君臨するところは 植民地二重支配を思わせます 植民地政策の亡霊のような姿です)
06 漫画や小説で 鞍馬天狗が子供たちの人気だった頃 新選組は完全に悪役でした 新選組が不逞浪士(勤皇の志士?)を追捕しようとすると 鞍馬天狗が現れ6連発を放ちます 新選組が身をかがめた隙に浪士が逃げる 天狗は「近藤君また会おう」の捨て台詞を残して 白馬に打ち跨り去っていく 着流しで馬に乗っていたのか?
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中央卸売市場移転

築地から豊洲への中央卸売市場の移転問題について 疑問に思うことがあります
専門知識もなく 事実関係を調べてもいませんから 断片的な報道を聞いただけの あやふやな憶測と素朴な疑問です

豊洲市場の予定地は当初より土壌が汚染されていることが分かっていました それにも関わらず 汚染対策をした上で新市場を建設することが決定されています
汚染対策は 地盤を2メートル掘り下げて土を入れ替え さらに2メートル半の盛土をするというものです(福島の除染を彷彿する工法です) ために予算は当初よりも1000億円以上も増加しました

国の基準では 何10センチかの捨てコンクリートで済むとのことですが 念を入れたのか 敷地の土壌をすべて入れ替える大工事です 増加予算の大半を占めます
ところが盛土をするはずの建物の下は 高さ4メートルほどの地下空間にする設計変更が行われました 変更した理由は捨てコンだけで有害物質の影響はない 盛土工事をしなければ建設費が安くあがるからだそうです

石原さん以降の歴代都知事が一連の経緯を知らなかった 報告を受けてなかったというのは本当でしょう かといって 一部局の者が自分の独断と責任でこんなことをやるなんて とうてい考えられないことです
お役人の仕事は 決まった予算を使いきるかが手腕です 工事費を節約して予算を余らせても評価されません それに地下室を造ったら 通常の基礎工事の3倍の工費がかかると聞きます

誰にも図らず知らせず 部内だけで密かに基本設計の変更が行われたって それはおかしいですね 担当部署はそのような権限を持っているのでしょうか
よく分からないのですが 盛土をしたうえで杭を打って基礎をつくるのが正当で有効 掘り下げたところに地下室を作るのは不当・無効な工法なのですか
それに 入れ替えるきれいな土ってどこから持ってくるのか 汚染された土はどこへ持っていくのか 建設残土の汚染とか騒がれたことがありましたが大丈夫ですか

築地市場の跡地にはオリンピック関連の道路が通過する予定だそうで 小池都知事が豊洲市場への移転延期を決めたとき 森オリンピック組織委員長が早速ねじ込んで来ました
市場移転とオリンピックは本来関係ありません オリンピックの方が後で決まったことですから オリンピックに合わせて移転を強行しろとは前後が逆なんじゃないか(組織委員長とかにそんな権限あるのか)

唐突に小池知事のバッシングも始まったようですし 問題の方向を逸らせようとする誰かの意思を感じるのは私だけでしょうか
地下空間を検査してみて 汚染が認められなかったら 現状のまま続行 あとは担当部署の者を処分して終了となるような気がします

9月16日追記=石原さんが過去に言ってたという工法は ケーソン基礎みたいなものじゃないですか 地下室とは違うように思えますが 都知事への報告を意図的に変えたのでしょう)
9月20日追記=工事の発注者がその時の都知事名なのは当たり前です どうも意図的なリークが行われているとしか思えない)
=2017年7月の東京都議選で 自民党が惨敗しました 都民の鉄槌が降ったのです しかしながら都議会議員や森喜朗が行った不正は 看過されようととしています 恐れていた状況になってきました)

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