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タグ: デザイン

洗練と泥臭さ(広告の変遷)

SPはもちろんのこと マーケティングの括りでは広告も本来泥臭いものです クールデザインや気の利いたコピーが目的になってはいけない
ケースにもよりますが プロの手になる洗練されたデザインよりも いかにも素人が頑張っている広告物が効果的なことはよくあります あえてヘタウマを狙うのとは違います

デザイン面で破綻しているのが かえって躍動感を生み出したりします ありきたりなコピーは決まり文句です 決まり文句は一定の効果があります 効果があるから皆が使う だからどこかで見たようなものになるのです

このごろの広告(TVCM)は健康食品と化粧品の通販ばかりになってしまいました 絶叫型のCMは本当に不愉快ですが 上品ぶっても売れません とにかく印象に残らなければいけない
こういった商品は理屈では売れません 耳目を引きつけ煽って売るものです(マネキンの実演販売と同じ) 考えさせてはいけない いまから30分以内と期限を切ります(クリンチャー)

私が現役でやってた頃は サントリーや資生堂といった鑑賞に値する 作品といっていい広告が制作されていました 実際に市川崑監督を起用したり サンアドからは数々の文筆家が出ています
これらの広告をイメージ戦略とかいってましたが[01] … Continue reading 今でいうブランディングのためですね もっとも広告費は非常に高額でしたから すでにブランドが確立された企業しかやれなかったものです

サントリーオールドのTVCMに登場する役者さんは その人生の重みを感じさせる風貌の持ち主ばかりでした
今は味のある役者さんが少ない気がします 特にある程度以上の年齢で 重厚な役ができる役者さん 年寄り役ができる役者さんがいない[02] … Continue reading 年をとってる人はいくらでもいますが みな存在感が軽すぎるのです[03] … Continue reading

このごろの風潮として 年齢相応の風格・落ち着き[04] … Continue readingを尊重しません 妙に若ぶっているのが持て囃されます 先に挙げた健康食品や化粧品はすべて そのような層をターゲットとしています 時流を捉えているわけですね
料理食材の鮮度や作り立てばかりが強調されて 熟成された深みのある味が失われていくのと 同様の傾向なのでしょう 若い時に大人ぶったりしたことはありますが いまはいい大人が若さに媚びています

註釈

註釈
01 安易な方法としては有名人を使って むりやりブランドイメージに結びつけるのもありました ネスカフェ・ゴールドブレンドが代表です(ダバダァー違いがわかる男のTVCM) この人達が本当にインスタントコーヒーを飲んでるのか?と思ってましたが 團伊玖磨がギャラに惹かれて出演したとか書いていたようです(團伊玖磨編はWikipediaに掲載されてません 確かに数回しか見たことがないし 互いにとって消してしまいたい過去だったのかな) インスタントコーヒーを権威付けしてどうなるんだと思いますが
02 東京物語で初老のお父さん役を演じた笠智衆は 当時二十代だったのですから演技を超越した役者さんです 特殊メイクでもあれは無理でしょうね とくに立ち姿や何気ない動作に年齢が表れるものです
03 アル・パチーノやロバート・デ・ニーロは 本当に上手に年をとっていると思います 役作りだけでない 洗練された大人の魅力を醸し出しています 夢を見続ける永遠の少年の心なんて褒め言葉じゃない 大人になることを理解できないピーターパン症候群です
04 吉永小百合さんは 歳を重ねるに従い あく抜けて綺麗になっています デビュー当時は向こうっ気が強く何にでも前向き チャーミングであるが美形とはいえなかった(ハッキリ言って大根役者さんです でもあの存在感は何者にも代え難いものがある)
「男はつらいよ 柴又慕情」で 吉永小百合と倍賞千恵子が共演の形になりました お二人とも人間性と風貌(実年齢とキャラクター)が見事に一致している 女優とはこうあるものだと思います 女優だから いくらでも化けられる面はありますが それも年輪です 外見だけではない大人の女性です
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インターネットマーケティング

コンテンツマーケティング

ホームページはコンテンツが大事だといわれます コンテンツはユニークであり ユーザーに役立つ情報でなければなりません
グーグルボットは文章の内容を理解しています syntax(構文)とsemantics(意味・内容)が評価されるのです 単なる単語の羅列である keyword(惹句)で考えていては追いつきません

また公平・中立な情報である必要もないでしょう 不偏不党ということは反面 どっちつかずで腰が定まらないことにもなります
必ずしも岡目八目の情報に価値があるわけではない 専門家としての立場から堂々と 自社の特徴を述べればいいので それがユーザーの利益に添うなら役立つ情報です

グーグルがモバイルファーストを言い出し モバイル用ページの内容で評価することになりました モバイル専用ページにしろレスポンシブデザインにしろ PC用と同じ内容をあの狭い画面に表示したら 読みにくくてしょうがない
グーグルボットはコンテンツの内容を理解しても 人が見た分かりやすさとかレイアウトは認識していないようです モバイルフレンドリーであってもユーザーフレンドリーではない 自社の広告収入のためなんですが グーグルに逆らうわけにいかないし 困ったものです

フィーリングマーケティング

デザイン・レイアウトとしては まずモバイル用で作成し それをPC用に展開するということになります このようなリデザインはプリント(プレス)媒体で当たり前にやっていたことで とくに珍しいことでもありません 雑誌によってA4用とかB5用とか様々なデザインを作ります
そうはいっても モバイルのあの狭い画面で 見やすい読みやすいレイアウトなど不可能ですね 自分が書いた文章でさえ最後まで読むのはしんどいです 一見のユーザーが読んでくれるとは思えません

となると 長い文章ではユーザーが読んでくれない ユーザーに届けるには 感性に訴える簡潔で印象的な文章が良いことになります 何の事はない 昔の広告コピーの作法に戻るわけです

syntaxもsemanticsもない 実際のところ 針小棒大のセンセーショナルな情報が溢れ 煽り文句・釣り文句ばかり イエロー・ジャーナリズム ガセネタ デマ・風評は むしろ影響力が高まった感があります
PC用のレイアウトでは まだ広告と本文が截然と区分けされていました しかしモバイル用の画面は間違って触れるように 広告を大量に配置したり トラップだらけです

インバウンドマーケティング

従来のプッシュ・プル戦略は 流通チャネルに対するプロモーション[01] … Continue readingとマス媒体を使った広告の違いでした インターネットが加わることで混乱してきたため インバウンドマーケティングやアウトバウンドマーケティングといった言葉ができました
インターネットを使うのがインバウンドで電話セールスあたりがアウトバウンドなんでしょうか(曖昧な用語なのでよく分かりません[02]アウトバウンド・インバウンドは 都市の中心部と郊外を結ぶ放射路線の上り下りらしい

Inbound marketing=ブランディング=webPR=SNS→メディアミクス=シナリオ=デジタルからヒューマンへ→人間回帰→原点を見直す が私の解釈です
いまさらインバウンドマーケティング何ていう必要もないでしょう インターネットを通じたユーザーは すべてインバウンドのお客様です こちらから売り込みに行くのではない お客様の方から積極的に訪れるのです

コンテンツからフィーリングへ 確実にその潮流はあります FacebookのLike!ボタンは考えてクリックするものではない 一瞥の印象だけです 写真へのクリックがいちばん多いことが物語っています facebookにとってこれが一番大事です 本人でさえ気づいてない感情をデータ化しています
グーグルとフェイスブックが持つビッグデータの性格は異なります Googleがベースとなる〈コンテンツマーケティング〉+Facebookページによる〈フィーリングマーケティング〉が必要ではないかと考えています

ユーザーの琴線に触れるため お客様指向ってあり得るでしょうか グループインタビュー? お客様のご意見を製品開発に生かす? 現場の経験からは もっとエモーショナルなものだと思っています 人は理屈じゃ動かない
客の顔色をうかがったり 客におもねるのではなく その道のプロとして何を提供できるか お客様とどのように良い関係を築けるかが大事なんじゃないでしょうか 製品の使い勝手なんてその一部に過ぎません

企業や製品に好意と好感を持っていただく 鍵はフィーリングだと思います 好悪は理性ではない感情がもたらすものですから
そのためには真摯な製品作りです 誠意です 高い志でお客様と真剣に向き合うことが大切です そしてビジュアル中心のイメージ広告復活だろうか となるとインスタグラム(Instagram)か?

註釈

註釈
01 かつてのヤマザキパンの押し込み販売は まさに言葉通りのプッシュ戦略でした ルートセールスは注文を受けてもいない商品をかってに置いていきます このやり方で大きく売上を上げたのです 出版取次もそうでしたね 書店の意向など関係なく書籍雑誌を送りつけていました
本はまだ返品できますが パンなんてその日に売らなければならない商品です 売れ残りを返品するとしても有料でしょうから 実質買い取りになります ヤマザキは売れ残って回収したパン類をまとめて粉砕し 蒸しパンに混ぜて再利用していたという話もあります
02 アウトバウンド・インバウンドは 都市の中心部と郊外を結ぶ放射路線の上り下りらしい
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ブランドエクイティ

ブランドエクイティってなんのこと 簡単にいえばノレン代ですね ブランドを売買するときの資産価値ということかな まぁ昔からノレン分けとかはありましたから とくに目新しい概念というわけじゃない
ブランドに資産価値があるというのは何となく分かります ただソロバン勘定が苦手なので どう計算するのかよく知りません

資産価値といっても 経済波及効果や広告費換算いくら とかと同じような気がします なにしろ損得勘定でブランド構築はできませんから 財務データで数値化なんて違和感がある
ノレンと老舗はイコールではない 創業何十年何百年だけでノレンは築けません ぶれない信念 高い志が大前提です ブランディングは付加価値をつけるみたいな 単なる差別化じゃないんです

ブランディングとは ストーリーデザインのことです どの企業にも製品にも必ずストーリーはあります でもそのままじゃ単なる沿革であったり 苦労話や開発秘話にすぎない
ユーザーが共感できる価値観を語れるどうかが ブランディングが成立するしないの分かれ道となります しかし価値観だの共感だのは とにかく分かりにくく数値に表せない

数字に出ないものは とくに大企業なんかの経営陣に説明することができないし 説明しても数字でしか会社をみない頭では理解できない
だからブランドエクイティとかいって むりやり数字で表すのではないかな 何十億円の資産価値があるといえば納得しそうですから

商売する上で売り上げなどの数字はとても大事です でも数字だけ追いかけていては 見失うものがあります
創業何百年もやはり数字です 数字だけ積み重ねても決してノレンは築けない 自己を確立することが最も肝要です

数字というのは他との比較です 差別化も他との対比です なべて数字で表すものは 相対的価値といえます
ブランドを築くことは 他にない絶対的な自己の価値を築くことです この価値は数字に表れない

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