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タグ: 侵攻

ダンダラ羽織 長すぎる紐

目立つことと実用性

新選組といって思い浮かぶのが 誠の旗に浅葱と白のダンダラ羽織です 芹沢鴨が高島屋だったか大丸に注文していますから(代金を支払ったかどうかわからない) 初期のころ新選組が 浅葱地に白い山型裾模様の羽織を着て 誠の旗を押し立て京の街を巡邏していたのは事実でしょう[01] … Continue reading
浅葱色と白の取り合わせは大変目立ちます 新選組の存在を誇示するとともに防犯の意味があったと思われます 武装した隊列が派手な制服で市中を警戒するのは大変有効です 京都の他の半分を受け持っていた見廻組にそんな発想はなかった 旗本の次男・三男坊を駆り集めた官製の組織と 浪士が集まった自由な組織の違いです[02] … Continue reading

ところで羽織は本来正装です 活動的ではありません 刀を振り回すには具合が悪い 八丁堀同心も市中見廻りには 羽織の裾を巻き込んでいました 大刀にかかると邪魔ですから とくに羽織紐が邪魔です 武士の羽織紐は町人より高い位置に取り付けます 刀を抜くとき邪魔にならないようにです そこであの長い羽織紐です 結び目を後ろに回してあるので邪魔にならず すぐに脱ぎ捨てることができます 羽織を脱げば下は着込や撃剣の胴と 双篭手・脛当て等で身拵えしています[03] … Continue reading
とはいえ羽織着用の巡邏はやはり隊士に不評で やがて誰も着なくなったそうです 池田屋事件で名を馳せてから新選組は誰も知る存在となりました テロル集団である薩長はますます過激化していきます 京都守護職会津藩の別働隊として治安警察・諜報・特殊作戦の役割を担った新選組は 隠密活動が多くなり 目立つ隊服は着られなくなります

身拵えも刀も飾りじゃない

剣術の稽古に用いる胴着は筒袖です 野良着から来たもので動きやすさを重視しています 通常袴を付けますが これは稽古相手に足元が見えないようにです 相手の太刀をギリギリで避け その動きのまま攻撃に移ります この理合は腰を据えて足捌きで行うもので 上半身や小手先で動くと 相手に読まれやすく体軸がぶれます
切り合いの場に向かうときは 襷掛けで袖をくくり 股立を取ったり裾からげにします 足元は草履で固めます 鉢巻をするのは汗が目に入らないようにです 刀は外帯に差します 外帯は甲冑姿のときに使っていました 介者剣法を伝える戦国以来の古流では外帯を用います[04] … Continue reading 白い鉢巻に白の襷 外帯も白の出で立ちは 仇討ちの映像ですね 昔の映画は考証がしっかりしていました

江戸時代中期以降は刀は武士の装飾品になり 細身の刀や落し差しなどが流行しました[05] … Continue reading 北辰一刀流の如き竹刀に特化した道場剣法 居合抜き・抜刀術といった曲芸・見世物のような刀技 あるいは刀礼だの血振りだのと作法ばかり 柳生新陰流のようにことさら神秘化したりと 刀は文字通り武士の魂と化し 精神論で語られ実用が忘れられたのです
天然理心流がどのようなものか詳しくは知りません 多摩の土豪である西党は徳川の恩顧を受け 西国からの侵攻を食い止める役割がありました 国境警備隊です 伝えられる天然理心流が実戦を想定したものであることは確かです さらに京に上って以来は 同様に実戦剣法である薩摩の薬丸自顕流などと対決して ますます技が磨かれました

(6月27日追記=ドラマ「青天を衝け」を見ましたら 土方歳三役がダンダラ羽織の上から外帯をしてましたね あったかも知れないがやはり袖が邪魔になりそうです それと残念ながら羽織紐の位置が低すぎます)

註釈

註釈
01 浅葱と白は死装束の色です 自分たちは命を捨てているとの意志を表します 現在の葬儀では鯨幕と言われる黒白の幕を用います これは昭和に入ってからの都会地のことで それまでは浅葱色と白色の二色段だら幕でした
02 芹沢鴨のあと実権を握った試衛館派は 会津公より新選組の名を賜り のちには徳川のお抱えとなります 近藤と土方は正式に旗本に取り立てられました 名実ともに正規の機関であって 浪士組ではありません
03 町方同心の姿を描いた 江戸時代の絵図を見れば分かります 羽織紐の結び目が胸の位置にあります 刀の柄に紐がかかるようではいけません それは町人羽織です 太平の世といえど 武家の服装は二本差を前提とします
04 宮本武蔵の立ち姿の肖像画を見ると 肩衣の上から外帯をし刀を差していますね これはどういうことなんだろう 当時は羽織を着ることがなかったのかもしれない 肩衣なら袖がないから邪魔にならないし 刀を抜きやすいのは確かです
05 太平の世になってから 外帯に刀を差すことはなくなりましたが 武家は兵児帯をするものです 着流しに角帯の浪人者なんて 本当にいたのだろうか 角帯に刀を差したら落し差しになってしまいます 廻り同心は当然カンヌキ差しです 大刀の柄頭が正中線にくる位置に差します
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中印国境と尖閣諸島

バイデンさんに菅首相が電話して 尖閣諸島に中国軍が上陸したら日米安保条約に基づいて アメリカ軍が黙っていないと言ってもらったと喜んでいます バカか 日本の領土を守るのは日本です アメリカにそんな義務はない 首相が変わっても相変わらずの能天気ぶり 日本の国土国民を日本政府は守ることをせず 他国任せにしていると内外に言っているのです
アメリカは(その他の国も)自国の国家戦略で動いています 尖閣諸島が中国領土になったら 沖縄の米軍の行動が制約されます そればかりか台湾にも影響します アメリカにとっても戦略的な緊要地点なのです 日米安保条約が対等な軍事同盟なら 日本はアメリカに協力しなければならない

日本は自国の領海・領土が蹂躙されているのに 何も手を打たない 現行憲法により交戦権がないため アメリカ軍の指揮下に入る以外 自衛隊は戦えません 現実的な選択ではありますが とても独立国の態度じゃない
自衛隊単独では役に立たないので アメリカはやむを得ず自国(沿岸警備隊極東司令部)の艦船を尖閣諸島周辺に投入しています こんな事をしているから安保只乗り論が出てくるのです

RCEPがインドを除いた形で合意しました 中国の経済的影響力はさらに増大し 一帯一路戦略が強化されます 現在のところインド洋の制海権はインド海軍が握っているとしていいでしょう[01] … Continue reading インド洋でもおそらく中国の原子力潜水艦が活動しています この先中国が原子力空母を運用できるようになると情勢は変わってきます[02] … Continue reading
先般中国軍がインドとの国境係争地域で擾乱攻撃を行いました これは陸上からインドへの牽制ですね 中国はすでに青海チベット鉄道を完成させています 対してインドは ようやくヒマラヤにトンネルを建設したところです インドの土木でトンネルを掘る例は今までなかったそうです 補給戦に関して中国の後手に回っている感は否めません

このたび起きた中印国境紛争は 双方とも武装していないという変則的な戦闘です 一種の便衣隊のようなゲリラ攻撃かもしれません 尖閣諸島への侵攻でも似たような形をとるのではないでしょうか 海の便衣隊である偽装漁船が主体になると思われます
大型漁船が海上自衛隊のイージス艦に衝角攻撃したら なす術がありません 自衛権では先制攻撃できません どんな形であろうと とにかく尖閣諸島に上陸を許し 既成事実をつくらせたら取り返しがつかないのです
中国がブータンとの国境ブータン側に数十棟の建物(村)を建設しました インドとも接している地域です 南シナ海と同様に既成事実を作り インドに侵攻するための兵站基地です これに対してブータンが動かなければ インドも手出しできません あくまでもブータン領土であり インドが関与することではないのです

2021年1月26日追記=ついに中国が中・印国境のインド領内に 住宅100棟の村を建設しました 完全に民間施設ですからインド軍が排除することはできません
次はいよいよ尖閣諸島に偽装漁船を上陸させるでしょう 海上保安庁で対処できるかというと難しい インドがどうするかが参考になります 注視しましょう)

いまや正規軍同士の戦争が起こる可能性は非常に低いのです とくにアメリカと中国が正面切って戦うのは考えにくい 中国が日米安保条約を冷戦時代の遺物だというのは正しい見方かもしれません[03] … Continue reading フィリピン沖珊瑚礁に造った中国航空基地に対して アメリカがやれる事は 航行の自由作戦ぐらいしかないのです
バイデン氏はまだ大統領じゃないし 今後の方針がどうなるかも不明です 政略次第で南シナ海は中国が制海権を握るかもしれません 日本海及び東シナ海そしてインド洋を中国に渡したら オホーツク海からインド洋に至る一帯一路が完成してしまいます とくに現状ではインド洋が手薄です

中国は海警と称する沿岸警備隊を 人民解放軍の指揮下に編入しました より軍事組織の性格を鮮明にしています 事態は焦眉の急といっていい所まで来ているのです 一刻も早く自衛隊に交戦権を与えるか 海上保安庁を名実ともに沿岸警備隊にしなければなりません
李承晩ライン下で海上保安庁は まったく韓国を制することができず 何十人もの漁船員が犠牲になりました また同じことを繰り返すのですか 中国は韓国より手強いですよ
屯田兵の例に倣って 尖閣諸島に鰹節か缶詰工場でも再建し 実効支配していることを世界にアピールするのが大事なのです[04] … Continue reading 中国はロシアと提携を深めています オーストラリアはインドと防衛提携しました[05] … Continue reading ぐずぐず先延ばししているのは日本だけです

註釈

註釈
01 かつてのインド海軍は宗主国イギリスの麾下に置かれ 東南アジアのイギリス領で日本軍と戦火を交えたこともありました しかしイギリスへ反旗を翻したインド人の巡洋艦艦長もいたのです
大東亜戦争時に日本軍へ投降した英印軍兵をもって 日本の支援のもとインド国民軍が編成され 独立への契機となりました その経緯から日本とインドは友好国です 軍事同盟を結び中国の覇権主義に対抗すべき友邦なのです
02 空母は移動可能な航空基地であり 平時は巡洋艦の性格も持ちます 寄港せず機動部隊として運用するには 原子力機関(発電)が理想的です ほぼ無限に航行でき艦内の電力も供給できます 原子力潜水艦も同様に巡洋艦の一種です
03 王毅中国外相が日本に乗り込み 尖閣諸島が中国領土であると一方的に述べました その間も尖閣諸島には中国艦船が巡航していました これに対し菅首相も茂木外相も外務省も 言われっぱなしとくに反論しません じつに素早い的確な中国の反応です 先のバイデン氏の発言は帳消しにされたのです
わざわざ日本にやって来たところに外交的意味があります 軍事力を背景に恫喝しにきた中国を 唯唯諾々と迎え入れ叱責に従う日本の姿が世界に曝され 日米安保条約の無効なことが印象付けられました セオリー通りの外交と軍事両立です 日本は黙って中国の主張を認めた形になります
04 このまま手を拱いていれば 尖閣諸島も北方領土・竹島と同じ轍を踏むことになります 中国は妥協策と称して領土問題を棚上げにし 東シナ海のガス田と同じく共有を持ちかけてくるかもしれません 武力はあくまでも外交の後ろ盾です 外交で妥協したらそこで終わりですね 偽装漁船や民間施設を自衛隊が排除する事はできません
05 中国がオーストラリアに対して悪辣なネガティブキャンペーンを仕掛けています オーストラリア軍兵士の画像を捏造して発信しているのです 日本に対する南京30万人虐殺と同じようなデマゴギーです これに対してオーストラリアは強硬に抗議しました
今後の宣伝戦はどう推移するでしょうか 画像や人形は目に見える具体的な形を持っているので 説明の必要がありません デマゴギーを事実と偽って広めるのに有効な手段です 心理戦・宣伝戦の兵器といっていいかもしれません
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一帯一路

中国が一帯一路という政策(戦略)を掲げています これにより中国に加えて 利益を得るのはロシアです 海のシルクロードと言ってるので マラッカ海峡あたりからインド洋のことだと 漠然と思ってはいけません
利益が一致する中・ロは急速に接近し 日本海で共同演習を始めました 尖閣諸島から竹島に爆撃機を飛ばしています 一帯一路のシーレーンを確保するため オホーツク海・日本海・東シナ海の制海権が目標となります 中国が空母の就航を急ぐのはそのためです[01] … Continue reading

韓国もこの 中・ロ連携に同調せざるを得ないでしょう なにしろ両国から挟まれているのですから 逆らうことは不可能です 現に日本を攻撃し始めています(自衛隊に対する韓国軍によるharassing attackからGSOMIA云々の一連の動き) これらは韓国の独断ではないと思います
中・ロが軍事で協力すれば アメリカといえど手出しできません(口は出すでしょうけど) 朝鮮戦争が終結し半島の統一が近づいてきました かつてのように半島から日本に難民?が押し寄せます 今度は受け入れ準備万全ですか?

日本はどうすればいいか インドとの提携しか道はありません すでに南シナ海に海洋軍事基地ができました アメリカ軍はフィリピンから引き上げています あとはインド洋を残すのみです
日米安保条約は変則的です アメリカと日本の関係を考えればこの形でも やむを得ないのかもしれません しかしインドと軍事同盟を結ぶには 自衛隊を正規の国軍にすることが不可欠です[02] … Continue reading

かつては日本海を仲立ちに 樺太から渤海と交易が盛んでした さらに大黒屋光太夫はロシアにまで行き 呂宋助左衛門(納屋助左衛門)は東南アジアと貿易をしていました
朝鮮半島との交流はほとんどありません 近年は大東亜共栄圏の構想を掲げ 渤海のあった地域に満州国を設立したものの インドは視野に入っていなかった

宮島郁芳作詞の「馬賊の歌」[03] … Continue readingで 支那にゃ四億の民が待つと言ってます インドには十五億の民がいるのです 馬賊の時代は過ぎ去りました 海行く日本 海洋民族の心を取り戻すべきでしょう イランから石油を運んだ出光佐三は海賊と呼ばれたそうです 倭寇・北前船の系譜を正しく引き継ぎます

2020年7月26日追記=中国の海洋進出に対して 米・日・印・豪に加え イギリスが合同演習に参加します これは香港が絡んでいますね 往時ほどではないにしろ植民地からの利得は今も続いているのです 人権云々は建前きわめて政略的な動きです)

2022年4月24日追記=ウクライナへのロシア軍侵攻に関して 国連からの要請という形で インド・ムンバイに備蓄してある支援物資を自衛隊機で輸送するという計画を インド政府に外務省が打診したところ 断られたそうです インドはこの度のウクライナ問題に対して中立の姿勢を保っています 日本は何のメッセージも出さず 他国の顔色を覗いアメリカ等の言いなりに右往左往するだけ ムンバイにある物資はインドが運ぶのを拒否したのでしょう 中立政策を貫いています 相変わらず腰の定まらない日本は国連に言われるまま 自衛隊を便利屋として使うばかりです)

2022年8月18日追記=インド洋の緊要地点スリランカ(アメリカとキューバにそっくり)のハンバントタ港に 中国軍所属の大型調査艦が寄港しました この港は中国の融資で造られたものです 結局スリランカは 財政破綻のため融資の返済が滞り 所有権を失いました(99年間中国が使用権を持つという契約です) 事実上中国の軍港となったわけです 航空母艦の基地とする準備でしょう 政策と戦略の実に見事な連動です 軍事と外交のお手本といえます)

註釈

註釈
01 ソロモン諸島が中国に島をまるごと賃貸?する といった話が出てきました 直前に台湾と国交断絶しています その島というのがガダルカナル島のそばツラギ島です 戦略上の緊要地点じつにきな臭い場所ですね 空母基地が目的なのは明らかです 実現するかどうかまだ分かりません 金に飽かした中国的な攻勢は これからも続くでしょう
02 中国は青蔵鉄道(青海チベット鉄道)を2006年に開通しています 青海省とチベットのラサを結ぶ最高標高5000メートルを通る高原鉄道です これはチベットのみならずインドを想定した戦略的な鉄道です
ロシアや中国など縦深のある国土では 攻める方も守る方も補給が最も肝要です ナポレオンとヒトラーがロシアに敗れたのは 補給線を維持できなかったためです
03 馬賊の歌なんて作ってますが 宮島郁芳の居室にはマルクス・レーニンの肖像画が掲げられていました 大正デモクラシーの人です 児玉誉士夫作詞の「民族の歌」は反戦歌ですしね 右だ左だなんて物事を単純化すると 分かったつもりで思考が停止してしまいます
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