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カテゴリー: マーケティング戦略論

饅頭の皮

人の味覚は様々なので 以下に書くことは私の好みに過ぎず 独断と偏見に満ちています

饅頭は皮が大事 もちろん餡も大切ですが 側のうまさが餡を引き立てます ですから薄皮饅頭は嫌いです それだったら あんこ玉か六方焼を食べます[01] … Continue reading
同じように中華饅頭も 皮のふっくらと分厚いものが好きです こちらは日本の饅頭と違い 冷たいとうまくない 中の餡に豚肉やラードを使うからです[02] … Continue reading
側とはいえないのですが 洋菓子もスポンジの出来が大切です ショートケーキのようなシンプルなものは スポンジの存在感で味が決まります イチゴのほのかな酸味と甘めのクリームが添えられて調和する(近江屋洋菓子店さんはスポンジがしっかりしている)[03] … Continue reading
NHKの番組で谷崎潤一郎が好んだ モカロールケーキを再現していました クリームをできるだけ薄く塗るのがポイントといっているのを見て 我が意を得たりと思いました
ロールケーキは柔らかなスポンジの食感が命です 中に巻き込むクリーム等とのバランスにセンスが問われます[04] … Continue reading
私はモカロールケーキより イチゴジャムを塗ったロールケーキが好きです これも甘いイチゴジャムを薄~く塗ったものが特によい このごろそういったロールケーキを見かけません まるで餡巻きのようにクリームやジャムが多すぎてバランスが破綻している[05] … Continue reading
業務用はどうかわかりませんが 日本のイチゴジャムはジャムといえないんじゃないか プレザーブスタイルとかいって ペクチンと水飴で固めた赤い煮汁に 半分煮崩れたイチゴが漂っている[06] … Continue reading
生地が大事とかいいながら メロンパン・甘食・ういろうなど フィリングのない菓子類はうまいと思わないのですから 人の味覚なんていい加減で勝手なもんです[07] … Continue reading
ただ パウンドケーキ・ブランデーケーキ・バウムクーヘンなど バターケーキ類は好きです これらのケーキも焼いて数日から一月ほど寝かすものでした しっとりと落ち着いてきます バタークリームもいいですね すっかり姿を消してしまいましたけど[08] … Continue reading

註釈

註釈
01 ちなみに饅頭は一晩冷まさないと 特に餡の味が落ち着きません 蒸し立てはうまいものじゃない 福砂屋さんによると カステラも焼きたては甘味を感じないそうです 生焼けのカステラが持て囃されたことがありましたけど
02 蒸篭で湯気を立てながら売るのは 中華饅頭が先か温泉饅頭が先か知りません 蒸したての演出ですね パッケージなしで棚に並べ客に取らせるるパン屋は アンデルセンあたりが始まりじゃないでしょうか これも焼き立てをイメージさせます
03 ショートケーキはコロンバンが発祥で最初は四角だったそうです 上から見ると白いクリームにイチゴが真ん中にあって日の丸を表していたとか イチゴは色合いと味のアクセントとして使うのです イチゴが大きすぎてはいけない
04 まるで太巻きみたいなロールケーキが見られますが苦手ですね なにより食べにくいのが嫌です あんこを使った菓子類で「私あんこ苦手ですが あんが3倍も入ったこれなら 何個でもペロリといけます」といった 怪しい意味不明なコメントがはびこる昨今です
05 一時生チョコと称するものが流行りました あれはガナッシュとは違う求肥に近いものです そのあと生カステラ生どら焼き生食パンまで出てきました 京都の生八ツ橋が始まりみたいですね ニッキ風味といい簡単な作りの形状も 駄菓子そのものの修学旅行土産の定番
06 アヲハタ55ジャムは糖度55%から名付けられました これが低糖度(!!)のジャムとして売り出されたのです 最近は砂糖不使用・糖分34%なんてのがあります フルーツ100%をうたうジャムもあります 食べてみましたが フルーツペーストと濃縮還元果汁をペクチンで固めたものですね 紙パックのジャムと大差ない(あのスドウとかが作ってます) 日本ではジャムの糖度は40%以上とされています 国際規格では65%以上です 日本のジャムは世界の基準から大きく外れた紛い物ばかりとなります
07 もともと洋菓子は膨らませるので嵩増しできます 原価率が低く和菓子より儲けの多いものでした 食パンもモチモチ・フワフワばかりになりました ふわふわパンは デンプン粉で形が崩れないようにします その結果もちもち(ネチネチ)食感になる デンプン粉で弾力を出すのは カトキチの冷凍ウドンからでしょうか
08 バターケーキもバタークリームも あまり体積が増えないので材料費がかさむし バターそのものが 農林省と農協の画策で不当に高くなっています ショートニングを使ったふわふわケーキが増えるのも止むを得ない ふわふわ・もちもちバームクーヘンなんて わけの分からんものまであるようです
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卵かけご飯

卵かけご飯 いろいろなやり方があると思います 私にとっては「炊き立てのご飯」が絶対不可欠です 炊き立てでなければ 成立しないのが卵かけご飯です(あくまで個人の感想)
卵が重要なのでなく ご飯をおいしく食べるためと思っているからです もちろん卵の品質・鮮度は大切ですが 冷や飯に生卵では卵かけご飯とは言えないのでは(炊きたてでなくとも 電子レンジで使える陶器のお櫃で蒸し直してもいい 熱熱が肝心)

まず器に卵を割りいれ 箸でよくかき混ぜます 白身と黄身が別れているようでは かき混ぜ方が足りません 次はご飯茶碗に炊き立ての飯を山盛り装い ちょっと行儀が悪いのですが 中央に箸で穴を開けます そこへ溶いた卵を注ぎ入れる そして穴の内側からご飯をつき崩すように 卵と混ぜていきます
すると熱いご飯で卵が半熟状になります この半熟が大切なのです そのための炊き立てです 卵の溶き方が不足すると黄身だけが固まり うまく半熟状態になりません ご飯に対して卵の量が多すぎてもいけません

最後に生醤油を掛け回し 今度は混ぜないで頂きます 他の材料は加えない ご飯・卵・生醤油のみです 醤油は絶対に生醤油でなければなりません 人工ダシを入れた加減醤油ではだめです 余計なダシ味は邪魔なだけです
先にご飯に醤油をかけるという人もいるようですが それでは簡易茶めしになるんじゃないか ご飯に味付けをしてはいけないと思います 生醤油は味付けとともに 卵独特の匂いを和らげる意味があります[01]もし新鮮な初卵(若鶏が初めて産んだ卵)が手に入ったら ぜひ塩少々だけで食べてみてください 醤油すら不要の卵本来の香味を味わえます

加熱の仕方が重要 生は鮮度ではない

ワサビ茶漬けもうまいですね ワサビはすり下ろすのではなく 細い繊切りにします こうするとツンとくる辛味よりも爽やかな旨味を味わえます
ご飯の量は茶碗の三分の一以下です 多いと汁かけ飯になってしまい お茶漬けサラサラといかない といっても ご飯を水洗いして粘りを取る なんて手間は不要です
そしてこれが一番大切なのですが 必ず熱い煎茶をかけます 料理屋でやるような吸い地を張ってはいけません これでは茶漬けといえない ダシ味でワサビの仄かな風味が飛んでしまいます[02] … Continue reading
刻み海苔をパラパラと散らすのはいいでしょう それ以外は合わないと思います 最後に生醤油を数滴垂らして かき込みます ワサビの風味とご飯の滋味が味わえます

卵かけご飯 ワサビ茶漬けとも 極限まで限定された材料に 瞬間的に熱を加えることで雅趣を引き出します 熱を加える事が大切なのです 生では味わえない旨さがあります またダシ味も不要です 素材の邪魔をしてしまいます
冷たい料理もありますが いったん調理したものを冷やすのです 最初から熱を加えないでは 料理といえない 刺身は例外です これは包丁の冴えをいただく 包丁の入れどころを僅かに間違えると 筋が残ります[03] … Continue reading

ワサビ茶漬けの食べ方はお寿司やさんに聞きました 生の魚をスライスして寿司飯の上に乗っけても 寿司にはなりません 寿司は握る前の仕事に結構火を使うことが多い でなければ酢で締めしたり漬けにします
刺身にしても江戸時代では 湯引きするのが当たり前でした 土佐造りは火で直接炙りますね 伊勢の片焼きというのもあったそうです(今でいう炙りです 切り身の煮魚に熱くしたコテで焼き目をつけていました) 伊勢うどんと同じく省力化のためです どちらも簡便なものですが なかなか美味かったらしい

もう一つ好物が こんがりと焼いたトーストに マーガリンを塗り 薄い紅茶でいただくことです バターでは風味が勝ちすぎて旨くない しかし残念なことに 塩っぱいマーガリンがなくなってしまいました[04] … Continue reading リス印は1972年で家庭用マーガリンの製造をやめています 雪印ネオソフトの発売が1968年ですから その影響かと思われます
新潟県にサンドパンというものがありました マーガリンにグラニュー糖?を加えたものを 2つ割のコッペパンに挟んだ菓子パンの一種です マーガリンの塩っけと砂糖のジャリジャリが相まって旨い[05] … Continue reading サンドパンは今でも売っています でもフワフワ・トロトロのホイップクリームみたいになってしまいました 昔食べた食感とまるで違います

註釈

註釈
01 もし新鮮な初卵(若鶏が初めて産んだ卵)が手に入ったら ぜひ塩少々だけで食べてみてください 醤油すら不要の卵本来の香味を味わえます
02 茶漬けは自分で あるいは伴侶が作るもの 料理屋で頼むものではないと私は思います もともと料理とも言えないわけですから だから名古屋の「ひつまぶし」の良さが分からない もちろん鰻屋さんで食べたことはあります 面倒な手間を掛けているだけという印象でした
03 池波正太郎先生が “家で鯛の刺身をやるときは、生醤油ヘ良い酒を少し落とし、濃くいれた熱い煎茶へ塩を摘みいれたのを吸い物がわりにして御飯を食べる” と書いておられました これは真似してみたいですね
また 店では吸い物で銚子を2本 鯛の刺身でご飯を戴いたようです 私は刺身を醤油に漬けて熱い御飯の上に載せ これを酒菜に冷たい大吟醸酒を呑みます 池波先生のように吸い物で燗酒を呑むのができない
04 食パンも もちもち・ふわふわパンばかりになってしまったので サクッと歯切れのよい口どけのよい こんがりトーストは望むべくもありません
パン類も洋菓子も膨らませるので 利益率はもともと高いものです その上に近頃は更にふわふわ食感がもてはやされる フワフワもトロトロも材料費がかからず 大変ありがたい風潮ということになります
05 カステラも持ち重りのするしっとりとした食感が好きです そして底にはザラメが敷いてあって ジャリジャリしないといけません(鈴カステラはその限りではない)
甘くフワフワな生食パンなる奇妙なものが売れています コッペパンは食パン用の生地を使います この生食パンとやらは逆に菓子パンの生地で食パンを焼いたもののようです
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ブランドエクイティ

ブランドエクイティってなんのこと 簡単にいえばノレン代ですね ブランドを売買するときの資産価値ということかな まぁ昔からノレン分けとかはありましたから とくに目新しい概念というわけじゃない
ブランドに資産価値があるというのは何となく分かります ただソロバン勘定が苦手なので どう計算するのかよく知りません

資産価値といっても 経済波及効果や広告費換算いくら とかと同じような気がします なにしろ損得勘定でブランド構築はできませんから 財務データで数値化なんて違和感がある
ノレンと老舗はイコールではない 創業何十年何百年だけでノレンは築けません ぶれない信念 高い志が大前提です ブランディングは付加価値をつけるみたいな 単なる差別化じゃないんです

ブランディングとは ストーリーデザインのことです どの企業にも製品にも必ずストーリーはあります でもそのままじゃ単なる沿革であったり 苦労話や開発秘話にすぎない
ユーザーが共感できる価値観を語れるどうかが ブランディングが成立するしないの分かれ道となります しかし価値観だの共感だのは とにかく分かりにくく数値に表せない

数字に出ないものは とくに大企業なんかの経営陣に説明することができないし 説明しても数字でしか会社をみない頭では理解できない
だからブランドエクイティとかいって むりやり数字で表すのではないかな 何十億円の資産価値があるといえば納得しそうですから

商売する上で売り上げなどの数字はとても大事です でも数字だけ追いかけていては 見失うものがあります
創業何百年もやはり数字です 数字だけ積み重ねても決してノレンは築けない 自己を確立することが最も肝要です

数字というのは他との比較です 差別化も他との対比です なべて数字で表すものは 相対的価値といえます
ブランドを築くことは 他にない絶対的な自己の価値を築くことです この価値は数字に表れない

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