コンテンツへスキップ →

タグ: インターネット

葛飾北斎

葛飾北斎が晩年 肉筆画ばかり描いていたのは 版元から浮世絵の注文が来なくなったからではないか 奇想天外な原画を描いたため大評判だったが 新奇な趣向は早晩飽きられるものだ
奇をてらうのとは違うが 才に溺れる面があったかもしれない 大変な才能を持ち技術も磨いた それだけに自負心も強かったか お抱え絵師と違い権威におもねらない

大胆な描画の役者大首絵で売り出した 東洲斎写楽も活躍期間はごく短い 際物と見られたのだろうか
確かに浮世絵は出版物だから流行りものだ 浮き沈みがあるのは宿命でもある 浮き世に漂うものかもしれない

御用絵師でもなければ生活は安定しない 注文があって初めてプロの絵師なのだ 絵の巧拙ばかりではない 様々なジャンルに取り組んだ菱川師宣は 自ら大和絵師と名乗っていたように 浮世絵とはいえない
多色刷り木版画錦絵で成立した産業ではないか 一部の好事家が対象ではないから 目新しさも必要だけれど それが当たるという保証はない 版元も絵師も時流を読む器用さがなにより肝心

小林清親の光線画なども 明治という時代をとらえて受け入れられた 他の浮世絵は江戸からと変わらぬ技法のままであった
いま改めて両者を見比べると 光線画の方が陳腐に見えるのはなぜだろう 時流を追いすぎたせいか 技法が洗練されていないためか

浮世絵は新しい技法 奇抜な表現を貪欲に追い続けてきた 常に時代の先端を行き時代をリードしてきたと思う 今日のサブカルチャーの先駆けともいえる[01] … Continue reading それだけに栄枯盛衰も目紛るしかっただろう 葛飾北斎もその中の一人だ
勘違いしてはいけない 個人の才だけで浮世絵(錦絵)は作れない 版元・絵師・彫師・摺師の共同作業なのだ 肉筆画が本物で錦絵が複製じゃないし 絵師は芸術家でもアーティストでもなく画工 様々なアイデアも北斎一人の独創とはいえないものだ

NHK「ひよっこ」オープニングのタイトルバックは秀逸だった 写真家の田中達也氏と映像の森江康太氏のコラボレーション作品だそうだ 見立てのアイデアと表現手法の確かさが相まって見事だ それに何より親しみやすいし分かりやすい 才能だけでこれは作れない 技術の裏付けがあってこそだと思う
ミニチュア写真は ブラシを麦畑に見立てるといったジオラマ風 これにCG動画が加わると 動きにより生命が吹き込まれる(アニメーション)というか 独自の世界観・リアリティーが現出する 円谷英二監督ミニチュア特撮の反対世界のような面白さ 機器やソフトの発展が大きいが CGもようやく新しい表現技法として定着した感がある[02] … Continue reading

4月13日追記=政府が漫画の海賊版サイトのブロッキングを推奨するといいます これに対して「通信の秘密」を持ち出して反対しているようです そんな問題じゃないと思います 著作権保護を理由にしていますが 主導しているのが「コンテンツ海外流通促進機構」という名称なのが象徴するように単なる儲け主義です
海賊版は著作権云々ではなく贓品故買のようなものです 万引き同様に仕入れた人気商品で客寄せし(アクセスを稼ぎ) サイトからの利益はクリックを偽装した PPC広告詐欺が収入源です 犯罪を取り締まるのは当然です しかしサイトをブロックしたからといって 犯罪者が処罰されることはないのです むしろ見逃すことになります 業界の利権のために公権力が介入するのは黙許できない)

4月27日追記=NTTが真っ先かけてサイトブロッキングを実施しますと宣言したのはいかにも胡散臭いですね インターネット上で怪しい詐欺まがいページを作っているのは 元ダイヤルQ2業者なんかが多い あと携帯ゲームの課金も同じように NTTが通信費に紛れて集金し業者に渡していたのですから 共犯とまでは言わずとも関係は深いのです
先にヘイトスピーチ対策法なる言論弾圧法が成立したように 一部団体の利益のため表現の自由が束縛されることが懸念されます インターネットの世界で最も重要なのは自由です 規制しているのは全体主義の国だけです そしてそのような国が海賊版や違法コピーで利益を上げています 韓国資本や中国資本の詐欺商法が海賊版サイトの実態です)

註釈

註釈
01 「北斎漫画」が象徴するように 日本の文化は庶民のものなのだ お上から降されるようなものではない 早くから西洋絵画の手法・顔料を取り入れていたのも浮世絵である
江戸時代の出版文化として他には瓦版があった これも批評精神に満ちている 明治維新のあと民間から新聞が多数創刊されている 下地は培われていたのだ
浮世絵はよく出版を差し止められた 瓦版も刊行を公に認められてはいなかった 漫画もアニメも役人と利権団体が作った文化ではないのだ
02 漫画やアニメで儲けているのは出版社とTV局だけです 一次著作者である個人には ほとんど還元されていません とくにアニメーションの業界は 世界に誇る映像文化といいながら スタッフは劣悪な労働環境で働いています
日本のアニメーションが盛んな頃は 中国・韓国に外注していました 今では中国が日本のアニメーターに仕事を発注しています 単価は日本の3倍です 日本の制作費(受注額)が30年前のままなのです
なぜこんなに安いかといえば中間搾取があるからです 放送法で生まれた利権により TV局・版権管理会社・広告代理店を初めとする 有象無象が絡み 現場の制作者は不当に低い料金で仕事をしているのが現状です そうやって得た金は権益です いってみれば合法的な賄賂ですね
有能なアニメーターは やむを得ず中国からの仕事を請け負い そのため日本制作のアニメーションは 背景・原画の担い手が不足するに至りました
コメントは受け付けていません

中国人・インド人

アメリカへの進出

グーグル・アマゾン・フェイスブックといった インターネット企業で目立つのが 中国人・インド人の台頭です なぜかと考えてみました

この両国に共通しているのが まず人口の多さです そして不平等な身分制・階級制の社会です 中国は唯一残る共産党独裁の国 インドはいまだにカースト制があります
閉塞した自国から離れ 自分の実力をもって 海外で自由にやりたいと思うのは無理ないことです また就労人数が多ければ 占める割合が多くなるのは当然です そのために目立つのでしょう

中国人やインド人の他国進出は インターネット企業のみの現象ではありません 昔からあらゆる分野で見られることです 強固な身分制度が続いているのでしょう
中国人は華僑として世界中で商売し 日本においても長崎で 南蛮交易の仲立ちで利益を得ていました インド人は宗主国イギリス支配の元 東南アジアの行政を また英印軍として軍務を担いました 長年培ってきた華僑・印僑のネットワークがベースにあるのは間違いないことです

当時の中国は共産主義社会ではありませんが 皇帝の専制支配という点で 今の独裁制と変わりないものです インドもイギリスから独立したとはいえ カースト制は相変わらず続いています
政治形態の問題ではなく 国民性というか民族性なのでしょう インドの支配階級は揺るがず 中国はどの時代でも覇王が交代するだけです
なお習近平の粛清により富裕層がアメリカに移住しています 多額の金を納めることでアメリカ国籍を得ることができるようです(中国人じゃありませんが孫正義もアメリカ国籍を買いました)

日本との関係

中国やインドの歴史・社会構造などを 我々が云々する必要はありません とくにインドは地理的に離れていることもあり あまり日本との関わりがない
しかし中国と日本は敵対関係にあります 決して友好国とはならないでしょう この中国との関係を考えるとき インドとの友好が重要になります

遠交近攻などといいます 中国の海洋進出・覇権主義に対し 極東・東南アジアの平和安全のために インドとの連携は欠かせない要件です インド海軍は英印軍時代からの伝統を持つ有力な勢力です またぞろ 中印国境がきな臭くなってきました
中国がブータンを狙っています 山岳高地のブータンは 中・印にとって緊要地形です 位置関係からもスイスに似ているかもしれません 国王が日本を表敬訪問したのは 同盟を意識してのことなのは明らかです なのに日本政府・外務省は全く無視です[01] … Continue reading
 
日本のインターネット環境は韓国に席巻され あらゆる業界・企業に中国資本が流入しています アメリカのインターネット企業へ中国人の進出も著しいものがあります このままでは海洋権益のみならず 日本の情報インフラはいずれ中国に支配されるでしょう
外交戦・情報戦でも日本は中国・韓国に大きく遅れをとっています[02] … Continue reading 外交攻勢に勝つためには 軍事力の裏付けが必須です インドとの軍事同盟を視野に入れる必要があります

註釈

註釈
01 ブータンは国力からも歴史からも中立国にはなれません 現状ではインドと同盟を結んでいます 経済面・軍事面で日本の協力を求めているのですが 日本は中国に遠慮してインド・ブータンとの提携をしないのです
02 いま話題のサンフランシスコ市長は 中国系の方のようです 巨大チャイナタウンが背後に控えていますから 人口比からいって当然の成り行きです 中国はこれからますます影響力を強めていきます 日本に対する誹謗中傷・言い掛かりも一層盛んになるでしょう
ロサンゼルスにリトルトーキョーがありますが チャイナタウンやコリアンタウンのように強固なコミュニティーではありません もちろん政治的な影響力など皆無です それどころか韓国人・中国人に蚕食され リトルトーキョーの名前のみで いまや日系人は見当たりません 日本人移民は本国政府から見捨てられた棄民なのです
コメントは受け付けていません

例と時、文献偏重と証拠

鎌倉時代に書かれた「塵塚物語」で面白い話があります 某公卿が山名宗全に対し過去の例を引いて 当時の社会情勢につき自説を縷々と述べたという内容です
山名宗全は 過去の事例はその時代のことである 例を時といったほうがいい 過去にばかり囚われるから あなたは失敗したのではないかといいます

説話集なので 事実に即してないという向きもあります 歴史上の事実とかそういう話じゃない 時代背景も状況も違うのだから 過去の例はそのまま参考にはならないということです

前例主義の役人ばかりでなく 文献第一の歴史学者にも当てはまりそうな気がします 文献なんて意識せずとも書いた者の立場で事実を解釈してます
とくに役人が作る公的な文書は 政治的な意図を持っていると見た方がいい 私的な日記や言い伝え・伝承の方が 一面的・部分的ではあるが真実に近い[01] … Continue reading

文献に書かれた過去の例を否定するつもりじゃないが 一字一句をそのまま事実とするのは違うと思います やはりある程度の想像力は必要でないですか このブログに書いていることも私の個人的な推測が多い[02] … Continue reading
最近ファクトチェックなんていってますが 証拠集めのつもりでしょうか 権威筋とされる者の見解や 一次資料・原典といったって 必ず事実に即しているとはいえない 所詮事実は書かれた時点で過去のものです

証拠を集めて自説を補強するよりも 資料を読み解くというか 因果関係からストーリーを組み立てる方が 真実に肉薄する気がします 証拠や文献にばかり頼るのは権威主義の一種かと思います[03] … Continue reading
慰安婦問題や加計学院といった でっち上げ新聞記事はデマゴギーというよりプロパガンダですから さらに悪質です インターネットの世界に溢れる いわゆるフェイクニュース(ガセネタ)から真実を読み取ることもできます
一部新聞の執拗なキャンペーンにも関わらず 先の衆院選で安定政権を選んだのは 国民の良識を反映しています

検事調書が最初に事件のストーリーを組み立てて 自白を当てはめていくといいます ストーリーは証拠品で事実と認定されたことに基づくのですが すでに終わった事件であり完全な真実を描くことはできません
不完全を補うため当事者・容疑者の供述が必要です しかし犯罪者は罪を繕おうと 自分に都合がいいよう真実をねじ曲げます 嘘つきは泥棒の始まりといいます 犯罪者は嘘をつくことに慣れていて巧みです
嘘つきとの攻防が取り調べなのです アメリカなどで司法取引が行われるのも 検事が事件の絵を描くのもそのためです

註釈

註釈
01 文献主義はキリスト教の考えから来ているのではないかと思いますが どうでしょう キリスト教で最も大切な価値あるものは聖書です キリストの口を借りて人類に届けられた 神の言葉を使徒が書き留めたのが聖書ですから 絶対の権威なのです 聖書に書かれたことが真実 文字に書き留められたものを絶対視し崇め奉るのが文献主義です
02 中世史研究で 絵画史料論という分野があるそうです 文献ではなく絵に描かれたものを読み解くのです たしかに具体的だし偏った思惑が入る余地が少なそうです 幸い日本には 絵図・絵巻物・襖絵などの絵画史料が豊富にあります しかも大衆を描いたものが多い ヨーロッパなどは宗教画や貴族の肖像画ですね
03 戦国時代の宣教師フロイスが書いた報告書は大変参考になります 宣教師は時の権力に取り入ります イエズス会は布教だけでなく情報機関として活動していました それは布教と植民地支配が一体だったから ですから情報ソースの確度はかなり高い
といっても所詮外国人の観察ですし 宗教の布教が目的ですから偏見に満ちています やはり参考程度に見たおいたほうがいい 文献を絶対視するのは危険です
コメントは受け付けていません