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タグ: ヨーロッパ

結婚式・婚姻届・家族の姓、諸外国と日本

このごろ 同棲・内縁関係を「事実婚」と言い換えている勢力があります 日本には事実婚という制度も用語もありません 婚姻届けを提出しないのは内縁関係です
また事実婚と内縁関係は同義語でもありません 夫婦別姓を認めろと言っている連中と同根かと思われます 何を意図したプロパガンダかは分かりませんが

後段で書いているように 日本の制度で出生届は名だけです 姓はその時の戸籍の呼称ですから 籍が変われば姓も変わります 諸外国は出生届にフルネーム(姓・名)を記載し 生涯変わることがありません(戸籍制度はないので 姓と名はともに個人の属性です)
けれども結婚した時には通称名として夫の姓を名乗り 子の姓も父方のサーネームにすることが多いようです 家族の一体性を大事にするのは万国共通です

結婚式を挙げる意味 事実婚の由来

キリスト教国の結婚式は教会で執り行います よく映画などで「汝はこの女を妻として……誓うか?」と神父なり牧師が問い「はい誓います」と新郎が答えます この誓約が結婚式の本義となります
それでは何に対して誓うのでしょうか 二人で誓いあうのでもなく 参列者に誓うわけでもありません 神に約束するのです 牧師・神父は立会人として 神への誓いを司ります

キリスト教の結婚式は 婚姻を神と約束するものだからです この約束は個人と神の契約なので双方が誓う必要があり 新婦にも同じ内容を問います[01] … Continue reading 花嫁が誓う前にかっさらえば結婚は成立しません(昔そんな映画がありました 多くの日本人は単に 結婚式を台無しにした狼藉者 ぐらいにしか見てなかったようですが[02] … Continue reading

死が二人を分かつ時までとは この世にある限りという意味です 神を証人にして永遠の愛を誓うわけではない 死んだ後は神の兵士として天国に召集されるので 婚姻が永遠に続くということはありません 婚姻の契約は死とともに解約されます[03] … Continue reading
カソリックでは離婚が認められません 神との約束を破ることになるからです 神に誓ったことを守らなければ死後は地獄に落とされ 悪魔の手先とならなければなりません 生きている間も棄教した者としてコミュニティから爪弾きされます

さて世の中には そこまで神と約束できないという人がいます 離婚することが悪魔に魂を売り渡すとなると 迂闊には結婚できないとか 死ぬまで一緒にいる自信がないという場合もあるでしょう
そのような時は結婚式を挙げず 市役所等に婚姻届だけを提出します 神との約束を避け法制度上の結婚をするわけです(戸籍制度がなくても婚姻届の制度はあります) 神との約束は法に優先します この場合は市長などが立会人を務めます 日本の婚姻届の証人に当たります

これが事実婚の制度です つまりキリスト教国(とくにカソリック圏)特有のものなのです[04] … Continue reading もちろんキリスト教国でも婚姻届を出さないで同居する人たちはいるでしょう それは事実婚とはまったく異なります 法に基づかない同棲・内縁関係です

キリスト教国で社会的また法的に 内縁関係というものが容認・保護されているかどうかは知りません 結婚式はきわめて宗教的なものですし 生まれた時に洗礼を受けることから始まり 生活の全てに宗教は関わっています 日常生活に宗教の規範が及びますから 日本ほど内縁関係に寛容ではないと思います だから事実婚という制度が必要になったのです[05] … Continue reading

結婚と家族の姓、諸外国と日本

夫婦・親子の姓については それぞれの国の家族に対する慣習・歴史から規定されていることです 祖父の名や姓を氏に冠したり 夫婦の苗字をつなげたり 代々の祖先名をミドルネームに取り入れたりと諸外国には様々な習慣があります
戸籍制度のない国のほうが多いので このような姓は家族関係を明確にするという意味合いがあります Mc〜・〜son・Fitz〜・〜vicは 全て〜(父方)の息子という意味です
王族なので姓はありませんが シャーロット・エリザベス・ダイアナは ちょっと物悲しいですね イギリス国教は離婚可能です 王様が自身離婚するためにカソリックと袂を分かつことにしたのです

簡易結婚式で有名なラスベガスでは ドライブスルー結婚まであるそうです(これなんかも事実婚といっていいでしょう) ある州で発行された婚姻証明証が全米で通用します 商標登録(® ™)と同じような制度です 各州ごとの自治制ゆえのことです
アメリカには戸籍制度・住民基本台帳(日本の住民票に相当するのは SSNや納税証明書など)はないので 結婚しても離婚しても姓はそのままです 出生届の姓名が公式名で生涯変わりません[06] … Continue reading

子が生まれれば出生届を出します 両親の姓名とラストネーム・ファーストネーム・ミドルネーム(必須ではない)が記載され これが本名(フルネーム)となります
ラストネームはサーネームとも呼ばれ本来は家系を表します[07] … Continue reading 日本で言えば氏・姓に相当します アメリカでも父方のサーネームにするのが一般です 母方の苗字(名字)を付けることはまずありません ミドルネームを母方の姓にする例はあるようです

ただ結婚で通称名を変えることは多々あります 大半が夫の姓を名乗ります ヒラリー・クリントンは本名じゃありません あえてクリントンを名乗るのは選挙戦略上のことです 結婚したら夫の姓を名乗る よき家庭婦人をアピールすることになります
あるいは通称名として双方の姓を併記するのもあります 婿養子という概念はないので 通称名に妻の姓を名乗ることはほとんどありません とくに通称名を名乗らなければ姓はそのままということです

社会生活上は強制されずとも夫の姓を名乗る 子供の出生は父の姓で届ける アメリカは多民族・多宗教の国ですから これが世界の常識を表すのではないでしょうか

日本では結婚して分家に出るとき氏の文字を変えたり 住んでいる地名が通称になりそのまま氏として名乗ったりと 融通をきかせた扱いが目立ちます そのため日本の氏姓は世界でも珍しいほど多様となりました 中国・韓国と違って生家の家名にそれほど拘りがなかった証左です

家系とか出自をことさらに言い立てるのは かの国の習慣のようですから 孔子の子孫を名乗る者が世界中で数百万人いるそうです(有料の登録制らしい)
夫婦別姓を言い触らす連中は 大陸・半島に倣ってのことかもしれません アメリカの中国系・韓国系は 世界の常識からかけ離れて夫婦別姓です

婚姻、日本の伝統

日本の結婚式は花嫁の披露宴(お披露目)です 白無垢衣装で実家を出て婚家に入り 誕生を象徴する赤い衣装に着替えます(お色直し) 生家から婚家に生まれ変わることになります 実家の両親は披露宴に連ならないので 花嫁道中は仲人が先導するわけです[08] … Continue reading 婿入りの際は聞いたことがなくよく分かりません たぶん同じだと思いますが お色直しはあるのだろうか
婿入りも嫁取りも考え方としては養子に近いものです 帰属する組織(家)が変更になったことを公に周知するもので 宗教的な意味合いはありません ですから離婚(離縁)も比較的自由です 三行半とか駆け込み寺[09] … Continue readingですね

日本では古くから戸籍制度が整っていて 息子が家督を継ぐ資格を得るのは 成人して幼名から名を改めて後(武家は17歳で嫡子として届け出る)になります この改名ないし襲名の儀式を官途成(かんどなり)と呼び 家督相続の婿入りと同等に扱われます 事情により廃嫡もあります
落語なんかに出てくる勘当は人別帳から除籍することです 相続権を失うだけでなく無宿人になってしまいます いったん除籍すると復籍は非常に困難です 町役人もその辺は心得ていて よほどのことがなければ通常は人別帳から外すことはなかったようです

武家が家を大切にしたのは 俸禄が家に対して下されるという事情のためです 武家社会は本来軍事組織(一家が小隊か中隊に相当します)です 男子が家を継ぐのも軍事組織ゆえのことです
家禄は戦に備える意味で兵糧米として支給されます(米が貨幣の代わりに流通したわけではありません) 太平の世になってもこの慣習は続きました 今が平和といっても戦が起きないという保証はないのです

商家もこの習いを継承しました 主な理由はのれん(ブランド)を守るためです 武家の家名も一種のブランドです どちらも子がなかったり娘しかいないときは婿を迎え入れました 相続の際に長男であるとか血統はさほど重視されません

とくに商家や剣術道場などは実力主義ですから 長男がいても養子を迎え入れることはよくあります あとは分家とか暖簾分けとかで辻褄を合わせたりですね
武家でも嫡子は正室の長男と決まっていないので お家騒動が起きることになります

婚姻には嫁取り婚と婿入り婚があったわけで 男女どちらにしろ新しく家族に加わるということです 家付き娘という例もあります(淀の方が実子に拘ったのが豊臣滅亡の原因?)
商家は屋号の元で武家は家名の元で一家を成します 明治以前は嫁や婿が別姓だったなんてデタラメです 姓は家を表し個人には名しかないのですから[10] … Continue reading

女性が虐げられていたとか男尊女卑の社会などというのは 日本の伝統をないがしろにし事実を歪曲するための 言いがかりに過ぎないのです
日本では巴御前から始まり 肝っ玉母さんに至るまで 女傑の話はいくらでもあります 娘だけでなく嫁が家を継いだり 家付き娘が婿を離縁するなんて時代劇でおなじみです[11] … Continue reading

夫婦別姓論のまやかし

アメリカでは出生届の姓名(フルネーム)が一生涯変わりません しかし戸籍制度がある日本では 婚姻届によって姓を変更できます 中国人が日本名を戸籍名として名乗ることもできるのです
男女どちらも出生届は名前だけで姓は仮のものということです 別な言い方をすれば日本には戸籍名があっても《フルネーム(本名)》がないのです これを家制度といえばそうかもしれません[12] … Continue reading

諸外国では暗黙の社会階級制・身分制がいまだに維持されていて それぞれが独自のコミュティを形成しています 難民・移民・流民も同様です 〇〇タウンを形成して相互共同生活を営みます 階級は固定されていますから 戸籍に相当するシステムが必要なかったのでしょう 家制度ではなく族長制度なのかもしれません
別のコミュニティ同士の行き来(婚姻も)はなく時には対立抗争します ロメオとジュリエットやマイ・フェア・レディそれとウエストサイドストーリーの世界かな 私は見たことないのですが 韓流ドラマとかいうのも身分違いの恋愛話が多いそうですね[13] … Continue reading

日本国憲法の英語原文を機械翻訳させると「結婚は男女両方の相互同意だけに基づきます、そして、それは基礎として夫と妻の平等の権利との相互協力を通して維持されます。」です アメリカの結婚観をベースにしているように見えます
GHQ(国連軍総司令部)草案では日本の家族制度を否定する文言があったようです 浅はかな誤解と偏見によるものなので削除され このような形に落ち着きました[14] … Continue reading(常任理事国と敵国条項がいまだ残る国連は 別に公平中立な組織ではなく 世界の良識を反映しているわけでもありません)
諸外国にも家制度はあり 現在に続いています ヨーロッパの貴族社会も家産を守ることが代々当主の務めです ただし当主の妻に財産の所有権はなく 社交のための経費は持参金で賄うのが通例です(女王陛下はどうなんだと言われるとよく分かりません)
つまり玉の輿はない シンデレラでも必要な衣装などは魔法で調達しています 婿入りもありました この時は当主として入るので財産を引き継ぎます 貴族は日本の武家と同じく軍事組織でしたから 王様の命で兵員を供給する義務がありました 財産を分割したら軍事費をまかなえません

世界的に夫婦別姓が多くなっている といった言い草は全くのデマゴギーです もともと戸籍制度がないため 結婚しても姓が変わることはない というだけのことです 結婚したら自由に姓を選べるなんて国はどこにもありません 本名(フルネーム)は一生変わらないのです
それにもかかわらず 通称名で夫の姓を名乗ったり夫婦の姓を併称する国が大半です(出生届を改名まではしません ニックネームが社会的に通用するのです) これをどう考えますか 家族の一体性を大事にするということでしょう それが世界の常識であり日本の伝統も同じことです

朝鮮半島で結婚しても女性の姓が変わらないというのは 両班の世界は嫁に相続権がないことからです(このへんは西洋貴族社会と似ています) 儒教に基づく中国の身分制に由来する 厳格な家父長制が今でも続いているのでしょうか
移民・流民がコミュニティを形成して暮らすのは 世界的に見れば普通のことです 日本において頑なに帰化しない第三国人がいるのも常識的な姿といえます 民族性や宗教・歴史を無視し日本人と同じに扱うというのは 固有の文化を認めない一種の同化政策志向かと思います また日本人が彼らの慣習の真似をして 夫婦別姓を主張するのも おかしなことです

註釈

註釈
01 神との契約は個人です 子を洗礼してもらうことはありますが 家族単位で入信ということではありません これが個人主義の原点です 家制度と大きく違うところで 日本国憲法の「婚姻は両性の合意のみに基づき云々」も キリスト教の教えに沿ったものなのです さらに言うなら基本的人権も 神が人間に与え給うたもので 法によって規定されるわけではありません(権利の章典がはじめといいますが この章典自体がキリスト教規範によるものです) したがって動物や異教徒には適用されないのです
02 映画「卒業」の有名なシーンです 最初見たとき気付かなかったのですが 映画では花嫁も誓ったあとに 二人して教会から走り去ります 日本なら駆落ちに相当する事態です
アメリカで神に誓った直後 反故にするなど とうてい認められない行為です 西部劇で教会に乗り込んで その結婚に異議ありと 叫ぶシーンがあった気がします これは花嫁が誓う前なので 神に背くことにならない
既成の権威に反抗するものの結局 所属するコミュニティから離れての未来はない アメリカ・ニューシネマらしい展開ですね
03 日本の結婚観で結婚と生死は結びついてなかったのではないか 「あの世で添い遂げよう」とかいう科白は心中物(道行)の中でしょう 周囲に認められずに駆け落ちする場合ですから 死後も一緒にということではなかった 日本は生きている間でも簡単に離婚できたのです
04 カソリック国スペインの皇太子妃は離婚歴があります しかし教会で結婚式を挙げない 婚姻届だけの事実婚だったので 皇太子と結婚することができました
05 結婚の形態は3つあるのではないでしょうか ひとつは同棲です 動物の番と同じく本能に基づくカップルと言えます 同棲が長く続くと日本の法律では内縁関係とされます キリスト教圏の事実婚に近い形になるわけです
日本では婚姻届を出し新たな戸籍ができた形が正式な婚姻とされます キリスト教圏は神に誓約するのが正式な婚姻です 戸籍制度は日本だけですが いずれの国も婚姻届の制度はあります 婚姻は社会的な手続きであって 同棲とは峻別されます
06 出生届の原本はワシントンDCに置かれます アメリカ国籍を表すものですから 連邦政府の所管になるわけです 婚姻届は各州が管理するので 結婚と親子は制度上直接の関係がない 日本の制度に当てはめると 婚姻届を出した州が本籍地になります 考えてみれば子のない夫婦(家族)はいくらでもあるわけで 結婚(婚姻制度)と親子関係は別のものです
07 親が離婚・再婚しても 改姓しない限り出生時のサーネームは変わらない 婚姻と家系は一緒ではないのです また親子関係も結婚とは別もので 日本と違い親権といった観念はありません 日本でいう親権は旧民法の父権からそのまま引き継いだもので 子供の養育義務とは違うものです きわめて儒教的な概念といえます
08 大叔母から聞いた話です 大叔母の嫁ぎ先と当家は500年ほどの付き合いがあります 共に上田衆ですが嫁ぎ先のK家は城持ちの豪族だったようです 御館の乱のあと春日山城から落ち延びて以来 たがいに嫁や婿のやり取りをしていたのは 血筋を絶やさないためだったと思われます
09 教会で結婚式を挙げるキリスト教に対し 離縁は寺に駆け込むのが日本の風習 戒律に囚われるより方便として使う 宗教観の違いというか 自由な感じがします
10 農村で足入れ婚なる風習があったそうです 妻問婚の変形であるとか嫁を労働力として扱ったとか あるいは婚家で養育をせず 子供が大きくなるまで実家が面倒を見るためと言われます 母系社会の雑婚が形を変えたものでしょう
民謡の「おてもやん」歌詞では 嫁入りと祝言の盃を別のこととしています すなわち祝言は 新たに家族となった嫁の披露(宴)です 幕末に作られたお座敷歌で 当時の婚姻観を表しています おてもやんは自由奔放ですね まったく囚われることなく婚姻を解消し 周囲もそれを容認 世話役たちが後始末しています
11 イエズス会のフロイスが書いているように 戦国時代から妻が夫を離縁することはよくありました ヨーロッパ社会とは大違いです このころはまだ家父長制が確立されていなかったのです(明治時代に作られた家父長制と家制度は異なります 明治以前は長男とか嫁とかで差別はなかったのです)
平塚らいてう氏の生き方は実に見事です 女丈夫といっていいか 「青踏」冒頭の原始女性は太陽であった で示されるように西洋の物真似ではなく 母系社会日本の伝統に基づくのです 家父長制のような小さなことに拘っちゃいない 明治の時代に受け入れられなかったのは 儒教精神の批判であったからです
12 渡世人の世界で〇〇一家とか親分・子分というのも 身内を擬似的な家族とみなすからです 伝統的なマフィアの〇〇ファミリーは 本当の血縁のようですね 社会生活は家族を単位として営まれます アウトローの世界でも家制度が基本となります 家制度は法律以前の世界的な慣習なのです
13 在日韓国人の娘さんが日本人青年と恋愛したのですが 結婚を親に反対され自殺してしまいました ずいぶん古い話で伯母の住む近所の出来事でした 日本の戸籍制度との軋轢でしょうか 朝鮮戦争から逃れて日本に住み着いた半島の方々が決して帰化しないのは 生家名・家柄を大事にし民族の血統を重んじる伝統かと思います
14 社会を構成するのは個人ではなく家族です 新しい家族として社会に参加するのが結婚ですから 婚姻届けという社会的な手続きが必要なのです 同棲を事実婚などと言い換えている連中は 家族を否定するのが目的ですか
日本国憲法を作ったアメリカでもそれは変わりません 西部開拓の歴史は家族協力の歴史でもあります この場合の家族は必ずしも血縁を意味しません 里親というか周囲が協力して子を育てます 赤毛のアン(カナダですが)とかフルハウスの世界です 個人の権利と自由を尊重することと 家族を大切にすることは矛盾しません
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デマゴギー、アジテーション、プロパガンダ

ブッシュ大統領が言ってましたスローガン「悪の枢軸国」 私たち日本人にはかなり違和感がある言葉です でもアメリカ人には受けた
「連合(Alliance)」と「枢軸(Axis)」は軍事同盟の様相を示す言葉で 悪とか善とかに関係ないのですが これを結びつけるレトリックは煽動の典型です
アジテーションにおいて選択肢があってはいけません 極端に単純化した感情的な善悪二元論を何度も反復し それを受け入れるか拒否するかを迫るのです 内容が事実であるかどうかは その際まったく問題にされません[01]保守反動とか進歩的文化人 右翼だの左翼だのセンターだのとレッテルを貼るのも 物事を単純化して思考停止するプロパガンダの一つです
一般のアメリカ人にとっては インディアンを討伐する騎兵隊や メキシコ人を掃討するテキサスレンジャーと同じ感覚のヒーロー像でしょう

2016年大統領選挙の予備選で ドナルド・トランプが一定の支持を得ているのも同じ理由です 差別的発言を繰り返していますが 分かりやすい敵を作り出すためです)

連合国対枢軸国 軍国主義対平和主義 有色人種対白色人種 先進国対未開発国 文明人対野蛮人 東洋対西洋 南半球対北半球 共産主義対資本主義 労働者対資本家 おおざっぱに言ってしまえば 二元対立論ってキリスト教的なんじゃないかなと思います
アメリカ映画を見ると 地方都市は人種・宗教・出身国ごとのコミュニティで形成され それぞれにボスがいます 一番強い結びつきは宗教でしょう もちろん映画のことですから誇張はされていると思いますが かなり実態を表しているのではないでしょうか

日本人にとってなじみ深いのは 三大◯◯ これは三角関係でも三すくみでもなく 三者が並立しています とくに優劣をつけない 争いがあっても「三方一両損」なんかで体良くまとめようとする
日本が宣伝戦に弱いのはこの中庸の感覚かもしれません アジテーションは善悪2者択一で「どちらとも言えない」という第3の選択肢はないのです 善でないものは必ず悪であって 両者痛み分けもということもない
政治でいえば中道の第3極がキャスティングボードを握るなんていうのも世迷い事です どっちつかず右顧左眄に過ぎない 国連ももちろん中立な立場ではありません(それにしては国旗に三色旗が多いですね)

シーシェパードはオーストラリアだから白豪主義が支えているのでしょ 根本のところではキリスト教に由来する考え方 つまり人間は他の動物と違い 神に選ばれた特別な優れた存在 だから他の動物を慈しまねばならない でもこれが白人優位に結びつくのはどこから 十字軍あたりなんでしょうか
異教徒は人間に似ているが動物並みの野蛮な存在 だからクジラを食べる日本人は共食いである といった理屈ですね カンガルーはノアが救わなかったのに勝手に生きて繁殖していたから 食うのはお咎めなしなんだろうか[02] … Continue reading じつに粗雑・浅薄な思考です キリスト教徒に日本文化論を持ち出しても無駄です

植民地支配とキリスト教

まぁ要するに昔のイエズス会みたいなものです 神の教えに背くものは本当の人間といえません イエズス会といえば 植民地化の先兵として 果敢な布教活動をしていた歴史があります 宣教師の宣は宣伝・宣撫(プロパガンダ)です 神学は植民地支配に都合のよい理屈として使われた面があります
日本で成功しなかったのは 信長に取り入ったからでしょう 情勢を見誤ったのかもしれない カソリックの情報網は世界的なもの(今でもバチカンの情報組織はモサドに次ぐ実力といわれます)でしたが さすがに極東の島国までは網羅できなかった

キリスト教徒の多くは文盲でしたから 神父が持つラテン語の聖書はたいそう神秘的で信仰の対象でもありました 皆が聖書を読むようになったのは宗教改革の後です これには印刷技術の発展が大きく寄与しました
仏教でも経文に重きを置く法相宗などありますが 経巻自体を崇めることはしません 大事なのはそこに書いてある内容すなわち「識」です また日蓮宗では経文の文字がすべて仏と見なされます これは日本人の識字率が高かったためでしょうか イエズス会にとって日本は布教しにくい国であったと思われます

植民地支配の常道はその国の貴族階級に特権を与えて 二重支配というか間接支配することです イエズス会もやはり戦国大名を布教の対象としていました でも日本には明確な身分制・階級制度がなかったので うまくいかなかった 下克上の時代は庶民の時代であったことを見抜けませんでした 太閤秀吉の存在を軽く見ていた節があります
庶民は異国渡来の案山子の神様として あらたかな豊作の呪力を期待し クルスを拝んだという話もあります してみると隠れキリシタンがマリア観音を拝んでいたというのも 観音像に仮託してのマリア信仰ではなく 単純に観音経の本尊と見ていたとも考えられます[03] … Continue reading

中国が行っていた冊封体制も同様なものです 朝鮮半島支配は両班を特権階級に仕立てました 中国人はキリスト教ではなく拝金教なので 支配の理屈は現世利益の朱子学です 神学によく似た正邪二元論ですね
韓国もキリスト教徒です キリスト教は軍隊組織で 秩序を最重視する儒教と折り合いがいいのかも 国旗の中央に描いている太極も陰陽で永遠に続く二元対立を表しています(一見すると二つ巴に似ていますが 全く別のものです)
古来より今に至るまで部族間の争いを繰り返している朝鮮半島の歴史そのものです 敵がなければ自分たちのアイデンティティを保てない 常に敵を求めます 韓国の大統領選は両班同士の抗争です 武闘でないのはいかにも科挙の国らしい

新教徒たちの新天地がアメリカです どこでデマゴギーのキャンペーンを展開すればいいか心得ています キリスト教系カルト集団が多いアメリカの地方で共感を得やすいでしょう 悪意に満ちたデマゴギーでもキリスト教徒の言い分の方に同意します
日韓の領土問題その他についても キリスト教関連団体を通じて盛んに揺さぶりをかけています ローマ法王まで担ぎだしましたね 現法王のフランシスコ1世はイエズス会出身です(ニューズウィーク日本語版) イエズス会は使命感に富み純粋です
中国におもねるのは 両班として宗主国に忠実な姿を見せるためでしょうか 詳しくは知りませんが 韓国のキリスト教は朱子学の影響を受けてか 現世利益を強調すると聞きます やはりやっていることは金目当てです

キリスト教の葬式に出たことがあります 説教(?)を初めて聞きました 本当に戦闘的な宗教なのですね(宗派によって違いはあると思いますが) 死後は神のもとに戦士として招集されるのだそうです なるほど天国に《召される》と言いますね[04] … Continue reading
現世での精勤度により階級が定まるのだとかいってました でも天国の正規軍は天使軍団ですから人間はたぶん民兵ですか 今もあるかもしれませんが 歳末に救世軍の人たちが社会鍋というのをやっていました
全員軍服の理由が分からなかったけれど 教義に忠実ならば別に不思議な姿ではないわけです でも世界一軍服が似合わない軍隊かもしれない
キリスト教は戦う宗教ですから 正義のため徴兵に応ずるという土台は築かれています

註釈

註釈
01 保守反動とか進歩的文化人 右翼だの左翼だのセンターだのとレッテルを貼るのも 物事を単純化して思考停止するプロパガンダの一つです
02 他の動植物は神が芽生えよとか言って 勝手に生まれ勝手に生きています 人間だけは神が作りました 魂は神の息吹ですが 食べないと肉体を維持できません そこで神は人間の食べ物を定めました 砂漠に鯨・イルカは泳いでなかったので 含まれません
03 ヨーロッパ各地にもマリア信仰があります 詳しくは知らないのですが おそらく土着神との習合ではないかと見ます クリスマスに始まる現在の風習にも相通じるものがあるでしょう クリスマス・ハロウィンなどは もともと行われていた農事祭をキリスト教の教義に結びつけたものです 旧来の信仰にキリスト教との整合性を与える 巧みな教化・宣撫策でした
04 天国に行くのは兵営に入舎するようなものです 天国よいとこ一度はおいで なんて言ってられない ブートキャンプが待っています さらにその先はハルマゲドンです
裸の子供が弓矢をつがえているのは キューピッドです 背中に羽が生えているのでエンジェルと混同されていますが まったく別物です 天使は神の使いで兵士です
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ウクライナの仮想敵と自衛隊

ウクライナ軍

当ブログではマーケティング戦理 マーケティングの戦略・戦術といった言い方をします 戦理・戦略をマーケティングに応用しているからです 名高い古今の戦例も紹介しています 今回は当節の戦例です マーケティングの参考にはあまりなりません そもそも負け戦の(というより統帥運用を放棄した)話ですから 参考事例にはならないのです

クリミアのウクライナ軍がロシア軍にまったく抵抗せず投降したのはなぜでしょうか コサック兵の系譜を引く勇猛果敢な軍隊のはずです
独断専行は戦術レベルの話で 軍は命令によってのみ行動します 最高指揮官である大統領がロシアに逃亡しているのですから ウクライナ軍は身動きが取れない状態だったわけです

軍というものは必ず仮想敵があります ウクライナ大統領はロシアの傀儡政権でした また大統領のもっとも重要な仕事は国益を代表しての外交です 外交と国防は車の両輪で一体のものですから 大統領は統帥権を持ちます
したがってウクライナ軍の仮想敵は EU諸国(NATO)およびトルコとなります 軍の命令系統・編成は仮想敵に向けているものです おそらくロシアとは共同作戦を前提としていて 有事の際はロシア軍の指揮下に入る形で部署されていたと思います[01] … Continue reading

自衛隊

我が国の自衛隊も対抗勢力というものを想定しています 軍ではないので仮想敵とはいいません 対抗勢力には甲・乙・丙があります 以前は甲が主目標だったため北海道に戦車師団を配備していました 最近は情勢の変化により離島作戦を前提として水陸両用部隊に重点を置いています 乙の領海侵犯が著しいからです

もともと日本は海洋国家ですから 沿岸警備が重要なのですが今までおろそかにされていました 社会党などが利敵工作している間に 対抗勢力乙は着々と海洋軍事力を増強してきたのです
なお沿岸警備隊や国境警備隊は単なる門番ではありません(いわゆる警察軍や治安部隊とも異なります) 他国が侵攻してきたとき最初に交戦する部隊ですから 各国とも精鋭部隊を配し装備も充実しています

日本の沿岸警備隊に相当する海上保安庁は いまや相対戦闘力で対抗勢力乙に抗することは不可能となりました 海上自衛隊があるじゃないかといいますが 自衛隊は警察権を有する組織ではなく 現場指揮官の判断で攻撃することはありません

それどころか日本は憲法によって交戦権を持たないため 僚艦・友軍が攻撃を受けても応戦することすらできないのです 自衛権や警察権で排除するというのは無理があります 公海上に日本の警察権は及びませんし 領海内に侵入してきた敵艦に対しても 自衛権では先制攻撃ができず手をこまぬいているだけです

2022年8月23日追記=海上自衛隊に哨戒艇を配備することになったそうです スペックを見るとなんと30ミリ機関砲だけの装備です 各国の沿岸警備隊は76ミリ砲を装備しています 海上保安庁のひだ型巡視船でさえ 40ミリ機関砲と20ミリ対空バルカンを備えています どういう運用をするつもりなんだろう 海上保安庁の予算では足りないので補完としか思えない 相変わらずその場しのぎです)

11月15日追記=さっそく中国は76ミリ砲搭載の艦船を 尖閣諸島に配備しました 自衛隊の哨戒艦建造に対する牽制ですね 尖閣諸島周辺は すでに中国が実効支配しています 海上保安庁は島に近づくこともできない 日本政府はどう応じるのか)

そもそも自衛隊の離島作戦ということは 対抗勢力乙に上陸を許してしまった島嶼の奪還です しかも米軍と協力する前提になっています 先制攻撃ができないのですからやむを得ません 対抗勢力乙は島嶼に上陸したりしません 沿岸警備艦船を常時配備し 我の領海だとの既成事実を作っています つまり軍事ではなく外交作戦なのです

自力で領土・領海を守れないのは日本国憲法が足かせになっています オホーツク海でのサケマス漁船拿捕 李承晩ラインが引かれたことによる日本漁船銃撃と竹島占拠 現行憲法下に日本の領海・領土は侵略されています
今また尖閣諸島が奪取されようとしているのを 海上保安庁に委ねるしか手立てがないのも 平和憲法とやらのおかげです


ロシアのウクライナ侵攻

2022年3月3日追記=ロシアがウクライナに侵攻しました 全体の情況は不明ですが 南部ヘルソンを制圧したようです ヘルソンはドニエプル川が黒海に注ぐ河口に位置しています 南東側はクリミア半島になります 戦略的に要の地点ですね
これでロシアの企図は明瞭と見ていいでしょう すでにクリミア半島はロシアが実効支配しています これでトルコに睨みを効かせることができる ドニエプル川を境に東部地域をロシアに割譲 西ウクライナは中立地帯にするのが目的ではないですか 朝鮮半島のような構図を作り出すのです
その後ウクライナ海軍は 自軍の駆逐艦をドニエプル川に沈めました 旅順港閉塞と同じ作戦ですね ロシア海軍がドニエプル川を遡るのを防ぐためです)

2022年3月15日追記=東西冷戦のころソ連の軍備が強大になり対抗する形でNATOが作られました 最初は数カ国だったのが次第に参加国が増えたため ソ連は東欧諸国とワルシャワ条約を結びます モスクワが根城で周辺諸国が出城といった配置になります この時点では東西の軍事力が拮抗していたでしょう 均衡が破れたのはポーランドの離反でした これをきっかけに東西ドイツの統一からソ連邦の崩壊へと 歴史の転換を迎えます 東欧諸国は社会主義を捨てNATOに参加し始めたのです
社会主義や共産主義なんてロシアの覇権主義の言い訳です 当時の日本ではソ連のプロパガンダがまだ尾を引いていました 政府・外務省・政治家は何の対応もできず 北方領土奪還〈返還なんかするわけありません〉の唯一のチャンスを逃しました 今回のウクライナ危機ではアメリカの情報戦・心理戦が圧倒している感があります
ロシアがウクライナの原子力発電所を攻撃しています ウクライナを占拠するのが目的ではないということになります 事故で核汚染になれば中立地帯にするしかない 一か八かの賭けです ウクライナがNATOの一員となればモスクワを窺うことも可能です 相当の危機感を持ったのでしょう プーチンは切羽詰まった心理状態かと想像します)

2022年3月20日追記=ロシア軍の少将3人と中将1人が戦死するという 前代未聞の異常な事態が起きています 戦線を拡大しすぎて軍団司令部が手薄なのか おそらくアメリカが索敵情報を提供し 地の利に長けたウクライナ軍が狙い撃ちしているのでしょう ロシア軍の配置は詳細に渡り把握していると思われます
指揮官不在は指揮命令系統が機能しない状態です 全体の戦況を見て判断する者がいない もともと大義のない戦いですから意志の統一も忠誠心もない 士気は落ちロシア軍はそうとう混乱しているはずです NATOの心理戦・情報戦が優勢となっていると見ます
南部は制圧したものの 北部戦線でベラルーシ(白ロシア)との連携はうまくいってないようです 極東から津軽海峡を通って補給艦を送りはじめました ウクライナへの補給線は逼迫していると考えられます なにか日露戦争時と同じようなことをしている印象です)

2022年3月27日追記=ロシア軍の将官の戦死が7人になりました もはや方面軍として機能しない状態と思われます さらにマウリポリに停泊していた大型補給艦が3隻 ウクライナ軍に撃沈されています クリミア半島を掌握したはずなのに兵站を築いてなかったということです
黒海の制海権さえ押さえていないのでしょうか 大局を見た戦略とはとてもいえない プーチンの判断ミスか 戦線縮小せざるを得ないが 兵の退き方が難しい局面になりそうです 相手は日本じゃないので戦後の外交交渉は かなり困難でしょう)

2022年3月31日追記=やはりロシアは戦線を縮小し始めました 大体キエフにも侵攻した理由がよくわかりません クリミア半島と続く東南部に兵力を集中するのでしょうが遅すぎます ロシア軍は10%以上の損害が出ているようですから これ以上損耗したらリストラクチャリングもできない状況です 明らかに政略ミス・戦略ミスですね これからはいかに停戦条約を結ぶか外交戦に移っていきます そのために部隊を区処(再編成)し攻撃を継続します)

2022年4月17日追記=ロシア黒海艦隊の旗艦が撃沈されました 海上からの補給は絶望的なようですし 戦況はロシアにかなり不利となるでしょう しかし対ナポレオンや対ヒトラー 日露戦争においてもロシアは戦争(物理的な戦い)に勝利したわけじゃありません その後の外交交渉を有利に進めています 停戦後の外交こそ本当の戦いです 少しでも有利な地歩を築くため さらに攻勢を強めるかもしれません)

2022年5月31日追記=戦局は膠着状態となりました ドニエプル川から東地区を征圧というのは到底望めない情況です 黒海沿岸地域とロシアに隣接する東部地域を割譲するかが 今後の外交交渉の要となるでしょう しかしプーチンにスターリンほどの器量はないし 習近平が橋渡しをするかどうかが決め手となります 今のところロシアと中国は極東(台湾)で 軍事提携していることをアピールしています)

2022年8月20日追記=ロシアはクリミア半島を完全に掌握していないようです 歴史の経緯から多民族が混在しているのが理由でしょう かなり広い面積がありますし全土制圧はやはり難しいか 黒海艦隊も制海権を維持しているとも思えない ウクライナがヘルソンを奪還したとの話もあります そうなると遊撃隊ないしはゲリラ部隊が クリミア半島に展開されているかも知れない ロシアの最初の思惑とは大きく戦況が変わってきました 大義なき戦いに勝利はないということ)

2022年10月1日追記=ロシアが予備役のみならず 一般に徴兵を拡大しています 正規軍は崩壊状態ということになります 中国は距離を置く方向に転換しましたし この情況で一部の都市を併合しても反感を買うだけですね 政策・戦略ミスは退っ引きならぬところまで来てしまいました)

2022年10月13日追記=おそらくウクライナによるクリミア大橋爆破に対して ウクライナ全土にミサイル攻撃をするといった 戦略も政策もない敗れ被れ状態に陥っています 和平交渉にもって行きようもない
ロシアはすでに補給艦の多くを失い ウクライナ大橋(特に鉄道輸送)が主な補給路だったのではないか もはや戦線を維持するのは不可能かと思われます
ロシアの兵制は独特で 志願兵や徴兵のほかに 契約兵というのがあるらしい ウクライナ侵攻の初期に 東洋系・アジア系の兵が目立つなと思っていたのですが この人たちは契約兵だったのですね
ロシア共和国を名乗っていますが ウクライナのように独立を果たした もと衛星国だけでなく 辺境の区域には少数民族が暮らすところがあります 中国と同じく自治区となっていて 実態はソ連時代と変わらない多民族国家です
自治区の知事はモスクワから派遣された官僚です クレムリンの動員令がかかれば 自分の成績を上げるため兵を招集します
これらの辺境少数民族地区は 情報が少なく目立つ産業もないため 契約兵に応募する人たちが多いのです 結果正規軍といえども 練度が不足し忠誠心がない 士気も低い統率の取れない軍となります
ロシアの初期の作戦が ことごとく裏目に出たのは このいい加減な俄づくりの部署が大きく影響していますね グルカ兵やフランス外人部隊など傭兵も いわば契約兵ですが こちらは歴史があります
プーチンは武力と兵力の違いを理解してないのでしょう 武力は軍備すなわち有形戦闘力です 兵力とは無形戦闘力 兵の資質です 戦いにおいて最も重要なのは兵器ではなく兵士 そして戦う大義なのです)

2023年1月25日追記=ロシアによるウクライナ侵攻は膠着状態に陥りました すべての原因は初期作戦の誤り さらに事前の情勢判断ができていなかったことです ロシアに加担する勢力の養成が不足していました クリミア半島さえ完全に掌握していなかったようです
前線に投入したロシア軍が 新兵寄せ集めの俄部隊だったため全く役に立たず ウクライナ東部戦線は 非合法の民間軍事会社ワグネルが主体になってしまいました その結果指揮命令系統が乱れ あらぬところへミサイル攻撃をするに至りました
正確な情報が上がってこないので おそらくプーチン自身情勢を把握しきれていない 指導力は低下の一途です ワグネルは戦争を継続するほど儲かるわけで 彼らにとっては好都合です
停戦や戦争終結の見通しは立たなくなりました どちらかが疲弊するまで 果てしない消耗戦が続くでしょう)

2023年6月27日追記=ワグネルの反乱という思わぬ展開となりました プーチンは国軍を掌握できていなかったのですね そのためか新兵寄せ集めの国軍とワグネルを前線に投入しました 国軍とワグネルで指揮命令系統が錯綜混乱し初期作戦が失敗 国軍ワグネル双方の反発を招きます 反乱はベラルーシがワグネルを預かるという形で収拾を図るようです こうなるとベラルーの動きが気になります 3月には中国と会談しています 中国とベラルーシがロシアに対して静観していたのは 正確に情報を把握していたのかもしれません 本来なら国家反逆罪に当たる事案をお咎めなしとする ロシアの威信低下は避けられないでしょう)

註釈

註釈
01 ウクライナはロシアとポーランドが分割統治していて 緊要地点であるクリミア半島を巡って オスマントルコとロシアは常に対立していました ナチスドイツがポーランドを併合したことで 均衡が破れるところは朝鮮半島と似た構図です
クリミア戦争は1863〜65年 新選組が不逞浪士による京都焼き討ちを阻止した 池田屋事件は1864年のことでした 当時のヨーロッパは紛争に明け暮れていたため 日本を侵略する余裕がなかったのです おかげで国が混乱していても植民地化から免れました
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