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タグ: 小説

シナリオとキャメラ

TV・映画のシナリオ

最近聞いた話で TV動画シナリオの質が落ちているということです もちろん優れたライターはいるのですが 中には画作りを全く考えないどころか 場面設定はいい加減でキャラの位置関係がデタラメ セリフの前後関係も無視したシナリオがあったそうです
シナリオの学校があります 箱書きがメインだそうです そのせいかストーリーを追うだけのシナリオが多いのかもしれない[01] … Continue reading TVドラマはセリフでストーリーを説明することがあります 舞台のシナリオなんでしょうか ナレーションは無声映画から来たのだろうか
照明は画作りの要です モノクロ映画だったら陰影で表現しますから 照明さんの技術で画作りが決まることもあります 無声映画の表現に至っては本当に画作りだけです
映画のシナリオは監督が書いていました なのでキャメラ位置まで考慮して本を書きます シナリオの出来不出来が作品の品質を左右します とくにキャメラの向きは重要で 画作りだけでなく作品の目的にまで関わります 映像のことを知らないライターなんていなかったはずです
最近はキャメラの小型化やドローンの登場で 旧来のキャメラワークでは画作りができなくなっているようです とくにCGはさらに自由です 自由なだけに視点を据えた画作りがますます重要になります
テーマやストーリーの周りをウロウロするキャメラで画作りはできない アメリカ製作の映画はそれがキチンとできていると思います やはりシナリオ重視の製作だからでしょう 最新のCG技術は全く分かりませんが キャメラの視点や照明を忘れていないように見受けられます

情報戦のシナリオ

映画・ドラマに限らず すべての情報発信はシナリオが必要です ハマスのイスラエル攻撃はまさに情報戦です イスラエルの反撃を計算して 病院の地下に司令部があるとの偽情報を流した 病院の敷地内で爆発があったのも自作自演でしょう 民間人を盾に使うのはゲリラ戦の常道です おそらくハマス戦闘員は制服を着ない便衣隊です 正規軍がこれを攻撃すれば民間人虐殺のそしりを受けます[02] … Continue reading
毛沢東が案出しチェ・ゲバラなどが受け継いだ戦略・戦術です ベトナム戦争の時はゲリラは山林に潜んでいました 誰が考えたか枯葉剤散布は実に拙劣な作戦でした その反省で対ゲリラ戦のグリーンベレーが編成されました
この頃はまだ野戦主体です 場面が変わるに従い 空ではオサマ・ビンラディンによる民間機を使ったアメリカ攻撃 海では中国の偽装漁船による侵攻 地上は都市ゲリラとなっていきます
対都市ゲリラの戦闘は市街戦から地下要塞の戦いになりました 新たな対応を求められるでしょう 最も大切なのはやはりシナリオです まず情報戦で先手を打つことが必要 訓練もシナリオに基づきます あらゆる情況を想定して訓練します 戦場はシナリオ通りに進展しません しかし判断と行動は訓練を通じてのみ培われるのです
それにしても毛沢東は宣伝戦が巧みでした そしてイスラエルでハマスに引き継がれています ハマスも八路軍と同じく軍事的には圧倒的に劣勢です 情報心理戦では優位かもしれません 人質も含め民間人の犠牲が増えるほど有利になるのです ネタニヤフの失策ですね 発言を見るとアジテーションで煽るだけです 情報戦の観点がない[03] … Continue reading

註釈

註釈
01 映画も小説も漫画も 人物像を描き出すものです キャラと背景その他の設定をきちんと造り込めば 物語は自ずから動き出します ストーリーをこねくり回す必要はないのです
02 対ゲリラの市街戦を戦った前線部隊によると 老人や女子供でも武器を隠し持っていて反撃されることがあり ことごとく制圧しないと危険だということです
03 またきな臭くなってきたミャンマー(ビルマ)のアウン・サン・スー・チーは 実質的にMI6のエージェントでした 悲劇のヒロインに仕立て上げたのはMI6のシナリオによります 父親のアウンサン将軍がMI6のエージェントで 中野学校の南機関を欺いてビルマ独立運動を妨害し 娘のスー・チーをイギリスに亡命させたことから始まります いまミャンマー国軍が劣勢に立たされているのは ひとえに情報戦の拙劣さからです
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御神酒

神に酒を供えるのはなぜか 荒ぶる神を鎮めるため 神の託宣を聞くため 御饌(みけ)のうち酒はことに味がよく 霊妙な心理作用をもたらします いつかおみきといえば酒のことになりました
神を鎮めるには 酔い潰してしまうのが手っ取り早い? 下がり物の酒を頂いて神憑りになる? ただ酔っぱらうのは大蛇だったり鬼ですね 人格神は下戸のようです
卑弥呼が鬼道を行う際飲んだのは どんな酒だったのか 縄文ワイン 米から造った天甜酒 焼酎だったかもしれません 平安時代すでに酒で酒を醸す貴醸酒が造られています 蒸留酒が文献に表れるのは16世紀のようですが いつ頃から作られたかは不明です

八塩折の酒

八岐大蛇の話に出てくる酒は 八塩折の酒とか衆果の酒とか書かれています 果実を集めて作った酒ならワインですね 八塩折がよく分からない
記紀では濃い酒となってます 濃醇な貴醸酒は平安時代に「しおり」と記されているようです しかしこれでは衆果との整合性がない だいたい米の酒との記述はないのです[01] … Continue reading
八俣大蛇が酔い潰れるということは アルコール度数の高い酒です 私は蒸留酒ではないかと思ってます
縄文ワインを蒸留したのか 酒精強化ワインだったのか 焼酎に果実を合わせて リキュールとしたのか
各地の焼酎は主に米麹を酛にし サツマイモやサトウキビを使います 果実が原料とすると栗焼酎か キルシュヴァッサーのような酒だったかもしれません[02] … Continue reading
それまでもヤマタノオロチに 酒は供えていたはずです 縄文ワインであったのなら アルコール度数はかなり低い
今までにない美味い酒だと 飲みすぎてしまったのです いずれにしてもその製法は途絶えて 700年代には伝わっていなかった その後米の酒が主流になった経緯もわかりません

芋粥

芥川龍之介の小説と原話の今昔物語によれば 芋粥は山芋を甘葛でさっと煮た粥となっています 粥とはいえ米は使いません 山芋は東南アジアでよく食べられる ヤム芋に相当します また里芋は山に対しての名ですが 太郎芋と呼ぶ地域があるそうです(タロ芋は里芋の仲間です)
奄美地方にミキと呼ばれる発酵食品があります 今は米とサツマイモで作ります かつては山芋・里芋などが使われ 3日間発酵させるので 三日ミシャクと言われたそうです
ミキは甘酒のようなものです ちょっと無理がありますが 昔のミキは芋粥に近いか 芋粥に甘葛を使ったのは いつ頃からか不明ですが 元々は発酵によって 甘味を出したのかもしれません
ミシャクの語源は分かりません 諏訪大社に伝わるミシャグジ伝説との関連はあるでしょうか
ミキはお神酒に通じますが 神社で供える酒は神饌・御饌(ミケ)の一部であり おミキは酒に限定されてないのです

米の酒

お神酒は4種類あります いずれも米から造られます 伊勢神宮ではすべてを供えるそうです 中に醴酒と呼ばれるものがあります 醴酒は甘酒とも濁酒とも言われます ミキは芋を使った甘酒でした 米の醴酒は縄文芋文化と弥生米文化の習合から生まれたか
口噛酒は火を使わない特殊な作りです 生米をスターターに使う菩提酛(水酛)の始まりかもしれません 日本の酒造りは神に供えた米飯に 黴が生えたところから始まりました 麹菌が付き糖化した米飯を「カムタチ(カビタチ)」といいます 今の酒造と同じ散麹(バラ糀)の様子を表す言葉です 醸すの語源は黴立つなのです[03] … Continue reading
天舐酒はカムタチを用いた甘酒(醴酒・一夜酒)でしょうか[04] … Continue reading 甘酒に酵母を合わせてアルコール醗酵させると酒になります 最初は野生酵母が作用したのだと思われます 日本酒が神社仏閣で醸され 御神酒として供えられる由縁です 縄文時代には土器で煮炊きしていました 生米を噛んで放置していたら酒になったは不自然です 乳酸発酵させスターターとして用いたなら分かるが 全量を口で噛むなんてあり得ない 酒より飯が先のはずだし 弥生時代に生米を食べていたとは考えられません[05] … Continue reading

註釈

註釈
01 ヤマタノオロチが飲んだのは 八醞折の酒とも集果の酒八甕ともなっています この八は八岐大蛇に掛けたもので そのまま8回醸した貴醸酒とするのは疑問です ちなみに岐が8なら頭は9つです 集果の酒は9甕用意しなければ足りない
02 泡盛の起源がアラックだという解説が見られますが ココヤシ酒等は天然酵母で勝手に発酵します ワインと同じ猿酒です 穀物で酒を作るには麹と酵母を人工的に加える必要があり 泡盛とは製法がまるで違います
03 私は音韻論は分からないので私見ですが 神立ち(かみたち→かむたち→かびたち)黴立ち と変化したのではないでしょうか 醸すは雰囲気を醸し出すといった使い方をします いわば空気感のようなものです カムタチは何処からともなくやってきます また物議を醸すという言い方は 発酵の様子に似ているかもしれません(かむたち→かむたつ→かもす)と見るのが順当であろうと思います 噛むが醸すに音韻変化はしないでしょう
04 木花咲耶姫が天舐酒を作りました 巫女が米を噛んで糖化し発酵のスターターにするのは これが由来でしょう 神に捧げる酒造りは女性の仕事なのです 中世に至って産業化するに従い 男性が酒造りを担うようになります
05 宮中で行われる新嘗祭に白酒と黒酒が供えられます 白酒は清酒です 黒酒はこれに臭木の灰を混ぜたものです 昔の酒は酸度が高かったことから 中和するためです なお酒造りの際に米を搗く(精米)のは四人の女の人の仕事です おそらく縦杵と搗き臼を使うと思います 月の兎の姿ですね 生米を噛むのは女の人ですから その伝統を引き継いでいるのでしょう
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コピーとイラスト

図案屋さんと言われていた職業が グラフィックデザイナーに名が変わり 遅れてコピーライターが世に認められるようになったころ 印刷・広告の業界用語で コピーとイラストが使われていたようです
業界用語ですから厳密な定義はありません 簡単にいえば印刷物において コピーは活字で組まれたテキストの部分 イラストは凸版で作られたオブジェクトのことです

やがてコピー・イラストは印刷業界から離れ もっぱら広告業界の用語になっていきます イラストは写真を含む図像から 広告用の絵を言うようになり イラストレーターという職業が現れました 山口はるみさんが代表的でしょうか[01] … Continue reading イラストレーターの仕事はかなり広範囲で カットを描くのもポスターを描くのもレンダリングもカンプライターもパースライターも含まれます[02] … Continue reading
コピーは広告の文章を指していました 文章主体の広告はヘッドライン・リード・ボディコピーで成り立ちます そのほかにキャッチフレーズやクリンチャー クレジット キャプション といった用語もありました お名前は忘れましたが 手紙文のコピーでじつに上手い方がいらっしゃいました 女性のコピーライターなのですが 背景のストーリーが想像できるのです たしか銀行の広告でした[03] … Continue reading

キャッチフレーズはかなり曖昧な領域で ヘッドラインのことであったりコンセプトワードと重なったりします ときにはテキストでないキャッチもあります イラストがキャッチがわりになるときは アイキャッチャーですね テキスト(フォント)をイラストのように扱うこともあります[04] … Continue reading
そんな事情から本来キャッチフレーズが正確なのですが 通常はただキャッチとだけいってました 文案であって文章ではないのでフレーズです 広告は論文なんかのように書き方が決まっているわけじゃないし レイアウトの原理原則なんてありません[05] … Continue reading ボディコピーがキャッチの場合もありえます 似たものとしてコーポレートスローガンがあります これはキャッチとは領域が違います[06] … Continue reading

ひと頃もてはやされたイラストレーターは もはや職業として成り立たず コピーライターという職業は最初からなかったように思います 私感に過ぎませんが 久保宣はまだあるし イラストレーターを目指す人もいらっしゃるでしょうから
画家は挿絵を描いてもイラストはなかなか描けません 小説家や随筆家が広告コピーを書くこともできません イラストレーターは画家というより絵師です 自分の描きたいように描くのではなく 注文に応じて作画します[07] … Continue reading コピーライターに近い職業は思い当たりませんが 作詞家が似ているかもしれません コピーは依頼されて書くもので自分の書きたいことを書くわけじゃない 根本的にマーケティングを理解してないと書けません[08] … Continue reading

註釈

註釈
01 イラストレーターと言われたのは 黒田征太郎さんや横尾忠則さんからでしょうか 横尾さん自身はイラストレーターという意識は持ってなかったようです
Adobeイラストレーターは 本来の意味である図形描画ソフトであって お絵かきソフトではありません
02 カンプ(コンプリフェンシヴ)を描いたのは特に写真主体の場合 実際に撮影するわけに行かなかったことが大きな要因です サムネールから始まって カンプを提出するのは最終稿のようなものですから それを下地に撮影することもあります 有りネガをメインに使うのは無理ですね
03 もとサンアドにいた開高健とかが サントリーの広告に手紙文みたいなのを書いてましたが 下手ですね全然よくなかった TVCMの南アルプス天然水はバックストーリーがあって面白かったですけれど
04 山口はるみさんのエアブラシを使った女性像は 渋谷パルコの文字通り顔となり 独自のカルチャーを象徴していました アイキャッチを超えて渋谷の原風景とまでなったのです
西武池袋セゾングループは 糸井重里さんのコピーとくにキャッチフレーズが秀逸で シンボルとして機能していました 無印良品のロゴはゴシック体の活字風のテキストそのものです アイキャッチャーでありコンセプトワードでした 田中一光さんの作ですね
05 良寛様の書の優れたところは 布局にあります たとえば「天上大風」を見ると 文字が中央でなく極端に左下端に寄っています 署名は本文に重なりそうで窮屈 書としての様式からすればデタラメですね だが実に収まりがいいのです 署名は全体のバランスの上で要石となっています たまたまそうなってしまったということはない 明らかにレイアウトを意識しているのです しかも文字の運筆にいささかの澱みもない 良寛様は古今の書を勉強しています その成果に天性の感覚が備わったのでしょう
06 スローガンは団体の理念・目的を表す標語です 江戸は酒の大消費地で伏見の諸白が下り酒の代表でした ここに後発として参入した灘五郷が使ったスローガンが「灘の生一本」でした
07 江戸時代の錦絵(浮世絵)は版元がプロデュースし 絵師・彫師・摺師のコラボレーションで作られました 絵師は下絵担当です なので原画は残らない 横尾忠則さんの画集には 初期のポスター作品も収載されています 原画として残っているのは版下に色指定したものです
08 ジャンルは違いますが 声優という職業も昔はなく ほとんどの方が兼業でした 青二プロができた後に 世間から認められたのではないでしょうか いまや声優は確固たる地位ができ 様々なキャラの声を使い分ける 専門の技術も確立されているようです
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