コンテンツへスキップ →

縄文より続く日本の文化伝統 投稿

電気炊飯器

始めチョロチョロ中パッパ赤子泣くとも蓋とるな は羽釜と竈の場合です それも藁を燃料とします 薪では火力調整が難しい 籾殻を使うぬか釜では 火力調整も必要ありません 伊賀焼のかまどさんは このあたりを参考にしたのでしょうか
羽釜は丸底なので 対流が起き均一に炊けます 竈は保温性が高く 火を引いても内部は高温です 炊き上がったら そのままにしておき蒸らします あとは木のお櫃に移して湯気を飛ばせばよい 木は吸湿性があるので 保温と保湿ができるのです
それにしても 赤子は早く飯を食わせろと泣いてるのだろうか 亭主急くともの方がいい気がする

バルミューダに「The Gohan」という炊飯器があります さまざまなアフィリエイト・ブログで 受け売りの特徴を書いています 水蒸気で炊く画期的な炊飯器だとか 保温機能がないのが難点だとかです

そもそも電気炊飯器のはじめは 外釜と内釜があって 間に水を入れ蒸気で炊くものでした 初めチョロチョロ中パッパは バイメタルなどで制御していました[01] … Continue reading
それが直炊きになり 圧力炊きになり マイコン制御 IHと変容してきました むろん最初は保温機能もなかったのです バチッとスイッチが切れるのが炊き上がった合図

何のことはない バルミューダのThe Gohanは先祖帰りしただけです 付加価値や余計な機能をそぎとって 炊飯という機能に絞り込むのはバルミューダのやり方ですね
トースターにしても 過熱水蒸気を調理に採用したのは バルミューダが最初ではありません 単機能の製品に応用したのが 画期的なことなのです

家でも普通に炊飯ジャーで炊いていました あるとき伊賀焼きの「かまどさん」を買い ガス火でご飯を炊いてみました じつにうまく炊けるときと 失敗するときがあります
なかなか難しいものです やはり使いこなすのは経験と腕だなと思います 道具がよければよいとはいかない

竈炊きのご飯が売りの店があるようです 羽釜で炊くのですね でも炊き上がったご飯を 天地返しもしないで 直接よそったりしている[02]竈で炊いたご飯は本来 おひつに移し替えて蒸らすものです おひつを使わなくなってから代わりに 天地返しをするようになりました
あれは釜飯なんかと同じ発想なのだろうか 一種のパフォーマンスのような気がします 茶の席でも蒸らさないで飯をよそうみたいです そんな席に出たことはないが

竈炊きといっても まさか店の中で藁や薪なんか くべないだろう どうやっているのか[03] … Continue reading
よくいく店で土鍋で炊いて そのまま出すところもあります(天地返しは客が自分でやる) これはガス火です かなりの火力で一気に炊いています

店では効率の問題もあるし 洗い物の手間もありますから 一概にはいえません でも家庭でご飯を炊くときは できれば炊き上がり直後の フツフツいう飯を お櫃に移して蒸らしたい[04]木のお櫃と藁いずみ(飯つぐら)を使えば 適度に水分が抜け さらに保温もされますから 完璧な蒸らしができます
最近の電気釜は浸水時間や蒸らしの時間も あらかじめプログラミングされているみたいです お櫃に移すことは想定されていません バルミューダのThe Gohanも同様です(ただ公式サイトの炊き方を見ると 米を研ぐと書いてます なかなかの見識です)

シャキッとした炊き上がりのご飯が好きです ネチネチした食感だと粥という感じがします 水分が多いベチャベチャの状態では 冷めるとうまくありません 保温(正確には加温)機能は 柔らかい飯が好まれるようになったのも関係するのか
粘り気が少なく固めのご飯なら 冷や飯を茶漬け・雑炊と使えます 卵かけご飯以外には炊きたての飯を求めませんが 冷えた粥なんか食えたもんじゃない 冷や飯を電子レンジで温めることはします[05] … Continue reading お櫃に移すことになれば保温機能は必要ないですね

椹の木のお櫃は相当の値段で 何より手入れが大変ですが 陶製の手軽なお櫃もあります コンシューマレビューを見ると 外釜と内釜がこすれるため塗装が剥げやすいということです フッ素樹脂加工はいらない[06] … Continue readingステンレス生地の内釜がいいんだが 天地返しせずすぐお櫃に移すからあまり関係ないけど

註釈

註釈
01 知られているように最初の電気炊飯器は東芝製でした(まだ真面目に製品づくりをしていた頃です) なんと台湾ではこの東芝炊飯器とほぼ同じものがいまでも製造・販売されているそうです 「大同電鍋」といいます コピー品ではなく業務提携していたらしい
02 竈で炊いたご飯は本来 おひつに移し替えて蒸らすものです おひつを使わなくなってから代わりに 天地返しをするようになりました
03 ピザの石窯は窯自体を熱くして 輻射熱・雰囲気で焼くので竈とは原理が違う ガス火や電気で長時間かけて窯を温めることはできます それでも薪を使っています
石焼イモと壺焼イモは加熱方法が違います 食べ比べたことはないので味の違いはわかりません 壺焼きの方が水分が多いような気はします
目的・調理の仕方により加熱方法・火加減を使い分けます 竈は藁火や籾殻また薪で炊くための構造・形です 中にガスコンロを入れても多分だめだと思いますけど
04 木のお櫃と藁いずみ(飯つぐら)を使えば 適度に水分が抜け さらに保温もされますから 完璧な蒸らしができます
05 炊いたご飯を加温するメリットは殆どありません 食味は確実に落ちるし冷や飯より日持ちするわけでもない 炊飯は一日一回あとは冷や飯を温めたりアレンジします ただ電子レンジ加熱はすぐ冷めてしまい 蒸し器で温めるようにはいきません
06 内釜の外側までフッ素コーティングしているのはなぜだ 外釜と擦れて剥げるのも無理はない ステンレスは塗料が乗りにくいし フッ素樹脂は柔らかいのでそれほど耐久性がない 大同電鍋の内釜はアルマイトかステンレスの生地のままらしい
コメントは受け付けていません

饅頭の皮

人の味覚は様々なので 以下に書くことは私の好みに過ぎず 独断と偏見に満ちています

饅頭は皮が大事 もちろん餡も大切ですが 側のうまさが餡を引き立てます ですから薄皮饅頭は嫌いです それだったら あんこ玉か六方焼を食べます[01] … Continue reading
同じように中華饅頭も 皮のふっくらと分厚いものが好きです こちらは日本の饅頭と違い 冷たいとうまくない 中の餡に豚肉やラードを使うからです[02] … Continue reading
側とはいえないのですが 洋菓子もスポンジの出来が大切です ショートケーキのようなシンプルなものは スポンジの存在感で味が決まります イチゴのほのかな酸味と甘めのクリームが添えられて調和する(近江屋洋菓子店さんはスポンジがしっかりしている)[03] … Continue reading
NHKの番組で谷崎潤一郎が好んだ モカロールケーキを再現していました クリームをできるだけ薄く塗るのがポイントといっているのを見て 我が意を得たりと思いました
ロールケーキは柔らかなスポンジの食感が命です 中に巻き込むクリーム等とのバランスにセンスが問われます[04] … Continue reading
私はモカロールケーキより イチゴジャムを塗ったロールケーキが好きです これも甘いイチゴジャムを薄~く塗ったものが特によい このごろそういったロールケーキを見かけません まるで餡巻きのようにクリームやジャムが多すぎてバランスが破綻している[05] … Continue reading
業務用はどうかわかりませんが 日本のイチゴジャムはジャムといえないんじゃないか プレザーブスタイルとかいって ペクチンと水飴で固めた赤い煮汁に 半分煮崩れたイチゴが漂っている[06] … Continue reading
生地が大事とかいいながら メロンパン・甘食・ういろうなど フィリングのない菓子類はうまいと思わないのですから 人の味覚なんていい加減で勝手なもんです[07] … Continue reading
ただ パウンドケーキ・ブランデーケーキ・バウムクーヘンなど バターケーキ類は好きです これらのケーキも焼いて数日から一月ほど寝かすものでした しっとりと落ち着いてきます バタークリームもいいですね すっかり姿を消してしまいましたけど[08] … Continue reading

註釈

註釈
01 ちなみに饅頭は一晩冷まさないと 特に餡の味が落ち着きません 蒸し立てはうまいものじゃない 福砂屋さんによると カステラも焼きたては甘味を感じないそうです 生焼けのカステラが持て囃されたことがありましたけど
02 蒸篭で湯気を立てながら売るのは 中華饅頭が先か温泉饅頭が先か知りません 蒸したての演出ですね パッケージなしで棚に並べ客に取らせるるパン屋は アンデルセンあたりが始まりじゃないでしょうか これも焼き立てをイメージさせます
03 ショートケーキはコロンバンが発祥で最初は四角だったそうです 上から見ると白いクリームにイチゴが真ん中にあって日の丸を表していたとか イチゴは色合いと味のアクセントとして使うのです イチゴが大きすぎてはいけない
04 まるで太巻きみたいなロールケーキが見られますが苦手ですね なにより食べにくいのが嫌です あんこを使った菓子類で「私あんこ苦手ですが あんが3倍も入ったこれなら 何個でもペロリといけます」といった 怪しい意味不明なコメントがはびこる昨今です
05 一時生チョコと称するものが流行りました あれはガナッシュとは違う求肥に近いものです そのあと生カステラ生どら焼き生食パンまで出てきました 京都の生八ツ橋が始まりみたいですね ニッキ風味といい簡単な作りの形状も 駄菓子そのものの修学旅行土産の定番
06 アヲハタ55ジャムは糖度55%から名付けられました これが低糖度(!!)のジャムとして売り出されたのです 最近は砂糖不使用・糖分34%なんてのがあります フルーツ100%をうたうジャムもあります 食べてみましたが フルーツペーストと濃縮還元果汁をペクチンで固めたものですね 紙パックのジャムと大差ない(あのスドウとかが作ってます) 日本ではジャムの糖度は40%以上とされています 国際規格では65%以上です 日本のジャムは世界の基準から大きく外れた紛い物ばかりとなります
07 もともと洋菓子は膨らませるので嵩増しできます 原価率が低く和菓子より儲けの多いものでした 食パンもモチモチ・フワフワばかりになりました ふわふわパンは デンプン粉で形が崩れないようにします その結果もちもち(ネチネチ)食感になる デンプン粉で弾力を出すのは カトキチの冷凍ウドンからでしょうか
08 バターケーキもバタークリームも あまり体積が増えないので材料費がかさむし バターそのものが 農林省と農協の画策で不当に高くなっています ショートニングを使ったふわふわケーキが増えるのも止むを得ない ふわふわ・もちもちバームクーヘンなんて わけの分からんものまであるようです
コメントは受け付けていません

卵かけご飯

卵かけご飯 いろいろなやり方があると思います 私にとっては「炊き立てのご飯」が絶対不可欠です 炊き立てでなければ 成立しないのが卵かけご飯です(あくまで個人の感想)
卵が重要なのでなく ご飯をおいしく食べるためと思っているからです もちろん卵の品質・鮮度は大切ですが 冷や飯に生卵では卵かけご飯とは言えないのでは(炊きたてでなくとも 電子レンジで使える陶器のお櫃で蒸し直してもいい 熱熱が肝心)

まず器に卵を割りいれ 箸でよくかき混ぜます 白身と黄身が別れているようでは かき混ぜ方が足りません 次はご飯茶碗に炊き立ての飯を山盛り装い ちょっと行儀が悪いのですが 中央に箸で穴を開けます そこへ溶いた卵を注ぎ入れる そして穴の内側からご飯をつき崩すように 卵と混ぜていきます
すると熱いご飯で卵が半熟状になります この半熟が大切なのです そのための炊き立てです 卵の溶き方が不足すると黄身だけが固まり うまく半熟状態になりません ご飯に対して卵の量が多すぎてもいけません

最後に生醤油を掛け回し 今度は混ぜないで頂きます 他の材料は加えない ご飯・卵・生醤油のみです 醤油は絶対に生醤油でなければなりません 人工ダシを入れた加減醤油ではだめです 余計なダシ味は邪魔なだけです
先にご飯に醤油をかけるという人もいるようですが それでは簡易茶めしになるんじゃないか ご飯に味付けをしてはいけないと思います 生醤油は味付けとともに 卵独特の匂いを和らげる意味があります[01]もし新鮮な初卵(若鶏が初めて産んだ卵)が手に入ったら ぜひ塩少々だけで食べてみてください 醤油すら不要の卵本来の香味を味わえます

加熱の仕方が重要 生は鮮度ではない

ワサビ茶漬けもうまいですね ワサビはすり下ろすのではなく 細い繊切りにします こうするとツンとくる辛味よりも爽やかな旨味を味わえます
ご飯の量は茶碗の三分の一以下です 多いと汁かけ飯になってしまい お茶漬けサラサラといかない といっても ご飯を水洗いして粘りを取る なんて手間は不要です
そしてこれが一番大切なのですが 必ず熱い煎茶をかけます 料理屋でやるような吸い地を張ってはいけません これでは茶漬けといえない ダシ味でワサビの仄かな風味が飛んでしまいます[02] … Continue reading
刻み海苔をパラパラと散らすのはいいでしょう それ以外は合わないと思います 最後に生醤油を数滴垂らして かき込みます ワサビの風味とご飯の滋味が味わえます

卵かけご飯 ワサビ茶漬けとも 極限まで限定された材料に 瞬間的に熱を加えることで雅趣を引き出します 熱を加える事が大切なのです 生では味わえない旨さがあります またダシ味も不要です 素材の邪魔をしてしまいます
冷たい料理もありますが いったん調理したものを冷やすのです 最初から熱を加えないでは 料理といえない 刺身は例外です これは包丁の冴えをいただく 包丁の入れどころを僅かに間違えると 筋が残ります[03] … Continue reading

ワサビ茶漬けの食べ方はお寿司やさんに聞きました 生の魚をスライスして寿司飯の上に乗っけても 寿司にはなりません 寿司は握る前の仕事に結構火を使うことが多い でなければ酢で締めしたり漬けにします
刺身にしても江戸時代では 湯引きするのが当たり前でした 土佐造りは火で直接炙りますね 伊勢の片焼きというのもあったそうです(今でいう炙りです 切り身の煮魚に熱くしたコテで焼き目をつけていました) 伊勢うどんと同じく省力化のためです どちらも簡便なものですが なかなか美味かったらしい

もう一つ好物が こんがりと焼いたトーストに マーガリンを塗り 薄い紅茶でいただくことです バターでは風味が勝ちすぎて旨くない しかし残念なことに 塩っぱいマーガリンがなくなってしまいました[04] … Continue reading リス印は1972年で家庭用マーガリンの製造をやめています 雪印ネオソフトの発売が1968年ですから その影響かと思われます
新潟県にサンドパンというものがありました マーガリンにグラニュー糖?を加えたものを 2つ割のコッペパンに挟んだ菓子パンの一種です マーガリンの塩っけと砂糖のジャリジャリが相まって旨い[05] … Continue reading サンドパンは今でも売っています でもフワフワ・トロトロのホイップクリームみたいになってしまいました 昔食べた食感とまるで違います

註釈

註釈
01 もし新鮮な初卵(若鶏が初めて産んだ卵)が手に入ったら ぜひ塩少々だけで食べてみてください 醤油すら不要の卵本来の香味を味わえます
02 茶漬けは自分で あるいは伴侶が作るもの 料理屋で頼むものではないと私は思います もともと料理とも言えないわけですから だから名古屋の「ひつまぶし」の良さが分からない もちろん鰻屋さんで食べたことはあります 面倒な手間を掛けているだけという印象でした
03 池波正太郎先生が “家で鯛の刺身をやるときは、生醤油ヘ良い酒を少し落とし、濃くいれた熱い煎茶へ塩を摘みいれたのを吸い物がわりにして御飯を食べる” と書いておられました これは真似してみたいですね
また 店では吸い物で銚子を2本 鯛の刺身でご飯を戴いたようです 私は刺身を醤油に漬けて熱い御飯の上に載せ これを酒菜に冷たい大吟醸酒を呑みます 池波先生のように吸い物で燗酒を呑むのができない
04 食パンも もちもち・ふわふわパンばかりになってしまったので サクッと歯切れのよい口どけのよい こんがりトーストは望むべくもありません
パン類も洋菓子も膨らませるので 利益率はもともと高いものです その上に近頃は更にふわふわ食感がもてはやされる フワフワもトロトロも材料費がかからず 大変ありがたい風潮ということになります
05 カステラも持ち重りのするしっとりとした食感が好きです そして底にはザラメが敷いてあって ジャリジャリしないといけません(鈴カステラはその限りではない)
甘くフワフワな生食パンなる奇妙なものが売れています コッペパンは食パン用の生地を使います この生食パンとやらは逆に菓子パンの生地で食パンを焼いたもののようです
コメントは受け付けていません