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タグ: お客様

出版流通 日米の違い

アメリカは日本と異なって書店数が少なく また本の流通網が整備されていないそうです 出版社も問屋も各州単位で営業しているからです そのため希望する本の入手が難しいという事情があります
これを解消したのがアマゾンです アマゾンのポリシーはすべての書籍がそろい 欠品がないことです あらゆる出版社と契約を結び 自ら在庫し 顧客が希望する本を通信販売します 絶版であったり 重版・増刷の予定がない本の場合は オンデマンド印刷で1冊から販売します

たとえ1冊でも通販できるのは 版元と直接契約し さらにロジスティックスと管理システムを自ら構築しているためです このフローのうえでキンドルが開発されました
キンドル自体が通信機能を持つのも 一つの販売チャネルと考えれば当然です 販売するのはあくまでコンテンツであり ブックリーダーを売っているわけではないのです

翻って 日本での本の流通はアメリカとほぼ正反対に取次が支配しています
書店に対しては 取次から月2回の請求があります 2週間以内に返本しないと 送りつけてきた本の代金を払わなければなりません そのため新刊書籍は2週間しか店頭に並びません
取次から出版社への支払いは年2回で しかも返本の費用は出版社持ちです
結果 売れる本売れる見込みのある本しか書店に並びません
日本でも別の理由で読者の手元に欲しい本は届かず やはり入手が難しいのです

また日本では 出版社と著作者が対等の契約関係とはいえません 出版社は独占的に出版権を囲い込んでいて プリント・オン・デマンドは非常に難しい状況です キンドルの普及もかなり困難でしょう さすがのアマゾンも このムラ社会には苦労しているようです

出版営業は取次と書店が対象であって 直接のお客様は読者ではありません 旅館の営業先が旅行代理店なのとよく似ています
団体客が相手の形態なら 旅館にとってまことに都合のよいシステムでした 特に努力をしなくても代理店が客を送り込んでくれたのです
いまの旅館業の衰退ぶりから 日本の出版界の未来がすかし見えてくるようです

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マーケティングのプランなど

グループインタビューはそのまま信用できない という感想を述べておられる方がいらっしゃいます 広告代理店のプレゼンテーションが変だ とのご意見もあります その通りなんですが 目的と目標の違いを理解されてないんではと思います
もともと メーカーのマーケティングを担当されていたようなので 無理ないかも知れません?

多くの場合 決定権を持つ役員の方は 世論調査のような数字や 一般消費者の意見などを重視されます
最終的には マーケティングプランが承認されないとなんにもなりません(=目的) 役員の方が理解できる言語(数字)で話さないと 言葉が通じないのです グループインタビューもプレゼンテーションの用語も そのためのツールというか 役員向けの言い換え 儀式といっていいかも知れません(=目標)

同じ内容のことを 広告代理店のディレクターが言っても首を傾げてしまうのですが 無作為に抽出された一般消費者の意見ですと言えば納得されます お客様のご意見に逆らうことなどできませんから
グループインタビューの目的はそこにあります 本気で主婦の意見をマーケティングに生かすなんて考えているわけじゃありません
逆に プレゼンテーションでわけのわからん用語を連発するのは 煙に巻いているという側面もあります ありがたそうなお経みたいなもので 一種の演出です

プレゼンテーションの場は 数の論理が支配します そのため広告代理店では 関係ない部署の人間まで動員することがあります 相手方より頭数が多ければ プレゼンは通りやすくなります エキストラ動員ですから これも演出です
(ここまで言っていいのか分かりませんが アメリカ映画でそんな場面があったのでOKでしょう 運転手から出入りの業者まで駆り集め それらしい恰好させてプレゼンするのを見て笑ってしまいました)

かつてCIが流行ったとき ロゴ・マークの案を通すために この3本の線は社是である◯◯と◯◯と◯◯を表し 右の跳ねた線は未来への飛躍を象徴しています とか説明してました 完全にこじつけです でも聞いた社長はまんざらでもない顔します

追伸 冒頭のブログを書いておられる方は 宣伝会議セミナーの講師をなさっていらっしゃいます(昔の久保宣 当時から雑誌「宣伝会議」は発行していました ある校正者の方から誤植が多いので有名だったと聞きました コピーライティングは日本語の正しい用法に則らなくてもいいのですが〈だいたい何をもって正しいとするか基準はありません〉雑誌の誤字脱字はいかんでしょう)

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パッケージとインフォメーション

牛肉弁当

駅弁のTV番組を見ました 岩手県沼宮内 肉のふがねが新しく作った弁当「岩手短角牛やわらか煮弁当」を 修業した店の親方に試食してもらうというシチュエーションでした (この弁当は駅弁といっても 岩手県「道の駅石神の丘」で売っているものです)
そのシーンで なぜか親方は試食の前に しきりとパッケージデザイン(蓋の部分)を見ているのです

黒バックで ほとんど書き文字だけで構成されたものです
「岩手短角牛」の文字と 「やわらか煮弁当」の文字 そしてもう1つ(よく覚えていませんが ホームページで確認してみると「脂身が少なくてやわらかい」だったかもしれません)の文字がすべて同じ大きさで 客に何を伝えたいのかよくわからないと批評したのです
若い店主は味の評価を聞きたかったのでしょうから 釈然としない表情でした

ちゃんとした料理人に 美的感覚は欠かせません 盛り付けにしても メニューや店の内装にも その人の料理にふさわしいセンスが必要です 親方が まずパッケージを見たのは当然のことです この弁当を食べてもらいたい という気持ちが表されていなければならないのです(ブランディングのひとつです)

おそらく肉のふがねが太鼓判を押す牛肉なのでしょう その名の通り岩手短角牛を柔らかく煮込んで 肉の食感を残すため手で裂いて仕上げたものだそうです 丁寧に手づくりしていて 画像を見る限りなかなか旨そうな弁当です
言いたいことはよく分かるのです もうひとつ知名度がない「岩手短角牛」のおいしさを知ってもらいたい 肉屋が作った 牛肉柔らか煮の味には絶対の自信がある 霜降りの牛肉ばかりありがたがるが 牛の本当の旨味は赤身にあること そのすべてを伝えたいから 大きい文字にしてしまう よくあることなのです 自分の気持ちが先行して かえってお客様に伝わらないこと 自分の思いとお客様が求めることのズレは

私だったら メインに「牛肉やわらか煮弁当」として そこにかぶせるように「手割き仕立て」と入れます その下に遠目からは読めないくらいの文字で 「肉のふがねが 岩手短角牛のおいしさを知ってもらいたくて このお弁当を作りました 柔らかく煮上げた牛肉の食感を味わえるように 牛肉の繊維にそって手で割いて仕上げています ていねいに作った味を じっくりと噛み締めてみてください」としたでしょう
一見 文字数が多すぎるように見えます でも パッケージはインフォメーションであるべきだと思うんです 明確なメッセージが必要だと思います

ホームページもコンテンツが命です ビジュアルじゃない

2023年9月30日追記=靖国神社前に海苔弁専門店があります 最近できた店ですが 高級海苔弁でなかなか繁盛しています 売れているのは明確なコンセプトのもとに プロデュースされているからです
とくにパッケージがよい 上質な紙製で程々の高級感がある 蓋を開けると内側に食材の説明が書いてあります つまりパッケージを使ったメッセージです パッケージが最大のオウンドメディアであることを分かっています)

A5ランクの牛肉?

牛肉というと A5ランクがもてはやされます これは枝肉[01] … Continue readingに対する格付けで 1〜5はサシの入り具合(カラーチャートで見ます) ABCは歩留まり つまり重量に対し肉として売れる部分の割合がどれだけあるかで 枝肉の値段が決まります
サシがたくさん入ったピンクの霜降り肉(霜降り・鹿の子という言い方は昔からありました)で クズ肉になるところが少なければ その枝肉は高値で取引きされるのです 成り行きとして精肉の小売価格も高くなります 肉質や食味は関係ありません(クズ肉は蛋白加水分解物〈魔法の粉〉として利用されています)

このランク付けは神戸牛のセリから始まったようです 上記の赤身肉は岩手です 同じく米沢牛も高い評価があります ともに神戸・松坂等の銘柄牛と比べてあまり高値で取引されません
肉質・食味は良いのですが 流通経路の関係で付加価値がつけられないためです(1〜5の数字はサシの入り具合なので 赤身肉はランクが低くなってしまいます)
とくに関西方面の牛肉の流通は利権団体(同和)に牛耳られています それが高値の原因です 岩手や米沢には同和が入り込んでいないため 安い(適正価格?)のです

牛肉は 高いから高級品 高級だからうまい とはならない いびつな流通が値を釣り上げているだけです

註釈

註釈
01 昔の肉屋さんは奥に大きな冷蔵庫があって レールに枝肉を吊るしていました ロース肉をくださいとかいって注文すると ガラガラと引き出してきて ブッチャーナイフで叩き切るところから始めていました
たぶん自店で熟成していたと思います(肉の熟成は枝肉でやるものです) 今はブロック肉で流通しているみたいですね だから5段階表示はまだしもABCはまったく無意味です ブロック肉にカビをはやして 熟成肉だなんていってるのも出てきました
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