コンテンツへスキップ →

商店街から米屋と酒屋が消えたのはなぜ

かつて商店街が賑わっていたのは 地域内で経済が循環していたということです 八百屋さん・魚屋さん・肉屋さん 衣料品店・金物店・荒物店などが揃い 町中で日常生活は滞りなく営まれました
百貨店はボンマルシェや三越がそうであったように 年に数回行く 買い物だけでない特別な場所です スーパーマーケットが中途半端な形で取り入れられたため 棲み分けというか使い分けが機能しなくなったのです

地方都市だけではありません 東京近郊の市街地でも30年ほど前まで 休日の商店街は人波であふれていたのに 今や閑古鳥が鳴いています
いちばん大きい原因は駅前再開発です パルコなど大型の専門店商業ビルが成功したのを真似 各地で亜流の大型ビル計画が立てられました

しかし駅前の土地は 敗戦後の混乱に乗じて第三国人たちが闇市を作っていました その影響による複雑な地権のため 土地の収用は進みません
そうこうするうち結局 再開発ができた頃には購買行動が変化しており 期待通りの集客ができないどころか テナントも集まらないことになりました

地方都市の場合 歩行者がいなくなったことが直接の原因です 車中心の交通により街道筋にあった商店街に客は寄りつきません 店の集積度が高いのが災いして 駐車スペースを作れなかったのです
そして本町通り商店街の空洞化が始まります 多様な店舗の集積度が賑わいを呼んでいたのですから 空き店舗ができるともう歯止めは利きません 連鎖して寂れていきます

やはり利権が絡んでいる

戦後の配給制は利権を生み出しました 米屋・酒屋は免許制ですから 営業努力をしなくても客はやってきて物が売れます
なにも戦後に始まったことじゃない 江戸時代以前より 米と酒は行政の主な税収源でした 藩の財政は米で賄われます そこで癒着がおこるのです 今もそれは変わっていません
米と酒類の自由化で 商店街から米屋・酒屋が消え去りました 酒の安売りのおかげで町の酒屋がなくなったわけじゃない
酒類の税金が高いから 免許制に寄りかかって商売していたからです 酒の安売り店も とうに商売が成り立たなくなっています

セブン・イレブンはアメリカ発祥のコンビニエンスストアでした 日本で急速に発展し ついには日本法人が本家アメリカを買い取ってしまいました
イトーヨーカドーはフランチャイジー開拓に 米屋と酒屋を狙い撃ちしたのです これが功を奏しました

町の米屋と酒屋は利権に守られて商売していました すべてフランチャイザーがお膳立てして 自分たちはただ客を待つだけの商売に飛びつきました 消え去った米屋と酒屋は 軒並みコンビニに模様替えしただけだったのです
いまや米も酒もスーパーやコンビニで買うものとなりました 酒税を上げて町の酒屋の活性化を図る?[01] … Continue reading どこに酒屋があるというのか あるのは相変わらず役人とその周辺の利権だけです

註釈

註釈
01 明治時代に酒税法ができました 明治32年の国税に占める酒税の割合は 35%を超えていたそうです 富国強兵・軍備増強の原資は酒税だった? 今も日本の酒税は世界一高いままです

カテゴリー: マーケティング戦略論