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縄文より続く日本の文化伝統 投稿

ブランドは焼きゴテ、ブランディングの意味

コーポレート・ブランディングとは企業イメージを設定・構築することです
イメージ構築は社是・社訓みたいな抽象的な言語化だけでは 容易に受け入れてもらえません 企業理念の言語化に加えて視覚化が必要です 言語化+視覚化の最初はロゴとマークになります

ブランディングアイアン(branding iron)という言葉をご存知でしょうか 焼印用のコテです 身近に見かける焼印はカマボコ板やどら焼きにありますが branding iron となると西部劇なんかに出てくる 牛の所有者を表す焼印用コテです brandという言葉自体 焼印を捺した牛のことだそうです(日本でブランド牛というと だいたい霜降りの牛肉です
牛に焼印(ロゴ・マーク)を捺すことで所有者を示す すなわちこれがブランディングです 差別化とか付加価値をつけるというのとは全く違う いわば出自を明らかにするために行うことです

ではスローガンやキャッチフレーズ ロゴやマークを作ったりリニューアルすれば、ブランディングは完了か 企業・商品の場合 そんな簡単なことでないのは誰も分かっている 牛に捺す焼印じゃないのだから 中国や韓国のパクリ商品は牛泥棒みたいなものです

企業イメージを構築するのはとても難しい 時間もかかります その辺が昔流行ったCIとは異なる施策です(CIは5年しか効果がないものだ とか言い訳してましたね)
いちばん大切なのは経営者のぶれない信念です 経営理念を明らかにし 社内に浸透させ社員が体現し(まずは社内の意識を統一すること) さらにお客様にもご理解いただくのが コーポレート・ブランディングです

通販に見るブランディングの事例

「ジャパネットたかた」さんが低迷しています これはブランディングの失敗だと思います 高田社長のキャラクターが立ち過ぎました 会社のイメージを創造することができなかったのではないか
TV通販に注力し過ぎ インターネット通販に出遅れたからという説がもっぱらですが そうばかりとも言えないでしょう

e-コマースの代表 アマゾンの創業CEOジェフ・ベゾスは マスコミ嫌いらしく ほとんどメディアに露出することはありません(高田社長と正反対です) その辺がTV向きとインターネット向きのキャラクターの違いでしょうか

しかしポリシーはアマゾン社内に行き渡っていて たとえばオフィスで使うデスクは 古いドアを再利用するのが伝統だといいます 変わった形の視覚化ですが商売人ですね  吝(しわ)いことは商人の美徳といえます
アマゾンでは《リーンカルチャー》といっているそうです カルチャーですよ 社内文化こそがブランディングの始まりです 企業文化という言葉はよく聞きますが コントロールできているところは非常に少ないと思います

その外にも本社ビルの呼び名をアマゾン最初の顧客名にしたり コーヒー好きなCEOの影響で本社内はいたるところ シアトルコーヒーの香りが漂っているとか 視覚化どころか嗅覚まで アマゾンはベゾスカラー一色です
これは計算されたブランディングではないでしょうか 繰り返しますがブランディングの第一歩はまず社内からです

高田社長自らが インフォマーシャル・スタイルで売っていた初期の頃から 私は注目していましたし好きでした 当時すでに今のマスコット(ユルキャラっぽい社長)を使っていたような気がします
ジャパネットたかたは 今や一千億円を超える売り上げを誇る大企業ですから 企業経営はシステム化されていると思います 社長の信念がどれほど社内に行き渡っているか 外部からでは分かりません でも社長のキャラに圧倒されているように見えます

取扱商品の幅を広げても 若手を育てても 高田社長の代わりはできないでしょう まさか社長キャラの着ぐるみで売るわけにいかないし あの甲高い声で機関銃のようにまくしたてるのも真似できません

「ジャパネットたかた」はインフォマーシャルで売るTV通販(無店舗販売)です 対して「アマゾン」はホームページが店舗のカタログショッピングです 別に「ジャパネットたかた」がインターネットに出遅れたとか 対応できなかったわけではなく 業態が最初から違います アマゾンは厳密にいうと通販ではありません ビジネスモデルとしては完全に物流業 インターネットを使ったロジスティクスこそがアマゾンの本質です

通販において 社名やロゴはさほど重要ではないとされていました プリント媒体でいちばんでかく書いたり 電波媒体でしつこく連呼するのは 電話番号というのがセオリーでした
日本の通販では ブランディングなど ほとんど考慮されていなかったのです その中でジャパネットたかたは異彩を放っていました しかしブランディングという観念ではなかった

マスメディアを使って広告していた頃はそれでよかった インターネットのユーザーはTVのオーディエンスと違いますから 単なる一方的な情報の受け手ではありません 主体的な行動をとる人たちです 真摯なイメージ構築が求められます
いくら視覚化が大事だといっても ユルキャラでブランディングはできません

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横町の復活

道路と鉄道

ヨーロッパの都市は中央の広場を核にしている 多くの広場には教会がある 商店街は中心広場に向かう放射状の道路に形成されるから いわば門前町である そして突き当たりは広場なので 自動車の通りは比較的少ない

日本の商店街は 街道筋に形成されたものが多い(中心核がない) 人馬が通る街道ならそれでよかった 昭和40年代くらいまでは まだ車より人の往来で賑わっていたように記憶する
おかしくなったのは1970年代以降ではないか やはり田中角栄「日本列島改造論」あたりからだろう 公共投資の名で税金を使い続ける そして1973年のオイルショックから ついには1975年の赤字国債発行へと突き進む 

田中角栄の論は鉄道輸送から高速道路へのシフトが中心だった しかし昔の物流は川を利用した舟運 人馬の交通は街道と分けられていて 鉄道は舟運に代わるものであった
だから多くの鉄道は川沿いに引かれている 駅も街の中心地ではなく 町外れ(船着き場)に作られた

角栄は生活道路と産業道路の隔離を目指していた それなら舟運を復活すべきであったのだが 結局は物流と交通を一緒くたにしてしまった 鉄道(舟運・物流)と道路(街道・交通)が役割を交代させたということか
人の歩けない道路ばかり増え 今や地方は車なしでは生活できないところまで来てしまった 新幹線建設も然り 街道でも物流でもない無意味な投資だ そのため在来鉄道も役割を見失った 新幹線沿線の町も鉄道も衰退するしかない

生活道路

このようないびつな交通網の中 半ば自然発生の無計画な商店街は もはや成り立たない 駅前通りは閑散とし 郊外の巨大ショッピングセンターも役割を終えた
商店街の活性化は横町の復活がカギと考えている メインストリートだけではダメなのだ 都市計画の立てられない地方にこそモール(横町)が必要だ

横町のいちばん大きな要素は「抜けられます」であろう 買うことを強要しないフリーな空間 日常の生活に溶け込むことで かえって人の流れができる
商店街は元々そうであったはずだ 非日常の特別な「はれ」の場ではない 大分の唐揚げ屋さんは住宅街に出店するという 生活に密着した形態だ

そして基本はカー・フリーだ 日本の地方都市が衰退したのは車社会が原因なのだ 車と歩行者が同じ道路を使う 車の流れは人の流れを阻害し断ち切る
B級グルメで人を呼ぶ 産直販売所 道の駅 予算を使うための数字合わせに過ぎない「経済波及効果」というまやかし(風が吹けば桶屋が儲かる方式) そんなものは地方経済の活性化に繋がらない

地方経済の活性化 経済的独立は物流・交通を見直すことから始まる

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九州経済圏

先に北海道の地域経済に関して書いたが 北海道の人口は547万人 この数字に基づいて 独立した経済圏としては 500万人の人口が必要という内容だった やや広いものの地形的には平坦で トラック輸送を中心とした物流網を形成しやすい

四国の人口も414万人と北海道に比べ遜色ないが 中央付近を山岳地帯が占めるという地形の問題がある そのため利用できる面積が海岸よりに限られ狭い 物流も陸路では制限があった
かつて水軍が多かったのは 瀬戸内の海路が主な物流手段だったから 島と島は海で隔てられているのではなく 海で結ばれている 坂本龍馬の発想には まだまだ学ぶべきものがある

九州の人口は1323万人である 北海道の倍以上だ 半分以下の面積とはいえ 充分に独立した経済圏として成り立ちそうである
九州は古来より 半ば独立国だったといえる 面積・人口・産業の集約 そして何より立地条件(陸続きでないこと)と文化 なにしろ薩摩藩などは 度量制も江戸徳川とは別のものを用いていたそうである

経済面で徳川との大きな違いは 何といっても米のみに頼った財政ではない事である 中国との密貿易もさかんだったようだ 薩長が徳川に取って代わったのは けっして偶然ではない 維新の志士の働きばかりでもないのだ

松平容保があれほどまで奮戦したのも 近藤勇が甲府城へ向かったのも すべて家康の定めた古制に従った行動だった 徳川が薩長との戦いで戦費の不足を賄うのに 新田の開発を計画したところに端的に表れている 時代の流れをまったく無視している

現在 世界中の独立国で 人口1千万人以下の国が半分以上だ これらの国々がすべて経済的にも独立しているとは考えられないが やはり経済圏としては500万人前後から1000万人くらいが いちばん効率的な気がする

要は交通・物流 水運 陸運 その意味でも九州の豪華寝台列車「ななつ星」がどんな展開を見せるか 注目したいものだ

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