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主権

王制国家は王様が主権を持っています その主権は何に由来するのでしょう 神(教会)から授けられたものです 教会から戴冠式の神事を受けなければ王権はありません 王様の言動が国民のためにならなければ 神の名のもと王を廃することができます
王権を制限した(あるいは廃止した)国民主権でもこれは同じです 権力を行使する機関は憲法で定められますが 憲法の権威は神が担保します[01] … Continue reading
たとえば基本的人権は 神から与えられたものです 人はみな神の前に平等です(だから王を追放したり処刑できます) 憲法に書いてあるからじゃないし 生まれたときから自然に備わるものでもない なので人間以外の動物には権利がありません

7月29日追記=ALSを患う女性で安楽死・尊厳死か嘱託殺人かと問われているケースがあります 人の命に対する考え方は宗教や民族で異なることを考慮しないと 物事の本質を見誤ります キリスト教で人間の肉体は元粘土であり魂は神の息吹です 臓器移植やクローンもそんな発想からと思います
キリスト教は自殺を禁じています 何故だと思いますか ほかの動物と虫や魚は地面・水中から勝手に生まれてきたのですが 人間は神が我が姿に似せて粘土を捏ねて作り それに息を吹き込んで生まれました つまり人間の命は神から授かったものなのです 人が人を殺すことは神の行いをないがしろにすることになります 自殺も他殺も同様です 他の動物と違い人間の命だけは神の司るものなのです
死後魂が神のもとに召喚されるとはそういう意味です とにかく命は大事だとか 生きる権利とかいう抽象論ではなく 明確な規範があるのです 他の動物は人に食べられるためにあるから関係ない 内陸部でできた宗教なので鯨を食べる習慣はありません 最後の晩餐には魚料理が出ていますが 柑橘類が添えられているので 淡水魚の塩漬けか干物でしょう)

日本はキリスト教国でありません 権威は朝廷でした 天皇から認定された将軍なり関白が元首となります 征夷大将軍は事実上世襲でしたが一代限りです 責任をとって大政奉還もあるのです 教会と王権と同様の仕組みと言っていい[02] … Continue reading
明治にできた帝国憲法は欽定憲法です 天皇陛下の権威で定めらました しかし元首も天皇とされました これは大きな矛盾です しかも実際には天皇陛下に決定権がなく 総覧するだけなので合議制で決まります 主権(責任)はどこかに行ってしまいました
天皇陛下はもともと権威の象徴で 権力を持ってなかったのだから 決定権もないのです 現人神とはよく言ったものです キリストを神の子とするのと似た発想かもしれない

日本国憲法には拠って立つ権威がありません(英語原文を読めばキリスト教の精神に基づくものですが 巧みに意訳しています) 権威に拠るものでなければ すべての法律の上位に立つ根拠がない
そこで日本国憲法は 帝国憲法の規定に則って改正されたものである という詭弁を用いました 現行憲法も天皇の勅令によって発布されていますから 形式上は欽定憲法なのです 国民投票で決められたわけじゃない この成立の経緯はペテンと言っていいでしょう[03] … Continue reading

現行憲法はGHQから授けられました(決して押し付けではない授かったのです) 原文が英語であり 条文の根幹もキリスト教精神です アメリカの国体がモデルなので 日本の歴史伝統は無視されています 拠り所となる権威はマッカーサー? ザビエル・フロイスも成し遂げられなかった 日本の教化に強権を持って成功した?
現行憲法を定めた権威が明らかでないから 憲法そのものが最高絶対の権威だと主張する者が現れます 神聖にして侵すべからず あたかも神に平伏するごとく崇め奉るのです 一種の偶像崇拝でしょうか 憲法という名がついているから一番偉いのだとする メチャクチャな理屈です[04] … Continue reading

主権者には国益を守る義務があります 王制なら王様と貴族がその任に当たります 国民主権だと選挙で委託された元首と国民になります
アメリカ合衆国大統領は 自治権を持つ州から委託された元首です(だから大統領選挙は国民投票でなく州代表が投票します) 連邦議会も州の代表といっていい
明治憲法にも現行憲法にも 主権者と元首の関係が明確に規定されていない そのため外交も国防も誰がやるのか誰が責任を持つのか曖昧です
ことが起きたときは アメリカの州兵のように自衛隊が連邦軍の指揮下に入るのでしょうね なにしろ交戦権がないので戦えませんから

註釈

註釈
01 日本国憲法前文の『日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。』の(崇高な理想) 日本人にとってあまりにも抽象的で意味するところが不明です 実はこれは神の教えのことなのです キリスト教徒なら理解できますから 具体的にいう必要がなかった
英語の原文を機械翻訳すると以下のようになります『私たち日本国民は、人間関係を律する高い理想を深く自覚し、いつまでも平和を希求し、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、私たちの安全と生存を守る決意をいたしました。』 人間関係には国際関係も含まれます 平和を愛するのは日本以外の諸国民です 日本国民は彼らに安全と生存を委ねると宣言しています
02 征夷大将軍は武家の頭領です しかし日本は島国だったため侵略の脅威がなく 国軍や辺境警備の発想がありません ペリーが開国を迫った時に軍事力の後ろ盾で外交交渉ができなかった おまけに薩長は内乱を起こす始末です 公武合体で権威を高めようとしましたが そんな泥縄が通用するはずもなく 全く機能しない征夷大将軍を返上したのが大政奉還ですね
03 何事でも物事には始まりと終わりがあります 昭和大戦は昭和天皇の詔勅によって始まり詔勅により終わりました しかし現行の日本国憲法は始まりがありません 占領軍の指示により英語の原文を翻訳して憲法としたのですが 正式な発布の手続きを踏んでいません 帝国憲法の改定という形を取ったのです
いわばマッカーサーから下賜された欽定憲法でしょうか 占領政策のひとつでした サンフランシスコ条約締結で廃棄すればよかったのですが そのまま 始まりがこんな様だから 終わりもなく 曖昧に姑息に続いていきます 国体が明らかでない今の日本の姿そのままです
04 世界のほとんどの国には法律以前の精神的規範があります 聖書やイスラム法典また四書五経などです 仏教もお経があります しかし日本でお経は唱えるもの 上げてもらうものです 内容を精読はしない(日蓮宗などは法華講で勉強するみたいです 教祖を神聖視するのも一神教に似ています)
ソクラテス・孔子・釈迦は およそ2500年前に生まれたと言われます キリストは2000年前でマホメットはそれよりかなり遅い モーゼはもっと遡り3500年前だとされます 聖典は彼らが自分で書いたのでも口述筆記でもありません(コーランはマホメットの口を借りた 神の言葉を記したとされます) 弟子や又弟子が師の教えを自分の解釈で作ったもの(解釈の違いで宗派が生まれます) 何れにしても体系的な宗教・哲学はそれほど昔からじゃないのです
1万年前の縄文時代から日本には文化文明がありました でも哲学や宗教を育むことはなかったようです 自然と共存し他民族との軋轢がなかったためです 畏れ敬うのは自然そのもの 人間関係に悩むことはなかったのです たぶんこれが日本人の宗教観の根底にあります 砂漠に生きる人たちや民族間の争いに明け暮れる人たちと 考え方が違うのは当然とも言えます 国際関係に疎く外交が不得手なのもそうです

カテゴリー: 情報戦・心理戦一般 日本の伝統・本流