内憂外患の日本は脅威に屈するか

先日書いたように参院選は予想通り自民党の圧勝です 安倍元首相の殺害という不幸な出来事が 後押しした面は否定できないでしょう(動機は政治的なものでなく宗教に関するようです) これで自民党(安倍元首相)の唱えた憲法改正論が現実味を帯びてきました
自民党の草案を見ると 交戦権を認めないという文言が消えているのですが (正当防衛)で戦えという言葉に置き換えただけです 国防軍は名ばかり交戦権を持つ正規軍ではありません 民間軍事会社()と同じ条件で戦うことになります[01] … Continue reading

7月29日追記=中国の偵察・攻撃大型無人機が沖縄本島と宮古島の間から太平洋に さらに台湾南方方面に飛行しました 単独飛行のプログラミング精度と通信衛星による制御の演習と推定されます 現状では自衛隊は有人の飛行機に対すると同じく スクランブル発進し警戒することしかできません 当該機が日本領空に接近・侵犯しても警告するだけです 2017年に中国が尖閣諸島にドローンを飛ばしたとき 時の内閣総理大臣安倍晋三は 自衛隊法第84条に基づき対処するといっています つまり武器の使用は正当防衛と緊急避難のみに限定されるということです 他国の場合は無人機に警告しても意味ありませんから 領空侵犯すれば即時に攻撃撃墜します)

自民党の憲法改正草案はひどい内容です 草案なのだから細かいことを論うな という考えもありましょうが それにしても酷い 今までの姑息な憲法解釈を成文化しただけ[02] … Continue reading
書き換えた前文の主旨は不明瞭です 色んな要素を引っ張ってきた継ぎ接ぎ それに文章に品位がまったくない こんな前文ない方がましです そもそも前文は必須ですか 現行憲法の前文は 要するに言い訳でしょう

いろいろと問題点はありますが もっとも重要で見過ごしていけないのが 総理大臣を最高指揮官とする国防軍を作った上 さらに緊急事態の宣言という条項を付け加えたことです
内閣と総理大臣に権限が集中しすぎます 大変危険なことです 国民には権利に対して義務があると言いながら 公の権力が担うべき責任には言及していません
国防と内政の権限ばかりがあり 何をやってもその結果に責任は取らない魂胆です こんなものを憲法に盛り込んではいけません[03] … Continue reading

現行憲法を作ったアメリカでは 甚大な災害や外敵の侵入には州兵が出動します 州兵の最高指揮官は各州の知事です 国家的な規模になると 外交と密接な関連がありますから 連邦軍・大統領の管轄に移行します
外交は大統領の専権事項で連邦軍の最高指揮官も大統領です 外交と軍事は切り離すことができないからです しかしながら内政と外交は明確に区別されます 合衆国憲法にも連邦法にも戒厳令(非常事態宣言)の規定はありません

マグナカルタが王権の制限であるように 憲法は公の権力の規制なのです それなのに地方自治の精神を蔑ろにして[04] … Continue reading 権力の増大・集中を図るとは とんでもないことです
統帥権を持つ者(最高指揮官)は 国の独立と国民の生命財産を確守し 領土領海および国益を保全する責務があると明記せねばなりません 責任が先にありその上での権限なのです 責任を全うしなければ罰則もあっていい(とくに敵国の内通者)[05] … Continue reading
最高指揮官の命令で戦った結果に対しては すべて最高指揮官が責任を取るものです 最初に外交戦があって軍事行動が伴います 軍事行動を収束するのも外交の責任です 命令に従った現場(軍部)に責任を押し付けることがあってはならない[06] … Continue reading

天皇陛下を元首とする条項は絶対許してはいけません ほとんどの国で元首は名目的・儀礼的なものです[07] … Continue reading
王室外交は重要で大切なことです 現在でも他国は慣習に従い 天皇陛下を元首として遇します あらためて規定する理由はない
それでなくても お忙しい天皇陛下の国事等(雑務)をさらに増やそうとしています 上皇陛下が体力の限界で退位されたことを忘れたのか

註釈

註釈
01 海上自衛隊のイージス艦保有数は アメリカ第7艦隊より多いそうです イージス・システムが守るのは空母です 日本に空母打撃群はないので 有事に海上自衛隊は 第7艦隊の補助としての役割を担います すでにして傭兵の運用なのです
02 交戦権を認めないことに変わりないのですから 自衛隊法には手をつけないんじゃないでしょうか 今までの憲法解釈が成文化されるわけです 現行憲法に中途半端な形のまま自衛隊を明記すれば ますます手足を縛られることになります まともに戦えません
03 聖徳太子の一七条憲法は 役人の責務を規定したものです これこそが憲法の精神です ただ仏教やら儒教やらと 外来の借り物が多い 吾が国古来よりの規範は 和をもって貴しと為すぐらいです 大和心を根幹にすれば完璧なものになります
04 地方自治は なにもGHQから教えてもらったものじゃない 江戸時代まで各藩はほぼ独立国に近い自治体でした 徳川は専制君主ではなく 征夷大将軍として諸藩の指揮権(人事権)を与えられている 大藩に過ぎなかったのです
05 古代ローマでは国難に際しディクタートル(独裁官)が任命されます この権能は国難が去るまでです しかも国難を排除することができなかったら 当人は極刑に処せられ一族郎党まで処罰されます 権力には責任が伴うのです
06 自民党憲法改正草案には ちゃっかりと軍法会議の制度を作るとしています 自分たち(政治家や文官)は戦争の結果起きたことに責任を負わず すべて軍人のせいにする心算なのです
07 先の大戦は昭和天皇の御聖断で終結し さらにマッカーサー司令官との会見をはじめ 上御一人がすべて戦後処理しました
役人・政治家の多くは責任逃れに走り 保身のため連合軍に取り入って 後に権力の座に返り咲きます 岸信介が代表例でしょう 終戦の詔勅の大御心に背く不逞の輩です
敗戦後の食糧不足に国民が喘いでいたとき 鳩山一郎の音羽御殿に行くと いつでも飯をタダで食べられたので 昼時には新聞記者が群がっていました 食糧難・ヤミ米は戦後のことです 戦時中に食料が不足したかのような報道等は フェイクニュースです